大レイアウトを考える・何のための大レイアウト?


 大レイアウトを考える。
 これまでは大レイアウトを構成する要件の視点からばかり書いてきていましたが、ここまで書いてきてそれよりも肝心な点を見落としてきた事に今になって気が付きました(大恥)

 それは「何がしたくて大レイアウトなのか」という点です。

 博物館などの展示用のレイアウトなら「多くの列車を見せる(日本の場合このレベルで止まってしまっているのが多い)」という視点でしょうし、クラブ所有とかレンタルレイアウトなら「自分の列車を思う存分走らせる」というのがメインに来ると思います。
 個人所有の大レイアウトの場合「作ることそれ自体に価値を見出す(意外とこのパターンが多い)」「本格的なダイヤ運転に対応する」「鉄道のある物流・社会システムを再現する(欧米の有名レイアウトにはこのパターンが多い)」というのもあるでしょう。

 これらのうち後の二つに関してはトラックプランやシーナリィの圧縮のセンスによって小レイアウトでも可能な条件と思います。

 実際の鉄道旅行などをして見て感じるのですが車窓風景を眺めていると「ビルや商店の立ち並ぶ駅」から出た列車が「郊外の住宅街」を経て「田園風景」「山岳(あるいは海岸)」に至ると言う「風景のうねり」を目の当たりにする事に楽しさを感じる事があります。
 最近のクルマでの旅行では高速道路やバイパスが意図的に町の郊外を縫って走る事が多いので、こうした感趣を求める事が難しくなっています(同じ事は最近敷設された新幹線でも言えますが)
 これなどは鉄道を使う、眺めるという魅力のひとつではないかと思います。

 そう考えた時に「長編成の列車が風景のうねりの中を走りぬける」さまを眺める事は大レイアウトならではの魅力ではないかと思えて来ました。
 この場合「様になる走り」「カッコよく見える走り」というのは小レイアウトの短い横幅で再現するのが難しいだけに(だから編成の短縮とか小型車中心という妥協案が出てくる)こういうのも大レイアウトの存在意義ではないかと思えます。
 もちろん運転そのものを楽しむ為の大レイアウトという方向もあるのですが、その場合TOMIXのワイヤレスコントローラを駆使し(できるならこれにDCCの様な動力車ごとの個別のコントロール機能でもあればベスト)てレイアウトの周りを歩きながら列車の動きを追いかけると言う楽しみが必要ではないかと思います。
 コントロールボードが固定されていると大レイアウトになるほど死角が大きくなるばかりでなく、奥を走る「豆粒列車」を眼で追いながらの運転にもなりがちで、その煩わしさが早く飽きてしまう原因にもなっているのではないかと思います。

 ただ、その場合でも「楽しく眺められるレイアウト」と「運転が楽しいレイアウト」が異なるものであるとは思えません。

 特に大径カーブを駆使したレイアウトならば優れたコース設定のされたサーキットでスーパーカーを走らせるそれと共通した快感があるのではないかとも思えます(そんな経験ないですけれど)
 
 私個人の場合「眺める」要素が他の人に比べてやや大きい様で運転会でも自分が運転するよりも他のメンバーの自慢の編成が自分の作ったシーナリィの前を走ってゆくのを眺める方が楽しく感じられる事が多いです。
 (ウォークアラウンド操作を実践すればこの印象は少しは変わる気もするのですが)
 そのせいもあるのでしょう、前回書いた大レイアウトの条件のいくつかは「眺める」楽しみにプライオリティを置いたものが多いようです。
 人によっては「眺めているだけなんて趣味ではない」という向きもあるかもしれない。ですがそれなら映画や美術館で名画を眺めるのも趣味とは言えなくなります。

 「作る」という側面で捉えた場合は何より「自分の眺めたい景色を自分でプロデュースできる」事にレイアウトの趣味の重要な本質がある以上大レイアウトになるほど腕の振るいどころもあるように思えます。
 この点は予め想定されたプロトタイプに沿って作り上げる模型車両工作とはやや異なるものの「作る楽しさ」そのものであるとも言えます。

 こんな事を書いているうちに自分でも興奮してきました(汗)
 実現可能性をすっ飛ばしてここまで妄想を垂れ流した事は近年なかったです。
 ここまで書いたポリシーと条件で自分の大レイアウトが作れるとといいのですが(大汗)

 という訳で今回は妄想にお付き合いさせてしまい失礼しました。
(写真は本編と関係ありません)
 光山鉄道管理局
 HPです。「思い出の書籍」のコーナー一部オープンしました。

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この記事へのコメント

2013年07月01日 16:55
スペースの都合でミニレイアウトしか作れない時に「大きなレイアウトが欲しい」と思う理由は、

1.12両編成の列車を走らせても狭さを感じないスペース

2.駅やヤード、機関区などをゆったり作れるスペース

ではないでしょうか。

でも記事にも書かれてるような、「実物の線路のようなゆったりとしたカーブ」「連続して変化する風景」を作ろうとすると本当に広大なスペースが必要な割りに、敷設されている線路の数は少なめでないといけないように感じます。

大都市周辺でもないかぎり、複線の線路が何組も並走していたり、立体交差が続くなんていう風景はないわけですから。
2013年07月01日 18:56
>柴乃さん

 仰る通りで現実の風景の場合「風景のマッスに対して線路の比率が少ない」のが当然な訳でこの辺りにトラックプランの設計の見せ所(風景に対するディフォルメや圧縮)があると思います。

 その意味では以前触れた事のある摂津鉄道や千曲鉄道などはなかなかいい線を行っている気がします。

>大都市周辺でもないかぎり、複線の線路が何組も並走していたり、立体交差が続くなんていう風景はないわけで~

 その意味でも私の理想像は「都市型のレイアウト」だったりします。
 これにはもう一つメリットがあって「ローカル風景よりも走る編成の年代や種類を選ばない(レトロ編成であっても「イベント列車」で言い抜けられる)事が挙げられると思います。

…いずれにしろ理想像に過ぎないのですが(汗)

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