鉄道模型「車両の寿命」についてもかんがえる
前回はレイアウトについて触れましたが車両模型についての寿命とか賞味期限についても考えてみたいと思います。
プラやダイカストを使っているNゲージや海外HOなどでは素材そのものの劣化による寿命がそろそろ気になる時期に来ているのではないかと思います。
保存状態や使われ方によっても左右されますが、プラ素材やダイカストの動力ユニットのクラッキングや膨張・変形のリスクは決してゼロとは言えません。
私の持っている中で最古の物は1971年モデルと思われるKATOのキハ20(T車)ですがこれは今でも現役です。最初に購入したM車のキハユニ26も走りのガタつきがかなり出てきていますがまだ「動態保存」レベルと言えます。
(もっとも後者の場合20年以上の中断期間の間直射日光にも当たらず箱詰めされていた事情を考慮する必要があります)
それ以外のモデルでも明らかに劣化で使えなかった物はごく少ないです。
中古で買ったトキ15000の台車のカプラー部がクラッキング分解したケースとエンドウのEF57のダイカスト部分の変形が目立った程度です。
ブラス主体の16番モデルでも動力ユニットにダイカストを使ったものでは微妙に変形の出現しているモデルがあるようです。
伝達部のゴムなどの劣化もありますがこれもどうにか対処可能なレベルでしょう。おおむね動力機構の単純なモデルほど走りの劣化は少ないようです。
車体については、おおむねプラよりは劣化の度合いは少なそうです。
ただ物理的な「寿命」と「賞味期限」となるとこれはまた違った意味を持っています。
先日親類から譲り受けてレストア中の35年前のC58。
ご記憶の向きもあるでしょうが、このモデルについては昨年天賞堂のプラ製品を入線させています。
この二つを並べると細密感はもとより走行性までもが大きな差が付いている事が誰の目にもわかります。
何しろ旧型はライト点灯どころか「銀色に塗っただけ」というレベルですし。
大雑把に言ってバブル時代以降に作られたモデルの場合、Nでも品質的な安定期に入っていますし16番もブラスモデルに関しては行く所まで行った感があるのでそれほど極端な差は感じないかとも思えます。
ですが単純に「旧製品だから悪い」と言い切る事もまたできません。
骨董的価値と言うのもあるでしょうし、現在のモデルに進化する過程で置き去りにされた何か(多分にエモーショナルな要素も多いのですが)が旧モデルから感じられる事も多い筈です。
私はどちらかというと走行派にちかい立ち位置ですから「先ずは元気に走ってくれればいう事なし」で出来る限り長く活躍してほしいと思っています。
先日のC56、少し前のC58の例で認識しましたが少しくらいの細密さもレイアウトで走る分には大きなアドバンスにはなりませんし、飾り物に徹するなら別に動力モデルにもこだわりません。
それだけに「走れる寿命」についてはメンテナンスも含めてもう少しデータが欲しい所です。
光山鉄道管理局
HPです。
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プラやダイカストを使っているNゲージや海外HOなどでは素材そのものの劣化による寿命がそろそろ気になる時期に来ているのではないかと思います。
保存状態や使われ方によっても左右されますが、プラ素材やダイカストの動力ユニットのクラッキングや膨張・変形のリスクは決してゼロとは言えません。
私の持っている中で最古の物は1971年モデルと思われるKATOのキハ20(T車)ですがこれは今でも現役です。最初に購入したM車のキハユニ26も走りのガタつきがかなり出てきていますがまだ「動態保存」レベルと言えます。
(もっとも後者の場合20年以上の中断期間の間直射日光にも当たらず箱詰めされていた事情を考慮する必要があります)
それ以外のモデルでも明らかに劣化で使えなかった物はごく少ないです。
中古で買ったトキ15000の台車のカプラー部がクラッキング分解したケースとエンドウのEF57のダイカスト部分の変形が目立った程度です。
ブラス主体の16番モデルでも動力ユニットにダイカストを使ったものでは微妙に変形の出現しているモデルがあるようです。
伝達部のゴムなどの劣化もありますがこれもどうにか対処可能なレベルでしょう。おおむね動力機構の単純なモデルほど走りの劣化は少ないようです。
車体については、おおむねプラよりは劣化の度合いは少なそうです。
ただ物理的な「寿命」と「賞味期限」となるとこれはまた違った意味を持っています。
先日親類から譲り受けてレストア中の35年前のC58。
ご記憶の向きもあるでしょうが、このモデルについては昨年天賞堂のプラ製品を入線させています。
この二つを並べると細密感はもとより走行性までもが大きな差が付いている事が誰の目にもわかります。
何しろ旧型はライト点灯どころか「銀色に塗っただけ」というレベルですし。
大雑把に言ってバブル時代以降に作られたモデルの場合、Nでも品質的な安定期に入っていますし16番もブラスモデルに関しては行く所まで行った感があるのでそれほど極端な差は感じないかとも思えます。
ですが単純に「旧製品だから悪い」と言い切る事もまたできません。
骨董的価値と言うのもあるでしょうし、現在のモデルに進化する過程で置き去りにされた何か(多分にエモーショナルな要素も多いのですが)が旧モデルから感じられる事も多い筈です。
私はどちらかというと走行派にちかい立ち位置ですから「先ずは元気に走ってくれればいう事なし」で出来る限り長く活躍してほしいと思っています。
先日のC56、少し前のC58の例で認識しましたが少しくらいの細密さもレイアウトで走る分には大きなアドバンスにはなりませんし、飾り物に徹するなら別に動力モデルにもこだわりません。
それだけに「走れる寿命」についてはメンテナンスも含めてもう少しデータが欲しい所です。
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この記事へのコメント
私も古いキハ20を所有してますが、ボディーも少し変形して、窓パーツも破損し、一旦抹消にしましたが、気が付けば復活させてました。
やはり思い入れのある車両は、捨てることはできませんね。
私が最初にNゲージを始めた頃は鉄道模型界全体に「プラアレルギー」というのが蔓延していた時期でして、プラの質感と同時に耐久性への懸念が最もよく聞かれていたので一時気になっていたことでした。
実際は保存状態に左右されるとはいえ、意外に持ちこたえているという印象です。
現実にはむしろ技術革新に伴う陳腐化の方が大きいかもしれないですね。これはNだけでなくむしろ16番で顕著ですが。
ですが思い入れのある車両が劣化でぼろぼろになる可能性もないとはいえないので難しいところですね。
寿命ある人間が作った物どころか、不変に見える大地や宇宙にすら消え去るものがある以上、模型にも限界はあろうと思います。おそらく当方の模型車両では前灯ダミーと首振りスカートに朱色ボディ、上下分割動力のEF70三代目製品が最古と考えます。元箱無しゆえ全く製造時期の手掛かりも無し。おそらくはぼちぼち半世紀かなぁとは思いますが。まだ現役はやれそうです。
しかしtomix製DF50初代製品、これのABS樹脂製と思われる床板パーツに合計7箇所あるネジ受けが最近割れ始めてます。次のメンテでトドメを刺してしまうかもしれません。次々と起きている以上は樹脂自体の劣化だと思いますが…。こちらは40年越えでしょうか。
モデルの寿命(と言うか劣化)を左右する条件としては環境や楽しみ方の影響も大きいでしょうが、最近はそれ以上に「製造工程の条件」も大きな要因になっている気が強いです。
マイクロのご懐妊モデルやナインスケールの大変形、エンドウの波うちモニタとかしなのマイクロの動力の劣化など「時間が経ったらぼろが出た」ケースが殊の外多いのは驚かされます。
これらは入線させてすぐにはわからないだけに厄介ですね。