今月の不動品2・しなのマイクロのED15(涙)

まず、下の写真をご覧ください。

「走行ユニットの中は開封しないでください。開封された場合の修理は有料となります」
先日入手したしなのマイクロのED15の動力ユニットに貼り付けられていた注意書きです。

これも先日東京で入手したもののひとつです。
そして、こちらの方にも「不動品」という但し書きがありました。これまでの例から言ってこの店では「不動品」と書かれているモデルの何割かはちょっとした調整で走行可能になるものばかりでした。
とはいえ、しなのの動力ユニットは以前入手の185系の様にどうやっても駄目なものもありましたから一種の賭けのつもりで購入したものです。

帰宅後のチェックでは確かにうんともすんとも言いません。
これまでのケースを見ても普通なら最悪でもギアかモーターの通電時に一瞬「かたり」と反応するものですが、これだけ反応のない動力ユニットはありません。

購入後一週間位は寝かせていたのですが先日の就寝前のひと時を使っていじってみました。
上記の「注意書き」は80年代のしなのの電機機関車を中心によく貼られていたものだそうです。
いまやしなのマイクロというメーカーもありませんし、後を引き継いだマイクロエースが35年前のモデルの補修をやってくれるとは考えにくいので少し躊躇した後はがしてしまいました。

ですがユニット自体はとてもきれいで一見して故障品には見えません。
早速分解してみましたが構造自体は以前いじった185系のそれに酷似しており意外と単純なものです。
ですがそれだけに却って故障の原因がますます分からなくなりました。
この場合、考えられるのは

1モーター自体のトラブル(以前復活できなかったエーダイのDD54がこれに該当します)
2通電がされていない(同、某社のEF80がこれに該当します)
3ギアがかみ合っていない(上述の185系がこれでした)

のどれかでしょう。

このうち1ですが取り外したモータを通電すると元気良く回転します。
ところがダイカストユニットにモータを組み込んで通電しても反応がありません。これは2の可能性が高そうです。
このユニットの場合、左右に分割されたウェイト兼用のダイカストがそれぞれプラスとマイナスの電線代わりにモータに通電する構造です。

そこで片方だけモータを組み込んだ状態で通電するとモータは回ります。
ところが反対側のダイカストにモータを組み込んで通電すると今度は反応が無くなりました。
どうやら片側のダイカストが曲者の様です。早速クリーナで接点部を洗浄、更に軽くやすりがけもして見ました。

 今度は両方のダイカスト装着でモータに通電すると回りだしました。
 ですがちょっと衝撃が加わるとまた止まります。停まってはまた回転するのが何回か繰り返されました。
 こうなると片側のダイカストユニットの微妙な変形が考えられるのですがさすがにこれに手を打つのは難しい気がします。

 とはいえ購入時よりは少しましになったのでギアを組み込んで元に戻しました。
 この機会に以前入線させている同じしなののED17と比べてみたのですがED17の方は台車の集電ブラシがダイカストユニットをこすった後がはっきり出ていたのに対してED15のそれはピカピカの状態でした。
 推察ですがこのED15、前のユーザーの購入直後から殆ど走っていない、つまり購入直後から不動だった可能性が高いと思われます。

 (写真のED15は少し車体が傾いていますがこれは調整中にボディを軽く載せただけの状態にしているものです。実際はねじ止めできちんとはまります)
 分解整備しようにもあの「注意書き」に脅かされればなかなかできないでしょう(笑)
 まあ、昔はNの動力ユニットはどこのメーカーのも事実上ブラックボックスでしたから無理もないのですが。

 完動からは程遠いとはいえED15はどうにか動くレベルにはなりました。が、また不動になるリスクは依然として付きまといます(汗)

 動力の話ばかり続きましたが、モデルとしてのED15には悪い印象はありません。
 一枚の板を折り曲げて車体を構成する金属ボディなのでディテールはエッチングによるルーバーなどの凹凸のみで細密な印象はありません。
 が、一番見られる機会の多い屋根上の造形はかなりメリハリがあり好感が持てる物でした。

 これできちんと走れるモデルであれば棚幡線などで大活躍していた事でしょう。

光山鉄道管理局
 HPです。

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この記事へのコメント

2014年01月28日 22:30
不動モノでも、あの手この手調整してゆく過程でちょっとでもその気配を感じた時のその先の期待感、そして喜びは何とも言えない感動ですね。
今後の展開が楽しみです。
2014年01月29日 17:14
>hidakamiさん

 不動品の場合、どこが原因かによって予後が決まってしまう所があるので一種の博打ではありますね(笑)

 一番いいパターン(?)はちょっとした調整程度で復活できるのに店員さんの知識不足のせいで不動品として扱われるケースです。

 とはいえそういうのに当たればそれはそれで複雑な気持ちになるのですが(考)

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