「幻の国鉄車両」


 最近新刊本屋で雑誌以外の鉄道本を買う事がめっきり少なくなりました。
(古本や頂きものの書籍が今年は殊の外多かった気がします)

 久しぶりに購入したのが「幻の国鉄車両」
 初版が2007年ですから6年も前の本です。

 国鉄時代に構想又は設計まで行なわれながら実際に作られなかった車両、あるいは1両だけの試作車を中心に取り上げた本です。
 この手の「生まれなかった車両たち」は明治期からの「広軌計画」や昭和の「弾丸列車構想」との絡みもあって個人的に興味を引く題材です。
 実際本書の前半は標準軌仕様の制式機関車や弾丸列車の牽引機の構想にかなり費やされ、これに新幹線の貨物列車(のちに在来線用スーパーレールカーゴで実現)や郵便列車の項が付け加えられる体裁を取っています。
 
 どれも構想の段階で問題点が露呈したために実用化されなかったものばかりですので本書の後書きに描かれている様に「名車」と呼べるレベルの物は殆どありません。
 特に機関車で顕著でしたが図面や予想図を見る限り形態こそユニークですが、これが線路上を爆走する姿を想像するのが怖くなるレベルの物が多かったです。
(1車体4台車のEH50の様にもし出ていたら模型化がかなり難しそうな代物まであったりします)

 どこかで見た様な形態の機種であっても実用車に比べて微妙にバランスの崩れた様な車両も多かったですが、これらを見ていると日本のあちこちにある「●●富士」が本家の富士山よりも微妙に違う所に独特の怖さを感じさせるのと同じ感覚を感じました。
 (あるいは「ウルトラマンとザラブ星人の化けたニセウルトラマン」の違いとでも言いましょうかw)

 そうした妙な印象の機種が機関車の場合は多かったですが、これが電車や客車になると性能面での問題で実用化されなかった(むしろ線区の条件の変化などで作られなかったケースが多い)ものが余りないせいか実際に居てもおかしくないレベルの物が多かったのが面白いところです。
 中には「腕さえあれば一度自作してみたい」様なものも多く自作、もしくは製品化の穴場かもしれません。

 個人的に惹かれたのは
  身延線のモハ61(新造車)
  153系顔の両運転台ハイデフギア電車 
  キハ43000系5連の超特急気動車編成
  オシ17の3軸台車仕様のスシ58
 なんかでしょうか。

 機関車の方は「余剰機の活用」の側面から計画された物で市販品ベースでやろうと思えばできそうな物が穴場の気がします。
 EF70の直流化(実際はEF62で代替)かつてKATOがブルトレ牽引用に「青いEF70」をリリースした事がありますが実車もそうなる所だったとは知りませんでした。
 もっと早くこれを知っていたら5月にレストアした旧製品のEF70がこれになっていた可能性はかなり高かった気がします。
 身延線用のEF80直流化機(同EF64)
 ED71試作機ベースの入れ替え用蓄電池機関車
 辺りに食指が動きます(笑)

光山鉄道管理局
 HPです。27日「思い出の書籍」の「カタログ」を追加しました。

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