今月の一冊・「世界の鉄道模型」から
今回は帰省の折に故郷の押し入れから発掘してきた本から。
朝日新聞社刊「世界の鉄道別冊・世界の鉄道模型」
たしか80年代初頭あたりの発行で今でもポポンデッタの古本コーナー辺りではちょくちょくお目に掛かります。
「朝日新聞社」の鉄道模型の本というだけでもそれなりに違和感はあるのですが、装丁も当時の鉄道も駅の本の中ではかなり豪華な方で私なんかよりもどこかのお金持ちの家の書斎辺りに並んでいるのが似合う様な本です。
実を言いますとこの本は私が見つけて買ったものではなく30年位前の誕生日の折に亡父がプレゼントと称して買ってくれた一冊でした。
内容ですが装丁にふさわしいというか、ラージスケールモデルから16番辺りまでの車両モデルが中心でオールカラーで精密モデルの作り込みを存分に堪能できる物でした。
以前から折に触れて紹介している原信太郎氏の電車モデルやシャングリラ鉄道なども紹介されており他のものも今となっては貴重なモデル類が多数紹介されています。
また製作法についてはブラスモデルやペーパー車体などを中心に実に懇切丁寧に書かれており車両工作の入門書としてのメリットも大きいものがあります。
読んでいて先日書きましたブラス工作への誘いが更に加速しそうな気も(笑)
中ほどにはTMSのスタイルブックさながらにED75や77などの細部の写真集をはじめとした実車、実景の資料などもあってなかなかの充実ぶりです。
その一方で発行当時小ブームの最中で急速にシェアを伸ばしていたNゲージの扱いは全体で2,3ページほどで他のゲージのモデルの落差は凄まじい物があります(笑)
亡父がいかなる意図でこれを買い与えたのか、今となっては謎ですが事によると「大人になったらこれ位のモデルを作る様になれ」とでも言う積りだったのかもしれません。
だとしたら私はとんでもない親不孝者という事で(大汗)
上記の点からも明らかですが、本書(というか筆者連が)が紹介したかったのは「オモチャではない大人の趣味としての鉄道模型、(イメージとしての)紳士の高級道楽としての鉄道模型のアピール」にあったらしい事は明らかです。
実際、本書の中の随筆のいくつかについて店頭でNゲージの走行に興じる小学生を指して「バカバカしい、こんなのが鉄道模型なのか」と書いた一節があったりしてNゲージに対する悪印象を隠さない描写が散見されます。
この本の存在意義は大いに認めますし、資料としても貴重なのも確かなのですがこれらの点が鼻についたせいか、趣味の中断前にこれを読んだ事は殆どありませんでした。
実際、今読み返してみても余りその印象は変わらなかったりします。
個人的に思うのですが80年代のあの時点で必要だったのは16番始め他のゲージのファンが大人ぶって精密モデルを自慢する事よりももっと素朴な所で「鉄道模型の楽しさ」それ自体をアピールする事だったのではないでしょうか。
その意味では本書が今出ていれば私ももう少し違う評価をしていた気もします。
とはいえ、今だったら逆にNゲージしか知らない様なユーザーも多数いる訳ですから、そうした人がカルチャーショックを受ける刺激剤として読むにはとても好適な一冊だとも思います。
光山鉄道管理局
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たしか80年代初頭あたりの発行で今でもポポンデッタの古本コーナー辺りではちょくちょくお目に掛かります。
「朝日新聞社」の鉄道模型の本というだけでもそれなりに違和感はあるのですが、装丁も当時の鉄道も駅の本の中ではかなり豪華な方で私なんかよりもどこかのお金持ちの家の書斎辺りに並んでいるのが似合う様な本です。
実を言いますとこの本は私が見つけて買ったものではなく30年位前の誕生日の折に亡父がプレゼントと称して買ってくれた一冊でした。
内容ですが装丁にふさわしいというか、ラージスケールモデルから16番辺りまでの車両モデルが中心でオールカラーで精密モデルの作り込みを存分に堪能できる物でした。
以前から折に触れて紹介している原信太郎氏の電車モデルやシャングリラ鉄道なども紹介されており他のものも今となっては貴重なモデル類が多数紹介されています。
また製作法についてはブラスモデルやペーパー車体などを中心に実に懇切丁寧に書かれており車両工作の入門書としてのメリットも大きいものがあります。
読んでいて先日書きましたブラス工作への誘いが更に加速しそうな気も(笑)
中ほどにはTMSのスタイルブックさながらにED75や77などの細部の写真集をはじめとした実車、実景の資料などもあってなかなかの充実ぶりです。
その一方で発行当時小ブームの最中で急速にシェアを伸ばしていたNゲージの扱いは全体で2,3ページほどで他のゲージのモデルの落差は凄まじい物があります(笑)
亡父がいかなる意図でこれを買い与えたのか、今となっては謎ですが事によると「大人になったらこれ位のモデルを作る様になれ」とでも言う積りだったのかもしれません。
だとしたら私はとんでもない親不孝者という事で(大汗)
上記の点からも明らかですが、本書(というか筆者連が)が紹介したかったのは「オモチャではない大人の趣味としての鉄道模型、(イメージとしての)紳士の高級道楽としての鉄道模型のアピール」にあったらしい事は明らかです。
実際、本書の中の随筆のいくつかについて店頭でNゲージの走行に興じる小学生を指して「バカバカしい、こんなのが鉄道模型なのか」と書いた一節があったりしてNゲージに対する悪印象を隠さない描写が散見されます。
この本の存在意義は大いに認めますし、資料としても貴重なのも確かなのですがこれらの点が鼻についたせいか、趣味の中断前にこれを読んだ事は殆どありませんでした。
実際、今読み返してみても余りその印象は変わらなかったりします。
個人的に思うのですが80年代のあの時点で必要だったのは16番始め他のゲージのファンが大人ぶって精密モデルを自慢する事よりももっと素朴な所で「鉄道模型の楽しさ」それ自体をアピールする事だったのではないでしょうか。
その意味では本書が今出ていれば私ももう少し違う評価をしていた気もします。
とはいえ、今だったら逆にNゲージしか知らない様なユーザーも多数いる訳ですから、そうした人がカルチャーショックを受ける刺激剤として読むにはとても好適な一冊だとも思います。
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