ローカルレイアウト製作・16・雪に悩む・1

今回一番の難物であり、未だに気に入らない部分と言えるのが雪の表現です。
一般に雪の表現にはスノーパウダーを中心に石膏、塗装、スチロールを使う事が多いようです。
今回のレイアウト製作に際して専門誌上にて(特にTMS)冬や雪の表現を試みた作例をチェックしたのですがその大半が初冬の粉雪が軽く積もった状態か、厳冬期のすべてが真っ白になった状態の物が大半で私の狙っている「3月下旬の積雪が溶けかけた状態」の物が殆どありませんでした。
この時期の残雪の特徴として「なめらかな雪塊が地面に乗っている様に見える」事が挙げられます。これが暖かくなるにつれて徐々に小さくなって行き最後には消えてしまいます。
この時期特有の残雪をどうにかして表現できないかと言うのが風景創成の目的の一つでした。
これは粉雪の降り積もったびろうど状の雪原や白い粉が地面に振りかかった様な状態とは自ずと異なるもので雪自体は塊なのですがペーストの様な表面のなめらかさと薄いクリームの様な形態を併せ持たせる素材が必要でした。
ここで求めたかったのは加工前は素材自体が粘性を持ち、緻密なきめの細かい表面のある、それでいてその質感を保ったままで硬化する様な素材ですが製作時に色々探してみた物の手元の物では一長一短で3月の溶けかかりの雪塊を表現するのに適当な素材が見つけられませんでした。

まず、駅前の商店街の雪についてですがここでは軽量紙粘土とプラスターを比較・併用しました。
屋根に薄くちぎった粘土をなすりつける要領で雪の溶けかかった雰囲気を試みました。又、駅前の道路わきに積み重ねられた雪山も同様の方法です。
軽量紙粘土はある程度のボリュームのある石塊の表現に使うには悪くないのですがパウダーなどで下地処理した地面に同じ物を配置しようとすると雪塊自体が妙に浮き上がった様になってしまい失敗でした。
発泡スチロールでは浮き上がり感が更に強調されてしまい地面に無造作に置かれた置物の様な雪塊になりました。

これらの雪の表現ですが、春先の溶けかかり時期を考慮し、レイアウトを外に出して日なたに当て、影になる部分に集中的に石膏を撒いたり粘土を付けています。このせいもあるのですが当レイアウトではあらかじめ奥行き方向が北になるように方位を設定し南向きの所に不自然な積雪がない様に注意したつもりです。
このため、当レイアウトでは見る向きによって雪が目立ったり目立たなかったりする、ある意味不思議な風景構築になっています。

ただ、それでも良い素材(個人的には加工前はクリーム状で表面のきめが細かく硬化の際に縮まない素材ならベスト)が見つかれば雪の表現は順次差し替えるつもりでいます。

にほんブログ村

にほんブログ村
現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。
この記事へのコメント
日が当たって溶け出しているように見えます。
私は雪国に住んだことがないので、雪がしんしんと降り積もる景色に憬れますが、住んでいる人は大変なんだろうなぁ(*^_^*)
コメントありがとうございます。
私の故郷は豪雪地帯というほどではないのですが冷え込みがきついので一度積もった雪がなかなか溶けません。
積もっては凍りの繰り返しなので最後の方ではつるはしで割らなければならない事もあります。
今回のレイアウトもそういう気候の所を想定していますが、田圃などでの積雪の表現に課題も残ります。