「江戸細工」と鉄道模型で思うこと
今回はのっけからこんな写真です。
杉浦日尚子氏の「一日江戸人」
実はこの間、飲み会で出かけた料理屋の「ご自由にお持ち帰り下さい」というコーナーで入手した物です。
ご主人が時代小説ファンなのかとにかく髷物が充実していたのですが、その中で目を引いたのがこれでしたので(笑)
書名の通り江戸時代の江戸人の風俗を分かりやすく解説した一冊なのですがその中に少し興味を引いた部分がありました。
「江戸人のホビー」の項の最後に「ミニチュア細工」の一節があった事です。
当時の江戸では指先に載る様な大きさの家具のミニチュア細工がオトナの趣味として愛玩され、家具の中には本物の10倍の値段で取引された物もあったとの由。
本書では最後の江戸細工師として小林礫斎のミニチュアがイラストで紹介されています。
これを見た限りでは高さ9センチで18ある引き出しが全て可動する箪笥やら直径4ミリの駒など非常に精巧に作られているようです。比較対象がないとミニチュアとは分からない程だったとか。
これで小林礫斎の作品に興味が出てきたのでネットで検索するといくつかの作品の写真がヒットできました。
(直接の掲載は避けますがこの名前で検索するといくつか見つけられると思います)
なるほど、なかなかに細密です。
そこでふと思ったのですが、16番を中心にした鉄道模型、或いはミニカーや超合金にまで波及している細密趣味のルーツと言うのは案外こんな所にあるのではないかと感じました。
ミニチュア家具等は何かエコーモデルのレイアウト用品を連想しますし。
ただ、もう一つ気になったのは同じミニチュアでもドイツ辺りのそれが「ひとつのシーンの全体を表現する」事に重点を置いているのに対し日本のこれらの作品がシステム性をあまり気にしない「一点主義」の印象を受ける事です。
この辺りは国民性の違いと捉えられるのかもしれませんが、そう考えると日本の鉄道模型の車両偏重や細密趣味に走る理由の一端が見える気もします。
それにしても何を読んでも鉄道模型やレイアウトと結び付けて考察を始める様になるとある意味末期症状のような気もします(汗)
HPです。機関車の項更新しました。
光山鉄道管理局
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この記事へのコメント
確かに日本人は職人気質な匂いのする物への
関心度は,諸外国と比べると高いのでしょうね。
ただ現在はマニアの一般化が進んでしまい
猫も杓子も・・・的な感覚が否めませんね。
大金で手に入れて,触ったら壊れて修理に出して・・・
という私の友人みたいなのも居ますから(笑)。
細密=高価と細密=お金持ちは違うと思うのですが・・・。
仰る通りの側面はあると思います。
職人(メーカー)の拘りの高さがユーザーにきちんと受け入れられていれば自然とモノに対しても畏敬の念というものが生まれると思うのですがそれらがきちんとユーザーに伝わっているかというとやや疑問を感じますね。
その一方で遊び道具の一種である以上は「使い倒してこそ華」という考えもあります(一例をあげればブランド物のスポーツ用品とかスポーツカーなど)
その際でも上記の「畏敬の念」持っていたいと思いますね。