2019年04月04日

鉄道ミステリとNゲージ 番外編 「黄金の新幹線」

 まず最初に
 昨日は辛気臭い話を書き殴ってしまいすみませんでした。

 今回の件では色々と考えさせられる所の多かった一方、自分自身への自戒とスタンスを再確認するという意味では無意味ではなかった気はします。

 そんな訳で今日は少しいつもと違ったネタでやってみたいと思います。

鉄道ミステリとNゲージネタ、今回は番外編です。
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 昭和40年代から50年代半ばにかけて当時の少年劇画で一世を風靡した望月三起也の「ワイルド7」
 私も当時行きつけの大衆食堂に置いてあった少年キングを楽しませて頂いたものです(ジャンプやマガジンは放っていても同級生の誰かが学校に持ち込んでいたので不自由しなかった一方、なかなか目にしないキングを読むのはこうした食堂でしたw)

 これがなぜこのブログにと不思議に思われる向きもおありかと思いますが、本作の中の一編が結構当時の私の琴線に触れていたからです。
 その作品と言うのが「黄金の新幹線」

 本作が描かれた当時は東北・上越新幹線が工事のとっかかりに入っていた時期でしたのである意味タイムリーな題材ではあります。

 新幹線用地の買収を見越して土地を買い占めていた黒星建設。しかし買収した土地の隣が運輸大臣の出身地だったために路線が変わってしまい大損害を蒙る事になってしまう。
 その恨みから黒星建設は殺し屋を雇い大臣の暗殺を計画。
 大臣の乗った新幹線の試験列車の路線上に仕掛けを施し、事故に見せかけた暗殺計画が決行される。

 一方暗殺計画を察知したワイルド7の面々は大臣の護衛と犯人の解明と始末に乗り出す事になるが、事態が進むにつれて事件は暗殺にとどまらず新幹線の手抜き工事、更には会社そのものの乗っ取り計画へと二転三転してゆくのだった。



 大雑把なあらすじはこうなのですが、実は本作はワイルドのシリーズ中でもあまり出来の好い方ではなく、プロットが二転三転するうちに整合性を失ってしまい、結末に近づくにつれて何がなんだかわからなくなってしまう弱点があります。
 (本作は他の話が単行本2,3冊は消化しているのに1冊で収まるという通常の話の半分以下のボリュームなので、プロットが未消化のまま書かれてしまった可能性が高いですが)
 尤も活劇目当てで読む分には問題ないですが。
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 (徳間書店 徳間コミック文庫 8Pより画像引用)
 また、アクションやカーチェイス、あるいは新幹線絡みのスペクタクルもあるにはあるのですが、作者があまり鉄道を調べずに描いていた様で新幹線では見かけないプレートガーダー橋(この点について実例があるか調べてみたのですがよくわかりませんでした。ご存知の方、ご教示をお願いします)がトリックに使われたり、崖が線路のすぐそばまで迫っている様な普通ではあり得ないロケーションに線路が引かれていたりと鉄道ファンが読めば失笑する描写が続出します。

 ですが当時の私はこれを随分とむさぼり読んだもので、単行本も複数買い込んだりしたものです(自慢にも何にもならない)
 もちろん本作の持つ劇画調そのものと言った感じの勢いのある描写が最大の魅力でもあるのですが。
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(徳間書店 徳間コミック文庫 10Pより画像引用)
 作品の冒頭の大臣暗殺計画の所で実際の路線のレイアウトを組んで実演するところとか、物語中盤で線路を監視するヘリコプターの真上でがけが崩れるサスペンス、鉄橋から落ちかかった新幹線から車両が転落する前に乗客がゆっくりひとりづつ降りる描写など、レイアウト嗜好を感じさせるような描写に惹かれたのだと思います。
 (その一方で銃器や車の描写は鉄道に比べると確かでコーナリングでFF車とFR車の違いをきちんと描き分けていたりするので鉄道の描写のいい加減さに比べてややちぐはぐだったりするのですが)

 まあ、やろうと思えば本作をモチーフにしたレイアウトとかモジュールとかを作る事も出来ない事はないでしょうし。
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 又時代を象徴と言えば本作が描かれた当時は東北新幹線のカラーリングが決定していなかったので車両のカラーリングはまんま東海道新幹線のそれで、もちろん大窓車ですw
 (昭和50年頃までは地元の新聞ですら東北新幹線の予想図に「青い新幹線」が描かれていた位なのでこれはミスのうちには入りませんが)
 
 そんな訳で新幹線開通前夜のあの頃の私にとって本作は特別な位置を占めている一作でした。

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2019年02月15日

鉄道ミステリとNゲージ30「下り終電車」

 これまで車両やストラクチャーと言ったアイテム中心に書いてきた「鉄道ミステリとNゲージ」ネタ。
 そろそろ玉数も少なくなっていますし、レイアウトや線路なども取り入れつつもう少し続けてみようかと思います。
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 今回はカッパノベルズ版「下りはつかり」所収 坪田宏作の「下り終電車」
(本作は現在著作権フリーな筈ですが青空文庫をはじめWEB文庫ではまだ上がっていないようです。ですから光文社文庫版の「下りはつかり」を探して読むのが最も楽かと思います)
 本作はとある架空の地方私鉄を舞台に、ある疑獄事件の証人であった男の轢殺死体の謎を追う短編です。

 死体の発見状況から轢断したのはその私鉄の下りの終電車以外考えられず、しかもその列車には乗客として重要容疑者であるその私鉄の社長が乗っていたという鉄壁のアリバイ!
 しかし一方で被害者の息子から依頼を受けた私立探偵は調査の過程で、運転士がそのような死体を見ておらず、車両自体にも轢断の痕跡が残っていない事に目を付ける。

 一体被害者の男に何が起こったのか、犯人の仕組んだトリックは!?


 と大雑把にあらすじを書くとこうなります。
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(光文社カッパノベルズ「下りはつかり」211Pより引用)
 実は本作の特徴は発見現場周辺の鉄道の線路配置がトリックの種になっています。
 ですので文中にそれらの地図も付属していますが、ネタバレを避けつつ書くなら何といいますか「これ、レイアウトでやってみたい」と思うようなこじんまりとしたポイントToポイント、適度にカーブや勾配もありますし本当にレイアウト臭いのです。
 (まあトリックのために作者の頭から産みだされた架空の線路ですがw)

 因みに前回紹介の「天空の魔神」と異なり、本作のトリックは理論上はNゲージで再現可能です(別に16番でもZゲージでも可。スペースさえあればお座敷運転でもできます)
 但し実物の鉄道でこれが出来るかと言うと、現在はもちろん恐らく当時でもほぼ不可能だと思います。
  この作品は読者と推理比べをするのが目的でないので、読者は「ひたすら探偵の語るトリック解明にお付き合いさせられる」と言う難点がありますが上記のような下心のある人が読むと結構楽しめます。


 犯人は大体皆さんのご想像どおりですが(笑)トリックとは別にラストで語られる犯人の悪辣さはアンソロジーの中でも際立っていまして読者が全く共感できないその人物像は、いまだに私の中で強い印象を残します。
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 本作の舞台は前述の通り架空の地方私鉄なのですがそれに合致しそうな車両と言うと「鉄コレの富井電鉄の車両」なんかが似合いそうですね
(無理やりNゲージにこじつけました笑)

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2018年11月27日

「停車場の趣味」


停車場の趣味

以前は人形や玩具に趣味をもって、新古東西の瓦楽多をかなりに蒐集していたが、震災にその全部を灰にしてしまってから、再び蒐集するほどの元気もなくなった。
殊に人形や玩具については、これまで新聞雑誌に再三書いたこともあるから、今度は更に他の方面について少しく語りたい。

これは果たして趣味というべきものかどうだか判らないが、とにかく私は汽車の停車場というものに就いてすこぶる興味をもっている。汽車旅行をして駅々の停車場に到着したときに、車窓からその停車場をながめる。それがすこぶるおもしろい。
尊い寺は門から知れると云うが、ある意味に於いて停車場は土地そのものの象徴と云ってよい。
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そんな理窟はしばらく措いて、停車場として最もわたしの興味をひくのは、小さい停車場か大きい停車場かの二つであって、どちら付かずの中ぐらいの停車場はあまり面白くない。
殊におもしろいのは、ひと列車に二、三人か五、六人ぐらいしか乗り降りのないような、寂しい地方の小さい停車場である。そういう停車場はすぐに人家のある町や村へつづいていない所もある。
降りても人力車一台も無いようなところもある。停車場の建物も勿論小さい。しかもそこには案外に大きい桜や桃の木などがあって、春は一面に咲きみだれている。
小さい建物、大きい桜、その上を越えて遠い近い山々が青く霞かすんでみえる。停車場のわきには粗末な竹垣などが結ってあって、汽車のひびきに馴れている鶏が平気で垣をくぐって出たりはいったりしている。
駅員が慰み半分に作っているらしい小さい菜畑なども見える。
夏から秋にかけては、こういう停車場には大きい百日紅や大きい桐や柳などが眼につくことがある。
真紅まっかに咲いた百日紅のかげに小さい休み茶屋の見えるのもある。
芒の乱れているのもコスモスの繁っているのも、停車場というものを中心にして皆それぞれの画趣を作っている。駅の附近に草原や畑などが続いていて、停車している汽車の窓にも虫の声々が近く流れ込んで来ることもある。
東海道五十三次をかいた広重が今生きていたらば、こうした駅々の停車場の姿をいちいち写生して、おそらく好個の風景画を作り出すであろう。
停車場はその土地の象徴であると、わたしは前に云ったが、直接にはその駅長や駅員らの趣味もうかがわれる。
ある駅ではその設備や風致にすこぶる注意を払っているらしいのもあるが、その注意があまりに人工的になって、わざとらしく曲がりくねった松を栽えたり、檜葉をまん丸く刈り込んだりしてあるのは、折角ながら却っておもしろくない。
やはり周囲の野趣をそのまま取り入れて、あくまでも自然に作った方がおもしろい。長い汽車旅行に疲れた乗客の眼もそれに因っていかに慰められるか判らない。
汽車そのものが文明的の交通機関であるからと云って、停車場の風致までを生半可な東京風などに作ろうとするのは考えものである。
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大きい停車場は車窓から眺めるよりも、自分が構内の人となった方がよい。勿論、そこには地方の小停車場に見るような詩趣も画趣も見いだせないのであるが、なんとなく一種の雄大な感が湧く。
そうして、そこには単なる混雑以外に一種の活気が見いだされる。
汽車に乗る人、降りる人、かならずしも活気のある人たちばかりでもあるまい。
親や友達の死を聞いて帰る人もあろう。自分の病いのために帰郷する人もあろう。地方で失敗して都会へ職業を求めに来た人もあろう。
千差万別、もとより一概には云えないのであるが、その人たちが大きい停車場の混雑した空気につつまれた時、たれもかれも一種の活気を帯びた人のように見られる。
単に、あわただしいと云ってしまえばそれ迄であるが、わたしはその間に生き生きした気分を感じて、いつも愉快に思う。
汽車の出たあとの静けさ、殊に夜汽車の汽笛のひびきが遠く消えて、見送りの人々などが静かに帰ってゆく。その寂しいような心持もまたわるくない。
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わたしは麹町に長く住んでいるので、秋の宵などには散歩ながら四谷の停車場へ出て行く。
この停車場は大でもなく小でもなく、わたしには余り面白くない中くらいのところであるが、それでも汽車の出たあとの静かな気分を味わうことが出来る。堤の松の大樹の上に冴えた月のかかっている夜などは殊によい。
若いときは格別、近年は甚だ出不精になって、旅行する機会もだんだんに少なくなったが、停車場という乾燥無味のような言葉も、わたしの耳にはなつかしく聞えるのである。



今から40年近く前になりますか。岡本綺堂のこの随筆の様な心持になって故郷の駅のホームに特に用もなく上がり込んでいだ事があります。
専ら遠出の旅行の時しか縁が無く通勤、通学に鉄道を使わない人にとっては鉄道、或いは駅と言うのはそのまま非日常の象徴みたいなものに感じられるものですが、中でもホームの上、改札口の内側と言うのはまさにそうした非日常感を強く感じさせるものと思います。

で、そんな非日常感を味わいにわざわざ入場券を買ってホームに上がったのですがタイミングが悪かった。
当時平日の昼間と言うのは普通列車のスパンがどうかすると1時間以上空く事もザラだったのですが「列車も来ないホームにわざわざ上がってボーッとしているボンクラ」と言うのはどこから見ても不審者にしか見えない。
そう、上がって10分くらいで「公安官に職務質問される」という学生の身としてはこの上ないこっ恥ずかしい経験をする事になります(爆笑)

まあ、それは置いておいて


岡本綺堂のこの一篇、青空文庫で手軽に読めるようになっている事もあるのですが、私も良く読み返します。
趣味人ならずとも駅そのものが持っている魅力と言うものをこれ程鮮やかに俯瞰して見せた随筆と言うのを私は知りません。

それもあって全文をこういう形で再録しました。
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特に大きい停車場の持つ一種独特の活気、ターミナル性のある駅なら大なり小なりそんな面を持っていると思いますが、最近はその雰囲気を味わうためにわざわざ日曜夜の駅に繰り出すことがめっきり増えました。
流石に入場券を使ってまでしてホームに上がる事はないのですが、うちの近場のターミナル駅の場合コンコース前の賑わいというのは殊夜の早い当地においては数少ない「日曜夜に活気を感じられる場所」です。
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平日の様に通勤客で忙しない雰囲気が日曜の夜だけは幾分かは薄められます。
それにも増して「観光帰りらしい家族連れ」とか「東京辺りで何かの発表会に出ていたと思しき煌びやかな和服の集団」「見るからに部活か試合帰りと言った趣のジャージの学生たち」
平日とは明らかにノリの異なる一種呑気さを感じさせる人たちを眺められるというのもこの時間の特徴です。
或いは「改札前で(まさかこんなのが今でも見られるとは思いませんでしたが)同僚たちの万歳の声に送られるスーツ姿のおじさん」なんてのもあったりします。

日曜夜と言うとどうしても「明日は憂鬱な月曜日」と言う心理的圧迫を感じやすいタイミングなのですが、前夜のいっときでも呑気でいたいと思うそれらの客の心持が見ているこちらにも伝わってくるような気もします。
そんな風景を眺めつつ一杯の缶コーヒーを口に運ぶ瞬間というのはなかなかたまらない物があります(これまた一歩間違えばホームレスに間違えられそうですが)
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逆にこういう晩に平日なら通勤客でにぎわうような無人駅なんかに行くとその寂寥感ときたら寂しいを通り越して恐怖すら感じる事があるのですが。

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2018年11月03日

EB58と「ある機関助士」

 先日紹介したカツミ模型店の16番モデル「EB58」ですが、入線後意外なところでこのモデルを見つけました。
 今回はそのはなしから。
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 毎年10月になるとCSのドキュメンタリー系のチャンネルでは鉄道の日に因んで鉄道番組の特集が組まれるのが通例になっていました。
 今年もあるかなとか思って番組表をチェックしていたのですが生憎今年はその手の企画は殆ど無し。
 BSの民放系で散発的に放映があった位です。

 これは今年は不作かなとか思っていたのですが、月末になって邦画の専門チャンネルで鉄道映画の特集が組まれ、やっと渇が癒されました(笑)
 そこで放映された中に「ある機関助士」(1963年岩波映画)と言うのがあります。
 本作は常磐線を走る急行「みちのく」の水戸〜上野間を舞台に、牽引機のC62 22号機と機関助士の勤務と日常を紹介するドキュメンタリー映画です。
 その中で助士の回想として鉄道学校の教習シーンがあったのですが、模型を使った信号関係の教習シーンを見ていたら、その中に何か見覚えのある機関車が。
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  (岩波映画「ある機関助士」より画像引用)
 この間中古モデルを入線させたカツミのEB58ではありませんか!(笑)
 牽引している二軸のフリー客車も当時のカツミの入門セットの定番だったモデルです。
 まさかこんな所でEB58に出会うとは。

 ・・・とまあ、最初はそれで済んでいたのですが何度か観返しているうちに妙な事に気づきました。

 屋根上のパンタグラフが歪んでいるのはまあ、使い過ぎで説明できるのですが、機関車の屋根上機器が変です。
 これも使い過ぎで壊れていたのかと思ったのですが別なカットで教習生が屋根をポンとたたいて列車を停めるカットがあり、屋根上機器と思われたのが走行スイッチだったと気づきました。
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(岩波映画「ある機関助士」より画像引用)

 真横からのカットをよく見ると客車の中に乾電池らしきものまで見えます。
 つまりこのEB58、私らが使う様なテツドウモケイと異なる電池駆動式だったのです。
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 (岩波映画「ある機関助士」より画像引用)


 教習シーンを見ると側線から割り込んだ列車が並走する貨物に突っ込むカットがあるのですが、これを直前で停めようとするとレールに電気を流す鉄道模型ならポイントの切り替えで事故を回避できます。ですが運転士の立場からすると機関車の方を操作して列車を停めなければならない訳ですから、列車が単独で走行できる電池式を使っていた様なのです。
 (1963年当時は機関車を単独で操作できるメルクリンデジタルもDCCもなかったでしょうし)

 ある意味鉄道模型のお宝映像みたいなものでしょうか(笑)

 なお、上記の点を差し置いてもこの作品はドキュメンタリー映画、それも鉄道マンの日常勤務を描写した物だけにマニアが外から撮った映画とは異なり機関区の点検風景から事故を想定した停止現示の訓練、或いは新幹線の試作車の走行シーンや機関区内に展示されている事故車らしき蒸機まで、これ特別シーンのオンパレード!
 それどころか普通の走行シーンですら、蒸機はもちろん旧国や準急塗装のキハ55系、当時最新型だったキハ81系などが登場しますし、当時は何という事もない風景だったであろう機関区内の描写やら、荷物車からの積み下ろし風景、駅ホーム上の待合客の姿から、通行人の風俗、踏切手前で止まる車のレトロっぷりに至るまでの1960年代前半の国鉄の風景がこれ以上はないと言うくらいの臨場感で描写されます。

 これがDVDよりもはるかに高精細なHVレベルの画質で放映されているのでまさに自分もその場に居合わせているかのような気分にさせてくれます。

 レイアウト派にとっては「全編お宝映像だけでできている」と言っても良い位の情報量と密度のある画面なので37分の上映時間、一瞬たりとも画面から目を離せないというある意味難儀な、そして空前の記録映画ではないかと思います。
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 私自身、これを観ていたら無性に「有人踏切」が作りたくなってきました(笑)

 余談ですがこの企画では本作のほかに戦前作の「指導物語」を筆頭にサスペンスの「点と線」スペクタクルの「皇帝のいない8月」アニメの「銀河鉄道999」ファンムービーの「すばらしい蒸気機関車」と非常にツボを心得たラインナップで丸一日鉄道映画の魅力に浸れた好企画でした。 

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2018年10月22日

鉄道ミステリとNゲージ・29「謀殺のチェスゲーム」と912

鉄道ミステリとNゲージネタ。
今回は割と長編で、しかもSFです。
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40年以上前に上梓された60〜70年代SFの古典となっている田中正紀作「謀殺のチェスゲーム」を取り上げます。
この前後の時期は「日本沈没」の大ヒットのせいか「もしも●●だったら〜」を題材にした擬似イベント型のSFが量産された時期で、設定があくまで当時の社会情勢や技術の延長で語られる文脈の物が多かった記憶があります。
それとこれまた当時流行の一種ハードボイルドな乾いた作風も特徴でしょうか。
「ホンダがレースに復帰する日」とか「戦国自衛隊」「復活の日」などがその代表格で映画になった作品も多かったですが実は本作も一時東宝が映画化を目論んでいたらしいです。

米中ソ連が国交断絶に等しい国際情勢となっていた1980年代、3国が踵を接する日本は戦略・外交に非常にデリケートな対応を迫られていた。
この難局を乗り切るために政治家でも軍人でもない、最高の頭脳を結集した新戦略専門家と言うセクションが防衛庁内に設置され日夜軍事・外交の両面から国際戦略の最前線に立っていた。

そんな折北海道でテスト飛行中だった最新鋭の特殊飛行艇PS−8が消息を絶ち、何者かの手によって強奪された事が判明する。
ポスト6次防の要で米中ソが目の色を変えてほしがる全身これ国家機密の塊ともいえるPSー8の奪還を指令された新戦略専門家チーム。

実はPS-8は開発メーカーを引きずりおろす為、ライバルメーカーとそこに雇われた元新戦略専門家・藤野によってひそかに強奪され、とある手段で北海道から東京に運ばれようとしていた。
新戦略専門家リーダーの宗像は今回の事件の影に藤野の存在を察知、PS-8の奪還のため日本全土を盤面とした壮大なチェスゲームの幕が上がるのだった。

と言うのが大まかなストーリーです。
PS-8は全高4メートルにも満たない特殊な構造のため主翼と尾翼を外せば意外に小さく格納できてしまうという特徴がありました。
そこに目を付けた藤野は(設定上)旭川から鹿児島まで複数の路線で列島を縦断しており、しかも国鉄のストライキで通常運行がない新幹線網を使ってPS-8を運搬する事を考え付くわけです。
「ディーゼルに引かれているのは新幹線電車じゃない。頑丈な貨車だ。もちろん外見は新幹線そっくりに偽装されているだろうが。故障列車を移動しているように見せかける必要があるからな」
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80年代の時点で当の新幹線自体盛岡までしか開通せず、しかも東京につながっていなかった現実を思うと、絵空事感が強い設定なのですが、書かれた当時としては精いっぱいのリアリティを表現しています。
(ついでに70年代のハードボイルドアクションものの文法にも忠実です)

新戦略専門家チームは当初トレーラーと船による移送ばかり考えていたために、新幹線の利用に気づくのが遅れたものの、東北地方を予想外の吹雪が襲った為に国道が閉鎖された事からターゲットの絞り込みに成功、戦闘ヘリで新幹線の追跡を開始します。
吹雪に気づいた藤野の側も青森から二線に分岐する新幹線に囮列車を紛れ込ませたり、同じく囮のトレーラーを大雪で封鎖された国道上を走らせて攪乱を狙います。

ここから先はほぼ全編がアクションと戦闘、新幹線を駒に使った詰め将棋的頭脳戦だけで構成されていていわゆる鉄道ファンが喜ぶようなミステリ要素は希薄になります。
とはいえ作中で新幹線の存在が大きなウェイトを占めているのは間違いないですし、クライマックス直前には列車のすり替えによるPS-8の消失トリックも一応登場します(笑)

さて、今回本作を取り上げたのは0系新幹線を出したかったからではありません。
故障車を装った0系に偽装した貨車を牽引する機関車にあります。

本作は田辺節夫の手になるコミカライズが当時掲載されておりそこに登場する0系を牽引しているのが912型ディーゼル機関車でした。
912形はDD13を標準軌に改軌した機関車で外見上はカラーリング以外DD13と大して変わりありません。
そのせいか昭和50年にトミーがDD13をモデル化した際に同時に912仕様も製品化していますし、最近もKATOがDD13をリリースした際に限定品で912塗装を出しています。
そして同じようにDD13を出しているマイクロエースでも912は出ていますが、実は標準軌用にオリジナルの台車を履かせているのはマイクロエースのモデルだけの様です。
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この912形、新幹線開業前後の時点までは形式名2003形と呼ばれる普通の国鉄カラーでますますDD13と見分けがつきません。
この2003形もマイクロエースが律儀に製品化しているのですが、これが出た当時DD13を探していた私が「似ていれば何でもいいや」とばかりに入線させた思い出がありますw
KATOやTOMIXがDD13をリニューアルするまではこのマイクロの仕様がDD13としてうちのレイアウトで活躍していたのですが、まさかこんな形で活用できる日が来ようとは。
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因みに実車の912形ですがDD13後期形をベースとした仕様は2010年代まで生き残り、現在はうち1両のボンネットが鉄道科学博物館で展示されています。

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2018年09月07日

鉄道ミステリとNゲージ28・「天空の魔神」

 鉄道ミステリとNゲージのネタ。
 いつもなら鮎川哲也編の大人向け鉄道ミステリアンソロジーからピックアップするのですが、今回は少し趣を変えてジュブナイルから
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 江戸川乱歩の少年探偵シリーズの一作「天空の魔神」から

 先に「消えた貨車」と言う作品で「荷物を積んだ貨車が1両丸ごと抜き取られる」と言う題材を紹介しましたが、こちらの方は伝票や書類の操作でもとから存在しない貨物を消失させ、代金を詐奪するという話でした。
 ですから実際に貨車が消えるという性格のトリックではありません。

 ですが本作では「本当に列車につながれた貨車が消える」それも「編成の真ん中の1両だけが!」という魔法じみたトリックが使われるのですからたまりません。
 少なくとも専用列車がひと編成丸ごと消えるコナンドイルの「臨時急行列車の消失」よりも難易度は高そうです(笑)

 休暇でとある山中の温泉宿に逗留していた少年探偵団の小林少年他2名の団員。
 そこでは近くの村で「空から巨大な手が降りてきて動物をさらい、畑に大穴をあける」と言う騒ぎが持ち上がっていました。
 迷信だと笑う団員たちですが、あるとき貨物列車が駅について見たら列車の真ん中に繋がれていた美術品を運んだ専用貨車が1両だけ消えているのが発見されます。

 はたして天空の魔神は実在するのか?もしそうでないならそのトリックは!?

 と言うのが大まかなストーリー。
 実は本作は少年探偵団ものとしては珍しい事に怪人二十面相や魔法博士は登場せず、それどころか他の全作品に登場している明智小五郎すら出てこない、全て小林少年だけで推理、解決が図られるというシリーズきっての異色作でもあります。

 ラストで小林少年によるトリックの解明が語られるのですが、ただ読むだけだったら「鉄道模型ファンなら誰でも実験したくなる」という難儀なトリックが登場するというのが本作の肝だったりします(爆笑)
 ネタバレも避けたいですが、実はトリックがあまりにも複雑なので一々解説する気になれないので出来れば一読をお勧めしたいです。
 但し机上の空論としては一応可能なトリックではあると申し添えておきます。

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(ポプラ社「江戸川乱歩全集・空飛ぶ二十面相」229Pより画像引用)

 (因みに普通の模型機関車を使う限りレールへの通電の都合上、TOMIXやユニトラックのポイントでは実験できません。あ、これはネタバレかw)
 このトリックでは当然貨車が主役となりますが、これは国鉄の制式貨車ではなく地方私鉄にまだ残っている(という事になっている)旧式の連結器(ねじ式?)とバッファーが付いた貨車でないとできないと思います。
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 こんな貨車や客車はNゲージで探すとなると外国形しか思いつけません。
 私の手持ちからそれらしいモデルを探すとこんな感じの車両になります。

 むしろプラレールの方が実験しやすいかもしれませんね。

 トリックが複雑なだけに他の作品に比べて理屈っぽくなってしまい面白みに欠けるのが本作の弱点です。犯人も一応登場しますがこれまたキャラクターの個性に欠けますし。
 ですから、これを面白がるのは模型ファンか鉄オタの中でも変わり者だけ(後、私みたいなボンクラ野郎)かもしれません。
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2018年08月21日

「新幹線公安官」と0系

 8月からCSで「新幹線公安官」(昭和52年・東映・ANB)というドラマがスタートしています。
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 西郷輝彦主演で内容は東京駅にある公安室のメンバーたちが新幹線の車内や駅構内などで起きる様々な犯罪に挑むというものです。
共演は中谷一郎、大坂志郎と西郷を合わせて「ナショナル劇場トリオ」に加えて坂口良子、三ツ木清隆、山村聰他。全体に地味なキャスティングですが以前紹介の「鉄道公安官」よりもハードな印象で笑える様なポイントがほとんどない生真面目な作品といえます。

 渡辺岳夫の手になる主題曲も緊迫感あふれる中にレールのジョイント音をモチーフにした様な名曲と思います。
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 (とはいえ管轄外に当たる鉄道施設以外の場でカーチェイスをやったりとか、新幹線車内でいきなり拳銃を抜いたりとかするのですが、まあ、あの頃のアクションものは大概こんなのでしたw)

 題材が題材なだけに新幹線、それも0系の走行シーンがゲップが出るほど堪能できるのが本作の特徴の一つ。加えて車内セットは「新幹線大爆破」のそれを転用した「実車と同じパーツが使用された」リアルなことこの上ないものです。
(それゆえセットでないとできない描写も多数w)
 それどころかカットによっては「新幹線大爆破」のミニチュアシーンまで挿入される事があります。

 あの当時新幹線と言えば無条件に0系の事を指していたのですが、その0系しか出てこないドラマなのに、その劇中ではシステム性や時間帯の違いによる車内の様子の違いなども結構描写されていて案外画面的に飽きる事が無いのが意外でした。
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 実は同じチャンネルでは先日来、石立鉄男主演の「鉄道公安官」(昭和56年 東映 ANB)というのもやっているのですがそちらの方はハートフルコメディ色が取り入れられ、割と気楽に観られるのですが、本作の方はそれに比べるとハードな印象で笑える様なポイントがほとんどない生真面目な作品といえます。
 こちらの作品も折を見て取り上げてみたいと思います。

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2018年08月08日

鉄道ミステリとNゲージから 「駅猫」とワム50000

鉄道ミステリネタから

昨年来貨車や客車のキットを作る機会が増えているせいか、今回のネタも貨車モノです。
双葉社の「鉄道ミステリ傑作選」所収、上田廣作「駅猫」をば。

上田氏というといわゆる「兵隊作家」の草分けの一人とされていますが、鉄道員だった経歴を生かした作品も数多く、ミステリと組み合わせる事で独特の味わいのある作品もいくつか物にされています。「指導物語・或る国鉄機関士の述懐」などは氏の両方の資質が発揮された一作と思いますが現在はこれのみが青空文庫で閲覧できます。できれば「駅猫」も出て来るといいのですが。
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内容は貨車を利用した一種のアリバイトリックものですが、ミステリとしてはごく普通の内容ながらも刑事の地道な捜査プロセスと駅周囲の描写の確かさでオチの見当がついても引き込ませるものを持っています。

本作の重要なモチーフとなっているのがいわゆる「駅猫」の存在です。
とは言っても別に和歌山鐵道の駅長のことではありませんw
かつて、貨物扱いの駅が多かった時代には構内に巣食うネズミを捕るために猫が飼われる事もあった様です。大概はそこいらの駄猫なのでしょうが餌に困らないので発育がよくなるのはともかく、そのうちに悪さをし始める様になると駅員の手で「他の駅に左遷させられる」ことも多かったらしい。
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この猫の存在が事件解決の鍵になるのですが、詳しくは実際に読んでいただく方が良いかと。

さて、先に「左遷」と書きましたがそのやり方は「回送中の貨物列車の中に捨てて行く」ものでして猫の入り用な駅があるとそこで改めて拾われるという独特な人事異動(笑)だった様です。作品自体はフィクションでしょうが駅猫のシステム自体はおそらく実際にあったことだと思います。
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猫を閉じ込めるのですから、捨てるのは当然有蓋車ということになりますが作品の時代から言ってワム80000では様になりません。作中でワムの他にスムやスラといった戦前ものの貨車が出ているところから見てNゲージモデルで該当しそうなのはナインスケールのワム50000とか新しくてもワム23000辺りが似合う気がします。

最近はワムとかツムでも扉が開放できるモデルがちらほら出ていますから、これを使ってミニシーンをレイアウトに組み込んでも面白いと思います。

ただ、Nスケールで適当な猫のモデルがあればの話ですが(汗)
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2018年07月31日

鉄道ミステリとNゲージから・「消えた貨車」とトム50000

 断続的に続けています鉄道ミステリのはなし
 今回は特に車両のプロトタイプを特定できる話ではないのですが、昨年来Nゲージの貨車ネタが少々盛況なので書いてみる気になりました。

 今回取り上げるのは光文社文庫の鉄道ミステリアンソロジー「無人踏切」所収の夢座海ニ作「消えた貨車」
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 ニュースカメラマンの主人公が、とある貨物駅で助役から聞かされた貨物の消失事件の話からそこに仕組まれた犯罪計画と犯人を指摘しようとするというのが大まかなストーリーですが、ほぼ全編が主人公と助役の会話だけで成立しておりアームチェアデティクティヴ(安楽椅子探偵物)的な頭脳遊戯の体裁を成しているものです。

 リンゴを積んだ貨車を1両丸ごと抜き取る(様に見せかける)事で詐欺を成立させるという発想は殺人事件が主流を占める鉄道ミステリの中でもかなり異色と思いますが、ラストのひっくり返し(ここは是非ご一読を)で独特の読後感を感じさせます。

 ですが鉄道ファンにとっての本作の魅力は実はそこではなく冒頭とラストの「貨物駅の描写」にあると思います。

 今でこそコンテナとタンカーばかりで些か無味乾燥になりがちな貨物駅ですが本作が書かれた頃の貨物列車はワムもあればトラもあり、ツムやカやどうかするとコンテナ車やタンク貨車まで一つの編成に併結されるオムニバスが当たり前でした。
 それらの貨車を仕分けし組み合わせて一つの編成を作り上げるプロセスはオムニバス編成の魅力が横溢した光景だったと思います。
 本作の冒頭ではたっぷり数ページを割いて「夜なお活気溢れる貨物駅の操車場」を描写しています。
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 さて、本作に登場する車両も当然貨車でして作中では「トラ13887」と呼ばれる無蓋車です。初読の当時は「無蓋車でリンゴを運ぶなんてあったのか?」と訝ったものですが、実際収穫の最盛期では本来野菜輸送に適したワムやツム(通風性のいい有蓋車)だけでは足りず無蓋車や、どうかすると長物車まで動員してリンゴを捌いていたのだそうです。もちろん荷台にはきちんと防水カバーなどを使うわけですが。

 作中のイメージに近いというとナインスケールのトム50000とか最近TOMIXから出たトラ14500辺りが近いかなと思います。実際当時の編成がどうだったのかは資料不足でよくわかりませんでしたが。・

本作を久しぶりで読み返してみるとなんとなく貨物駅のレイアウトが作りたくなります(笑)

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 HPです。昨日「車両紹介」の項「電車」の「路面電車」一部追加しました。

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2018年04月28日

鉄道ミステリとNゲージ25「あのひばりを狙え!」と485系

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 鉄道ミステリとそれに因んだNゲージ車両を取り上げる完全な暇つぶしネタ(大汗)
 気が付いたら今回で25回目です。最初はここまで続くとは思いませんでした。何事もやってみるものです。

 今回紹介する作品は双葉社の鉄道ミステリ傑作選所収、峰村潔作「あのひばりを狙え!」です。

 昭和53年、仙台―上野を結ぶ当時の東北本線の看板特急の「ひばり」のトイレで刺殺された男の死体が発見される。
 やがて捜査線上に浮かんだ二人の容疑者はそれぞれにアリバイを主張。いずれの場合も被害者の乗るひばりに乗り込むことができない。
 しかし当日は東北本線のダイヤがアクシデントによって乱れていた事が突破口となり犯人のトリックが明らかになるのであった。

 というのが大まかなストーリーです。

 このアンソロジーを編纂した鮎川哲也氏が解説していましたが「時刻表と座席見取り図が付いた典型的な鉄道ミステリ」です。
 時刻表に掲載されているダイヤの組み合わせで思いもかけない場所に先回りしたり、行けないと思われていた場所に乗り付けたりするというのは昭和の鉄道ミステリでは王道とも言えるパターンです。
 それだけにこのジャンルのミステリは数字の組み合わせが連続する無味乾燥な作品になりがちで、トリックをどう人間描写と組み合わせるかが肝であると言えます。

 本作の場合作者(後述)が一種の余技作家だったらしく、大家の作品に比べて平板な印象に陥ってしまっているのが惜しい感じがしました。
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 ではなぜ本作を取り上げたかと言いますと「舞台の設定が新幹線開業直前の最盛期の東北本線〜上野駅を髣髴とさせるところ」にあります。
 今でこそ平成世代には名前を知っている人も少ない「ひばり」ですが、かつては「とき」と並んで最も本数の多い在来線特急とされ仙台以南の東北本線の顔ともいえる存在でした。
 「とき」の方は上越新幹線で名前が受け継がれましたが、「ひばり」の方はなぜか消滅。東北新幹線で「ひばり」の役割を負ったのは「あおば」となってしまいました。
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 本作ではこれ以外にも「ひたち」「北星」「やまびこ」なんかの「あの時のトッキュウレッシャ」も登場します。
 「ひばり」をはじめ、これらが行き来していたあの頃の東北本線(特に仙台以南)は「特急密集地帯」でもありました。
 本作を読んでいるとかつて私が上京したり、雑誌なんかで想像したりした活気あふれる東北本線が何となく偲ばれるのです。
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 さて、「ひばり」と聞いて私が真っ先に連想するのはなぜか「ボンネット時代の485系」です。
 今でこそ483系なんかを入れてもこのタイプの485系は各社からリリースされていますが、最初にこれがNゲージで出たのはTOMIXの製品でした。
 これが登場した当時は私自身趣味の中断期間の最中でしたから製品自体にはそう思い入れはなかったのですが、今世紀に入り趣味を再開してしばらくした時にジャンク品でこれのひと編成を入手しています。

 181系よりもややぽってりしたフォルムは一種の朴訥さを感じさせ、入線させてよかったと思う編成のひとつになっています。
 ただこのシリーズはサロが電気釜仕様だったのでKATOのサロ181の余りにむりやり485系の台車を履かせた仕様を作ったりした思い出が(笑)

 余談ですが作者の峰村氏は本書によると「経歴不明」だそうで本作一本だけ残して消えた幻の作家です。
 個人的な想像ですが、国鉄職員ではなく「時刻表マニアが西村京太郎辺りのミステリを読んでこれなら自分でも書けるとばかりに趣味の知識を駆使して推理小説を一本書いてみた」という趣を感じましたが。
 さて、実際のところはどうですか。

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2018年04月11日

鉄道ミステリとNゲージ24「寝台急行月光」とマロネ40

前回から8か月ちかく間が空いてしまいましたが久しぶりに「鉄道ミステリとNゲージ」のネタで行こうかと思います。
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 今回取り上げるのは以前「急行さんべ」を紹介した天城一の一作「寝台急行月光」をば。

 昭和30年代、寝台急行だった「月光」の車内で起きた殺人事件。当初は単なる物取りと思われた事件はベトナム情勢絡みの利権が絡む謀殺の様相を呈する。
 だが容疑者として挙げられた男は鉄道利用のアリバイを主張。その道のプロ、高度に熟達した犯罪者ゆえのぎりぎりを見切ったアリバイ工作ゆえに捜査陣は手も足も出ない。
 そこで捜査本部の島崎警部が取った非常手段とは。

 と言うのが大雑把なあらすじです。

 これ自体は普通の本格推理物なのですが冒頭の描写が古くからの鉄道マニアの作者ならではで、思わずにやりとさせられます。

 その本作のプロローグを引用しますと

 菅野六助をだれも本名で呼ばない。ダンロクで通じる。ダンロクのダンは旦那のダンだ。大柄色白のふっくらとした顔、どこから見ても大店の旦那だ(中略)
 ダンロクの職業は箱師だ。鉄道がダンロクの職場だ。箱と愛称する客車がダンロクの舞台だ。旅客が顧客という所は鉄道屋と変わりはない。ダンロクは自分も鉄道屋の一人だと思っている。
 箱師のいない鉄道なんて、ワサビのぬけた刺身も同じだ。一流の列車には、一流の箱師が乗り合わせてこそ、一流なのだ。
 (徳間文庫版「殺しのダイヤグラム」所収「寝台急行月光」241Pより引用)

 ここでいう「箱師」というのは鉄道専門の掏摸(すり)の事を指します。
 以前紹介した映画「大いなる驀進」と言う東映映画では花沢徳衛氏扮する箱師が夜行特急のさくらで大活躍(笑)する件があったのですが、彼が扮する上客専門と思われる一流の掏摸の人を食った態度、何となく本作のダンロク氏に通じるものがあります。

 六時五十五分、寝台急行「月光」が入って来る。定時だ。数人の客がまばらに降りる。ボーイが寝台を畳みだすのは七時からなので、まだ束の間は列車も静かだ。
 ダンロクは「月光」を見送るつもりだった。なのに、どうしたわけか乗ってしまう。箱師の本能だろうか。
 最後部から二両目、1号車の前のデッキから、だれか降りたのか、ドアが開いていたのだ。ダンロクは誘い込まれる。

 マロネ40型の一等寝台だ。ダンロクはこの型の車は好かない。戦後、米軍の指示によって製作した旧一等車だ。スタイルが古臭いのはがまんできるとしても、片デッキと言う代物は箱師向きではない。
 ことに一等車の場合、うっかり入れば袋のねずみだ。逃げ場がない。
 ふだんのダンロクならば敬遠するところだ。
 (同書、241-242Pより引用)

 この冒頭からお分かり頂けるように本作の舞台、殺人現場は「マロネ40型寝台車」の個室です。
 後の車内の描写も当時の雰囲気がよく伝わってくるもので読んでいて実際に乗った様な気分になれます。
 この辺りは凡百なトラベルミステリ作家には出せない、鉄道マニアの作者の本領を見る思いがします。

 原作ではご丁寧にもマロネ40の平面図まで掲載され、ファンには興をそそられます。車両の半分が通常の寝台、半分が個室寝台という特有の構造は見ているだけでワクワクしてきます。もちろん私も楽しませてもらった一人なのですが、当時は「随分とトイレの広い客車だな」と言う印象が案外強かったりします(笑)

 ここまで読んで頂けるとお分かりのように私が本作で一番インパクトを感じたのがこの冒頭部分でした。
 特にマロネ40の描写は何度読み返しても陶然としてしまいます(爆笑)

 そんな訳で鉄道ミステリネタをブログで上げようと思った時に本作は最も取り上げたいひとつでした。

 ところが肝心のマロネ40のNゲージモデルというのが、マイクロエースのセット品の1両だったりとかブラスのキットだったりとやたらと敷居が高い物ばっかりで往生する事夥しい。
 まさかブログのネタにするだけの為に奥で実売5000円もするモデルを購入できるほど私はお大尽ではありませんし(涙)

 これではこの作品を取り上げるのは無理かと思っていたのですが、幸いな事に先日オープンした鉄道カフェのオリジナルペーパーキットにマロネ40がラインナップされました。
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 そういう訳でようやく本作を取り上げる事が出来たという次第です。
 キットのインプレッションは次の機会にでもと思いますが、現時点でNゲージのマロネ40を最も手軽に入手できるのはこのペーパーキットです。

 しかし思うのですが、マロネ40なんてNゲージで製品化される事自体が相当に困難だと思っていたのですが、プラの完成品、ブラスのキット、ペーパーキットと価格も素材も異なる3種の中から選べる(但し、お金があれば…ですが)のですからやっぱりすごい時代になったものです。
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2018年02月28日

とあるふたつのドラマと東武DRC

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先週、観たドラマで目を引いた車両のはなし。

最近(というかここ10年くらい)地上波のドラマを観る事が殆ど無くなり、専らCSかBSの懐かしドラマを観ている事が多いです。
特にCSの場合、BSでもやらない様なマイナーな番組が映画会社直系チャンネルに掛かる事が多いので割合重宝しています。
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でこのあいだの事ですがたった1週間の間に「水もれ甲介」(昭和49年)と「ゴールドアイ」(昭和45年)という片やユニオン映画の人情コメディ、片や東映のキイハンター系アクションドラマと言う全く共通項の無いふたつのドラマで「東武のDRC」が登場し、その偶然に驚くやら嬉しいやら。
で、どちらの番組でもDRCご自慢の「サロンカー」が登場したりします。

DRC自体は私自身は実物よりも「幼少時の絵本」で見た印象の方が鮮烈だったりするのですが、今回のドラマ群で改めて「DRC、いいなあ」とか思ったりします。

このふたつのドラマに登場するDRCはいずれも「きぬ」、登場人物が乗っていたのがどちらも「3号車」どちらもがサロンカーに行きコーヒーを頼むか頼もうとするところも同じ。
で、どちらもメンバーの一人が下今市で途中下車、残りが鬼怒川温泉駅に向かう所まで同じだったりします。
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サロンカーでは背景に「ジュークボックス」が写り込んでいますが、これは当時DRCの売りのひとつでした。
「ジュークボックス」なんて聞いても何かわからない向きも最近は多いと思いますが、要するに「スピーカー付きのコイン式レコードチェンジャー」みたいなものです。
うちの田舎では80年代初め頃まで古いデパートの売り場なんかで見かけたものですが「走る電車の車内にこれがあった」というのは登場当時は結構斬新だったと思います。

 ジュークボックスを背景に「陶器のカップに入ったコーヒーを傾け」ややななめを向いたキャプテンシートに収まるというのは列車の旅としてはなかなか優雅だったのではないでしょうか?
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 おまけに連結面には「半透明ベージュ色のガラスの自動ドア」これだけのお膳立てが揃えば「気分は60年代の喫茶店」そのものといえます。
 こんなことを書いているうちになんだか乗ってみたくなってきました。こまったもんだ(笑)
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 そのDRC1720系はマイクロの旧製品をひと編成持っています。但し「きぬ」ではなく「けごん」の仕様ですが(汗)
 こういう出来事があったので久しぶりに引っ張り出して200系スペーシアと共にレイアウトを快走させました。そういえばスペーシアもそろそろ後継の噂がちらほらと。
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2018年01月16日

「大非常線」と秩父鉄道

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 今回はテレビネタから
 この間サブブログで紹介したアクションドラマの「燃える捜査網」のCS放送が終了し、予定通り後番組の「大非常線」(昭和51年・ANB・東映)が放映されました。
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 この作品は前番組の「燃える捜査網」が人気が今ひとつだったために急遽穴埋め的に仕切り直された物らしく全10話という中途半端な本数になっています。
 キャストは千葉真一、谷隼人、志保美悦子の3人が「燃える〜」からスライド、テーマ曲も同番組の冒頭部をそのまま流用。主題歌に至っては「グレートマジンガー」の挿入歌の歌詞を変えただけ(歌も堀江美都子)だったりします。 (この主題歌については当時まだ珍しかったラジオのアニメ主題歌番組でも話題になっていてふたつの曲を並べて流すなんてことをやった事がありました。まあ、これは余談)

 新規キャストは川地民雄、大門正明、井上誠吾、そしてひし見ゆり子。これと上記3名を加えた警視庁捜査5課の刑事たちの活躍を描くものですが「ザ・ボディガード」以来続いてきた千葉真一主演のアクションシリーズもこの4作目にして初めて「普通の刑事物」となった訳です。

 ですからドラマの内容も当時としては「普通の刑事物」千葉真一のアクションシーンがやたら目立つのが特徴と言えば言える程度です。

 このシリーズで私の故郷で放映されたのは本作だけなのですが、当時は「キイハンター」終了以来千葉真一のアクションドラマが絶えて放映されていなかったのでなかなか新鮮に感じた記憶があります。
 (あと、当時の亡父が「大非常線」というタイトルを「大捜査線」と間違えて読んでいたのが印象に残りますw)

 さて、今回このブログで本作を取り上げたのにはもうひとつ訳がありまして、それは今回の放映で初見した第3話「ダイヤモンドに愛を」
 宝石強奪事件(実は宝石店主が保険金を詐取するための狂言)の手先にされた元レーサーとその恋人の悲劇を描く内容なのですが、話としてはごく凡百なのにクライマックスのアクションシーンが印象に残ったからです。

 舞台は秩父の山奥。
 フローリアンの覆面パトカーで犯人の乗るA30グロリアを追跡する千葉。犯人の発砲でフローリアンは崖から転落、炎上する。
 間一髪脱出した千葉は、崖をよじ登り近くにあった鉱石ホッパーを使ってたまたま通過中の貨物列車に飛び乗って追跡を続行するのであった!


 ここで登場する貨物列車と言うのが秩父鉄道のデキ200牽引する無蓋車の編成です。
 無蓋車に取りついた千葉は走行中の列車の上を飛び移り、ついに機関車の次位の貨車に取りつきます。
 そこで前方に鉄橋と道路が交差したポイントがあるのを見て取ると、走行中の貨物列車の上から真下を通過する犯人のグロリアに飛び移りそのまま屋根につかまって追跡を続行するのでした。

 まあ、こんなハードなスタントのロケを国鉄が許可するとは思えませんし、山間部を通り長編成の貨物列車が多い秩父鉄道と言うのは今見るとなかなかクレバーな選択ではなかったかと


 実は本作に限らず東映のアクションドラマで貨物列車絡みのスタントが撮られる時にはかなりの確率で秩父鉄道が登場するのです。
 キイハンターをはじめとするTBS土曜9時のアクションドラマなんかその典型なのですが、当時故郷に居て秩父鉄道の存在自体知らなかった私の目からすると「国鉄とも違うへんな機関車のはしるテツドウ」と言った程度の認識でした。

 沿線にはアクションドラマのみならず宇宙刑事や戦隊シリーズの戦闘シーンのロケ地に使われた寄居もあり東映ファンにとっては一種の聖地になるかもしれません。
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 さて、そのデキ200はマイクロエースから製品が出ており、犯人車のA30グロリアもカーコレクションで出ています 鉄橋もどこにでもあるデッキガーダー(TOMIX製が最適?)なのでNゲージでこのシーンのミニシーンを作るのはわりに容易だと思います。幸か不幸かどちらも持っています。
正式には「トレンチコートの刑事のフィギュアが必要」ですが。
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 という訳でミニシーンを作ってみました。
 鉄橋は先日リリースのTOMIXのトラフガーダーを代用。背景の山はメインレイアウトの交換用、石垣に至っては「週刊SL鉄道模型」のパーツの廃物利用(笑)実は棚幡線の製作では使わないまま丸5年寝かせていたものですがまさかこんな使い方をするとは(笑9
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 千葉真一(?)のフィギュアは「水泳をする人」の飛び込み用人形に無理やり服を着せた(いや、塗った)という見事なまでに脈絡の無い組合わせです。
 それでもどうにかドラマの一場面は再現できたので良しとしましょうか。
 鉄道模型にはこういう楽しみ方もあるという事で。

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2017年11月10日

ミニチュア特撮の「駅」のはなし

久しぶりの「レイアウト趣味から見る特撮映画のはなし」です。


 昨年の話題作だった「シン・ゴジラ」では決戦場に東京駅が登場、そこに乗り入れている列車群の意外な使われ方と併せて非常に印象に残るものになりました。
 よく考えてみると怪獣映画や特撮映画で東京駅が本格的に取り上げられたのは実質的にこれが初めてだったと思います。
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 映画を観終えたのはマリオンの11階でしたがそこの窓から見下ろす東京駅方面の風景はまさにたった今観終えたクライマックスシーンを髣髴とさせるものでした。
 この風景を見られただけでもマリオンでこの映画を観た値打ちがあった様な気がします(笑)

 そんな訳で今回は特撮映画に登場する駅に付いて思いつくままに書いてみたいと思います。



 さて、ミニチュアの駅が登場する特撮物はどれだけあるものでしょうか。

 古いところではゴジラ(1954)の品川駅とかラドン(1956)の西鉄ターミナル、モスラ(1960)の渋谷辺り、
 比較的最近ではガメラ3の渋谷、京都駅とかが印象に残ります。
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 (講談社「巨大ヒーロー大全集」118Pより画像引用)
 テレビではジャイアントロボの東京駅、マグマ大使の新宿駅が特に目立ちます。因みにこのミニチュアの小田急百貨店の部分は後に「宇宙猿人ゴリ」にも転用されている様です。

 しかし上記の大半は「駅舎のみ」の登場であることが多く線路も含めた駅そのものの魅力をミニチュアでというコンセプトの特撮物は更に少ない気がします。
 「新幹線大爆破」の浜松駅はその意味でかなり渇を癒してくれるスケール感がありますがこれも「鉄道もの」だからでしょう。
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(ホビージャパン「大ゴジラ図鑑」36Pより画像引用)
 上述の第一作の「ゴジラ」では品川駅構内のミニチュアが組まれていますが主の描写がゴジラに激突するEF58に費やされているので駅そのものの印象が意外に薄いのが惜しい気がします。
 一方で駅舎とターミナル駅が一体化されている「空の大怪獣ラドン」の西鉄ターミナル周辺は周囲の街並みを含めてかなり雄大なセットが組まれていてクライマックスを盛り上げていますし、「モスラ」の渋谷駅周辺もそれに負けないレベルの作り込みを堪能できます。
 但しモスラの場合、場面が夜でしかも停電していたという設定だったのと破壊のメインがビルに集中した事もあって実際には線路廻りをかなり作り込んでいたにもかかわらずそれらが劇中の画面にほとんど登場しなかったそうでその意味では残念な気もしますが。

 この他では「ゴジラ」や「透明人間と蠅男」などで有楽町のガードが出てきますが駅と言うよりはそこに隣接している日劇周囲の作り込みがメインになっている印象です。


 「妖星ゴラス」の高潮に水没する有楽町駅(?)は高架ホームと線路、打ち捨てられた電車まで表現されていますが市販のレイアウトパーツでは再現できない「微妙にカーブした屋根を持つホーム」が魅力的です。
 俯瞰の見せ方もしっかり決まっていて楽しめます(何を?)

 あと「世界大戦争」のクライマックスでICBMに吹き飛ばされる東京のカットの中に俯瞰で捉えた東京駅のミニチュアが登場します。こちらもホームや高架周りまで再現されたもののようですが何しろ「コマ送りしないとそれと分からない」くらい一瞬の登場です。
 変わり種ながら結構本格的に見えるのが「八岐大蛇の逆襲」に登場する米子駅。実は俯瞰とアップの別々のスケールのセットが組まれています。
 しかも俯瞰の奴は市販のNゲージモデルをかなり転用していたりするのですが。このふたつを使い分ける事で特撮物としては屈指の駅の破壊シーンが観られるのが興味深いです。
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(ホビージャパン刊「大ウルトラマン図鑑」66Pより引用)
 一方で「地底超特急西へ」の新東京駅や福岡のターミナル周辺は細密性よりも未来性を重視した造形が優先されているようです。これはこれで夢があって面白いですが意外とこういう未来性が優先された駅のミニチュアは少ないですね(強いて言えば「怪獣総進撃」に登場する地下鉄モノレールの駅舎が思いつく位ですか)


 これらのミニチュアは私有のレイアウトではまず不可能なたっぷりした構内面積と線路配置を実現したものが殆ど(笑)ですのでリアルさに重点を置いた大レイアウトを志向する向きにはそれなりに参考になるのではないでしょうか。

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2017年08月16日

鉄道ミステリとNゲージ23「グリーン寝台車の客」とオロネ14

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先日の「自動信号機102号」で久しぶりに鉄道ミステリとNゲージモデルの話を書きましたが、あれから読み返してみたらまだ取り上げられる題材が僅かながら残っていたのでいくつか紹介したいとおもいます。

今回は徳間文庫版「殺しのダイヤグラム」所収の多岐川恭作「グリーン寝台車の客」から

長崎から東京に向かう「さくら」のグリーン寝台車内で発生した殺人事件。
その顛末を「同じさくらの車内にいた十数人の乗客や職員の証言調書を羅列して行く中で最後に犯人を浮かび上がらせて行く」という形式が斬新かつ特徴的な一作です。


実はここに出てくる殺人そのものは特にどうという事のない普通の殺人(ってこの言い方自体が変)な上に読者と推理比べをするのが目的の短編でもないのでトリックらしいトリックもないのですが、それをここまでグイグイと引き込ませる構成。
証言の積み重ねだけで犯人の行動はもとよりその背景や動機までも浮き上がらせるというのは短編としては秀逸なアイデアでした。
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さて、本作が上梓されたのは昭和51年。
舞台となる「さくら」も20系から14系に切り替わった前後の時期に当たります。
ブルートレインが昭和47年の寝台急行「きたぐに」の列車火災事故の影響で、出火の恐れがある(実際はきたぐにの事故ではエンジンではなく食堂車の配線の不手際の可能性が高いのだそうですが)分散電源のエンジンを廃し集中電源の24系が主流になっていた時期です。
後のブルートレインブームの折の主役は24系25型でしたが、当時の「さくら」は14系が主流でした。

というのも集中方式では途中で行き先が二方向に分かれる分割併合運用が困難(というより金がかかって面倒)なためで、長崎と佐世保のふたつの目的地を持つさくらには分散電源の14系の方が適していた事情もあります。
その14系も後に火災対策を施した14系15形にバージョンアップして比較的最近まで活躍していたのはご存じの通りです。

おそらく作中のさくらは15形になる前の最も原型に近い先頭部を持つ14系だったのではないかと私個人は勝手に推定しています。
DSCN8847.jpg
14系のさくらはKATOが以前セットを出していた事があり、今でも時々中古を見かけます。
私もこれを買ったのですが、さくらというより同じ14系で編成されていた後期の「北星」をやりたかったから(厳密な仕様違いはこの際無視しますw)だったりします。
モデルはベッドを下した仕様で、窓からベッドの梯子類が見えるのはなかなかの細密感ですが夜だと大概の場合カーテンが下りている事も多いので人によっては余計なお世話に見えるかもしれないですね。
DSCN8845.jpg
さて、今回本作を取り上げるきっかけとなったのは先日も紹介したTOMIXのEF65の存在があります。
実はファインサイズのEF65 500はこれまで持っておらず(KATOが1両ありましたが貨物用のFタイプ)今回の高崎機関区仕様がはじめてのモデルだったので、この機会にKATOの14系を牽かせてみようと思い立ったからです。
本当にその場の思いつきなのでヘッドマークすら付けていません。が、TOMIXの65が牽くKATOの14系というのはなかなか様になります。
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2017年07月05日

レイアウト趣味と「シン ゴジラ」

 大分間が開いたのですが今回のネタは春に購入していた「シンゴジラ」のBDのはなしから。
 映画館で観た映画のビデオを予約してまで買ったのは何年ぶりでしょうか。
DSCN6840.jpg
 (一度だけですが「映画の封切当日にその作品のビデオを買って家で夕飯を食べながら初見する」と言う経験もあるにはあります)

 で、届いたその日の内にいっき観。
 翌日は特典ディスクのメイキング(主に特撮w)をいっき観したりします。

 本編について言うなら映画館で観た時は大画面の迫力に圧倒されてひたすら呑まれまくる様な感じだったのですが、家のテレビで再見するときはどこかしら分析的な見方になります。
 とはいえ本編が勢いと情報量で押しまくる様な展開なのでやはり冷静にはなかなか見られないのですが。
DSCN6801.jpg
 今回はBDの特撮シーンを観た感想から
 平たく言えば「カイジュウ映画をCGで作る事の意味とメリット」という部分で。

 今回改めて本作の怪獣関連のシーンを通しで観て感じたのは「ああ、空が広い」w

 従来のミニチュア主体の特撮ではどうしても感じてしまう独特の閉所感がなく、空も俯瞰の地平も実に広々と感じられました。
 なにしろステージの天井も、ホリゾントの行き止まり感もないのですから怪獣映画らしからぬ開放感のある構図が連発。

 これなどはレイアウトを作っている身からすればとても羨ましいところです。
 実際、レイアウトと特撮映画のステージは「広さと高さに制約がある」という共通のウィークポイントを持っています。
 ですから時にはホリゾント(背景)に凝ったり、画角の外側にまで(視野に入らないところ)セットを作り込む事で広さを感じさせようと苦心する訳です。
 ところがCGはそれを軽々と飛び越えてしまう。

 ミニチュアセットやレイアウトだと陸上競技場並みのスペースが必要な構図でもCGなら一つの画面で納まってしまう。
 しかも高度千メートルの俯瞰から地上数メートルの寄りまでの一連の流れをワンカットで再現する事も可能なのですから凄い話です。
 この解放感にあふれる画面作りに「21世紀の怪獣映画らしさ」を強く感じてしまいます。
 これなどはかねて考えている「魅力的な俯瞰の構図を持った大レイアウト」のイメージにもつながるところではないかと。

 一方でCGとて決して万能ではなく、場面によってはミニチュアの方が良いという場面(例えば情報量が多いのにその全てがアトランダムに動き回る様なカット。倒壊するビルの中で家具や書類が乱舞しながら一斉に流されてゆくようなカットはCGでもコストの制約が大きい)もありそれが効果に合わせてCGと使い分けられている事も驚くと同時に嬉しいポイントです。
 (実はその数少ないミニチュア特撮のカットが特報や予告編に必ず出てきている所に「トクサツスタッフの自信と矜持」を改めて感じさせられるのですが。
 ミニチュアはカットが少ない割に通常の特撮映画並みの人的資源と予算が掛けられているらしく、CGとの間の違和感がまるでない(もちろん実景とも)ミニチュア特撮が堪能できます。

 本作の予備知識のない未見のファンの方がいたらどこがミニチュアシーンか探してみるのも一興かと(笑)

 本作がこれほど効果を上げた背景はスタッフが「特撮にもアニメ(CG)にも知悉し、同じセンスを持ってふたつを統一できる演出力を持っていた事」が大きいと思います。
 エヴァンゲリオンもセルアニメの範疇で非常に特撮映画臭い構図やカットの連続でしたが本作は逆にアニメ的なセンスを投入して実写映画を作った事で空気感の統一を図る事に成功しているのではないかと感じました。
IMG_1811.jpg
 あと、メイキングで私の知り合いの範囲でも本作のユーザーの誰もが楽しんだのが「電車のCG造形」でした。
 なにしろあるシーンに登場する列車に至っては「編成表まで設定されており(当たり前か)」やろうと思えばレイアウトでも再現可能になっていたりします(笑)
 何しろ本作はJRを筆頭に京浜急行や江ノ島電鉄なども要所要所に登場する上に決戦場が東京駅ですからレイアウト趣味人にはある意味たまらない部分があります。

 まあ、本作が直接レイアウト作りに役立つという訳ではないとおもますが、構図の取り方や視点の設定など間接的にリアルな風景の見せ方と言う点では参考になるのではないかと思います。
DSCN8222.jpg
 とか言いながら現時点でうちのレイアウトで唯一本作をリスペクトしているのは「モジュール内のマウントドラゴン状態の第一形態ゴジラ」位なものですが(汗)
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2017年06月28日

鉄道ミステリとNゲージ22「自動信号機102号」とTOMIXのフィーダー

 鉄道ミステリとそれに関連したNゲージモデルを書いたネタも先日の「汽笛が響く!」でネタを使い切ったと思っていましたが、先日のがおう☆さんのブログに触発されるところがあったので久しぶりに書いて観たいと思い立ちました。
 

 今回の作品は徳間文庫版「殺しのダイヤグラム」所収の角免栄児作「自動信号機102号」です。

中国地方のとある地方私鉄が舞台で、ある吹雪の夜に当直の通信区工手が102号信号機の故障修理に出掛け、翌朝死体となって発見される。
 当初は事故死と判断されかけるものの、被害者の工手が当直の夜に限って同じ信号機が故障している点に不審を抱いた刑事が捜査に乗り出す。というのが大まかなストーリーです。
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 見ての通り鉄道ミステリとしてはかなり地味なストーリー展開ですが、保線関係の職種を舞台に選んでいるところからもかなり地道に手堅い作りの作品と思います。
 犯人の指摘、アリバイ崩しの中にかなり偶然に頼った点があるなど本格推理のファンからすれば物足りない部分もあるようですが、作者は実際に私鉄勤務の経験があり、その時の経験をもとに書いているそうなので、犯人が犯したのと同じようなミスの経験を実際にしていたのではないかと私は勝手に推察しています。
 (この辺りはネタバレになるのでこれ以上は書きませんが機会があればご一読をお勧めしたいところです)

 さて、本作では殺人の舞台が吹雪の夜の自動信号機周辺といういささか特殊な現場設定となっています。犯人も鉄道員のため(容疑者も全員鉄道員なのでこれはネタバレにはなりませんね)鉄道施設を犯行のトリックに最大限活用しています。そしてこれまた鉄道施設の特殊性によって犯行の証拠を残してしまう皮肉が一つの持ち味になっています。

 ここで登場するのが「レールボンド」という設備。
 実は初読の際に「ボンド」というのが「黄色い接着剤」くらいの認識しかなかったので大いに面食らったものです(汗)

「ボンドというのはね、つまりレールとレールの間に溶接してある銅線です。(中略)信号機が赤から橙、緑と変わるのは信号機の下の箱に収められているリレー(継電器)が作動して変化するのです。そのリレーは信号高圧から変圧された100ボルトの電圧と軌条に電流を流している6ボルトの電圧によって働くのです。そのレール電流を流れやすくするためにレールとレールの継ぎ目に銅線を溶接するんです。それがボンドです。それがレールからはずれると、その信号機は前方に列車がなくなっても赤(危険信号)を表示します。僕が102号に行ったときもちょうどその状態だったわけです」

(徳間文庫「殺しのダイヤグラム」所収「自動信号機102号」115Pより引用)

 鉄道模型の場合、この種の自動信号ユニットは以前KATOが線路上のマグネットに反応して作動する自動信号ユニットを出していたことがありますし、最近ではセンサーレールなどを使って同様の効果を得ているようです。

 が、電化区間の場合、パンタグラフから取り入れられた電気の一部が車輪を通って線路に流れ変電所に戻って行くという帰線電流というのがありまして、これが信号用の電流と混ざってしまうと色々と不都合を生じるため、線路と信号機の間にインピーダンスボンドというのがあって信号用電気の遮断と帰線電流の振り分けをやっているのだそうです。
 言ってみればレールボンドの上級版とも言えますが、上記の原理ゆえに基本的には純粋な非電化区間では見かけない設備だそうです。
DSCN8565.jpg
 そのインピーダンスボンドはなかなか注目されない設備だった事もあってあまり知られていませんでしたがTOMIXのフィーダーにその造形がされています。
 同じTOMIXでも旧式のフィーダーではリレーボックスが造形されていましたからこの二つを揃えて沿線に置けばそれなりに細密な感じはするのではないかと思います。
DSCN6957.jpg
 幸いというか、TOMIXの通常型の線路はほぼ全てにフィーダーをワンタッチで差し込めるようになっているので、やろうと思えばかなりの高密度で配置もできましょう(笑

 ただ、モノが何しろフィーダーと兼用のパーツだけに「TOMIXの線路では非電化レイアウトにインピーダンスボンドがある」なんて問題も生じてしまいますが、まあ気にしなければ問題はないでしょう。
 現にうちの葉純線とか棚幡線がそういうレイアウトですし(笑)

 実は今回の記事のきっかけとなったのは上記のがおう☆さんの記事でこのパーツの利用について書かれていたのを拝見した事だったりします。
その記事はこちら
はんなり華鐡記
 インピーダンスボンドは本作にはほとんど出ていませんがボンドつながりという事でむりやりこじつけました(大汗)

 ただ、大真面目にこれを生かそうと思ったら信号機とインピーダンスボンド間を始めとしてかなりの密度でダミー配線を線路際に引き回す必要もありそうですが。

 また、レールボンドとは意味合いが違いますが一部の固定レイアウトではレールボンドと同様のやり方で前後のレールの間に導線を半田付けしてジョイナーよりも確実な通電を確保しているケースがあります。
 実は葉純線のレイアウトを作った折に通電が不安定な区間でこれをやろうとしたことがあるのですがTOMIXのステンレス線路は半田付けには不向きだったようで苦労した覚えがあります。

 今回はボンドつながりというだけで、異なる設備ふたつの記事になって混乱させた気がします。すみません。また、素人が一夜漬けで調べた事が基になっているので、記述のミスや用語の間違いなどの可能性がかなりあると思いますが、その際はご教示頂ければ幸いです(大汗)

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2017年04月15日

「地球最大の決戦」にレイアウトの夜景を考える(笑)

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 前回から相当に間が空いてしまいましたが「ミニチュア特撮に見るレイアウト的な魅力」今回は「三大怪獣地球最大の決戦(昭和39年・東宝)」です。
 今回はこれを基にレイアウトの夜景について考察してみたいと思います。
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 以前レイアウトの夜景について書いた拙文でこういう事を書いた事があります。

(引用)夜景を語る上で私がかねて着目しているのは昭和30年代〜50年代にかけての特撮映画のミニチュアセットの夜景です。

 「ゴジラ」「モスラ」等を始めとして円谷英二が特撮を担当した怪獣・SF映画には夜間の都市破壊のシーンが多いのですがそれらを通して見ている内にある事に気付きました。
 それらの作品の大半が「建物の室内の灯りのないシチュエーション」を選んでいる事です。例えば「ゴジラ」や「妖星ゴラス」の東京水没シーン、「海底軍艦」の丸の内壊滅シーンなどは市民の退避した後の街灯以外の灯りのない設定ですし「モスラ」の渋谷駅周辺は直前にモスラが送電線を切断して停電した状況、「サンダ対ガイラ」に至っては灯りのある所を襲う怪獣の習性に従って灯火管制を敷いていると、「作り手が意識して灯りのあるシチュエーションを避けている」節があります。
DSCN8106.jpg
(ホビージャパン「大ゴジラ図鑑」P42より画像引用)
 最初は電飾の手間を惜しんでいるのかとも思ったのですが、後の昭和ガメラや84年のゴジラでは建物に灯りの入ったミニチュアセットが出て来るのを観ていてミニチュアの出来はそれほど変わらないと思われるのに夜景が魅力的に見えない事を感じた事から「これは作り手の意識的な演出だったのではないか」と思えて来ました。


 つまり「室内照明だけで魅力的な夜景を構築するのは意外に難しいのではないか」と言う事です。
 ミニチュアの室内灯はどうしても嘘っぽさが強調されてしまう事に作り手が気づいていた証左ではないでしょうか。
(後の平成ガメラの2で「市民退避後の真っ暗な街でガメラが戦う」シチュエーションが復活していますが他の夜景よりもかなりリアル且つ絵になる画面が頻出していました)

 但し、これが逆効果だったケースもあります。「日本沈没」の東京大震災のシーンでは建物の灯りが殆ど無い画面でビルや高速道路の崩壊を描いていましたが、ライティングのせいか何がなんだかわからない画面や妙に寂寥感の漂う光景が目立ちました。
 ですので都市部の場合は適度な室内灯や街灯が必要である事も申し添えておきたいと思います。

 建物のライトアップは最近の建造物でも良く取り入れられている物ですが、当時の特撮映画ではサーチライトや炎の照り返しなどでそれに近い効果をかなり使っている様です。昔の建物は特にそうですが壁面の凹凸が多く陰影がはっきり出やすい建物等は一方向からのライトアップでかなり陰影を強調されたリアルな雰囲気になります。

 街灯でも同じような効果が狙えそうな気もしますが、基本的に下を照らすための灯りなのでライトアップ効果は限定的と思われます。
(昔のウルトラマンのテレスドンやバルタン星人のスチルを参照)


(以上、引用終わり)

 上述の通り黄金期の東宝円谷特撮のミニチュア夜景は意識的に「灯りの多い夜景」を避けている節があるのですが、数少ない例外が本作の「ゴジラが上陸する横浜市街」のそれです。
DSCN8105.jpg
(ホビージャパン「大ゴジラ図鑑」P80より画像引用)
 セットの広さも去ることながら夜景なのに奥行き感がよく出たパノラミックな構図の市街地は思わずため息が出ます。
 とはいえ、作品全体でこのパートの占める割合は多くありません。精々1,2分と言った所でしょうか。
 但しBDソフトには特撮シーンの没カットが収録されておりその中にかなり横浜のミニチュアシーンが含まれています。これを観るためにBDを買っても損はないでしょう(笑)

 これらのシーンには建物の室内灯や街灯、走行する車のヘッドライトがかなり組み込まれているのですが、月夜の光と組み合わせる事でレイアウトの夜景写真でよく見る様な「灯りは分かるが風景が見えない」という無様なカットにさせない工夫をしています。
 
 この作品のシチュエーションは他の作品とは異なり「ゴジラが突発的に出現する」シチュエーションだった為灯火管制や停電と言った設定が使えず、建物の灯りの多いシチュエーションを取り入れざるを得なかったものです。
SNShouo71IMG_0902.jpg 
 ですので室内灯や街灯が多い場面設定なのですが、この作品では場面の状況を「月夜」に設定する事で上からの光を効果的に取り入れ、周囲の地形や建物のシルエットを演出しやすくしていました。
 この事に私が気付いたのは最近ですが、これの他にもサンダ対ガイラ、フランケンシュタインなどでは夜景の中で意識的に空が微妙に明るく見える様な演出を取り入れている事がわかります。
(東宝ではありませんが「ガメラ対ギャオス」では「照明弾を使って夜空を明るくしている」と言う設定で同様の効果を得ています)

 不思議な事に84年のゴジラ以降の特撮物では室内光と室外光(街灯や月光、或いは周囲の夜景の照り返し)を組み合わせた画面効果が殆どありません。
 建物全体がはっきり見えてしまうほど明るすぎる平板な外光、街灯より明るく見える室内光の物が多く意識的な演出が感じられません。
 その為ミニチュアの精密さでは勝っているのに妙に薄っぺらな奥行き感のない夜景となっている(無論例外もあるのですが)のが残念です。
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 ・・・などと偉そうに書きましたが今やっているモジュールではLEDの灯りが強すぎるのと街灯類が殆どない事から上述の「薄っぺらい夜景」になってしまっているのが何ともです
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2017年03月11日

鉄道ミステリとNゲージ21・「汽笛が響く」とコッペル

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久しぶりに鉄道ミステリとNゲージを語るネタ。

今回は「見えない機関車」所収の南部樹未子作「汽笛が響く」
(以前同タイトルのテレビドラマのはなしを書きましたがこれは本作とは別物です)

本作は息子一家に心理的に虐げられ続けた老女の未必の故意に近い復讐譚の形をとっていますが、題材の陰惨さとは裏腹な不思議とからりとした作風が印象に残っています。
(本作は「見えない機関車」の書き下ろし作なので再読するには文庫版の「見えない機関車」を読むのが早道かと)

さて、これまで20作以上の鉄道ミステリ短編を紹介していますが、そこでは鉄道車両を舞台としたもの、鉄道がトリックに使われた物、鉄道施設を舞台としたものといろいろな題材が登場しています。
が、本作は(未紹介のものも含めて)それらの中で唯一「鉄道の玩具」が小道具に使われた作品なのが特徴です。


鉄道模型を題材にしたミステリではだいぶ前に紹介した土曜ワイド劇場の西村京太郎サスペンスくらいしか記憶にありません。
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最後の階段をのぼりながら、彼女はどこかで汽笛が鳴っているような気がした(中略)5階のフロアに立って、彼女はすうっと息をのんだ。汽笛はすぐそばのショーケースから聞こえてくる。
音の周りに数人の男の子が集まって、「すげぇ!」「カッコいい!」とさわいでいた。彼女は近寄って子供たちの後ろに立った。精巧な鉄道模型を陳列したガラスケースの上を、かわいい汽車がコトコト走っていた。この四十年間、彼女の心に響き続けてきた音と共に(中略)
<これを毎日、おらの部屋で走らせてえ。この汽笛を聞けば、春彦に会えるような気がする。康子や国夫に邪険にされても、これがあればきっと平気でいられるさ>

(光文社カッパノベルズ「見えない機関車」所収「汽笛が響く」305Pより引用)

車体の下に隠されたネジを巻いてハルは、玩具の汽車を走らせた。ところどころすり切れた畳の上で、ポォッ、ポォッと小さいが本物そっくりな汽笛を響かせながら、汽車は白いピストンを動かした。
機関車の先についていた短い煙突は煙こそ出さないが、汽笛を鳴らすたびに赤い火の色に染まった。ネジの横にセットされた二本の乾電池で、煙突の中の豆電球がともる仕組みなのだ。
運転台の石炭の投げ入れ口には、青い制服を着た身長3センチほどの人形がスコップを持って立ち、彼の背後に石炭を積んだ炭水車と客車がついていた。石炭は貨車に黒く描かれ、客車にも白い車窓が一つ一つ描かれている。
しかし乗客の顔はなかった。
(上掲書304Pより引用)

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この描写からお分かりのようにここに登場する玩具の汽車は主人公の老女にとって、過去の楽しかった思い出に誘う触媒としての存在意義をもっています。
それだけに単なる玩具としてでなく主人公の思い入れの象徴として大きな存在になってゆくプロセスの描写は本作の白眉となっています。

この先の展開はネタバレの防止と同時に私には少しきつい内容もあってここでは書きたくありません。ぜひご一読願いたいと思います。

私個人は題材とテーマが有機的なつながりを持つこと、何よりも購入の時のドキドキ感、買った後の無心に汽車を楽しむ老女の心理描写などに一種共感を感じました。
周りの鉄道ファンたちもいつかは誰もがこの主人公位の年齢になると思いますが、その時にこれだけの境地に達する事が出来るだろうかとも思えます。
汽車と自分の人生を重ね合わせ、あの頃の思い出の感傷に浸りながら汽車を走らせる様は、玩具に限らず鉄道模型の趣味の原点のひとつとも言えるところかもしれません。


さて、本作に登場する汽車の玩具ですが、上述の描写からサイズはOゲージ以上の編成物で線路のない所でも走れるぜんまい仕掛けの玩具という事になっています。

実は鉄道模型もヨーロッパで登場した当初はぜんまい駆動の物が主流だった時期があったそうですが、形態も今の玩具よりもトイライクだったようです。
最近、中野の流線型とか静岡のポポンデッタ、あるいは神田のカラマツなんかで見るからに年代物のラージモデルの鉄道模型の中古が売りに出ているのを見かけるのですがサイズ的にはその辺りが近い気がします。

とか書いているとこのはなしをNゲージと結びつけるのが難しくなってしまいます(16番でもきついかも)

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実は本作の事をこのブログで取り上げようと思った時に念頭にあったモデルが2,3年前に出た津川洋行のコッペル蒸機でした。
作中の描写では機関車はテンダーだし、客車まで牽いているので些かイメージとは違うのですが、個人的に本作に似つかわしい印象のNゲージモデルがこれかTOMIXのKSKタイプ位しか思いつけないのです。
あとはミニトリックスのT3蒸機くらいでしょうか。実はこれも元々は鉄道模型でなく手押しの玩具として商品化されていたものだそうです。
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そんな訳でこの先は多少強引な紹介になります。

小指の爪の先位のサイズでありながら自走が出来、2軸客車の1両くらいなら牽引できそう
な蒸機として津川のコッペルが運転会デビューした時、私も含めた誰もがその小ささに目を見張ったものです。
プロポーションもかわいい上に走る様が意外に一生懸命感があるので、多少のオーバースピードもお目に見てやれる気がするのがこのロコの人徳ではあります。

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2017年02月16日

「きかんしゃやえもん・D51の大冒険」

 今回は久しぶりの映画ネタ。
 しかもアニメです(爆)
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 昨年暮れにCSで掛かった東映まんが祭りのメインピクチャーだった「きかんしゃやえもん・D51の大冒険」(昭和49年・東映)

 あの頃の思い出から書きますと、昭和40年代当時は任侠映画か実録やくざ映画ばかりやっているという印象だった東映の映画館が春夏冬の休みシーズンだけは突然変異の様に「お行儀のいい長編名作アニメ」をメインとしたまんが祭りをやっていたものです。
 併映は決まって「仮面ライダー」「マジンガーZ」などの特撮・ロボットアニメか「ひみつのアッコちゃん」系の魔法少女ものが並び男の子も女の子も(ついでにその親たちも)一気に取り込もうというある意味「地引網的なプログラム」でもありました。

 (ちなみに当時の私はばりばりの「東宝チャンピオン祭り」派でしたが)

 上述の通りまんが祭りのメインプログラムは「長靴をはいた猫」とか「にんぎょ姫」とか「龍の子太郎」なんかの名作ものだったのですが、そんな中で突然変異的に公開されたのが本作でした。
 まあ「きかんしゃやえもん」もある意味名作のひとつと言えなくもないですが、ここはやはり当時大ブームだった「SL」「D51」にあやかったものでしょう。

 東映自体、他社に比べて鉄道映画に強いところでしたし。

 さて、本作はきかんしゃやえもんのストーリーそのものには忠実ですが脚色度が非常に高く、これを観てから原作を読むと絶句すること請け合いです。

 やえもんに住み着いている「ねずみの一家が石炭をくべたり」「主人公の子どもがやえもんやネズミと普通に会話をしたり」「EF58や0系新幹線はもとより踏切のトラックまでもが人語をしゃべる世界」
 そうしたキャラクターの描写や描き分けもなにかステレオ的で物足りない印象が残ります。

 何しろクライマックスが「駅を襲ってDD51をジャックしたギャングを追ってやえもんことD51(因みに声は熊倉一雄)が山岳線を激走する」なんてなものですから原作の持つ独特の長閑さは無きが如し。

 もともと「やえもん」のモデルは鉄道博物館に展示されている150だったと聞いていますが、それがいつの間にかD51に差し替えられ、デザインも意外にD51に忠実な(あ、でも顔や手はないか)ものになっていますから雰囲気が変わってしまうのも無理はありません。

 とまあ、アニメパートを見る限りは鉄道ファンが見ても手汗をかきながら顔から火が出そうなほどの代物だったりします。
 しかし本作は実は「実写とアニメのコラボ作品」である点が最大の特徴です。
 しかもその実写パートが意外に豊富。
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 アニメパートの合間に挿入されるD51の実写の走行風景はまさに「鉄道映画の東映」の面目躍如です。
 シネスコの横長画面と列車の走行風景は実に相性がよく、長編成を牽引するD51の実景場面には殆どハズレがありません。

 あらゆるシチュエーション、あらゆる季節の中を貨物や客車を牽きながら悠々と走行するD51の画には全く酔っぱらえます。
 
 ある意味「列車走行風景の撮り方のお手本」みたいな構図が続出しており鉄道ファンにとってはここが見どころでしょう。
 これを参考にしてレイアウトの走行風景を撮ったりしても案外良いかもしれません。
DSCN6213.jpg
 映画の性格上主役はD51ですが、よく見ると一般型とナメクジがちゃんぽんしているのはご愛嬌。
 クライマックス近くで解体場に引かれてゆくやえもんのシーンでは「DD51に牽かれるD51の廃車回送」がちゃんと用意されています。

 まさか1号機関車でこれだけバンバン実写パートは作れないでしょうから、この為に主人公がD51に設定されていたのではないかと思います。

 そこに注目すれば意外と鉄道ファンにお勧めできる作品かもしれません。

 因みに同時上映は「仮面ライダーX」 「飛び出す立体映画・イナズマン」「キューティハニー」「マジンガーZ対Drヘル」「ミラクル少女リミットちゃん」だったりしますが(爆)
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2016年11月19日

鉄道ミステリとNゲージ・19「やけた線路の上の死体」と381系

 久しぶりの「鉄道ミステリとNゲージを語る」ネタ。
 今回の題材は数年前に上げたブログの増補改訂版です。
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「これは紀勢本線を走ってる特急『くろしお』ですね。この電車、他の電車と比べて特殊な型の電車やないですか?」
(中略)
「外から見て、まず車高が低いな、と気づきました。中へ入ると確かに天井が低く、四人が向い合せに座るとやけに窮屈なんです。さして足の長くない四人やのにね」
「それに座席の背もたれに取っ手が付いているんですよ。バスやあるまいし、あんなもの特急列車で初めて見ました」
「そしてよく揺れたでしょ?」
「ええ、揺れましたね。車内販売のおばさんもコーヒーをつぐのに苦労してたし、乗り物酔いしたらしい人も見かけました。−で、今この写真を見ていてもう一つ気がついた事があるんです。この列車、屋根にパンタグラフしかついてない」
(光文社版「無人踏切」有栖川有栖「やけた線路の上の死体」219Pより引用)

 鮎川哲也の鉄道アンソロジーは第4弾の「無人踏切」の前後から従来の旧作や話題作家の作品に加えて書き下ろし新作や新人作家のデビューの舞台としての性格も持つようになり、それがシリーズ全体の大きな特色ともなっています。

 ここでデビューした作家で最も有名になったのがTVでは「安楽椅子探偵シリーズ」や先日シリーズ化された「臨床犯罪学者 火村英生の推理」を書いている有栖川有栖と思います。
 今回取り上げるのは「無人踏切」収録の「やけた線路の上の死体」これが実質的な描き下ろし処女作となっています。
 同時にこれも氏の代表作である部員4人(後に5人)の英都大学推理小説研究会の面々が活躍する「月光ゲーム」「双頭の悪魔」「女王国の城」などの傑作をものしたシリーズの第一作でもあります。

 夏休みの合宿旅行で和歌山の南部に出かけた推理小説研究会の面々がそこで遭遇した轢死事件の解明に挑む内容ですが、初読の際は作中でホームズ役となる部長の江神二郎の一種茫洋としたキャラクターが印象的でしたし、主人公を含めた各部員の面々の掛け合いも中々に小気味よくアンソロジーの中でもなかなか楽しめた一篇でした。
 
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 この作品では「くろしお」にも使われていた381系電車そのものが大きな役割を占めています。ダイヤグラムアリバイと異なり車両そのものをトリックに使った鉄道ミステリというのはそう多くはありません。
 実はトリック自体は(作中で江神部長本人が語っていますが)鉄道ミステリの定番ともいえるものでその意味では目新しくないのですが車両の特殊性に注目して最大限の効果を上げている点で先行作へのアドバンスになっている一篇と言えます。

 言い換えるならこのトリックは今ならともかくあの当時は「381系でなければ成立しない」作品でもありました(こう書くとネタバレですか?)
 そんな所も私が本作を好きなポイントなのですが。

 さて、Nゲージでの381系はまずTOMIXが80年代の初め頃に製品化し、一時は入門セットにも使われた定番商品でした。一見して485系に似ているようでいて実は違うというスペシャリティ性はモデルとしてもユニークな存在だったと思います。
 ただ、あの当時はNゲージの量産モデルで肝心の振り子機構が再現できないという弱点もあったのですがこれはNに限らず他のサイズのモデルでも同じ事でした。
 TOMIXの製品化以前に当時のTMSの記事でモデラーレベルで試作的に振り子機構のモデルが紹介された程度だったと思います。
1355044319.jpg
 ずっと後になってKATOのレジェンドコレクションで初めて振り子機構付の381系がリリースされましたが、この時点ですでにE351系などですでに振り子機構付のモデルが製品化されていたので新機構としての感銘は幾分薄かった記憶があります(安定した技法を使った、手慣れた製品化で安心できると言う事も出来るのですが・・・)
 とはいえリリース時期の差から当時のTOMIXに比べてモデル自体の洗練度も非常に高い物がありました。
 うちに入線しているのもこのKATOの仕様です。

 さて、最初にこの作品を読み終えた時は「是非このメンバーの出て来る続編が読みたい」と思ったものですが幸いにその願いは長編「月光ゲーム」で早速叶えられ、その後も長編、短編で陸続として継続されているのは嬉しい事です。
 が、この面子による鉄道ミステリ絡みの新作も読んでみたいと思ったりもします。
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2016年11月04日

鉄道ミステリとNゲージを語る18・「泥棒」とCタンク

 前回からかなり間が空きましたが鉄道ミステリとNゲージネタの第18弾です(まるで鉄コレみたいだな)
SNShouo71IMG_5858.jpg
 前にも書きましたが、鮎川哲也が嚆矢となった鉄道ミステリのアンソロジーは後にいくつかの派生、後継のシリーズを生み出しています。
 その中のひとつに有栖川有栖の手になる「鉄道ミステリーライブラリー」というのがあるのですが今回はその中の一篇を紹介したいと思います。

 物は雨宮雨彦の作「泥棒」
 
 時は昭和20年代「もはや戦後ではない」とか言われ始めた頃。
 戦時中に旧海軍が隠匿した金塊が当時製造されていたとある蒸気機関車に隠されている事を知った4人組の泥棒団。
 今はとある私鉄に払い下げられて使われている機関車を盗み出し、金塊を見つけ出そうとするが…

 というのが大まかなストーリーです。

 詳しい内容は実際の作を読んでもらった方が速いと思いますが、短編の中に「現用されている機関車を人知れず盗み出す」「機関車に隠された金塊を見つけ出す」という二重の課題が盛り込まれ短い割にかなりゴージャスなミステリになっています。
 中でも機関車を盗み出す手口が如何にも「レイアウトでミニシーンを再現したくなる」ヴィジュアルイメージがありまして好きな作のひとつです。
 (ヒントは「併用軌道」w)
SNShouo71IMG_5860.jpg
 作中に出ている鉄道や機関車の設定や描写はある程度鉄道ファンを納得させる程度の知識の裏付けを持っていますが、それでもトリックとしては実現可能性が異様に低そうな破天荒さを持っています。
 (これに近いというと江戸川乱歩の少年探偵団物の「天空の魔人」辺りの列車消失トリックが思い浮かびます)

 さて本作に登場する蒸気機関車というのが「C35」
 名前からわかる様に本作のために設定された架空の機関車です。

 一応国鉄の制式機だそうですが、重量が35トンある所からネーミングされたという、国鉄というよりもどこかの私鉄がやりそうな名づけ方です。
 が、戦時中の工場不足の折、N市のKという造船所で2両だけ製造されたという設定はそれなりに説得力はありそうです。
 当時はB20なんて飽和蒸気式のロコも実際に作られましたから、それのCタンク版というのもあっていい気もします。

 ですが架空の機関車だけにNゲージのモデルなんてのも出ている訳がない。

 雰囲気的に近いのはTOMIXのKSKタイプCタンクか「週刊SL鉄道模型」の特典で出た事のある「B10」をCタンクにした様な感じでしょうか。
 あるいはワールド工芸辺りが出している小型蒸機というのもアリと思いますが戦時設計のCタンクという点で微妙にイメージが異なる気もします。
SNShouo71DSC00086.jpg
 真夜中の町中を幽霊の如くしずしずと走り抜ける小型蒸気機関車というのはうちのレイアウトでは棚幡線とかでも再現できそうな気もします。
 が、そのためにはレイアウトの電飾くらいは済ませておかないと(汗)

 今回はミステリをだしにレイアウトのミニシーンの検討をするような感じになってしまいました。脱線脱線(大汗)
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2016年10月25日

ドラマ「鉄道公安官」から「山口線・SL大追跡」

先日までCSで放映されていたドラマから。
DSCN5333.jpg
1979(昭和54)年に放映された「鉄道公安官」(テレビ朝日・東映)です。
20年近く前になるのですが東映の一般ドラマのOP・EDを年代順に並べたLDが出ていた事があり、その中の一本にこの作品があったので「OPだけは観た事がある」という不思議な経緯を持つ番組でもあります。
お陰で「本編は1秒も観ていないのにOPだけは知っている」という奇妙な番組でもありました。
このOPは他の刑事物と異なり主演俳優が一切登場せずサーカスの主題歌に乗って列車の走行風景が延々と続くという異色さで印象に残っています。
それどころか家内のコレクションのアナログレコードの中にこの番組の主題歌シングルまであったりします(笑)

元々東映もテレビ朝日(昭和51年以前はNETと呼称)も鉄道公安官ものに強いところでして古くは特別機動捜査隊の前枠で「JNR公安36号(後に鉄道公安36号と改題)」をやっていましたし、最近では宇津井健の「さすらい刑事旅情編」なんかが有名です。
その間飛び飛びの形で西郷輝彦主演の「新幹線公安官」なんてのもやっていてこちらは観た事がありますし、実家のどこかにノヴェライズが埋まっているはずです。

まあ、それは置いておいて、

この作品をかいつまんで説明すると東京鉄道公安室内の捜査部署である通称「ゼロ課」の活躍を描くものです。ゼロ課に所属する鉄道公安官は通常私服で捜査活動を行うせいか、事件が原則鉄道絡みである事を除けば殆ど普通の刑事物と変わりありません。そんな事もあって「俺たちの勲章」さながらに全国各地でロケを実施した「股旅刑事物」の様相を呈しています(笑)

主演は東映ドラマでは珍しい石立鉄男。この人のイメージとしては「パパと呼ばないで」のユニオン映画系の3枚目か「夜明けの刑事」に代表される大映テレビ系のハードボイルドな演技のどちらかのイメージがありますが本作はやや前者寄りのキャラクターです。
他には「東京コンバット」の三橋達也「あぶない刑事」の中条静雄「西部警察」の加納竜「大戦隊ゴーグルファイブ」の赤間良次と見事にアクション刑事物の面子が揃います。
DSCN8462.jpg
と、予備知識はそれくらいにして
今回取り上げるのは「山口線・SL大追跡」というはなし。
数年前の強盗事件で盗んだ大金を隠したまま服役していた脱獄囚が警官に撃たれて死亡。ところがその直前に乗っていたタクシーの中に金のありかを示した紙を隠していた事から運転手親子が強盗仲間に狙われる。
ここまではどこにでもある刑事物の展開ですが、公安官物らしく「その親子が山口線のSL列車に乗りに行った」為に犯人はもとよりゼロ課の面々までもが山口線に御出場します。
これだけでも随分と強引な展開ですがそうでもしないと話が進みません。

画面的な見どころは山口線を走るC57を公安官の乗る330セドリックが追跡、並走する一連のカットでこれでもかと言うくらいにC57の流し撮り映像が拝めます。
DSCN8460.jpg
これだけでは肝心の鉄道ばなしになりませんがここで登場するのがC57の牽引する12系やまぐち号
うちの鉄道にも何故かKATO(初期モデル)と中村精密(ジャンクからの再生品)が在籍しています。
中でも中村のは走行不能状態からどうにかこうにか再生させた代物で「やまぐち号」がどうこう言う前に私個人には思い出深いモデルです。

その過程で運転手の弟で山口の公安官をやっている星正人(二代目「刑事くん」)が登場して大活躍。
ラストでそのままゼロ課に編入してしまうというオチになりますが、ここまでの話の中で「どれだけ偶然が重なっているか」数えるだけでも楽しめたりします。
あの頃の刑事物はこの手の「偶然重積型」の展開が多かったのですが本作のそれは群を抜いています(笑)

それは置いておいて、本作では旧国鉄の当時の看板列車が毎回ひとつは登場しますし、「フレイトライナー強奪」なんて見るからに期待したくなる(実はまだ未見なのでこれから観ようと)話もあったりします。

聞く所では暮れにDVD−BOXも出るそうなので今回の放映を知らなかった向きも今からでも観る事はできそうですね。
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2016年10月01日

鉄道ミステリとNゲージを語る17・「EF63形電気機関車の証言」

 鉄道ミステリのアンソロジーは鮎川哲也の後にも何冊かの追随シリーズを生みました。

 それらもまた元祖に負けない位の中身の濃いセレクトで鮎川氏没後の渇を癒してくれるものばかりなのは重畳の至りです。
 今回はそれらのシリーズの中からセレクトした短編から。
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 光文社文庫、日本ペンクラブ編「殺意を運ぶ列車」から西村京太郎の「EF63形機関車の証言」をば。

 西村京太郎と言えば鉄道ミステリ、トラベルミステリの大御所ですがこれまで紹介してきたアンソロジーは西村氏の人気が沸騰しだす直前位のタイミングの上梓だった事もあってなかなか取り上げられる機会が少なかったと思われます。
 今回の作品はタイトルの通り機関車がアリバイトリックの要を成している点でトラベルミステリの中でも異色の構成と思います。

 浅草で起きた銀行強盗の容疑者が犯行時「あさま9号」に乗っていたとアリバイを主張。
 その証拠として軽井沢駅で撮影されたEF63の写真を出してくる。果たして犯人はどんなトリックを使ったのか?

 という、なんだか推理クイズの問題コーナーみたいな構成ですが、どちらかといえば長編向けの作風が持ち味の作者なだけにトリック一点突破の趣が強くファンには少し物足りない気もするかもしれません。
 トリックそのものも、鉄道ファンやマニアにはすぐに見当のつくレベルの物と思うのでここでは書きません。興味をお持ちの向きはご一読をお勧めします。

 〜横川から軽井沢まで、十二両連結の「あさま9号」を後押しして登って来たEF63形が、今度は、ブレーキ役をして、横川まで、急勾配を、下りてゆくのである。

 十津川たちが、じっと、その作業を見守っていると、青木駅長が、駅舎から出てきた。
 「このEF63形は、どんな形の電車とも連結できるように出来ています。この碓氷峠では、普通も、急行も、特急も、EF63形の厄介になりますからね」
 と、駅長が横から言った。
 「なるほど、それだけ、いろいろな機構を持った機関車ということですね」
 亀井が、感心したようにいった。が、十津川は、駅長の説明が聞こえなかったみたいに、じっと連結作業を見守っていた。
 (上掲書、P323、324から引用)
DSCN7581.jpg
 上記の様にマニアでない一般読者相手にEF63という機関車の特殊性を平易な文章で的確にまとめる所はさすがトラベルミステリの第一人者と思います。
 これがマニアの手にでもかかると余計な専門用語や隠語の羅列になって、ただ長いだけの難解な文章になりがちなところでしょう。

 さて、このEF63、碓氷峠の廃止に伴い注目度が上昇した事もあってNゲージではTOMIXがセットを、KATOも後に追随します。
 峠のシェルパの異名を取り、上述の様にあらゆる編成とペアを組む機関車なだけにどちらのメーカーも「双頭連結器が自社独自規格のカプラー(それも密着・ナックルの2タイプ)に対応できる設計」になっている所がEF63らしい所です。
 登場当初こそ「まさかこんな機種までもがNゲージで出るとは!」とか驚かれたEF63ですが、プレイバリューの点で言えばかなり面白いモデルである事は間違いありません。
DSCN7645.jpg
 2両一組で重連運用されるEF63ですから、TOMIXのそれが2両セットなのは当然なのですが、私なんぞはへそ曲がりですから、TOMIXとKATOでペアを組ませて運用しています。
 これならアーノルドも含めて最大5種のカプラーに対応できることになりますので。

 尤もそれ以外ですと例えばブルトレの先頭に立ててみるとかOE88を重連で牽かせるとか言った「夢編成」に使うのが最も多いですが。
 何しろ原則、碓氷峠から殆ど出なかった機関車(車重が重すぎるのと片渡り構造をはじめとする構造の特殊性などから他の線区ではまず使えない)ですのでこういう形で模型の世界だけでも花道を走らせてやるのも良いのではないかと思いますが。
DSCN7577.jpg
 更にEF63はTOMIX以前に夢屋というメーカーが16番ブラスモデル並みの細密なNの金属キット(動力まで自作させる!)を出していた事がありそれのキット組み品もなぜか入手しています。
 この間、秋葉原の某中古屋でこれのキットが7000円で出ていましたが、もしこれがキット組み品で出ていたらおそらく(できにもよるでしょうが)これの3倍から5倍くらいの値がつくのではないでしょうか。
 それくらいプラ製品とは一線を画すディテーリングと質感のモデルです。
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2016年09月17日

鉄道ミステリとNゲージを語る16 「機関車、草原に」とC52

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 今回は「急行出雲」所収の河野典生作「機関車・草原に」から

 鉄道ミステリアンソロジーとはいえ、光文社時代の鮎川哲也は推理物に限定せずに幻想譚やSF、怪談まで幅を持たせたバラエティ豊かなセレクトで読者を魅了しました。
 その中でも本作は特に異色なハードSFとして描かれた物です。

 北極海での核爆発事故をきっかけに海浜都市部が殆ど壊滅した未来の世界。
 世界の主要都市は山岳地帯へ移転し都市間は飛行機と大陸間を結ぶ原子力列車の鉄道網でカバーされ、東京をはじめとした旧都市部は半分水没した廃墟として骸をさらしている時代。

 この設定、エヴァンゲリオンの背景設定に酷似した印象がありますが本作の上梓はそれより20年以上前です。

 その廃墟には新時代から取り残された老人たちとまた、中央都市帯から脱走してきた少年少女たちの流浪者の群れが住み着き、その老人の一人である元機関士と少年たちが互いの企みのために旧東京駅の地下で「博物館から引っ張り出してきた蒸気機関車群をレストアする」
 だが廃墟となった東京の無価値さと危険性を感じ取った中央政府はミサイルによる旧東京の爆破・破壊を決行しようとする・・・

 大まかなストーリーはこんな感じですが全編に漂う乾いた筆致とハードボイルドな空気が一種の緊張感と独特な心地よさを感じさせる一篇で短編ながらも「作品世界と一体になった錯覚」を与える読後感をもたらします。

 本作に登場するのは「ロクジロウ」と名付けられたC62、「ゴイチロウ」ことD51、「ゴシチロウ」ことC57、そして「ゴジロウジュニア」としてC52が登場します。
 ・・・ここまで読んで「あれっ?」と思ったSLファンは多かったのではないかと。
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 そう、この中でC52は20世紀末どころか昭和20年代に全機廃車になって保存機すら残されなかった「存在しない機関車」なのです。
 作者もそれに気づいたのか作中ではC52の描写は殆ど(と言うか全く)ありません。
 「ただ出ているだけ」と言う随分な扱いだったりします。本作の主人公がD52に因んだ「五二郎」と言う老人なのでそこにひっかけただけと言うのが正直なところだったのではないかと思います。

 まあ物がSFだから「C52が残っていたパラレルワールド」という事でもいいかと思います。

 ですが、私が読んだ感じから言うならC52こそ本作の作品世界に一番似合う外見の蒸機だったと思います。

 C52のNゲージモデルはマイクロエースから16番モデルもしなのマイクロと天賞堂から出ていてその魅力については私もこのブログで何度か語った事があります。
 C52は日本最後の輸入蒸気機関車としてアメリカで作られた8200という3シリンダ機をベースに後の瀬野八入線に合わせて補機に対応した改造を施された物です。

 元々は国産3シリンダ機製造のためのサンプルの色彩が強く(これを基に生まれたのがC53)8200として脚光を浴びたのもわずかな期間。
 C52に改造されてからの晩年は瀬野〜八本松間で「峠の後押し」ばかりやらされていたのでファン以外の人には目に触れにくい機関車でした。
 そのせいか大概の蒸気機関車本では非常に影の薄い扱いを受けている悲劇のロコでもあります。
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 「元の8200蒸機の優美なボディを瀬野八対応の改造工事で醜くされた」とか悪評も多いC52ですが、その改造による独特の凄味のある異形感は優美さとは真逆の魅力を湛えています。
 例えるならば「走るサイバーパンク」「蒸気で動くモビルスーツ」という趣でしょうか。とにかく停まっていてもパワフルさを感じさせる凄みがあるのです。
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 私個人の感想では「日本にこんなかっこいい蒸気機関車があったのか!!」と言うカルチャーショックを与えてくれたのがこのC52です。

 大体、「ミサイルが飛び交い沿線の高層ビルに次々着弾する品川の旧東海道線を破片をかいくぐりつつ子供たちを乗せた無蓋車を牽きながら爆走する蒸気機関車」なんてシチュエーション、C57とかD51よりもC52の方がぴったりくると思うのですが…

「このロクジロウは、自分で食ってたもので、自分で馬力を出し、自分で走る。しかし、こいつの食い物はわしが食わせてやる。わしはできるだけ良質の石炭を、うまいタイミングで食わしてやりこいつに最高の力が出せるように手伝ってやる。
そのわしをこいつは軽々と運んでくれる。これが人間と機械との本当の関係でないのかね。
 最近じゃ都市帯じゃ、自動車道路まで手放しで走れる装置がついとるそうじゃないか。人間は中でテレビをみとるそうじゃないか。いったい、何を根拠に、そんなに機械を信用しとるのかね」
(光文社カッパノベルズ刊「急行出雲」所収「機関車、草原に」239Pより引用)

 ここに書かれている蒸気機関車の魅力を私が気付いたのは本書を読んでだいぶ経ってからです。
 そしていまこれを読み返して見て、現在のこの現状を引き比べる時、うすら寒い感じを受けるのは気のせいでしょうか。

 本作はいわゆるミステリとは異なるジャンルに属するものですが、それでいてもっとも強烈な読後感を残す一篇です。
 未読の方には是非お勧めしたいと思います。
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2016年09月06日

1970年・あの頃の8ミリ映像から・・・

昨年の今頃と、今年の初めにも書きましたが亡父が生前に撮りだめしていた8ミリのフィルムが大量に再発掘されまして、今回の帰省でも昨年とほぼ同量のフィルムを持ち帰りDVDに焼き直してもらっていました。

それが先日ようやく仕上がり再びあの頃の思い出に浸りきっていたりします。

昨年発掘されたのは昭和40年代前半が中心でしたが、今回のフィルムは昭和40年代後半から50年初め頃の奴が中心です。実はここまでの文言はさっき上げたサブブログの出だしと全く同じだったりしますが(汗)

こちらは鉄道編で
とはいえ昨年に比べると鉄道の出て来る場面の分量は少ないので動画を上げる訳にはいきません。
DSCN6763.jpg
盛岡駅の送迎風景に写っていた583系のはつかり
当時はやまびこと並んで盛岡駅の二大スターでした。
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この表記にそこはかとない懐かしさを感じてしまう私はおっさんです。
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一見(当時としては)どうという事のない映像ですが今観かえすと「ああ、この頃は二軸の冷蔵貨車にコキが繫がっていたのか」とか感慨にふけったりもします。今ではこういう編成は映像か模型の中でしか再現されなくなってしまいましたが。

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個人的なノスタルジーの対象は「ホームの上の立ち食いそば屋」だったりします。
こういうのは「間違ってもバス停やタクシー乗り場では見られない」駅ならではの設備ですから当時はとても憧れました。
盛岡には「バスセンター」と言う駅によく似た施設があるのですが今月で終わるそうで。

DSCN6770.jpg
その盛岡の駅舎。
新幹線の駅になるまではこんなにも空は広かった。新幹線の開通でこの駅舎も5階建てビル相当の高さになりましたが、今ではその駅舎を見下ろせるビルの方がはるかに多くなってしまいました。
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その新幹線開業前の時期、でかでかと「0系のイラスト看板」が駅を飾っていたのも懐かしい思い出です。
この当時は「新幹線がみどり色になる」なんて誰も予想していませんでした。

如何に当時の東北が新幹線を待望していたかが伺われますが、因みにこの同じ時期、現在の埼京線近辺では「ムーミンやスナフキンまで動員した『新幹線建設反対』の看板の群れ」が沿線を飾っていましたが。
(たしかあの頃の新聞では住民のコメントとして「開通しても東京見物の田舎者しか乗らない」とまで書かれていた気がw ですが新幹線が開通しなかったら今の私の人生様式もなかった訳なのでやはり新幹線は偉大ではありました)
DSCN6779.jpgDSCN6778.jpg
懐かしいといえば「青函連絡船」もそのひとつ。
当時の故郷では中学校の修学旅行の定番が「青函連絡船に乗って北海道へ」でした。

あの頃の連絡船は「デッキにクルマを積んで航行していた」のに驚いたのも今となっては思い出です。
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2016年09月02日

鉄道ミステリとNゲージを語る15 鉄道ミステリと0系新幹線

DSCN6042.jpg
 今回は鉄道ミステリのアンソロジーのいくつかに所収のネタですが同じ題材が多い「新幹線ネタ」を纏めて紹介したいと思います。
 夢の超特急と言われただけあって0系新幹線が登場する、或いは舞台となる作品はあらゆるアンソロジーで登場します。
 それらをちょっと羅列すると

 夏樹静子の「山陽新幹線殺人事件」
 森村誠一の「浜名湖東方15キロの地点」
 大谷羊太郎の「ひかり号で消えた」
 の「まぼろしの指定席」
 星新一の「泥棒と超特急」
 戸板康ニの「グリーン車の子供」
 生瀬勝彬の「孤独な詭計」

 等が出て来ます。
 恐らく短編の鉄道ミステリに限定しても最も多く作品化された題材はこの0系新幹線ではないでしょうか。
 (余談ですがミステリに限らず例えば「東京大地震M8」等のパニック物や実録系の怪談もの、一般の旅行小説等でも0系の登場頻度は高いと思います。そういえばTV化された「消えた巨人軍」も新幹線の乗客消失ネタでした)
DSCN9305.jpg
 しかもそれらの作品は作品としてのバラエティも多い。
 ここに上げた作品群もダイヤグラムアリバイを使った正攻法のミステリをはじめ「走行中の新幹線から乗客が消える」とか逆に「無人の新幹線に取り残されるミステリ」
 或いは「新幹線爆破計画」があるかと思えば「乗客の子供の正体を旅行中に推理する」なんて物まであったりします。

 やはり高度経済成長の時期の象徴であり、鉄道のコンセプトそのものにも変革を与えただけあって0系新幹線は作家にも魅力ある素材だったのでしょう。
 ですが、これを一々このブログで取り上げていったら「毎回0系新幹線のモデルのアングル違いの写真ばかりになる」可能性も高いのでどう書いたものかと少し思案中です。
DSCN8104.jpg
 その0系ですがNゲージでは学研が昭和50年暮れに大窓車を製品化して以来、エンドウ、KATO、TOMIX、マイクロエースと各社から製品化されているメジャーモデルです。
 現役当時は鉄道マニアから半ば目の敵にされていた感のある0系ですが、その引退前後からノスタルジーの対象として再評価され、今ではレイアウトや運転会などでスター扱いになっている点で評価の変転が著しい機種とも言えます。

 Zゲージでもエフトイズとプラッツ(動力)によって割合早い段階で製品化されています。
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2016年08月19日

鉄道ミステリとNゲージを語る14「汽車を招く少女」からGMの信号所

 今回は光文社版アンソロジー「急行出雲」所収の丘見丈二郎「汽車を招く少女」から。

 鉄道ミステリの括りにありながらSFやファンタジー、怪談の類まで収録しているのが光文社時代の特徴です
 本作は一見して怪談の体裁をとっているもののその中でも謎解きの要素が比較的強い作品です。
SNShouo71IMG_3435.jpg
 私なんかだと丘見丈二郎と言うと連想するのは東宝特撮の「地球防衛軍」の作者だったりするのですが(笑)
 元々氏は日本のSF界では古典派に属する作家の草分け的な存在でした。

 本作は終戦直後のとある国鉄ローカル線を舞台に「夜な夜な幻の列車に手招きをする少女の幽霊」を題材に描かれた怪談仕立ての一篇です。
 主人公は旧友の信号手とともにそれを目撃するのですが実はその裏には予想もしない悲劇が隠されていました。

 ここから先はぜひ現物を読み通していただければと思います。
 こちらも光文社文庫の復刻版で入手は比較的容易と思います。

 さて、本作を一読された方はすぐにディケンズの怪異譚である「信号手」を連想される事と思います。
 実際作中でも登場人物が「ここでディッケンズそこのけの事が起こるのだ」と言及しているくらいですから作者自身も意識はしていたと思います。

 ですが作品の構成はシチュエーションこそ酷似して居ながら見事な換骨奪胎がなされ、特に読み終えた時の哀感は「信号手」にはない独特の雰囲気を持っています。

 さて、本作では形式を特定できるような形で車両は描写されません。
 ではなぜこの作品をここで取り上げたかと言いますと、

 作品の舞台が「海岸沿いの信号場」だったからです。
 つまり「GMの信号所に話を持って行けるな」という無理やりな論理ですが(笑)
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 このブログでも時折取り上げていますがGMの信号所は詰所と併せて「初の日本型ストラクチャー」としてリリースされた物です。
 ヤード用に使うにはやや高さが不足と当時の専門誌の製品紹介にも書かれており土台を嵩上げすれば使えるというレベルでしょうか。
 私も棚幡線の工事の時この信号所のキットを切り詰めて使いましたが確かに見晴らしは良くなさそうです。

 ですがこれが信号場であれば退避線1本程度の見晴らしがあればこの高さでも問題はなさそうです。

 その目で本作を読み返しながらこのキットを手に取って見ると「宿直の信号手はこの建物のどこで寝ているのだろう」とか余計な事を考えたりします。

 「余り泊まったことはないんだ」
 {というと?」
 「駅で寝たり信号所で寝たりさ」
 「信号所?」
 「トンネルの向こうの信号所さ(中略)」
 「景色のよい所だよ。それこそ別天地だ。静かで人気がなくてさ。凪いでよし、荒れてまたよし、はるばると黒潮の鳴る太平洋を大らかなる詩と見立ててだ。大丈夫、二人が寝るくらいのスペースはある。終列車が通れば朝まではまったくフリーな時間だし、月下の太平洋は素晴らしいぜ」
  (光文社カッパノベルズ」版「急行出雲」所収「汽車を招く少女」125〜126Pより引用)

 この一連の会話からレイアウトづくりのインスピレーションがなんとなく湧き起ってくる辺りは作者の筆致のなせる業と言えるところで私個人も好きな部分です。

 「朝まで何をしているんだい?当直ならまさか眠ってしまうわけにもゆくまい」
 「なんの、眠ったって平気さ。しかし僕はそんなふうにさぼりはしない。たいていは読むのさ。昼間の馬鹿用で無駄に過ごした人生の貴重なときを、この時に取り戻すのだ」
 なるほど、その考えは増田らしい。彼はディッケンズの耽美者であった。この妖しい無人の境の深夜にデッケンズの豊麗奇絶な風趣に浸るのは、彼にとっては人生の貴重なひと時かもしれぬ。
 (同127Pより引用)

 鉄道員に限らず、一度こういう優雅な当直という奴をやって見たかったですが、いざ当直をやってみると現実はなかなかそうはいきません(笑)
1369335265.jpg1369335246.jpg
 写真の信号所はミニSLレイアウトの棚幡線に使うためにGMのキットを切り詰めたものです。
 サイズ的にはこれ位こじんまりしていた方が作品にも似合う気もします(自画自賛)
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2016年08月05日

鉄道ミステリとNゲージを語る13「急行出雲」から

 今回は鮎川哲也の「急行出雲」から
DSCN6259 (2).jpg
 大阪で起きた殺人事件の容疑者が出雲に乗車したアリバイを主張、所が該当の車両の客は誰ひとりとして被疑者を見ていない。
 被疑者は本当に出雲に乗っていたのか、もしそうならアリバイは何故消されたのか。
 これが本作の大まかなあらすじです。

DSCN6260 (2).jpg
 本作の肝は列車編成で素人がイメージしがちな思考の盲点を突いたところ(編成ファンなら常識でしょうが)にあります。
 これを応用して幽霊車両を設定できるという点では意外と応用範囲の広いトリックかもしれません。

 解説で作者自身が述べている様に本作のもうひとつの肝(こちらが実はメインですが)は真犯人が被疑者に掛けた「アリバイ消失のトリックを見破る所」にあります。
 今でこそこういう構成はそれほど珍しくない(特に倒叙推理が増えている現状では尚更です)でしょうが当時は探偵の側が被疑者のアリバイを立てようとする構成はそれなりに目新しかった気もします。

 余談はそれ位にして
 「出雲」と言うと今なら「サンライズ」と付きますが(笑)歴代の出雲はブルトレあり、10系ありと結構バラエティに富んでいます。
 本作が書かれた当時の「出雲」は調べた範囲では「DF50が牽引する10系客車主体」の頃の様です。
DSCN6271.jpg
DSCN6264.jpg
しかも調べた範囲ではこれが書かれた当時の牽引機は電化区間ではEF58、非電化区間では先述のDF50の他にC51や時期によってはC12が牽引していたこともあったとか。
 東京を出る時は結構な長編成ですがあちこちで切り離されて徐々に短くなってゆくと言うこの編成の特徴がよく出たはなしですね。
DSCN6268.jpgDSCN6274.jpg
 私の手持ちでこれが再現できるかと思ったのですがフル編成では「ナハ11が大量に必要」なのにうちの手持ちがナハフを入れてもたった3両だったので早々と挫折。
 結局「それっぽい編成」のレベルにとどまります。


 あの頃の長距離急行は分割併結当たり前みたいな所がありましたし、多客期や団体扱いで増結車が加わる事もそう珍しくなかった時期ではあります。
 そんな背景を念頭に置いてレイアウトやお座敷運転なんかで同様の編成を組んでみるのも面白い気がします。

 「架空の小説の通りの列車編成」というのは実車準拠が幅を利かせている最近の模型運転では結構大穴の様な気もしますし(笑)
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2016年07月29日

鉄道ミステリとNゲージを語る12「特急夕月」と583系

 鉄道ミステリをNゲージモデルと絡めて語るシリーズ。
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 今回は「急行出雲」所収の夏木静子作「特急夕月」から

 私自身本作を読むまで「夕月」と言う特急が存在する事を知りませんでしたが、実車は昭和43年から48年頃にかけて新大阪と大分を結ぶ夜光特急として活躍していたとの事です。
 本作はその夕月の車中を舞台にした一幕物で、一人旅で延岡に向かう化学会社の二代目社長とあるたくらみを胸に秘めて途中乗車して来る彼の部下の秘書課長のやり取りを中心にどきりとするラストまで一気に引っ張ります。
 夏樹氏は女流推理作家の草分け的存在でありながらも鉄道ものの短編も結構多いらしく鮎川哲也編集のアンソロジーでも3作が取り上げられているほどで、本作はその中でも最初のものです。

 さて、その夕月の運用に供されたのは主にボンネット時代の485系や489系だったらしいですが宮崎まで走る臨時列車には583系が充てられていた時期もあった様です。

 そして本作の舞台となる夕月はまさにその臨時の583系の方が登場します。
 583系は夜光では寝台にもなる車両ですが本作では座席寝台に設定されています。
 尤も、舞台となるのはグリーン車のサロ581なので最初から寝台はないですが。

「もう一つ大きな気懸かりだったのは、この列車の込み具合である。「夕月」は夏期と年末だけ運行するいわゆる帰省列車の性格を持ち、ローカル線の夜行特急と言うイメージよりも利用率が高いと聞いていた。583系明星型電車の12両編成で、本来二等車は全部寝台車なのだが、人手をはぶくために、すべて座席にして乗客をつめこんでいる」
 (光文社文庫版「急行出雲」所収「特急夕月」439Pより引用)

 作中でも夜行の座席車を伺わせる描写が多く、車内の独特の息苦しさが伝わって来るようです。
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 私自身は座席寝台を使った経験がないのですが小学生の時、東京からの帰途で乗った特急がダイヤの乱れで深夜の到着となった事があるのでこうした雰囲気は何となくわかる気がします。
 (尤も座席寝台で「乗客が殺気立っている」なんて事はないでしょうが)

 ネタバレを避けつつか書かせて頂くならラストのひっくり返しは特急車両の特徴が当時としては上手く盛り込まれ(逆に言うならそれらの特徴を知らない読者がまだ当時は多かったのではないかとも思えますが)ユーモラスな幕切れに一役買っています。
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 さてその583系はNゲージでは1976年暮れに学研がモデル化してから現在までの間にTOMIX、KATOから製品化され、後二社では現在までにモデルそのものがモデルチェンジでハイグレード化されるほどの人気モデルです。
 書き忘れましたが、学研からのリリースはKATOの181系よりも半年以上早く、日本初の特急型電車のNゲージ化でありました。
IMG_6196.JPG
 それだけに年代ごとの造形の変遷も激しく、初期のモデルと現行のモデルを並べると今のコレクターなんぞはその落差に唖然とすること請け合いでしょう。
 尤も、旧モデルでも造形の味は十分に感じられるので単純に優劣は判断できませんが。

 実車で私が縁があったのは専ら東北本線の「はつかり」辺りですが昼間利用が多かったので夜行の雰囲気は今ひとつ感じませんでした。とはいえ二重窓の間を上下するブラインドとか無闇に高い背もたれとかに独特のスペシャリティ感を感じたのは確かです。尤も普通車を選ぶと背もたれはまず倒れませんでしたが当時は子供だったのであまり気にしなかったと思います。

 この前後の時期に東北本線を走る583系の座席寝台電車と言うとかつての「ゆうづる」にもそういうのがありました。
 運行時間帯の関係で食堂車はあっても営業せず、車内販売もないという代物でしたが。
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2016年07月22日

鉄道ミステリとNゲージを語る11「急行さんべ」とDF50

 鉄道ミステリをNゲージモデルと絡めて語るシリーズ。

今回は「急行出雲」所収の天城一作「急行さんべ」から。
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 とある夏の夜、赤坂で起こった殺人事件の容疑者が「急行さんべ(正式には三瓶)」乗車のアリバイを楯にとると言う内容の本格推理の佳作です。

 本作は当時理学博士だった作者が「昭和51年頃に昭和38年の時刻表をたまたま見ている内に思いついたダイヤグラムアリバイ」をものした物です。
 「理学博士が研究に疲れた頭を休めるために推理小説を書く」という執筆動機も凄いですが、書かれたアリバイトリックが時刻表マニアも唸りそうな緻密さで読む者を圧倒します。
 作中には当時の時刻表のコピーがいくつか掲載されていますが、見ている内に目が痛くなる位に分刻みのアリバイ構築されているから凄い。
 捜査陣があらゆる可能性を探っていったんは割れかかるニセアリバイが次々に否定されてゆくるプロセス描写は正に時刻表トリック物の王道と言う趣すらあります。
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 今回も極力ネタばれは防ぎますが、今みたいに「そこいらのスマホで時刻表検索ができる時代だと絶対に成立しないトリック」とだけ言っておきます。
 とは言え私自身今でも時折読み返す一編なのですが時刻表トリックものにありがちな無味乾燥なところがない所は終戦前後の時期にも推理小説をいくつか物にしていた作者の面目躍如という所でしょう。

 さて、小説の方は上述の通り良く読み返していたのですが、肝心の当時の「さんべ」がどういう編成のどんな車両だったのか私自身はよく知りませんでした。
 このブログを上げるにあたってネットや資料なんかを漁っておぼろげにアウトラインを知った次第です。
 
 それによるとこの当時のさんべはDF50牽引の客車列車で、グリーン車1両に普通車4両という急行としては比較的コンパクトな編成だったようです。
 これなら手持ちの車両で編成が再現できるのではとか思ったのですが調べた範囲では客車の具体的な形式が分りません。
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 写真の編成はとりあえず10系客車中心で纏めましたが実際はかなりの相違があるものと思われます。
 牽引機のDF50は以前中古を入線させたTOMIXの最も古いタイプです。
 何しろヘッドライトが緑色に光る(当時は白色はおろか電球色のLEDなんてのはあまりありませんでした)
 初期の動力ユニットはスプリングウォームによる動力伝達という個性的な伝達方法ですが、それゆえに独特なノイズ(ディーゼル機関車っぽいと言えない事もない)を唸らせながら爆走するのですから気分だけは満点ですね(笑)
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 天城氏はこの前後の時期に同様の時刻表アリバイ物の短編をいくつかものにしておられますがどれも手堅い作りで鉄道ファンにはお勧めできると思います。
 (実は当初は別なアンソロジーに収録されていた「寝台急行月光」を題材にしようと思ったのですが登場する客車のマロネ40の手持ちがなかったので本作を選んだ経緯があります)

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2016年07月15日

鉄道ミステリとNゲージを語る10「見えない電車」と小田急デ二1300

 鉄道ミステリをNゲージモデルと絡めて語るシリーズから。
 最近入線車とか書籍の紹介なんかで妙に小田急づいているこのブログですが、今回も小田急が登場します(笑)
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 今回はカッパノベルズ版「見えない機関車」所収の小林久三作「見えない電車」を。
 まるでアンソロジーのタイトルとは語呂合わせの様なタイトルですが作品は別物です。

 本作は小田急線の生田〜向ヶ丘駅周辺を舞台にした殺人事件に絡むアリバイトリックが中心となる短編です。
 最初は現職刑事による殺人という題材で最初は倒叙推理かの様に思わせておいて実は別の犯人が存在していたという短編にしてはなかなかゴージャスな構成が魅力でありました。

 これを読んだ当時は「私の近所に私鉄という物が存在していなかった」ので私鉄沿線を舞台にした鉄道ミステリと言うだけで盛り上がった記憶が(笑)

 本作に出てくる生田駅前のバー「アリス」周辺の描写などは大都市近郊の私鉄駅前の雰囲気を感じさせて個人的に好きな部分ではあります。
 一例をあげると、

「『アリス』は文字通り生田駅前にあった。駅の改札口を出るとちいさな広場があり、その広場を挟んで斜め向かいにあるのが『アリス』である。四階建てのビル形式で、一階が『アリス』、二階がパチンコ屋、三階が麻雀屋になっていた。駅から零分、正確に言えば一、二分の距離だろう(中略)

『入口が二つあるのかい、この店は』沖はカウンターの中のバーテンにきいた(中略)『お客さんが今はいってきたのは裏口なんですよ。世田谷―町田線の通りに面した方が表口になっているんですがね。通りは車の往来が激しいもんで、近頃じゃ駅前の方が表口のような格好になっています』

(光文社カッパノベルズ「見えない機関車」284ページより引用)

 私の現住地や出身地では駅前通りよりもその裏の通りの方が交通量が多いというシチュエーションは殆どないので、こういうのはまさに都会近郊の私鉄ならではの情緒と言う気がします。
 大体にしてうちの近所には「駅前で一杯やれるような店なんかありません」これだから田舎もんは(笑)


 出来る限りネタバレを避けて書こうと思いますが、出来れば以下の部分は一読されてからご覧になって下さればと思います。
 (本作所収の「見えない機関車」は光文社文庫で出ている様です)


「荷物電車と言うのがありますね。日に何便か走っているのですが、荷物電車の上り最終便は生田駅を11時36分に出ます。3両編成で、運転手一人に係員一人が乗っているんですが(中略)この電車は11時20分に向ヶ丘遊園駅に着きます(中略)荷物電車が駅を発車するとき、ホームには駅員ひとりが見送りますが、すぐに事務室にもどります(後略)
 (光文社カッパノベルズ「見えない機関車」291ページより引用)

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 本作の主役と言える小田急の荷物電車は、少なくとも鉄コレと乗工社から出ています。
 この内乗工社のデユニ1000はこのブログでも取り上げていますが年代的に古い気がするのでここでは鉄コレのデニ1300をば。
 本作の書かれた時期は昭和51年との事ですがこの前後の時期にデニ1300の編成が向ヶ丘近辺を走っている写真はいくつかWEBでも確認できました。
DSCN4117.jpg
 当時は新聞輸送等に荷物列車や荷物電車が駆り出される事が多かった時代ですが、私鉄の荷物電車はやや小ぶりの車体でちんまり纏まっている所に魅力を感じます。
 本作に出てくる荷電の編成は3連で鉄コレでこれを再現するには少なくとも2セットは必要という事ですか。
DSCN4116.jpg
 当時の生田〜向ケ丘遊園の写真を観ると中々寂しい沿線風景だった様なので本作で使われたトリックは或いは実際に可能かもしれません。
 デニの前面形状もこのトリックにはおあつらえ向きの様ですし。
 (但し3連で後尾に車掌がいる場合はモロばれですね)
 (尤も私はスタントマンでないので実験する気にはなれないですが)

 最後に
 移転以来の当ブログの訪問者数が12万を超えました。
 相変わらずの内容ですがこれからもよろしくお願いします。
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2016年07月08日

鉄道ミステリとNゲージを語る9「無人踏切」と111系(?)

 鉄道ミステリをNゲージモデルと絡めて語るシリーズから。
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 今回はこのシリーズの編者でもある鮎川哲也のネタです。
 アンソロジーの4冊目に掲載され、本そのもののタイトルにもなった「無人踏切」を取り上げます。

 ストーリーをざっくりかいつまむと茅ヶ崎で起こった殺人事件の容疑者のアリバイ作りに湘南電車が使われるという話です。
 タイトルにもある様にこの作品の描かれた時期は首都圏でクルマの通る様な道路にも無人踏切が当たり前の様にあった時期です。
 冒頭で容疑者たちがクルマで列車の通過待ちをする部分では周囲の寒々とした情景や車内のむさくるしい空気までも感じられて私が好きな部分でもあります。

 さて、ストーリーに絡む証言の部分を引用させて頂くと

 「それじゃこんな事も言えるわけですな。あんたはそこが逗子か鎌倉のあたりだと思っていたけれど、ひょっとすると東京の郊外だったかもしれないし、また大磯か二ノ宮の近くだったかもしれない」(中略)
 「東京ではありませんわ。それに、大磯なんかでもありません」
 「どうして?」
 「だって、すぐそばを横須賀線が走っていたんですもの」
 「電車を見たの?」
 (中略)
 「横須賀線の電車の色は?」
 「上半分があわいクリームで、下半分が濃いブルーです」
 もはやそれが横須賀線の電車である事は間違いない。
 (光文社文庫「無人踏切」249〜250Pより引用)
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 昔の国電はどれもこれも茶色一色でしたが、この前後の時期からいわゆる湘南色とかスカ色をはじめとして「電車のカラフル化」が進行し電車のカラーリングがアリバイ証明に使われるくらいに「地区や線区の象徴」とすらなって居た事が伺われます。
 今では当たり前の事ですがこれが書かれた当時は結構新鮮な事だったと思います。
 だからこそトリックの種にもなったのでしょうがこれ以後の時期になると特にスカ色の電車はあちこちで走り回る様になりましたし、最近の様な「何でもありのカラーリング」の時代になるとこういうアリバイ証明は難しいかもしれません。「京王帝都のカラーの電車が、山梨や島根を走るくらいですし(笑)」
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 さて、ここで登場する列車ですが形式名こそ書かれていませんが恐らく111系か113系だったのではないかと思います(あるいは70系と80系だったらなお確実と思います)
 初出が1962年と時期的にも111系の登場時期に符合していますし。
 そんな時代設定からすればGMから出ていた111系辺りが似つかわしいのではないかと。
DSCN6484.jpg
 ここで書いた様に111・113系はNゲージでは比較的早い段階から登場、拡充が図られた系列です。
 上述のGM製の完成品が77年の専門誌の新年号に登場。但しこの時点では動力車なしでKATOの103系のそれを転用できる配慮がされていました。
 その2年後くらいにTOMIXがスプリング駆動のウォームギアという独特な構造の自前動力を引っ提げて113系をリリース。
 これが爆発的な売れ行きを上げたと思います(この頃の中古モデルが35年以上経った今でも奥やショップに並ぶ事がある位です)
DSCN8823.jpg
 そう言えば私が最初に買った編成物もこの頃のTOMIXでした。

 後にKATOやマイクロエースもこの系列に参入。
 線区ごとのバリエーションも作り分けられて製品化されていますし、恐らくNゲージでは最も種類の多い電車モデルではないでしょうか。

 さて本編の解説で作者のコメントとして「ここで書かれていた事は掲載当時に実際にあった事なのである。現在では見られない」とあります。
 鉄道マニアなら知られた事でも当時は一々こう書かなければならない時代の頃の話です。
 今これに近い事をやったら近所の撮り鉄が黙っちゃいないでしょう(ネタばれは極力避けたつもりですがファンから見ればバレバレの様な気もします)
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2016年07月01日

鉄道ミステリとNゲージを語る8「20秒の盲点」と『銀賞堂』

 鉄道ミステリをNゲージモデルと絡めて語るシリーズから。

 今回は「下りはつかり」所収の斎藤栄の「20秒の盲点」から。

 銀座の宝石店から「地中海の星」と呼ばれる石を強奪した3人組。
 その中の一人が逃走し損ねて警察に捕まり、宝石の取引現場を自白。
 根岸線洋光台の駅でその取引が行なわれるとの情報に基づいて張り込む捜査陣だが、犯人は誰にも気づかれることなく現場を離脱してしまう。
 何故犯人は張り込みに気付いたのか、その逃走方法は?

 というのが大まかなストーリーです。
 それにしても私があらすじを書くとどうしてこうつまらない書き方になってしまうのか(汗)

 個人的な読後感は「テレビの刑事アクションドラマのノベライズみたい」だったりします。
 本作は昭和50年に上梓されたもので「下りはつかり」の初版とほぼ同時期の作品ですが、この頃と言うとテレビの刑事ドラマの全盛期と重なります。
 作中、主人公の刑事が取り調べ室で犯人に酒を飲ませて情報を聞きだす描写があるのですがこれなどは小説としては型破りなものの、当時の刑事ドラマでもありそうな展開に感じてしまいます。
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 さて、本作を取り上げた理由のひとつにこの「昭和50年」という時期が絡んでいます。
 冒頭、犯人たちが侵入する銀座の宝石店の名称は「銀賞堂」
 宝石入荷で警報システムが手薄になっている所が狙われるという設定です。

 記憶されている方もおられるかと思いますが天賞堂の通称「オメガビル」がオープンしたのが昭和49年。
 つまり本作の宝石店のモデルも天賞堂だったと思われます。
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 現在は形態を変えていますが、このオメガビルは昭和55年頃にGMが「5階建て商業ビル」としてキットを出していた事があります。
 当時はレイアウト用の一般建造物のモデル化が進んでいた時期でしたが、当時のレイアウトビルダーにとっては以前このブログで紹介しているTOMIXの近郊住宅とかGMの商店みたいに「どこにでもありそうな汎用性の高い建物」が求められていました。
 そんな中で当時専門誌の広告で賑々しく紹介され鉄道模型ファンの聖地の元祖みたいな扱いだったとはいえ「銀座以外で見そうにない」オメガビルの製品化というのはかなり思い切った所業と言えました。

 モデラーの方も「買うには買ったけれど扱いに困った」様でここ10年ほどの中古モデル屋でオメガビルのキットメイクにはよく当たります。
 同時に出ている普通の5階建てビルや立体駐車場は殆ど出物を見ませんから私の推察もあながち的外れではない気もします(笑)

 鉄道ミステリなので当然駅の描写もあるのですが実は駅の構造がトリックの要となっています。
 ここは実際に本編を読んで頂いた方がよろしいかと。
 (但しトリック自体は洋光台と似た条件の駅ならどこでも可能と思いますし、その条件を満たす駅は結構どこにでもありそうな気も)
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 加えて登場する電車もこれまた当時首都圏ではあちこちに居たただの通勤電車。

 舞台が根岸線なので恐らく京浜東北線の103系辺りが出ていたのではないでしょうか。
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2016年06月24日

鉄道ミステリとNゲージを語る7「気狂い機関車」とB6蒸機から

 今回は徳間文庫トラベルミステリー「シグナルは消えた」所収の大坂圭吉の「気違い機関車」(但し文庫では「狂った機関車」に変更)を。

 大阪作品では以前にD50を主役に据えた「とむらい機関車」を紹介しましたがこの作家の作品は鉄道に限らずどのジャンルの作品でも事前の情報収集や取材をきちんと行なって書くと言う特徴があります。
 今でこそこういう創作姿勢は当然なのですが戦前の探偵小説の勃興期でこういう緻密な姿勢はまだ珍しかった事もあり作者を「本格推理小説の先駆者」と呼ばれる理由のひとつに数え上げさせています。

 鉄道物ではありませんが「デパートの絞刑吏」「カンカン虫殺人事件」などでもその特徴は顕著でこれだけを読んだら作者がデパートの宿直や港湾人夫の経験者ではないかと思わせる説得力があります。
 その点は本作でも同様でこれやとむらい機関車だけ読めば作者が鉄道員だと思ってしまう読者は結構いる気がします。
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 取材に基づく知識が確かなだけでなく、そうして得られた情報を事更にひけらかすような書き方を避けている所もそうした印象に繋がっている感じがします。

 それはさておき、
 本作はある雪の夜に走行中の機関車で発生した機関士の殺人事件とそれに伴って行方不明になった蒸気機関車の行方を捜す二重のミステリを短編として要領よくまとめています。
 ネタばれになるので落ちは書きませんが犯人の意外性や動機の異常性は今読み返しても強い印象を残します。
 (本作は「とむらい機関車」同様に青空文庫でもただでw読めますので是非併読をお勧めします)
 その一部をここで引用させて頂くと
「列車――と言うと、一寸門外の方には変に思われるかも知れませんが、恰度(ちょうど)その時刻には、H機関庫からN駅の操車場(ハンプヤード)へ、作業のために臨時運転をされた長距離単行機関車がこの線路を通過しております。
入換用のタンク機関車で、番号は、確か2400形式・73号――だったと思います。御承知の通り、臨時の単行機関車などには勿論(もちろん)表定速度はありませんので、閉塞装置に依る停車命令のない限り、言い換えれば、予あらかじめ運転区間の線路上に於ける安全が保障されている以上、多少の時刻の緩和は認められております。
で、そんな訳で、その73号のタンク機関車が本屋のホームを通過した時刻を、今ここで厳密に申上げる事は出来ないですが、何でもそれは、三時三十分を五分以上外れる様な事はなかったと思います。
尚、機関車が下り一番線を通ったのは、恰度その時、下り本線に貨物列車が停車していたためです。――」
「そうです。――多分御承知の事とは思いますが、タンク機関車は他のテンダー機関車と違って、別に炭水車テンダーを牽引しておらず、機関車の主体の一部に狭少な炭水槽タンクを持っているだけです。
従ってH・N間の様に六十哩(マイル)近くもある長距離の単行運転をする場合には、どうしても当駅で炭水の補給をしなければならないのです。勿論73号も、此処で停車したに違いありません。
そして、この給水タンクから水を飲み込み、そこの貯炭パイルから石炭を積み込んだでしょう」
DSCN5723.jpg

 さて、本作の主役となる機関車は2400形タンク機関車。
 一見してマイナーな形式の様に見えますが、これは明治時代に大量に輸入、国産化されたタンク機の代表格「B6」の一機種です。
 「B6」というのは動輪が3対、後に一対の従輪が付いたタイプを指します。
 一般にB6と呼ばれて一番ポピュラーなのはイギリスから輸入された2120形ですが、2400はこれのドイツ版です。
 ふたつを並べれば外見上の差異は結構あるのですが素人目にはほとんど見分けはつきません。
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 Nゲージで出ているB6も2120が殆どで私が知る限り2400形としてのリリースはなかった筈ですが、雰囲気的には殆ど同じですのでここに紹介する次第です。
 B6で最も入手しやすいのは今は亡き河合商会製のモデルですがメーカーの気合からか微妙な仕様違いが4タイプ出ている上にそれとは別にブラス車体のモデルまでリリースされています。
DSCN8677.jpg
 このB6は国鉄は勿論、私鉄や専用線などに譲渡されたものが多い上に昭和40年頃までは入替用で使われていたほど息の長い機関車でした。
 特撮映画では「青島要塞爆撃命令」ウルトラQの「甘い蜜の恐怖」にこれのミニチュアが登場します。

 その意味で言えばもっとモデルが出てもおかしくない機関車と思います。
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2016年06月17日

鉄道ミステリとNゲージを語る6「省線電車の射撃手」とクモハ11&12

先日からスタートさせました鉄道ミステリとそれに絡んだNゲージモデルのはなしから。
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今回は徳間文庫版トラベルミステリー@、「シグナルは消えた」所収の海野十三作「省線電車の射撃手」から

海野十三は「火星兵団」「浮かぶ飛行島」等に代表される戦前のSF作家の草分けですが、一方で科学知識を探偵小説に応用した点でも草分け的存在でした。
本作も後者の流れの上に書かれた作品で科学探偵の帆村荘六が活躍する一編です。

ある夏の夜、暗闇を疾走する山手線の車内で発生する連続女性射殺事件。
走行中の車内で正確に標的を捉える射撃手の正体は、そのトリックは何か。

というのが大まかのストーリーですが、舞台が昭和初期の山手線の車内なので夏の夜の車内描写には思わず時代を感じてしまいます。
その部分を引用させて頂くと

「もう九月も暮れて十月が来ようというのに、其の年はどうしたものか、厳しい炎暑がいつまでも弛ゆるまなかった。「十一年目の気象の大変調ぶり」と中央気象台は、新聞紙へ弁解の記事を寄せたほどだった。復興新市街をもった帝都の昼間は、アスファルト路面が熱気を一ぱいに吸いこんでは、所々にブクブクと真黒な粘液を噴ふきだし、コンクリートの厚い壁体は燃えあがるかのように白熱し、隣りの通りにも向いの横丁にも、暑さに脳髄を変にさせた犠牲者が発生したという騒ぎだった。夜に入ると流石に猛威をふるった炎暑えんしょも次第にうすらぎ、帝都の人々は、ただもうグッタリとして涼を求め、睡眠をむさぼった。帝都の外郭にそっと環状を描いて走る省線電車は、窓という窓をすっかり開き時速五十キロメートルの涼風を縦貫させた人工冷却(フォースド・クーリング)で、乗客の居眠りを誘った。どの電車もどの電車も、前後不覚に寝そべった乗客がゴロゴロしていて、まるで病院電車が馳(はし)っているような有様だった。そんな折柄、この射撃事件が発生した。その第一の事件というのが。

時間をいうと、九月二十一日の午後十時半近くのこと、品川方面ゆきの省線電車が新宿、代々木、原宿、渋谷を経て、エビス駅を発車し次の目黒駅へ向けて、凡(およ)そその中間と思われる地点を、全速力(フル・スピード)で疾走していた。この辺を通ったことのある読者諸君はよく御存知であろうが、渋谷とエビスとの賑やかな街の灯も、一歩エビス駅を出ると急に淋しくなり、線路の両側にはガランとして人気のないエビスビール会社の工場だの、灯火も洩れないような静かな少数の小住宅だの、欝蒼(うっそう)たる林に囲まれた二つ三つの広い邸宅だのがあるきりで、その間間には起伏のある草茫々(くさぼうぼう)の堤防や、赤土がむき出しになっている大小の崖や、池とも水溜まりともつかぬ濠(ほり)などがあって、電車の窓から首をさしのべてみるまでもなく、真暗で陰気くさい場所だった。

この辺を電車が馳っているときは、車内の電燈までが、電圧が急に下りでもしたかのように、スーッと薄暗くなる。そのうえに、線路が悪いせいか又は分岐点(ぶんきてん)だの陸橋などが多いせいか、窓外から噛みつくようなガタンゴーゴーと喧(やかま)しい騒音が入って来て気味がよろしくない。という地点へ、その省線電車が、さしかかったのだった。」


当時クーラーどころか扇風機もない暑苦しい電車の描写は臨場感たっぷり。
そこで繰り広げられる連続射殺事件ですがそのトリックの解釈では以前紹介の「電気機関車殺人事件」そこのけに科学講義みたいな解説のオンパレード。
これまた戦前ミステリきっての「理数系犯罪小説」の様相を呈してきます。

本作はインターネット図書館の青空文庫で購読可能ですのでここはぜひ全編をお読み頂きたいと思います。
DSCN8826.jpg
さて本作に登場する山手線の電車ですが時代的に行ってモハ30系である可能性が高いと思われます。
そのモハ30系は後に形式名を変えてクモハ11、クモハ12として鶴見線や南武線、仙石線等でかなり後まで使われました。
DSCN8828.jpg
改装後のボディで微妙に当時のものとは違うはずですがこれらは鉄コレやGMのキット、最近ではKATOがそのものずばりの南武線セットとしてここ数年の間に一気に充実しました。
今の目で見れば短駆に見える車両ですが当時はこの編成が暗闇の恵比寿周辺を疾走していたのだと思うと隔世の感ですね。
(なにしろ当時は人家の殆ど無い夜になると真っ暗やみの場所だった様ですし)

Nのクモハ12は私の手持ちでは鉄コレとKATOの仕様が在籍しているのは昨年このブログでも紹介しています。
ですがこんな事を書いているうちに何となくこの間リリースされたばかりのクモハ11も欲しくなってくる気がするから怖いです。

ところで余談ですが本作の探偵役の「帆村荘六」氏。
この前後の時期は普通の犯罪ものの探偵なのですが、後には国際謀略団と対決するようになり、その後戦争末期の時期にはB29の空襲もなんのそので「宇宙人とファーストコンタクト&宇宙戦隊を編成して大攻防戦をやらかし」戦後もNYの新聞社の嘱託として「金星航路の宇宙船に乗って怪星の探検に出かけてしまう」(どう見ても超未来のはなしとしか見えないのですが)という大活躍ぶりを見せます。
これなどは探偵作家とSF作家の顔を持つ海野十三だからこそ可能だったと思いますが、
帆村荘六氏は私に知る限りでは世界一活躍期間の長い名探偵なのではないかと(笑)
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2016年06月10日

鉄道ミステリとNゲージを語る5「飛行する死人」とキ620

先日からスタートさせました鉄道ミステリとそれに絡んだNゲージモデルのはなしから。


今回は「下りはつかり」所収の青池研吉作「飛行する死人」を取り上げます。
ある意味私にとってもタイムリーなネタですし(笑)

ある雪の朝、三方を建物に囲まれた三角地帯の空き地に「二本の足を逆さまに突っ立たせた女の死体」が発見されると言うのが発端となります。
その捜査の過程で被害者と容疑者たちのどろどろした人間関係があぶり出され更に終戦直後のデカダンな世相を感じさせる描写と相俟って生臭さ全開の展開となります。
その過程で特異なトリックが暴きだされるという構成で短編の割に密度が非常に濃く読み応えがあります。
実は鉄道絡みでない殺人トリックがその後にもうひとつあったりしますが、作者が新潟の方という事もあってか豪雪地帯の風景や生活の描写が非常に優れています。

私個人としては大雪の夜、雪の帳の中を歩く刑事たちの描写や翌日の積もった雪の上に夕陽のさしかかる庭の描写などに思い入れを感じます。
まあ、この辺りは私の方も自分の故郷の冬景色と重ね合わせてしまうからでしょうか。

ここまで書いてしまうとこのブログの読者の方ならトリックなんか丸わかりと思います(笑)
なのでここからはその前提で話を進めます。
未読の方はネタバレになるので是非文庫版をお読み下さったうえで以下を読んで頂けると有難いです。

ここでの主役は除雪車。
この間動力・駆動系に手を加えてどうにかトレーラーが牽けるようになったMOREのキ620。
本作の終戦直後の時代設定ですとこれの前の型のキ600が該当するのですがこちらはマイクロのキマロキセットにあったと思います。
ただし素人目には外見の大きな違いはないので便宜上キ620ではなしを進めます。
DSCN7319.jpgDSCN7324.jpg
この形式自体、鉄道模型としては相当にマニアックなのですがNゲージ蒸気機関車様のサイトを見たところこの種のロータリー車だけで少なくとも3社4タイプが競作されていたと言うから驚きました。
しかもどれもが揃って「ブレードが回転する」機構付き。
全く凄い時代になったものです。

ですがこのトリック(?)でふと疑問に思ったのはいくら大雪でもラッセル車もマックレーもなしに蒸機駆動式ロータリーが単体でいきなり除雪に出動するだろうかという事です。
後のDD14やDD53なら本体にマックレーに近いかき寄せパネルがありますからあり得ない事でもないのですが。
少なくとも踏切近くで殺人と死体遺棄が同時にできる位の積雪量でロータリー車の出番があるとは少し考えにくい所があります。

尤も、以上の様な穴は最近読んで気付いた事ですし、それが事実としても本作の特異な読後感が損なわれる事は全くないのですが。

DSCN9226.jpgDSCN9224.jpg
こちらは一昨年の大豪雪の折にマイクロのキ600を「実際の雪を背景に撮影」したものです。
が真っ白の雪に真っ黒の車体というのはコントラストが強すぎて背景が完全に白飛びを起こしているのですが(汗)
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2016年06月02日

鉄道ミステリとNゲージを語る4「剥がされた仮面」とアルプス8号の謎(笑)

先日からスタートさせました鉄道ミステリとそれに絡んだNゲージモデルのはなしから。

今回は「急行出雲」所収の森村誠一作「剥がされた仮面」から

この作品は山梨県の韮岡市の殺人事件に絡むダイヤグラムアリバイトリックを用いた短編です。
韮岡のモデルは韮崎市と思われますが、昭和45年当時の現場の特殊性や列車の特性を生かしたトリックは当時興味深く読ませてもらった記憶があります。
実はこれとは別に人間心理の盲点を突いたトリックがメインに来るのですが、短編でふたつのアリバイトリックを組み合わせる手法は森村氏の他の作品にも見られる物で短編としては中々贅沢な構成です。

さて、本作のトリックのメインとなるのは新宿と松本を結ぶ急行「アルプス8号」です。
本編に付属する時刻表によると列車番号は「409M」

この番号や時期的に見ると本作に登場しているのは165系又はキハ58系の編成ではないかと思われます(ただ、キハ58系だと409Dになるはずですが)
中央線を疾走する165系というと映画の「砂の器」なんかを連想してしまう私はもうおっさんの域です汗
DSCN5790.jpg
ただ、そうなると少し気になる点が出て来ます。

実はこのアリバイトリックの成立するにはアルプス8号のドアが手動である事が重要な前提になります。
(実際、本書の作者の注釈によると「当時アルプス8号は自動ドアではなかった」と付いています)
ですが、私の知る限り165系の急行仕様が手動ドアだった記憶がないのです。キハ58系の方も私の故郷では大概自動ドアでしたし。

或いは手動ドアが主流だった旧客の客車列車のアルプスも存在するのかと思ったのですが私が調べた範囲ではこの時期に旧客のアルプスがあったかはわかりませんでした。
(この地域の電車で冬季に良く見られた半自動ドアは基本的に駅のホームで無いと作動しませんし)


この点はかねて疑問だったので先日のグランシップのイベントの折、二次会に集まった面々にご教示を願った次第です。
そこは名だたる鉄道ファンの集まりなだけあって殆ど即答に近い形で回答が得られたのは幸いでした。
DSCN5271.jpg
それによると当時アルプスに用いられていたキハ58系は半自動ドアが標準で駅以外の所で停止中でも外からドアが開く可能性はあるのだそうです(キハ58の客用ドアの下部にある丸窓は自動ドアの解除状態を表示する灯りを見るための物だとか)
まあ尤も、それ以前に「ホームでもない線路際から電車によじ登って乗り込む」事自体が相当無理のある設定ではあるのですが、手元にあるTOMIXのHG仕様のキハ58には一応台車近くまで下がっているステップがあるのでまんざら不可能でもなさそうではあります。
(ですが車掌や他の乗客に見られたり乗車時のノイズで気付かれる可能性がないのか?)

しかもこれはキハ58系での話であり165系では私が調べた範囲では半自動扉、又は手動扉の装備を記したデータは見つかりませんでした。
どなたかこの点についてご教示頂けたら有難いです。

それは置いておいて
DSCN5792.jpg
極力ネタバレを避けて書かせて頂きますが、
前述のトリックを刑事が見破る場面は活字でありながら読む者に鮮やかなビジュアルを与えている点で私自身は好きな場面です。

SNShouo71IMG_9149.jpg
本作では他に181系時代の「あずさ」と普通電車の545Mも登場しますがこの普通電車が115系なのか70系なのかも少し興味あるところです(115系ならたぶん大目玉の仕様ではないかと思いますが)

列車運行に絡むトリックだけに線路配置を工夫すればレイアウトやお座敷運転でも再現できると思うので原作を読んだ鉄道模型ファンがこれを実験して見るのも面白いと思います。

(線路配置にスイッチバックを作れればあとのダイヤグラムトリック自体には問題はないので)

それはさておきキハ58系も165系電車もNゲージの初期のころ最もリリースが待望された機種である事は間違いありません。70年代当時もっともよく見かけた急行型でありながらどちらも10年以上製品化されませんでしたから。
それほどまでに待望されていたせいか特にキハ58系は出たとたんに「各社競作状態」165系はKATOが最初にリリースして以来、ペースは遅かったものの後になって陸続と仕様違いや各社競作が出続けています。

写真の165系はKATOの割合初期のモデルですが、ごく最近の入線なので近いうちに紹介するつもりです。
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2016年05月03日

鉄道ミステリとNゲージを語る3「電気機関車殺人事件」と謎のEF18(笑)

 今回は「下りはつかり」所載の「電気機関車殺人事件」から
SNShouo71IMG_3419.jpg
 この作品の概要をかいつまむと、終戦直後の時期の上越線を想定したと思われる電化工事の進捗著しい常信線の周辺を舞台に「走行中の電気機関車内で発生した機関士・助手の殺人事件」を追う素人探偵の電気技師の活躍を描いたものです。

 本作の作者の芝山倉平氏は作品がこれ一作だけだったという事もあって最初の頃は正体不明でした。
 後になって明電舎の元会長の故関四郎氏が国鉄勤務時に掛かれていた作品である事が判明、鮎川哲也氏の「幻の探偵作家を求めて」に作者のインタビューが掲載されています。

 それによると山岳地が多く水力発電の利が得られる日本では鉄道の電化が必須であるとの判断から、一般の人々に啓蒙の意味も込めて読者が多い探偵小説の形式で本作を上梓されたそうです。
 探偵小説の執筆動機としてはこの点でもかなり異色です。
 確かに3部構成の小説の2部に相当する部分は、技師である主人公の素人探偵が鉄道電化の必要性を説く話で殆どが費やされていたりします。


 それでいて探偵小説としてもかなり異色な特徴もあって作者の主張を別にしてもかなり興味深い内容でした。だからこそ30年近くを経てミステリとして再評価されたともいえます。

 普通鉄道ミステリではその大半がダイヤグラムを使ったアリバイトリックで、鉄道の機構を殺人トリックに使うものがそれに次いで多い傾向があります。
 本編は後者の部類ですが、電気機関車の構造や無蓋貨車の特徴を利用した殺人トリック自体が専門家でないと思いつかない物なのに加え、トリックに要する犯人の計算が列車の速度や減速率、更には被害者の心理までも文字通り分秒刻みで巧みに計算した「理数系の殺人計画」なのが最大の特徴です。

 一方、その犯人を追う素人探偵も本職が技師なだけにこれまた普通の作家が思いつかない手がかりから犯人を指摘するところが圧巻でした。
 犯人のトリックが暴かれるプロセスで「数式がバンバン出てくる」探偵小説などは今でも相当に異色ではないかと。
 少なくとも「マイクロメーターの計測で犯人を指摘する」というシークエンスは今のところ空前絶後だと思います。

 この部分はぜひ実物を読んで頂いた方が良いと思います。
DSCN7099.jpg
 さて本作の特徴は上記の点にもありますがマニアが驚くのは主役の機関車がEF18である点です。
 普通の作家ならある程度有名な車両とか列車を選ぶところなのでしょうが、EF58のギア比を変更して貨物、勾配区間の運用に特化した一般には殆ど知られていない(当時なら「どこにでもありそうな」機関車のひとつにしか見えない)EF18を選択するところに作者の手堅さと考証の確かさを感じます。
(とはいえ、前半ではそのEF18が客車列車を牽引していたりするのですが)

 ・・・と思っていたのですがこのブログを書くに当たって再読してみたところ驚いた事に本作の掲載は昭和21年。
 EF58ならともかく、EF18はまだ出ていない時期だったのです。
 つまり純粋に架空の電気機関車として描かれていた事になるのですが、作品内に挿入された機関車車内の平面図はデッキの長さなどから見てもEF57かEF58の2軸デッキを想定した一見して実際のEF18にしか見えないものだったのでずいぶん長い間騙されていた事になります(大体にして初読の当時餓鬼だった私が昔のデッキ付き機関車の種類など気にする訳もなかったのですが笑)

 冒頭、事件直前の列車内で主人公が語る機関車の運転やトンネルの描写なども専門的ながら非常にリアルな物でおそらく相当な鉄道ファンが読んでも違和感は少ないのではないでしょうか。

 再発売の文庫版でもこれを読むのは容易と思いますので是非お勧めしたい一篇であります。
DSCN7107.jpg
そのEF18ですがプラ製量販品はマイクロから出ていますが今回取り上げるのは数年前に中古を入手していたワールド工芸の仕様です。
 EF18とそのベースとなっている旧EF58は機種としてはメジャーな部類であるにも関わらずKATO・TOMIXの二大メジャーから未だにモデル化されていません。後思いつくのはエンドウのキットですがこれも殆ど見かけないですね。

 ワールドの仕様は動力に既製品を用いていますがデッキ周りの細密感で大分得をしている印象です。
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2016年04月23日

鉄道ミステリとNゲージを語る2「とむらい機関車」とD50

 先日からスタートさせました鉄道ミステリとそれに絡んだNゲージモデルのはなしから。

 今回は光文社版「下りはつかり」所収の大阪圭吉の「とむらい機関車」を。

 大阪圭吉と聞いて誰かすぐ分かる人は余程の探偵小説ファンではないかと思います。
 我が国における本格推理小説の先駆者という位置付けで短編ばかりとは言え謎解き小説として今でも通用するものが多い作品ばかりです。

 ですが、作者自身が終戦直前にルソン島で戦病死した上に戦災で大半の作品原稿が焼失(この中には未発表の長編作品もあったらしいです)した事もあって現在では一般に語られる事の少ない作家でもあります。
DSCN5721.jpg
 さて本作ですがある機関区で轢殺の記録保持者という忌まわしい経歴の蒸気機関車にまつわるミステリです。
 こう書くと怪奇小説じみていますが、シチュエーションの異常性、謎解きのプロセスの確かさで探偵小説としての基本はきちんと押さえてあるにもかかわらず犯人や動機の意外性から物哀しいラストまで一気に読ませる内容です。

 加えて舞台となる機関区内の描写のリアルさは当時の探偵小説の中でも群を抜いており、作者に鉄道員の経験がないというのが信じられないほどです。

 それらも併せて個人的には鉄道ミステリアンソロジーの作品の中では文句なしのNo1だとすら思っています。
 因みに本作は青空文庫でも購読可能なので未読の型には是非一読をお勧めしたいと思います。

 本作の主役になるのはD50型、架空のナンバーである444号機です。
 冒頭でこのD50の経歴と外見を主人公が語るくだりがあるのですが、これがなかなかの名文で目をつぶっていても機関車の輪郭がぼーっと浮かんでくる描写力があります。

 この場を借りて当時の文面を再録させていただきますと

DSCN5728.jpg
 〜話、と言うのは数年前に遡(さかのぼり)ますが、私の勤めていたH駅のあの扇形をした機関庫に……あれは普通にラウンド・ハウスと言われていますが……其処そこに、大勢の掛員達から「葬式(とむらい)機関車」と呼ばれている、黒々と燻すすけた、古い、大きな姿体の機関車があります。
 形式、番号は、D50・444号で、碾臼(ひきうす)の様に頑固で逞しい四対(よんつい)の聯結主働輪の上に、まるで妊婦(みもちおんな)のオナカみたいな太った鑵(かま)を乗のっけその又上に茶釜の様な煙突や、福助頭の様な蒸汽貯蔵鑵ドオムを頂いた、堂々たる貨物列車用の炭水車付テンダー機関車なんです。
 ところが、妙な事にこの機関車は、H駅の機関庫に所属している沢山の機関車の中でも、ま、偶然と言うんでしょうが、一番轢殺(れきさつ)事故をよく起す粗忽(そこつ)屋でして、大正十二年に川崎で製作され、直(ただ)ちに東海道線の貨物列車用として運転に就いて以来、当時までに、どうです実に二十数件と言う轢殺事故を惹(ひ)き起して、いまではもう押しも押されもせぬ最大の、何んと言いますか……記録保持者(レコード・ホルダー)? として、H機関庫に前科者の覇権を握っていると言う、なかなかやかましい代物です。〜
 (光文社カッパノベルズ「下りはつかり」P59から引用)

 ここを読みながらつぶっていた目をうっすら開けてみるとそこにあるのが「マイクロのD50」だったりした日には(笑)
DSCN5725.jpg
 という訳で私の手持ちのD50はマイクロのプラ製品のみです。
 これ以前に中村精密から金属車体のモデルも出ていたのですが流石に高すぎて買えません。

 9600やE10辺りだと中々に良い造形のモデルもあるマイクロなのですが似た様な構造なのにこのD50に関しては小径動輪に太いボイラと9600とよく似た造形になるはずなのにふしぎとD50ぽさを感じません。
 先行発売されたD51とユニットを共用したせいかボイラが異様に長く、微妙に太い事が大きく関係していそうです。
DSCN5730.jpg
 9600とD51の間にあって実車も中々の大勢力だった筈のD50ですがふしぎとこれ以外どこもモデル化してくれないという残念な機関車です。
 運転派にしてみれば「D51では大袈裟すぎるけど9600では貧弱」というニーズにはぴったりな機関車ですがそういうニーズは今となっては少ないと言う事でしょうか(涙)
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