2017年03月19日

「SONYのNゲージ・スハ43」に50年前の逡巡を見る(笑)

DSCN6672.jpg
 SONYのNゲージのはなし
 これまではED75について書いてきましたが、牽引されるスハ43のはなしが残っています。

 今回はそちらから。
 このED75にはスハ43が3両付いてきていました。
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 形はどうにかスハ43していますが、当時の欧州型や初心者向けのHO・16番によくあった様に車体が実物よりも短くディフォルメされています。
 大体17M級程度でしょうか。しかもスケールは160分の1に近い様ですから全体に小ぶりで現行規格のNゲージに混ぜ込むとちぐはぐ感はそれなりにあります。
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 おまけに連結面の造形がこれ以上ないというほどにラフな事、床下機器が「板状のシルエット」と言う思い切った処理など、マニアが見れば相当に玩具っぽく見えるモデルなのは間違いありません。

 ですが造形や機構面ではこのモデル特有の特徴も見られて意外と面白い物がありました。
DSCN7925.jpg
 カプラーが独自規格だった事はED75の所でも触れましたが、安っぽい外観に反して連結はスムーズで確実。
 しかも下部にアーノルドのそれを思わせる突起があり、明らかにアンカプラーによる遠隔操作による自動解放を念頭に置いた設計と思われます。

 アーノルドと違うのはカプラーを上下でなく左右方向にずらして連結(解放)させる点。実はこれはZゲージでもメルクリンミニクラブがやっています。
 アーノルドのやり方だとどうかすると解放時に軽い車両なら上に吹っ飛んで行きかねない(笑)危険が横動方式なら少ないという事は言えそうです。

 カプラー部の動きも50年前のモデルとしては意外とスムーズでしたし。
DSCN7923.jpg
 台車は金属板のフレームにプラ製の台車枠の別パーツを取り付けるというこれまた独自方式。
 まあ、これについては「同じ金属フレームを他の形式に使いまわせる」という程度のメリットしか感じませんが(笑)現行の一体成型の台車枠の精度に自信が持てなかったのかもしれません。
 尤も、考え様によっては鉄コレの動力車の交換できる台車枠のやり方を先取りしていると言えば言えます。

 車体はプラ成形ですが床板が金属製というのも他のNゲージ量産モデルでは見られないところです。
 エンドウの金属車体の24系ですら床下周りはプラでしたから。この辺は模型的な造形よりも玩具としての耐久性を重視している様にも見えますが、Nゲージ最初期の製品ゆえの細密さと耐久性のどちらを重視すべきか作る方もよく把握しきれていなかった節も感じられます。

 とはいえ、ショーティである点を除けば印象も悪くありません。むしろED75とのバランスの面ではぴったりと言えます。
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2017年03月18日

趣味の原点を振り返る・モジュールを移動する

 ひさしぶりの「趣味の原点を振り返る」ネタ。

 実は今回の題材はグランシップに出展するためにモジュールの改修を行なったから思い出したネタです。
1339025369.jpg
 今回の出展では自宅の運転スペースにクレイドルレイアウトとして収まっていたモジュールのひとつを取りだして改修するものです。
 当然そのモジュールの開いた後はまるっきりの空き地になりますが、実は鉄博風モジュールの方が上屋(博物館本体)を外して純粋な線路の付いたフラットスペースに出来るところから、代わりにそのモジュールを差し替える事で対応できます。
DSCN7781.jpg 
 先日の日曜日は半日、その入れ替え作業に費やしました。
 元々のレイアウトの半分が「線路とホームがあるだけののっぺらな空き地」になった訳ですが。これではあまりに味気ない。

 そこでここ数年の間に買いだめていたもののレイアウトの固定できずに宙に浮いていたストラクチャー群を並べて街並み風にする事にしました。
 建物類は殆どがジオコレの新製品とかGMのキットの改造品、あるいは中古が手に入った海外ブランドのビルなんかです。

 線路配置が単純な上に奥行きが結構あるのでただ並べただけでも(実際にはひとつひとつについて「どうすればそれらしく見えるか」の検討は加えていますが)それなりに街並みらしくは見えます。

 ついこの間まで運転会に供していた事もあって線路自体もほぼ問題なし。
DSCN7782.jpg
 3時間位後には試運転列車が走行を始めました。

 ・・・などと書きましたが、実はここまでが今回の題材の前振りだったりします。
 前振りが異様に長くなってしまったので続きは次回に。
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2017年03月17日

ターミナル駅モジュールの再改修・その5・モジュールを繋げる

 昨年のトレインフェスタの時にはターミナル駅舎のモジュールの隣には鉄博風のモジュールを配置していましたが、今回はここに7年前に製作した私鉄ターミナル駅と駅前風景のモジュールを改修の上で接続します。
DSCN7822.jpg
 今回はターミナル駅に隣接するビル街(と私鉄ターミナル駅ビル)モジュールの仮合わせと改修作業の計画から。

 本来このモジュールはターミナル駅と組み合わせる事を想定していなかったので「同じ線路の100メートルも離れていない区間にホームがふたつある」という少々お間抜けな配列になってしまっています。
 とはいえ、地上部分に限定すればJR(国鉄)駅に隣接して私鉄のターミナルがあるというのは少し大きな都会では珍しくないシチュエーションではあるので、今回は敢えてこのふたつをつなげる事にしました。

 モジュールですので線路配置は規格化されているので接続自体はどうにか可能。
 後はシーナリィ面で違和感なく繋がるかという話になります。
DSCN7829.jpg
 私鉄駅モジュールをそれまで使っていたクレイドルレイアウトから外してターミナル駅モジュールと仮接続。
 ふたつのモジュールを視覚的に繋ぐのは私鉄駅の右側、ターミナル駅の左側に配置された向かい合わせのビル街とそれらをつなぐ大通り(通称「青葉通り」)
DSCN7825.jpg
 仮配置して思いましたが予想していた以上に散漫な印象です。
 それぞれのモジュールにランドマークが複数存在(ターミナル駅では駅舎と超高層ビル、私鉄駅も駅ビルと12階建て以上はありどうな放送局舎)し、それぞれが自己主張しているのですから無理もありません。
 まるで出来の悪いお神輿みたいなものです。

 今回の仮配置で気になったのは製作を急いだ影響でディテーリングやウェザリングが不足している所。
 それと元々デコレーション用のカラフルな物を使っていたLEDの照明。ここは他と同様にテープLEDのAC電源式に切り替える積りです。
 尤も、それ以上に「照明に頼らなくても観られる作りにする」方が大事ですが(汗)
DSCN7835.jpg
 ここだけでもこれからの改修期間でどうにかしたい所です。
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2017年03月16日

SONYのED75に深謀遠慮を見る(笑)

SONYのED75のはなしその3です。
DSCN6671.jpg
このED75ですが単にSONYが出しているNゲージというだけでなく、このモデルが唯一と言う特徴がいくつかあります。
曰く「唯一のブラスボディのNゲージED75」
曰く「唯一の160分の1スケールのED75(KATOやTOMIXより心持ち小さい。これはスハ43でも同様)」
曰く「手で屋根板が外れるED75(爆笑)」
DSCN7910.jpg
書籍などで取り上げられている様にこのED75は屋根板を外すと、意外なほどスカスカな空間が出現するという特徴があります。
ウェイトもありますが、ただ載せてあるだけなので「屋根を外して裏返すとウェイトだけがポロリと落ちる」
そうそう、ウエイトがないと「モニタの明り取りの窓の向こうが透けて見える唯一のNゲージED75」と言うのも入れておきましょう(笑)これは運転席でも同様なので上半身だけの運転士の人形を接着したらTOMIXやKATOよりも良い雰囲気になる事は間違いないと思います(肉厚な透明プラではひずみのせいで歪んだ見え方になる事がある)
DSCN7911.jpg
冗談は置いておいて。

ウェイトが外れるとその下には基盤の一部が露出しています。このモデルでは一部のねじの頭の部分を除いて透明なビニール板が貼られ絶縁対策となっている構造です。前のユーザーが敢えてそうしたという可能性もありますが私個人としては「電気屋さんらしい心配り」と解釈すべきかと思います。
屋根が外れやすく出来ているのも端子以外の露出部に絶縁体のカバーがされているのもスカスカな上部空間に何かの回路を組み込む事を前提にしているとしか思えません。
ここまでは大概の資料で私も知っていた所です。

問題はその基盤で「ねじの頭のところだけカバーに穴を開けて露出させている」事です。
しかもそのねじの一部はモータの電極に向かって配線が走っています。
これは何を意味するか。
明らかに架線集電、又はヘッドライト点灯用の回路を接続するためと思われるのです。
DSCN7912.jpg
だとすればこの端子に電気を流せば何らかの反応があるはず。
早速ED75を線路からおろし、机の上で屋根を外して端子を露出させました。

手直な線路にわに口グリップをかませて通電、反対側をそれぞれのねじ頭に当てて電気を流してみます。
すると

思った通り線路の無い所に置いてあるED75のモータが勢い良く回り始めました。
パンタグラフが金属製で裏側にコイルばねを巻いた独特な構造だったのも、屋根だけがすべてプラ成形だったのも「結線さえすれば架線集電で走行できる」ための前振りだった訳です。
恐らく今のままでも片方をパンタに直接接続し、反対側は線路から給電する形での架線集電走行は可能と見ました。
ですがこのモデルでの端子はプラス・マイナスのふたつ。つまり両方のパンタからプラスマイナスを切り替える(あるいはAC3線での運用を計画していた?)可能性も否定できません。だとするとそのための切り替えレシーバーをこのスカスカな空間に収める意図だったとも考えられます。

もしそうなら、SONYのNゲージは私が当初考えていたよりもどえらい事をやろうとしていたのかもしれません。DCCに先んじた機関車ごとの個別コントロールか、あるいは架線集電との組み合わせでDC、ACの両方に対応できるNゲージというのも考えられます。それを50年前のモデルで企図していたとしたら!
(まあ、単純にヘッドライトの点灯用という線もあるのですが)

今回電極に通電させてモーターが回り出した時の驚きは一生忘れないでしょう(大袈裟な)
DSCN7909.jpg
電気屋さんのテツドウモケイだけあってモーターと走行系はKATOのC50やアーノルドの同年式のロコより安定している印象です。それにしても裏返してみると何という思い切った構造なのか。

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2017年03月14日

SONYのED75から・その2

 さて、このSONY製ED75、やはり気になるのはその走りっぷりです。
IMG_0612-photo.jpg
 購入時に自走できる事は確認していたのでその点では関水金属のC50よりは幾分気楽ではあります。
 このモデルは動力に特徴があり4軸の内中央の2軸が固定された動力車輪。外側の各1軸は台車マウントで首を振る設計です。
DSCN6671.jpg
 これは以前に紹介した50年前のアーノルドラピードのDLのそれに酷似した設計なので走りっぷりもそれに準じる事は容易に想像できます。
 念のためにギアにグリスアップして車輪も清掃。
 メインレイアウトのエンドレス上でこれまたSONY製のスハ43を3両を繋いで試走。
(この「スハ43が3両」というのも驚くべきポイントです。通常のセットではスハは2両しかありません。一体、前のユーザーは一体どういう条件でこのモデルを入手していたのか非常に気になるのですがこれは余談)

 パワーパックのスロットルを徐々に開くと案外するすると走ります。
 但し「50年前のモデルとしては」という条件が付きますが。
 加減速に対する反応性はがさつの一語。スロットルを開くとかなりの勢いで流れる様に走る辺りはアーノルドよりもスムーズなくらいです。
 ただ、走行中に台車から盛大に火花が散る所もアーノルドと同じ。
 これも例によってROCOを集電部に軽く塗布するとかなり改善して走行も安定しました。
IMG_0615-photo.jpg
 こういう時はROCOは絶大な威力を発揮します。
 (さすがに最近のモデルにこれを使うのは躊躇しますが)

 このED75はブランドこそSONYですが実際に作っているのは「マイクロトレイン」というブランドの町工場だったそうです。
 ここがどれだけ模型に対する造詣があったのかよくわからないですが、とりあえず走らせる模型としての基本は押さえていた事は分りました。

 ・・・そういえばこのED75「日本初のアゴ割れスカートモデル」の栄誉もになっていたりします(爆笑)

 カプラーはこれまで見てきたどのモデルとも異なる金属製の引っかけカプラー。
 とはいえ左右に振れても復元できる様に線バネを組み込んでいるのが興味を引きます。

 さて、このED75ですが実は前ユーザーが手を加えたポイントがもうひとつありますがそれについては次回に。
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2017年03月12日

非凡なるED75の入線

 今回は前にも書いたED75のNモデルに関連した話です。
 端的に言うと「偉大なる凡庸の中に非凡なる怪物が入って来たはなし」とでも言いましょうか。

 ですが同時に私のNゲージの骨董趣味も遂に行く所まで行ってしまったという感がします。

 何がって、かねてこれだけは入線する事がないだろうと思っていたし、事実このブログでも前からそう書いてきた「SONYのED75」を入手したからです。
 あとスハ43が3両にレール一式も付いて。

 入手経路は伏せますが価格はSONYのNゲージの走るモデルとしてはそこそこ妥当な価格でしょうか。

 とはいえ実はこのED75、SONYそのまんまの仕様だったらまず手を出さなかったであろうモデルです。
 何故って以前のブログでも触れましたがこのモデル「あまりにもED75に似ていないから」です。
DSCN7505.jpg
 (TMS403号 ミキスト 75Pより画像引用)

 ボディが交直流機みたいなピンク色なのはまだしも屋根が別パーツでおでこまで灰色というのがなんとも萎えます。
 この事については正月のこのブログでも書いた事がありますが。

 ですから希少性こそ認めても、これまではほぼ私の関心外のモデルだった訳です。

 ところが今回見つけた物は前ユーザーの手でリペイントがされていたものです。
 もし私がこのED75を入手したらやって見たかったであろう事をほぼ実現しているモデルといえます。
IMG_0613-photo.jpg
 色は交流機の赤でおでこの部分も赤と屋根上の黒が塗り分けられています。
 とどめにHゴム類に白の色差しがされており、まるでこの間入手した天賞堂のトレーラーのED75にごく近い雰囲気だったのです。
 造形上の粗を別にすればかなりED75らしく改装されていたのが今回のED75でした。
 少なくともナインスケールの初代モデルのED75よりは好感が持てます。
IMG_0612-photo.jpg
 こうなると財布の状態がとても気になるのですが遂に清水の舞台から飛んでしまいました。
 SONYのNゲージはパワーパックや線路マットまで含めた1セットなら軽く20万から30万円コースになる事の多いモデルです。
 それどころか以前、出品者が「不動品」を公言していたED75だけの単品が30万円で落札された事すらあったくらいです。
 今回のは流石にそれよりはかなり安かったですがNゲージとしては高額なのは間違いありません。
 (ユーザーの手が加わっていた事も安価だった理由の様な気もしますが)

 詳しい事については追々紹介したいと思います。
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2017年03月11日

鉄道ミステリとNゲージ21・「汽笛が響く」とコッペル

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久しぶりに鉄道ミステリとNゲージを語るネタ。

今回は「見えない機関車」所収の南部樹未子作「汽笛が響く」
(以前同タイトルのテレビドラマのはなしを書きましたがこれは本作とは別物です)

本作は息子一家に心理的に虐げられ続けた老女の未必の故意に近い復讐譚の形をとっていますが、題材の陰惨さとは裏腹な不思議とからりとした作風が印象に残っています。
(本作は「見えない機関車」の書き下ろし作なので再読するには文庫版の「見えない機関車」を読むのが早道かと)

さて、これまで20作以上の鉄道ミステリ短編を紹介していますが、そこでは鉄道車両を舞台としたもの、鉄道がトリックに使われた物、鉄道施設を舞台としたものといろいろな題材が登場しています。
が、本作は(未紹介のものも含めて)それらの中で唯一「鉄道の玩具」が小道具に使われた作品なのが特徴です。


鉄道模型を題材にしたミステリではだいぶ前に紹介した土曜ワイド劇場の西村京太郎サスペンスくらいしか記憶にありません。
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最後の階段をのぼりながら、彼女はどこかで汽笛が鳴っているような気がした(中略)5階のフロアに立って、彼女はすうっと息をのんだ。汽笛はすぐそばのショーケースから聞こえてくる。
音の周りに数人の男の子が集まって、「すげぇ!」「カッコいい!」とさわいでいた。彼女は近寄って子供たちの後ろに立った。精巧な鉄道模型を陳列したガラスケースの上を、かわいい汽車がコトコト走っていた。この四十年間、彼女の心に響き続けてきた音と共に(中略)
<これを毎日、おらの部屋で走らせてえ。この汽笛を聞けば、春彦に会えるような気がする。康子や国夫に邪険にされても、これがあればきっと平気でいられるさ>

(光文社カッパノベルズ「見えない機関車」所収「汽笛が響く」305Pより引用)

車体の下に隠されたネジを巻いてハルは、玩具の汽車を走らせた。ところどころすり切れた畳の上で、ポォッ、ポォッと小さいが本物そっくりな汽笛を響かせながら、汽車は白いピストンを動かした。
機関車の先についていた短い煙突は煙こそ出さないが、汽笛を鳴らすたびに赤い火の色に染まった。ネジの横にセットされた二本の乾電池で、煙突の中の豆電球がともる仕組みなのだ。
運転台の石炭の投げ入れ口には、青い制服を着た身長3センチほどの人形がスコップを持って立ち、彼の背後に石炭を積んだ炭水車と客車がついていた。石炭は貨車に黒く描かれ、客車にも白い車窓が一つ一つ描かれている。
しかし乗客の顔はなかった。
(上掲書304Pより引用)

DSCN0300.jpg
この描写からお分かりのようにここに登場する玩具の汽車は主人公の老女にとって、過去の楽しかった思い出に誘う触媒としての存在意義をもっています。
それだけに単なる玩具としてでなく主人公の思い入れの象徴として大きな存在になってゆくプロセスの描写は本作の白眉となっています。

この先の展開はネタバレの防止と同時に私には少しきつい内容もあってここでは書きたくありません。ぜひご一読願いたいと思います。

私個人は題材とテーマが有機的なつながりを持つこと、何よりも購入の時のドキドキ感、買った後の無心に汽車を楽しむ老女の心理描写などに一種共感を感じました。
周りの鉄道ファンたちもいつかは誰もがこの主人公位の年齢になると思いますが、その時にこれだけの境地に達する事が出来るだろうかとも思えます。
汽車と自分の人生を重ね合わせ、あの頃の思い出の感傷に浸りながら汽車を走らせる様は、玩具に限らず鉄道模型の趣味の原点のひとつとも言えるところかもしれません。


さて、本作に登場する汽車の玩具ですが、上述の描写からサイズはOゲージ以上の編成物で線路のない所でも走れるぜんまい仕掛けの玩具という事になっています。

実は鉄道模型もヨーロッパで登場した当初はぜんまい駆動の物が主流だった時期があったそうですが、形態も今の玩具よりもトイライクだったようです。
最近、中野の流線型とか静岡のポポンデッタ、あるいは神田のカラマツなんかで見るからに年代物のラージモデルの鉄道模型の中古が売りに出ているのを見かけるのですがサイズ的にはその辺りが近い気がします。

とか書いているとこのはなしをNゲージと結びつけるのが難しくなってしまいます(16番でもきついかも)

DSCN5571.jpg
実は本作の事をこのブログで取り上げようと思った時に念頭にあったモデルが2,3年前に出た津川洋行のコッペル蒸機でした。
作中の描写では機関車はテンダーだし、客車まで牽いているので些かイメージとは違うのですが、個人的に本作に似つかわしい印象のNゲージモデルがこれかTOMIXのKSKタイプ位しか思いつけないのです。
あとはミニトリックスのT3蒸機くらいでしょうか。実はこれも元々は鉄道模型でなく手押しの玩具として商品化されていたものだそうです。
DSCN5568.jpg
そんな訳でこの先は多少強引な紹介になります。

小指の爪の先位のサイズでありながら自走が出来、2軸客車の1両くらいなら牽引できそう
な蒸機として津川のコッペルが運転会デビューした時、私も含めた誰もがその小ささに目を見張ったものです。
プロポーションもかわいい上に走る様が意外に一生懸命感があるので、多少のオーバースピードもお目に見てやれる気がするのがこのロコの人徳ではあります。

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2017年03月10日

偉大なる凡庸の系譜それから・ED75編

 偉大なる凡庸・それからのはなしです。
DSCN6426.jpg
 今回はこのシリーズでも第一回に取り上げたED75から。
 あの当時ですら10両以上が在籍していた(派生機のED79を含む)ED75ですが、それから5年。

 更に数量が増備され賑々しさを増しています(笑)
DSCN7883.jpg
 Nでは手持ちで唯一となった「KATOのアゴ割れモデル」と「重連用無動力機を含んだマイクロのセット」
 更にはジャンク品とはいえ前ユーザーの趣味が伺われる「カシオペアカラーのED75」という珍車まで増えました。
DSCN7169.jpg
 一方、あの当時は持っていなかった16番のED75もTOMIXと天賞堂が入線。
 特に天賞堂のそれはこれまた「重連用の無動力モデル」でした。
DSCN9934.jpg
 こんな風に順調に増え続けるED75ですが、EF65と違ってただ何となく増えたというよりもショップで指名買いみたいにして見つけたというパターンが多いです。
 これはED75が故郷で唯一見る事の出来た「デンキキカンシャ」だったというのが大きいでしょう。

 ファン以外には「ただの赤いデンキキカンシャ」でしかないのですが、風景の一部に常に75があったという原体験は強い物があります。

 その75ですが通常運用はもとよりレールクリーニングカーの牽引や救援列車の先頭に立つことも多く、実用面でも「偉大なる凡庸」しています。

 これだけ無闇に増えているED75なのですが、まだ最後の大物ともいうべきアイテムが控えていたりします。
 それについては次の機会に。
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2017年03月09日

S660の春支度・NEOBAと無限



 3月に入り一気に朝夕もそれなりに暖かくなって来ました。
 先日の日曜日は3月第一日曜日恒例の「河川清掃」で空き缶やら芥やらを拾いまくっていましたが、帰宅後まだ時間がありそうだったのでこの機会にと思いS660のスタッドレスを夏タイヤに交換する事にしました。
DSCN7858.jpgDSCN7859.jpg

 前にも紹介したローダウン対応のフロアジャッキがようやく出番を迎えます。
 「S660のためにフロアジャッキ」というと如何にも贅沢な印象ですがこのクルマの場合一度に一本しかタイヤが運べませんから「GSでタイヤ交換を頼もうとすると自宅とGSの間を8往復しなければならない」と言う現実があります(笑)

今シーズンから夏タイヤは標準のADVAN NEOBAに暮れに購入した無限のホイールを組み合わせたおみ足になります。
こういう時一度に二本分のタイヤを持ち上げられるフロアジャッキは有利ですね。

DSCN7863.jpgDSCN7861.jpg
 こういう機会でもないとなかなか見ないブレーキとサス周り。アジャイルハンドリングアシストやら4輪ディスクブレーキやらついているせいか他のクルマより心なしか複雑に見えます。
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 とはいえ、その無限ホイール、専用のナットとロックナットのセットも付いてくるのですが、最初そのロックナットの意味が分からず
「最初の一本目のタイヤに全部ロックナットを付けてしまう」と言うへまもやらかしました。

 そんなトラブルもあったにせよ、大体1時間しないうちに交換が済んだのは何よりです。
 スタッドレスに付いていた標準のホイールより心持ち軽いかなと言った程度の軽量化ですが、ばね下重量の軽減には効果はありそうです。
 一般にホイール1キロの軽量化は車体15キロ分の効果があるのだそうです。が、一番のメリットは「タイヤ交換で重たい思いをしなくなる」事かもしれません。無限を履いたS660の前輪は「片手でひょいっと持ち歩ける」レベルです。
DSCN7867.jpg

 交換後早速屋根を外していつもの峠道を往復。
 レスポンスとコーナーでの踏ん張りは明らかによくなっています。
 横滑り防止装置も一度も作動せず。

 βグレードの時は今ひとつぱっとしなかった見た目の足回りの雰囲気も一変しました。
 交換前は「たかがホイールを変えた位で印象が変わる訳がない」とか勝手に思っていたのですがそんな事もないですね。
 ただホイールの隙間が広がって純正品よりもよく覗けるようになったブレーキのディスクが何だか貧弱に見える(実際の制動性はピカイチなのに)のが何ともです。

IMG_1462-photo.jpg
 とはいえ「やっぱりやってみるもんだ」と改めて思いました。
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2017年03月07日

ターミナル駅モジュールの再改修・その4・ビル街に灯を入れる

 モジュール改修その4から
DSCN7777.jpg
 前回配置の修正、照明の組み込みと漏光対策、一部ウェザリングを済ませたビル街のブロック。
 ここまでやった時点で改めてターミナル駅のモジュールに組み込んでみました。

 勿論、AC化したLEDの配線は駅モジュールのそれに直結です。
 点灯してみると相変わらず光が強いのですが、最初に比べると少し落ち着いてきた感じがします。
DSCN7769.jpg
 背後の34階建て超高層ビルがやや街並みに近すぎるのですが、スペースの制約上これは仕方ありません。
 これでターミナル駅ビルの高架ホームの側から見た街並みは前とは趣を一新しています。
DSCN7779.jpg
 とりあえず多少は見られる夜景になりましたが、これでまだ終わりません。

 というのもこのビル街の並びは本来隣接する第1モジュールのビル街に通りを挟んでつながるものだからです。
 この次の第1モジュールの改修で向こうのビル街と上手くマッチングできるかまだわかりません。
DSCN7775.jpg
 それらの工程については次の機会に。
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