大レイアウトを考える・9・俯瞰の魅力・3

 実現できるのかの当ても無いのに考えだけが先走る個人的大レイアウト論。今回もその続きです(汗)

 趣味の中断中に読んでいた伊藤俊治の「ジオラマ論」
 19世紀から20世紀にかけて写真・交通機関の急速な発達に伴う人間の知覚イメージの変容を主にヴィジュアルの側面から考察した本で、その中で仮想現実としてのジオラマ(模型に限らずパノラマ画・立体写真・ジャンルの俯瞰としての図鑑・SFX技法等も含めたイメージ)の構築と効果の章に多くのボリュームを割いています。

 それまでも読んでいましたが、特にレイアウトを作り始めた頃から折に触れて読み返す事の多い本です。

 さて、その本の冒頭、気球に乗って世界最初の航空写真を撮影したナダールが初めて見下ろすパノラミックな俯瞰像のパリの街並みに感動した印象が書かれています。

 一部を引用させていただくと「(前略)この上空から見る縮小された世界では境界線がくっきりと浮かび上がり、その鮮明さに魅了される。余計な物は目に入ることなく、すべての醜悪さから逃れるには距離を置くに限る」

 この感覚は大レイアウトを見下ろす時にも当てはまるのではないかと思います。

 そして、この本の中で狭義のジオラマの定義は「剥製やミニチュアを組み合わせて作り上げる実物そっくりの擬似環境装置」と捉えられています。

 したがって大レイアウトの効能の最たるものはこの「擬似環境を楽しませる」事にあるのではないでしょうか。
 小さなレイアウトでは「視界いっぱいに広がるパノラマ感」の迫力はかなり近接して見たとしても大レイアウトほどには再現できないと思います(その理由については近い内に触れたいと思います)

 その点で「魅力的な俯瞰」の持つ意味は大きいと考えます。

 余談ですが、模型雑誌で呼称されるミリタリーやアニメプラモの「ジオラマ」の大半はむしろ広大な空間の一場面のみを切り取ったという意味で「パイク」「ヴィネット(意味は「背景が風景となった肖像画」だそうです)」に近いものともいえると思います。この違いを例えるなら「庭園」と「盆栽」の違いに近いかもしれません。


 ただ、この点を意識して作られた大レイアウトはジオラマの本場であるドイツをはじめとした海外ではともかく日本では博物館を含めてあまりない様に思います(単にでかいだけのレイアウトならばいくつもありますが)

 さて、恒例となりました(笑)動画のおまけです。
 思いっきり架空の編成です。



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この記事へのコメント

2011年02月19日 09:17
動画はイイですネェ~。
いろんな列車が、走行するシーンは見ていて楽しいです。カメラを構えて、写真を撮る人たちの中に、私も間違いなくいます。
2011年02月20日 00:00
>杉やんさん

 レイアウトを見る方向が一定してしまっているので続けて見ると単調さを感じるかもしれませんがその分は編成の個性(変さ加減とも言いますか)でカバーする感じです。

 動画は折を見て追加してゆきますがよろしくお願いします。

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