2018年07月31日

鉄道ミステリとNゲージから・「消えた貨車」とトム50000

 断続的に続けています鉄道ミステリのはなし
 今回は特に車両のプロトタイプを特定できる話ではないのですが、昨年来Nゲージの貨車ネタが少々盛況なので書いてみる気になりました。

 今回取り上げるのは光文社文庫の鉄道ミステリアンソロジー「無人踏切」所収の夢座海ニ作「消えた貨車」
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 ニュースカメラマンの主人公が、とある貨物駅で助役から聞かされた貨物の消失事件の話からそこに仕組まれた犯罪計画と犯人を指摘しようとするというのが大まかなストーリーですが、ほぼ全編が主人公と助役の会話だけで成立しておりアームチェアデティクティヴ(安楽椅子探偵物)的な頭脳遊戯の体裁を成しているものです。

 リンゴを積んだ貨車を1両丸ごと抜き取る(様に見せかける)事で詐欺を成立させるという発想は殺人事件が主流を占める鉄道ミステリの中でもかなり異色と思いますが、ラストのひっくり返し(ここは是非ご一読を)で独特の読後感を感じさせます。

 ですが鉄道ファンにとっての本作の魅力は実はそこではなく冒頭とラストの「貨物駅の描写」にあると思います。

 今でこそコンテナとタンカーばかりで些か無味乾燥になりがちな貨物駅ですが本作が書かれた頃の貨物列車はワムもあればトラもあり、ツムやカやどうかするとコンテナ車やタンク貨車まで一つの編成に併結されるオムニバスが当たり前でした。
 それらの貨車を仕分けし組み合わせて一つの編成を作り上げるプロセスはオムニバス編成の魅力が横溢した光景だったと思います。
 本作の冒頭ではたっぷり数ページを割いて「夜なお活気溢れる貨物駅の操車場」を描写しています。
DSCN9956.jpg
 さて、本作に登場する車両も当然貨車でして作中では「トラ13887」と呼ばれる無蓋車です。初読の当時は「無蓋車でリンゴを運ぶなんてあったのか?」と訝ったものですが、実際収穫の最盛期では本来野菜輸送に適したワムやツム(通風性のいい有蓋車)だけでは足りず無蓋車や、どうかすると長物車まで動員してリンゴを捌いていたのだそうです。もちろん荷台にはきちんと防水カバーなどを使うわけですが。

 作中のイメージに近いというとナインスケールのトム50000とか最近TOMIXから出たトラ14500辺りが近いかなと思います。実際当時の編成がどうだったのかは資料不足でよくわかりませんでしたが。・

本作を久しぶりで読み返してみるとなんとなく貨物駅のレイアウトが作りたくなります(笑)

光山鉄道管理局
 HPです。昨日「車両紹介」の項「電車」の「路面電車」一部追加しました。

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posted by 光山市交通局 at 06:00| 岩手 ☀| Comment(2) | 映画・映像・小説など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする