「レイアウトと旅をしてみる」こと


 小レイアウトを車に積んでお出かけ、好きなところで走らせる。

 今でもこういうのは変わり者の楽しみ臭いところがあるのですが、かといって昔ほどこういうのが突飛な楽しみではなくなってきているのも事実と思います。
 今回の帰省でそれを実行しましたがこれとて実は2回目なのでそれほど冒険した感じもありませんでした。

 むしろ一回目に600×900のモジュールを丸ごと持ち込んだ反省からそれより小さめで台枠を軽く、アクセサリの固定率を上げるといった改良点を加えて臨んだものです。
 軽量で丈夫な台枠を使い、シーナリィは可能な限り固く固定する(その意味で運転会用のモジュールの技法はかなり参考になります)か、簡単に修理できるようにする。配線は可能な限り台枠内に固定しコードのはみ出しを作らない。
 この条件さえ満たせれば「持ち歩けるレイアウト」というのは決して不可能事でも夢でもありません。車もムーヴ、ワゴンR以上のサイズであればレイアウトボード一枚分のサイズのレイアウトを持ち運べます。
 旅行に持ち込むとなるとさすがに最低でもノア、セレナ級のミニバンかワゴンがいるでしょうが…


 さて、この楽しみ方ですがプロトタイプがなかったわけではありません。
 20年くらい前に買って読んでいたある雑誌がヒントになっています。

 1992年号の小学館の「サライ」誌の特集「車は隠れ家」
 当時はバブルの直後くらいの時期でミニバンはおろかSUVもまだ一般的ではなかった頃。「クルマ」といえばステイタスシンボルとしてより速く、より豪華に、より大馬力にが合言葉だった様な時代で「持ち歩ける空間」としての側面がまだ理解されていない時期だったのですがそんな折にこの本を読んだ時の衝撃は忘れられません。

 今でこそ半ばマニアの間では当たり前になっている「走るAVルーム」「持ち歩ける書斎」と言ったコンセプトが90年代初めの本で支持されていたのですからその先見の明は大したものであったと同時に「こういうのをやってみたい!」という夢を持たせた罪深い一冊でもありました。
 さて、その中のひとつに「釣った魚をその場でさばいて調理する、走る厨房」というのがあります。

 今思えばこれが今回の「帰省にレイアウトを持って行く」というアイデアの源流になっていると思います。

 殊に最近の車はHV車を中心にかなり大容量のAC電源を装備している車も多いので「旅先でアウトドアレイアウト運転」なんてのまで夢でなくしてくれています。
 そう考えてみるとレイアウトを持ち歩ける最大のメリットは多いと思います。「周囲の風景を常に変えられる借景」として使える事、車両が限定されるものの「旅先で買った車両をその場で運転して楽しめる事」「誰にでも分かる形でレイアウトの魅力をアピールできること」
 これらはどれもこれも従来の鉄道模型の楽しみ方から一歩踏み出した開放感を与えてくれるものとも思えます。

 決して誰にでもお勧めできる愉しみ方ではないのも確かですが、それでも一つの方向性として考える余地はありそうです。

光山鉄道管理局
 HPです。

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