「ナローゲージモデリング」


 先月の帰省時に手に入れた本の話です。もう9月も半ば過ぎだというのに(汗)
 自分にとっては畑違いを承知で購入した「ナローゲージモデリング」


 見ての通り前編軽便鉄道のモデルだけで構成された一冊です。
 TMS別冊でこの体裁だと大抵の場合レイアウトだけで構成されるものが多いのですが本書はレイアウト・車両・実物探訪がそれぞれ3分の1づつというバランスの取れた構成になっています。

 ですので通しで読むと「私もナローをやってみようかな」と言う気分になる、入門書としてはもってこいの本と言えます(笑)

 この本が出た当時はTMSやとれいんはもちろん、「子供の科学」誌上でもナローモデルの連載があったくらいのナローブームでした。

 その背景としては素朴な意味で「鉄道」を手軽に楽しめるのではないかと言う期待感があったのとナインスケールを中心にナローの動力車に転用できるNのモデルがリリースされた事で敷居が低くなっていた事情もあると思います。
 当時の専門誌ではCタイプディーゼルやKSKタイプCタンク、果てはED75までもが相次いで軽便の動力車として登場していました。
 前述した「子供の科学」では当時のTMSでも見なくなっていた「ユーレイ貨車」の記事までありましたし。

 本書で取り上げられている記事は70年代後半くらいのものが多いのですがそれでもフルスケール16番の車両工作の感覚では奇策と取れるテクニックが散見されます。
 時期が時期なので機関車のベースにはNゲージのフライッシュマンやトリックスの小型機関車の足回りが使われていることが多いですが。
 こういう記事は「工作とはアイデア勝負の側面がある」事を認識させる意味でも読んでいるだけで楽しめます。

 レイアウトも小スペースを有効に使いつつ鉄道として完結している「レイアウト」の素朴な魅力にあふれていました。
 この感覚も最近の専門誌では見ないものです。
(現実にはナローゲージと言えどもスケールに徹するならば必然的に大レイアウトにならざるを得ないのですが)

 私自身がナローをやるかどうかは別としても久々の良書と感じました。

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