「けいおん!」ラッピング電車キットを見る・2


 前回触れた「けいおん!!」電車のはなし、第二弾です(笑)

 パッケージの蓋を開けてみるとキットの本体が出て来ます。
 ここで分かった事は本キットの車体部分はかつてGMから出ていた京阪600形そのまんまだった事です。
 なるほどプラッツがGMに委託したといううわさは事実でした(笑)

 但し通常品とは違う前面を含めた他のパーツ(パンタグラフや京阪用の台車枠など)は別パーツ化されています。
 ですので当初の見込み通り近代型の600として作る事は可能。或いは既に旧600形を持っている方なら車体のコンバートで変換できる訳です(京阪600キットは動力ユニットをかぶせ&両面テープで対応している)

 肝心の動力ユニット自体の入手は現在ではかなり困難だそうですがベースとなっているTOMIXのベルニナは私の現住地の様な田舎の中古ショップでも時たま出物を見掛ける事があるので気長に探索すれば入手自体は案外難しくない気がします。
 ただ、前述したように元が登山電車ですから京阪の車体と組み合わせるととても重厚な下回りになる(少なくとも併用軌道にはやや不釣り合い)のは覚悟しなければなりません。
 (ちなみにこの動力ユニットはかなりの重量級で、MODEMOのモハ1よりも重いです。ウェイトも大きく、室内灯の装着はまず不可能。ですがそれだけにNゲージとしては群を抜く登坂能力を持ちます。走行性はGM動力よりはスムーズですが鉄コレ並みと言う訳にはいきません。但し140Rのミニカーブには対応します)

 そこさえ気にならなければ車体の組み立てまでは気楽にできると思います(過去に旧600形を作った事がありますが車体が小さいので案外手軽に出来ました。それでいて屋根上のディテールには適度に凝縮感があり悪くない印象です)

 ですが問題は車体全体に貼り付けを要求される「デカールの群れ」です。
 下手に貼ると破れが出そうなくらい面積が広い(と言いますか車体全体をデカールでくるむ様なイメージです)ので余計怖いです。
 上級者用に車体の塗装後に貼るタイプのデカールも構成されていますがこちらはこちらで少なくとも4色の車体色の調合と塗り分けが必須です。

 更に説明書を見ると組み立ててから貼る場合、貼ってから組み立てつ場合のどちらも一長一短の問題があるようで。

 実はこのキットを手に入れてから先達の記事を参考にしようと思ってネット検索してみたのですがこのキット以前に製作されたスクラッチモデルを除いて製作記が殆どない事に驚きました。
 話題性からいっても作ったと名乗りを上げるユーザーが複数いてもおかしくないキットだと思っていたのですが…
 つまり秘密裏の作例を除けば非常に積みプラ率の高いキットの様です。

 唯一救いとなりそうなのがデカール自体のブランド性でしょうか。
 聞く所では本キットのデカールはプラモではかなりの有名ブランドのイタリア・カルトグラフ社製だそうです。
 ここのデカールは耐久性の良さに定評があるとの事なのでそこに望みを掛けて作ってみようかと。

 (定評があっても腕の下手さをカバーしてくれるかは別問題ですが)

 尚、本キットは元々ベルニナの足周りを共用する前提のキットなので長さや幅のディフォルメの可能性が多分にあるので今後リリースが予定されている鉄コレの600型の動力のコンバートが上手くゆくかは未知数と思われます。
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