趣味の原点を振り返る34・1976年11月のTMSから

 久しぶりの書き込みになります「趣味の原点を振り返る」いつのまにか34回もこういうネタで書いています。

 私が鉄道模型の趣味を始めたのは1975年頃でしたが、最初の1年くらいは細々とした展開でした。
 当初は専門誌こそ読み始めていましたが、パーツの揃い方は遅々としたもので線路一本に2,3両の車両。
 一応レイアウトを目標にはしていたもののどんな風にそれを進めるかはそれこそ海の物とも山の物ともつかない状態で、意欲よりも不安感が先行していたのも確かです。

 いずれにしても何か尻押しになるきっかけがなければ、この趣味自体止めていたかもしれません。 
 そうしたタイミングで強く尻を押された一冊に出会えた事は私にとっては幸運だったと言えます。いわば私の鉄道模型趣味の「中興の祖」とも言えます。



 それはTMSの昭和51年11月号。
 読んだ後これほど充実した気分になった事は後にも先にもそうはありません。


 それほどこの号の充実度は凄かった。
 表紙からしてHOの有名レイアウトREPA-BAHN。Nのセクションレイアウトの記事、特に機関区のセクションはNとしてはそれまでなかった純日本風の物で大いに心ときめかせてもらいましたし、みどりやの東急8500の製作記事はNでも金属ボディの車両が作れる様になった事を実感させました。
 製品の紹介では学研のホームやさくら工房の木造機関庫キットなどGMに続く日本型ストラクチャーが載り、これもレイアウト志向の身にはワクワクさせられました。

 ですが、何より衝撃的だったのは本誌で今に続くブランドのTOMIXの発表があった事です。
 この衝撃は前にもこのブログで触れた事がありますが、この前号までこういうプロジェクトが存在しているとは夢にも思いませんでしたからその衝撃も大きかったです。

 それまで具体的な計画が何も進展できていなかった私の尻を押すには十分な衝撃でした。

 更にこの号のミキストでは近日中に鉄道模型の入門書が3冊、異なる出版社から出る事が暗示され(その中の一冊がカラーブックスの「鉄道模型」でした)それまで適当な入門書がなかったこのジャンルもビギナーの行く手を照らす力強い灯りがともされる予感を感じたものです。

 雑誌としてみれば、年間12冊出る雑誌の1冊にすぎませんが、そのたった1冊のTMSでこれほど充実した読後感を持った事はありませんでした。
 それ以前のTMSでは記事構成が16番メインでNはライブと並んでやや傍流的な扱いだったのがこの号を境にNの記事の比率が上がり始めたからです。
 これは当時Nを始めて1年ちょっとだった私にとって大きな意味がありました。まさに強力な尻押しだった訳です。
 
 その意味ではTMSの51年11月号の衝撃は私にとってNゲージの第二のスタートだったとも言えます。
 時期的にNゲージそのもののターニングポイントだった事、そのポイントにリアルタイムで立ち会っている気分になった感動は大きく、長い趣味歴でこれを超える衝撃は後にも先にもなかなか無かったと思います。

 今回は少し取り留めのない文章になりました。ご勘弁をば。


光山鉄道管理局
 HPです。

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