レイアウトとジオラマについて三たび考える(汗)

 先日来考察している「レイアウト」と「ジオラマ」の違いを考える上で少し興味ある本を見つけたのでそれを紹介しつつもう少し考えてみたいと思います。


 物は白泉社が15年位前に出した松本典久著「夢鉄道BOX」です。
 個人的には「白泉社の鉄道模型本」という所で先ず驚きます。
 私があの会社に持っているイメージときたら「花とゆめ」「LaLa」「少年ジェッツ」というものですから(爆)

 それはさておいて、
 本書は過去のTOMIXのカタログを飾った数々の写真を再構成して一冊の本にまとめたものです。
 あの当時はカタログ上でどの写真を観てもその雄大なスケール感に驚き、かつ憧れたものです。

 さて、この本に紹介されている風景のモデル、これを「レイアウト」と呼ぶには躊躇させられる物があります。
(そもそも、表題で既に「ディオラマ写真集」と書いていますしw)

 これらの写真の風景モデルはいずれも風景の一部分を切り取ったもの、それも観ての通り相当なスペースを使って風景を創生している物が大半です。
 強遠近法も巧みに組み合わされており俯瞰で見るとかなりの奥行き感を感じます。

 これは線路配置が自己完結しているレイアウトでは表現の難しいもので、ジオラマのメリットがフルに引き出されたものと思います。
 そして同時にこれらの風景は「主役たる列車が適切な位置に配置されて初めて画になる構図になる」特徴も持っています。

 これらの写真に配置された列車たちは少しでも動かすと構図を崩してしまう危うさを持っています。
 その点ではこれらのジオラマは「写真に撮られる事を前提に構成された風景」という事も出来ると思います。
 それをこれだけの潤沢なスペースを使って創生しているのですからワタシ的には「ジオラマの理想像」みたいなものです。

 あるいはこれをそっくり持ってきたレイアウトがあったとして、運転して見た所で最初は楽しくても途中から退屈になってパワーパックを投げ出してしまうのではないかと言う気がします。
 同じ「風景に線路が付いたモデル」であっても「静止した情景」を楽しむのと「動的に運転して楽しむ」のでは風景に要求される要素が異なるのではないかと思えるのです。
 上手くは言えませんが、以前にも触れた「駅から街を通り、住宅地、田舎、山岳地帯へとつながる風景のうねりが表現される事がレイアウトの重要な要素ではないかと思います。
 単独の風景をモチーフとしたレイアウトであってもその中に小さなうねりは必ず表現されているものと考えます。
 その過程では風景のディフォルメや短縮に独特のセンスが要求されると思いますし、ジオラマとは異質なものがどうしても出てくると思います。

 恐らくですが、これらのジオラマを全て組み合わせて体育館並みのスペースにまとめたからと言って即「理想の大レイアウト」になるかというとどうもそうは思えません。


 その意味でも本書は「レイアウト」と「ジオラマ」の違いを視覚的に分かりやすく表現している名著ではないかと思います。
光山鉄道管理局
 HPです。

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