PECOのレイアウトプラン集におもうこと

 先日のレイアウトプラン集のお話の続きです。

 KATOやTOMIXのプラン集を見ていて感じていた「不思議なもどかしさ」の正体が何だったのか、長い事分からなかったのですが、先日入手した別のレイアウトプラン集を見ていてその理由の一端が分かった様な気になりました。

 イギリスPECOが昔出していたレイアウトプラン集。
 実は以前から一度見てみたかった本だったのですが絶版久しい上に古本市場でもなかなか見かけない状態だったので最近出物を見つけるまで私にとっては幻の書だったものです。
 二年越しの探索の末、先日やっと入手できました。

 入手してみると意外なほどに薄手の上にモノクロ印刷、全文英語(当たり前ですが)なのでかなりとっつきにくい感じだったのですがいざ読み始めるとぐいぐい引き込まれたのは我ながら意外でした。

 一見した印象として「カーブの使い方が巧み」と言うのをまず感じました。
 基本的に半径の決まった組線路に頼らず適宜フレキシブルレールを併用しているのでスペースいっぱいにコーナーを設定でき且つ側線にもカーブを加える事で実用性も確保しています。
 この為同じエンドレスを比較してもデッドスペースが少なく、日本のレイアウトでよく問題になる「エンドレスのコーナー部分のシーナリィ処理」が比較的楽にできている印象を受けました。

 それに関連して「カーブしたホームが多い」のも目を引くポイントでした。
 メルクリンを手本に進化したと思われるTOMIXやユニトラックではホーム自体が一部を覗いて直線上に設定される事が多く、これがスペース効率を損ねているケースが多いのですがホームを自作する事が当たり前となっている英国では線路のカーブに合わせたホームの設定が自由に行われておりこれがスペースの効率化とリアリティに寄与している様です。

 例えばエンドレス上でもホームの片側をカーブ上に配する事で長編成に対応すると同時にホームへの進入シーンの演出にリアリティを与えている物が多いです。実際の駅、特にターミナル駅ではホームが完全にまっすぐである事が殆どない事を考えるとこれは巧みなプランニングと言えると思います。

 又日本のプラン集ではこれまたほとんど見ないポイントトゥポイント(始発から終着まで一本線で成り立っているレイアウト)のプランも豊富でループや立体交差、リバースを巧みに組み合わせて小スペースでも実際の鉄道に近い運転形態がとれる様にしているのもすばらしいと感じました。

 プランの殆どは駅を中心に構成された物で駅の発着のリアリティや同じ列車がリバースを使って同じ駅に戻って来るのを「同じ列車を上り・下りの列車に見立てる事で」不自然さを回避している事にも感心しました。

 全体に読んでいる、見ているだけでも楽しめるプラン集で、思わず時間の経つのも忘れてしまうほどでした。

 さて、KATOやTOMIXのそれは今回のPECOよりも10年以上後にでたと思われる本ですが、全体にトラックプランが図形的に見えてしまいます。
 これは半径の決まった組線路を使っているハンデがプランニングの自由度を妨げていた事が先ほど私の触れた「もどかしさ」の理由の一つではなかったかと感じます。
 それともうひとつ、ベースボードが出来合いの長方形のものを基本にしているため四角四面の印象を与えてしまっている事もあるでしょう。

 それと組線路の大きな欠点として考えられる事、どうしてもトラックプランが幾何学的な模様になりがちな点も大レイアウトになるほど露呈しやすい問題でKATO/ TOMIX共に大レイアウトなのに見ていても心の動かないプランとなっていた原因ではなかったかと思います。
 フレキシブル主体のPECOのそれはあらかじめ決まったシーナリィモチーフに沿う形で線路が配置できるため駅以外の部分でも指で線路をなぞる楽しみが大きいと思えました。
 

 しかし、あれから30年近くが経ちその間に組線路でも様々な半径のレール(まさかTOMIXで103R、ユニトラックで180Rが登場するなど80年代のプラン集の当時では想像すらできなかった事です)やカーブポイント、ダブルスリップや3分岐まで登場している今なら以前よりもプランニングの自由度は上がっている筈です。
 言い換えればカーブホームの自作さえできるならかなりリアル且つ楽しいトラックプランが実現できるチャンスが増えているのではないでしょうか。
 それも今までと同じスペースで。

 その意味ではこのPECOのプラン集は私に希望を与えてくれました(何の?)
 (写真は一部処理を加えてあります)

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