中村精密C51・「亀の子スタック」のはなし
前回紹介した中村精密のC51のその後です。
その昔、私が乗っていた車にメルセデスベンツのAクラスという無闇に最低地上高の低いコンパクトカーがありました。
高速の走行はベンツらしいどっしりしたものでしたが、ホイールベースが長すぎてちょっとした積雪ではすぐに車体の底が雪に乗り上げて車輪だけが空転するという、いわゆる「亀の子スタック」をしばしば経験しました。
よもやそれに近い事を事もあろうに「Nゲージの鉄道模型」で体験しようとは(笑)
先日のC51ですがレイアウト上を走行中に突然車輪が空転を始め、線路上で動かなくなってしまいました。
脱線した形跡もないので最初はギアが割れるか何かでモータが空回りしているのかと疑ったのですが、よく見るとテンダーは停止しているのに両端の動輪が揃って空転しています。
引き上げて調べてみると何と動輪に巻いてあったゴムタイヤが劣化して分解していました。
それだけならまだしもこの動輪は隣接するトレーラ車輪(テンダの2・3軸に相当します)よりも少し小ぶり(つまりゴムタイヤを巻いて初めてトレーラと同じ直径になる)だったために動輪がレールに接地できなくなり空転したものと判明しました。
未だかつてNの動力でこんなトラブルにあった事はありません。
普通なら笑ってしまうところですが折角初入線を果たしたC51です。
どうにかならないかと思案してチェックしたところトレーラの車輪にもダミーのギアパーツがはまっている事が判明。
つまり「1・4軸と2,3軸の車輪自体を交換すれば少なくとも亀の子だけは解消しそう」な目途が立ちました。
このメーカーのパーツは車輪に車軸をさしこんで固定するタイプなので分解に少しまごつきましたが交換自体は簡単にできました。
結果、走行性はそこそこ改善を見ました。ごく微妙な違いですが上の写真と比べると動軸車輪がきちんと接地しているのが確認できます
言い忘れていましたが、C51の場合はテンダーは純粋に駆動しているだけで集電は機関車本体から行っている為にこうした珍しいトラブルが出たと思います。
とはいえ、TOMIXのC57の様に集電も駆動も同じテンダーで賄っていたら集電もできずに完全な不動状態になる可能性もあったと思いますからどっちがいいとも言えません。
いずれにしろ私には初体験となるトラブルでした。
光山鉄道管理局
HPです。
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この記事へのコメント
私のレイアウトでは、外回り線のコンクリート橋にて、DD51などがよく「亀の子スタック」してますね。
もっとも私の場合の原因は機関車自体ではなく、線路がジョイント部で「へ」の字になっているのが原因でスタックしてしまいます。(汗)
DD51は、内側線路のみの走行としてますが、そのうちに直したい所です。
この様に車両自体に問題がある場合、動輪の数が多い機関車は、その修理は大変そうですね。
特に蒸気の車輪と車体の並行度は重要ですから、大変な作業だったと思います。
線路の状態によってもスタックの条件は左右されますね。集電も含めるとその意味では連接構造の動力車だとかなりスムーズに動ける事が多いですね。
C51の場合、テンダードライブなので動力の構造は小型のED電機にごく近い(但し構造はかなり単純です)です。ただ、動力としてはかなり強力な部類でした。