今月の入線車・「坊ちゃん」にでも出てきそうな・・・

「停車場はすぐ知れた。切符もわけなく買えた。乗り込んでみるとマッチ箱の様な汽車だ。ゴロゴロと5分ばかり走ったらもう降りなければならない。道理で切符が安いと思った。たった3銭である」
 夏目漱石の「坊っちゃん」の一節ですがそんな風景に似合いそうなミニロコを入線させました。

 西ドイツミニトリックスのT3。モデルとしてもかなりの年代物と思われます。

 これがまたTOMIXのKSKタイプCタンクよりもでかい(オーバースケール)カマでした。
 何しろキャブ内にキャラメルモータが縦に収まってしまう位ですからその図体は(汗)

 元々はプロイセン王国の古典機らしいのですがプロトタイプにまるで似ていないプロポーション、スポークなしの円板状の動輪、先ほどの図体の件と併せると一見してまるで良い所なしに見えます。
(同型機はアーノルドからも出ていますが調べたところでは見た目は武骨ながらこちらの方がプロトタイプに近いです)

 ところがこのT3実車を手に取るとまるで憎めない。
 プロポーションが実車に似ていないと言うだけでデザイン自体には破綻はなく、不思議と可愛げがあります。
 チビロコの様なフリー機に近いと捉えれば結構好いロコと言えます。走行性は可もなく不可もなし。TOMIXのCタンクよりもよく、フライッシュマンのBR98ほどではないレベル(と言いますか98の走行性能が突出しているのですが)

 これを見ていると無闇に外見だけ実車に似せる事ばかりに汲々とするモデルの方向性にふと疑問を感じてしまう気もします。

 オーバースケールを逆手にとってマイクロの二軸客車(1号機関車用)を牽かせても良い雰囲気を出しそうです。

 HPの車両紹介のページです。
光山鉄道管理局

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型へ
にほんブログ村
にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型 レイアウト製作へ
にほんブログ村

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。

この記事へのコメント

2012年07月25日 07:11
おはよう御座います。
これはまた可愛らしいロコの入線ですね。
リアル志向の鉄道模型車両は,確かに今では確立
された感がありますけど,こういうチープな物にこそ
もう1つの鉄道模型の楽しみ方があるものです。
このフレキシブルな発想こそが,趣味の幅を持たせる
楽しい志向だと思ってます。良い物は良いってやつですね。
2012年07月25日 22:02
>YANチョさん

 調べて見た所ではこの製品は70年代初頭にリリースされたもののようです。
 ある意味Nゲージがまだ素朴なものであった頃の遺産の様なものかもしれません。

 ですがその精神は今一度注目されていいものではないかと考えますね。

この記事へのトラックバック