鉄道模型の趣味とネットのはなし

今回は鉄道模型趣味とネットについて自分なりに最近感じることから。
二十数年前の中断前と比べて今のこの趣味で一番大きく様変わりしているのはネットの存在でしょう。
特に情報の入手の手軽さについては以前とは段違いになっていると感じます。
以前ある本で読んだことですが、インターネットのメリットを最初に享受した層というのは周囲に同好の士を作りづらいマイナーな趣味を持っている人々だったそうです。
リアルな生活では「こんな趣味を持っているのは自分くらいだろう」とか思っていたのがネット上で実は全国・全世界レベルで同好の士を見つけて交流できるようになり、更にその交流の相乗効果でその趣味の質の底上げにつながったケースも多かったようです。
鉄道模型がそこまでマイナーな趣味なのかどうかはありますが(笑)それでもネットの登場以前と以後ではかなり様変わりしているのは確かなようです。
同じジャンルでも例えば3線式Oゲージとか、有人運転の電動模型とか専門誌でもあまり見なくなったジャンルであればネットで同好の士を見つけられるメリットは大きいように思えます。

専門誌とカタログしか情報源がなかった昔と比べれば新製品情報ひとつとってもかなりの速さで入手が可能ですし、パーツなどで地元にないものでもネット検索で探せばそこそこ見つかる事があります。
何よりネットで鉄道模型の情報を拾い始めて気付くのは専門誌に載らない同好の士の作品やレイアウトを手軽に見ることができる点、制作中の作品でもその過程を見ることが出来るようになっている点は革新的ですらあります。
この場合メリットのひとつ(汗)は上級者のハイテクニックだけではなく自分のレベルに近い方の作例を見られる点です。
うまい作品を見て自分も上手くなろうとするのも動機付けの点では良いのですが、同じようなレベルの方の製作過程をチェックすることで自分でもここまでならできそうだと言う見当がつけられるメリットは大きいと感じます。
もちろん(前に触れたように自分ではあまり使わないのですが)ネットショップやオクの存在も大きいでしょう。
これも田舎のファンには有難い部分ではあります。

そして、今こうしてブログなどを続けている事でもそうですが、ネットを通じて自分の趣味についての情報(と言えば聞こえは良いですが要はだべりの垂れ流し…汗)を発信したり交流が出来るようになったことは特に田舎在住のファンにとっては有難い事だと思います。
直接顔を合わせられないと言う、ある意味致命的な弱点もあるのですがそれでも時間の制約なしにやり取りができると言うのはメリットとはいえます。
欧米などでは子供の玩具としての普及が高かった(それゆえビギナー層が厚く、子供の頃から継続している大人ファンも多い)鉄道模型ですが聞く所では玩具としての側面ゆえにインターネットやTVゲームなどに本来のビギナー層が流れてしまい先細りの危惧が囁かれる時期があったようです。
この点日本ではネットの質的な普及がやや遅れていたこと、ネットユーザー層に重なる30代、40代の「出もどり組」が参入してきたことで逆に鉄道模型ジャンルは90年代頃に比べると活況なのではないかと思います。
ある意味ネットの普及との相乗効果でと鉄道模型趣味の拡大もはたされて来たのではないでしょうか。

もちろんネット自体の問題や弊害は依然として大きく、現状を手放しで喜ぶわけには行かないとは思いますがこのメリットを生かす方向で趣味の深化ができればそれに越した事もない気がします。
(写真は本題と関係ありません)
光山鉄道管理局
HPです。

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この記事へのコメント
全く仰られる通りだと思いました。
自分の様な「偏屈物」の様な意見でも,きちんと
理解して聞いて頂ける方が居らしただけでも
私にとっては大きな収穫でしたしね(笑)。
ただ情報が溢れ過ぎてて,自分が知らないうちに
自分を見失うという,今まで経験した事のない
感覚を味わいますから,その辺りは本当に上手に
付き合って行かねばならないと再確認しました。
でも他の方の記事や作品を見てると,非常に楽しいですし
何よりも大変勉強になります。
仰る通りでネット登場前に比べると入手できる情報量が飛躍的に増えているため流されやすい側面も大きいですね。
利便性は高いもののネットも「あくまでも情報源のひとつ」という位に捉えて時には距離を置くことも大事ではないでしょうか。
即時性が高い反面で衝動的な感情がストッパーなしで漏れ出すのもネットの短所といえますので、どこかで内省するだけの時間を取ることも必要ではないかとも思います。
中古車両を探すのはもちろん、色んな情報がリアルタイムに入手できますから、この模型趣味が続いているのも、ネットのおかげと感じております。
また、沢山の仲間と距離を関係なくお互いの情報交換ができるのも、この趣味の長続きのひとつと思います。
これが逆に、外部からの情報も無く、ひとりでやっていたら、多分また、この趣味は潰れていたと確信しております。(汗)
外部との交流を保てると言うのは特に地方在住の人間にとってはメリットですね。
どんな趣味でもそうだと思いますがやり始めは一人でも楽しめるものですがある段階から先になればどうしても外部との交流が必要になってくると思います。
その意味ではネットの威力を最も享受しているのが「田舎のファン」ではないかと思えます。
もちろん私もその一人なのですが(汗)
そもそも、未だにネットがなかったら、この趣味自体も復活していなかったかもしれません。
また、情報が溢れ過ぎているというのも同意できます。
その中で、いかに情報を取捨選択していける様になるかも大切な事だと感じています。
また、受け手となるだけではなく、発信者となる事もネットを使う上では、重要な事だと思います。
恐らくですが最近の鉄道ブームや鉄道模型ブーム(?)にはかなりネット環境の普及が寄与していると思えます。
情報が共有しやすくなる事である程度都会と田舎の地域差がなくなっている点などは正にネットのご利益でしょう。
ですがそれだけに情報の取捨選択・咀嚼がこれまで以上に重要になっている気もしますね。