ミニカーブと小型機関車で思うこと


 グダグダだった連休明け。体力的にもメロメロで工作どころではありません。
 こんな時にテーブルトップで出来る事としてスーパーミニカーブ103Rのエンドレスで手持ちの小型機関車がどれだけクリアできるかのチェックを行いました。

 機種はフライッシュマンのDB98、BタンクとTRIXのT3、TOMIXのKSKタイプCタンク、KATOのポケットライン動力を組み込んだ蓄電池式、バックマンのトラム等です。
 結果、意外というか予想通りと言うか、KSK以外の全ての機種で103Rをクリアできました。

 流石外国型。小型機ならこれ位クリアできるという感じです。
 皮肉な話ですが海外の殆どのメーカーは元々「玩具」からスタートしているせいか最低限の走行性能をクリアしつつ目をつぶるべき所はつぶり「玩具としてのディフォルメによる印象の良さ」を優先する、その見切りの良さが印象的です。

 この点ではN・16番を問わず「模型メーカー」からスタートしている日本のブランドはその大半が落第点と言わざるを得ません。
 下品な意味で「玩具臭い」かスケールに忠実すぎて走行性能がおろそかな物、或いはディフォルメが中途半端な物、いずれにしても使いにくいものばかりと言う印象です。
 (ついでに「性能や外見は素晴らしいけれど華奢すぎて扱いずらい」とか単純に「高価すぎる」というのもあるかもしれません)

 TRIXのT3など実物とは似ても似つかぬプロポーションですが可愛げのあるデザインでありながらロコに必要な条件を全て満たしているのでふしぎな実在感があります。
 それでいて103Rのスーパーなカーブを楽々クリアできてしまい、走りの質感もきちんとしています。
 スケールモデルと思われるフライッシュマンの98などはDタンクでありながら中央の二軸を駆動させる事で意外なほどにスムーズにクリアして見せました。

 一方で例えばKATOのC11とか河合のB6などは従輪の可動性が少ないのと動輪間隔の広さなどから103Rはおろか140Rすらクリアできません。
 「小型機なら小型レイアウトを走らせたい」と言う当然のニードがなかなか汲み上げて貰えないのが少しもどかしい気もします。

 これは「玩具屋さん」でない、「模型メーカー」ゆえの配慮のなさかもしれません。
 飾り物ならともかく走らせて楽しむニード、それも「最低限の条件で楽しめる」事の重要性が認識されないと
 尤もこれにはメーカーだけでなくユーザーの側の責任も大きいとは思うのですが。

 ここでも依然として彼我の差の大きさを感じさせられてしまいます。

光山鉄道管理局
 HPです。

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この記事へのコメント

かなたかみ
2013年04月12日 09:25
鉄道模型に限らず、色々な分野で目にする、メイドインジャパンの負の側面がよくわかるようなお話ですね。

 つまり、マニアの要求に答えすぎた結果「特定の分野において過剰品質になってしまった」と。
 で、鉄道模型の場合、その過剰品質は「車両外観のディテールの進化」へと向かい‘華奢な車両’を生みだしてしまったのでしょう。

 その一方で‘走行性能’と、ストラクチャーシステムと調和するような車両の‘見た目の割り切り’といった部分は、ある意味切り落とされているのだと思います。

 過剰品質は、安全面においては手抜きより遥かに良いことだと思いますが、ただし、車両の見た目に関して言えば新参者に対して優しくないんですね。

「…自分だったら見た目をこう改造するのに」という、お客さんが自分で補完できる‘余地’をメーカーが塞いでしまったら、出来上がったものに文句をつけるくらいしかお客さんにできることってなくなってしまうのでは?と思うのです。
 その結果として需要が先細る訳ですから、マニアしか満足できない市場に未来は無いのです。

 …はじめから飾るためのコレクションモデルなら過剰品質で華奢でもよいのですが‘走行できる模型’である以上、メーカーは走行性能と全体のシステムにはこだわってもらって、それ以外の部分は割りとざっくりしててほしいんですね。
 イメージとしては「ラジコン」市場が思い浮かびます。競技に参加する人たちは‘メーカーの作ったノーマル仕様では競技に勝てない’から、部品を買って自分の好みに走行性能をチューンアップするわけです。

 一方、鉄道模型は車両の速さを競うものではありませんが、そのかわり「ダイヤ運転」があります。
 不足の事態にあってもすばやくスジを引き直し、きちんと走り、目標位置にきちんと停車する。速さではなく「正確さ」を競技としてうまく伸ばすだけでも新しい需要は開けるのではないでしょうか。

 …メーカーの方々には、基本性能の拡充と、それを生かした新しい需要の開拓をしてもらいたいと個人的には思いますね。
2013年04月13日 23:12
>かなたかみさん

>走行できる模型’である以上、メーカーは走行性能と全体のシステムにはこだわってもらって~

 この点は私もほぼ同じ考えです。走行の基本がしっかりしたモデルをベースに外見の改造やドレスアップの余地をユーザー側に残しておくというのは趣味の製品の場合重要な事ではないでしょうか。

 既成品の車両と建物類とのディテーリングギャップの拡大はかつての16番では結構深刻だったのですがNゲージでも最近は徐々にそうなりつつある印象を感じますね。

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