「偉大なる凡庸」の系譜・4.9600
「偉大なる凡庸」シリーズ(笑)第4弾は実車こそ「偉大なる凡庸」なのですが模型の方が「曲者ぞろい」という少し奇妙な機種の話です。
物は9600蒸機。
言うまでもなく大正期の傑作蒸機のひとつとして国鉄蒸気の最後に近い時期まで現役だったロコです。
しかも北は北海道から南は九州まで東北の一部を除いて満遍なくいきわたっていた機種。その意味でもレイアウト向けのロコであります。
この9600、当レイアウトではKATO・TOMIX・エンドウ、マイクロが在籍していますが、モデルとして見た場合、KATOを除いてどれもこれもが曲者ぞろいというのが特徴です。
そのくせものぶりを端的に示しているのが駆動形式。

KATOとマイクロこそN蒸気では最もコンベンショナルなキャブモーター(つまり機関車にモーターが内蔵されている)ですがエンドウは炭水車にモーターと駆動系を内蔵させた「テンダードライブ」、TOMIXはモータを炭水車に置いているもののそこからドライブシャフトを機関車側に繋いで走行する「テンダーモーター」と同一形式でありながら3通りの駆動系が選べるという特徴があります(中古の出物があればという話ですが)

更にエンドウは全金属製のボディでやろうと思えばボイラの中に発煙ユニットの組み込みが可能だったりします。

残った2社にしてもマイクロは構造こそ普通のモデルなのですがとにかくバリエーションが多い。デフ付き、デフなし位なら他社でもやりますが北海道タイプや九州タイプ、果てはゼブラ塗装やオレンジ色(こんなのも実在していました)仕様まで私の知る限りでも10種類以上のバリエーションが存在します。実は私が最初に入線させた96は中古ショップで700円で売られていた北海道タイプでしたが個人的に持っていたマイクロへの偏見(恥)をかなり払拭させる出来でした。以来マイクロの96には注目しています)
これだけ曲者がそろってしまうと残ったKATOは「特徴のないのが特徴」にすら感じられてしまうほどです。そのKATOにしてもそれまでのKATO蒸気の水準を超えた出来に感じられます。
走りっぷりに関して言えば個人的には実車のような空転を再現させやすい(笑)TOMIXは少し憎からず思っています。走りに一生懸命感があるとでも言えば良いでしょうか。
エンドウのテンダードライブは「機関車が駆動しない」せいかロッドの動きがやや硬かったり引っかかったりする恐れがあり少し神経質な感じがあります(感覚的にはKATOのチビロコのそれに近い)
これに比べるとKATOとマイクロはスムーズで最も安心できる走りです。ただ、優等生過ぎて可愛げがないという贅沢な短所も併せ持っている気がします。
以上のような特徴があるからでしょうか、レイアウト上で96を運行するときには独特な気分になります。例えるなら「1両1両走りっぷりの違うカマを使いこなす職業機関士の気分」とでも言えば良いでしょうか。
「偉大なる凡庸」とか言いながら実に個性的な機種ではあります。

にほんブログ村

にほんブログ村
現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。
物は9600蒸機。
言うまでもなく大正期の傑作蒸機のひとつとして国鉄蒸気の最後に近い時期まで現役だったロコです。
しかも北は北海道から南は九州まで東北の一部を除いて満遍なくいきわたっていた機種。その意味でもレイアウト向けのロコであります。
この9600、当レイアウトではKATO・TOMIX・エンドウ、マイクロが在籍していますが、モデルとして見た場合、KATOを除いてどれもこれもが曲者ぞろいというのが特徴です。
そのくせものぶりを端的に示しているのが駆動形式。

KATOとマイクロこそN蒸気では最もコンベンショナルなキャブモーター(つまり機関車にモーターが内蔵されている)ですがエンドウは炭水車にモーターと駆動系を内蔵させた「テンダードライブ」、TOMIXはモータを炭水車に置いているもののそこからドライブシャフトを機関車側に繋いで走行する「テンダーモーター」と同一形式でありながら3通りの駆動系が選べるという特徴があります(中古の出物があればという話ですが)

更にエンドウは全金属製のボディでやろうと思えばボイラの中に発煙ユニットの組み込みが可能だったりします。

残った2社にしてもマイクロは構造こそ普通のモデルなのですがとにかくバリエーションが多い。デフ付き、デフなし位なら他社でもやりますが北海道タイプや九州タイプ、果てはゼブラ塗装やオレンジ色(こんなのも実在していました)仕様まで私の知る限りでも10種類以上のバリエーションが存在します。実は私が最初に入線させた96は中古ショップで700円で売られていた北海道タイプでしたが個人的に持っていたマイクロへの偏見(恥)をかなり払拭させる出来でした。以来マイクロの96には注目しています)
これだけ曲者がそろってしまうと残ったKATOは「特徴のないのが特徴」にすら感じられてしまうほどです。そのKATOにしてもそれまでのKATO蒸気の水準を超えた出来に感じられます。
走りっぷりに関して言えば個人的には実車のような空転を再現させやすい(笑)TOMIXは少し憎からず思っています。走りに一生懸命感があるとでも言えば良いでしょうか。
エンドウのテンダードライブは「機関車が駆動しない」せいかロッドの動きがやや硬かったり引っかかったりする恐れがあり少し神経質な感じがあります(感覚的にはKATOのチビロコのそれに近い)
これに比べるとKATOとマイクロはスムーズで最も安心できる走りです。ただ、優等生過ぎて可愛げがないという贅沢な短所も併せ持っている気がします。
以上のような特徴があるからでしょうか、レイアウト上で96を運行するときには独特な気分になります。例えるなら「1両1両走りっぷりの違うカマを使いこなす職業機関士の気分」とでも言えば良いでしょうか。
「偉大なる凡庸」とか言いながら実に個性的な機種ではあります。

にほんブログ村

にほんブログ村
現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。
この記事へのコメント