今月の一冊から・2・「アニ鉄! アニメと鉄道のステキな関係」


 先日紹介の「汽笛一声」は鉄道趣味本としてはやや硬派の類と言えるかもしれませんが、その感覚からいうならこちらはさしずめ「軟派の極北」と言えるかもしれません(笑)
 ネコ・パブリッシング刊「アニ鉄! アニメと鉄道のステキな関係」です。

 最近は街おこし、村おこしの一環としてゆるキャラ、ローカルヒーロー、「萌えキャラ」のどれか、あるいは全部が投入されるというのが流行りですが、その中でも本書は最も鉄道との親和性が高いらしいアニメの「萌えキャラ」に特化した内容となっているのが特徴と言えます。
 実際この手のアニメ(おもに深夜枠の放映で以前は間違っても田舎の民放で掛からない性質の番組でしたがBS局の多チャンネル化に伴う放映枠の拡大で今ではその大半が全国津々浦々で拝めるようになっています)では舞台を特定の地域に撮ったものが増え、それゆえに劇中に現地の電車が登場する頻度が高くなっています。
 まず、本書の前半部では主にそれらの萌えアニメの舞台となっている地域の沿線マップの紹介にページが割かれています。
 取り上げられている番組は主にここ1~2年の間に放映されたものが大半で中には設定がぶっ飛び過ぎたために実在の街をモチーフに使う必然性がよくわからないものもあったりします(笑)

 この「ドラマの舞台を特定の地域に集中して美術設定に凝る」傾向はかつての「ハイジ」や「三千里」辺りの名作アニメ辺りがルーツと思われますが、実景と同じ様な舞台設定であっても微妙に美化して表現する手法は前述の名作アニメのバージョンアップとも取れます。
 この辺りは同じ「実際の風景の引き写し」でありながらリアリティを重視する特撮物のミニチュア・美術設定とは微妙に異なる部分と思います。
 言い換えるならそれらのノウハウはことによるとレイアウト制作の際の色彩設計に応用できる可能性も無くはないですね(笑)
 レイアウトも単なる実物の引き写しだけでは薄汚いだけですから。

 後半はアニメ関連のラッピング車やその模型の紹介。
 これらのルーツはおそらく族車、デコトラ・・・ではなく21世紀以降徐々に増えたメーカーロゴのラッピング車にあるのかもしれません。同じアニメでも「ミステリー列車・銀河鉄道999号」なんてのとは根本的にのりが違う様です(笑)
 とはいえ、これらの電車もいずれは「時代の記憶」の一部になってしまうでしょうからこういう形で纏まった資料が残るのは悪い話ではないと思います。

 ところで今の萌えキャラ・ゆるキャラ電車は殆どネタ的に飽和状態に近づいている気もします。次の段階としてそのうちに腐女子向けのBLラッピング電車が主流になるのも時間の問題かもしれません(爆)
 ともあれ、最近はこうしたラッピング車が花盛りですし、モデル化されている物も増えてきました。
 その実例については次回辺りに。

(表紙以外の写真は本書の内容とは関係ありません)

光山鉄道管理局
 HPです。

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