今月の一冊・「模型と工作・鉄道模型工作ハンドブック」

 私にとっての聖典と言える本に「模型と工作・鉄道模型工作ハンドブック」というのがあります。
 私が持っているのは1964年版ですがこれまでも折に触れてこの本の魅力と影響について書いてきました。
 で、最近になってそれとは別のバージョンをお借りする事ができました。これがまた私の奴に輪をかけて凄い内容で驚かされました。

 今回紹介するのはその鉄道模型工作ハンドブックの1967年版です。

 表紙に16番のEF60のどアップが来るこの本、これに影響されて鉄道模型の道に迷い込んだ人も結構多かったらしいですが、実際目を通して見ると確かにそれだけの事はあります。
 実は本冊には私の持っているのとは別に初心者向けの別冊が既に出ていたそうで基礎的な工作についてはそちらに任せているせいか、こちらのほうは応用編と言いますかより高度な工作を要するものを集めた印象でした。

 実際真鍮板の削りだしで台車をスクラッチするとか、中央部に荷台が来るクモルの製作とかあったりしますし。


 製作記事のラインナップで興味深いのは試験車両と救援車、あるいは試作タイプの記事が多い事です。
 ざっと目を通しただけでも
 クモヤ791、クモヤ790-1、クモル23050、フリースタイル木製救援車、711系、キハ91等が出ています。

 それとは別にレイアウトの運転用のテストカーなんてのまであったりします(笑)

 「高性能運転シリーズ」の項も非常に興味深い記事でした。
 「鉄道模型の動きの多様性」の観点からカーブやカント、勾配の設定についての考察がされていますがこれだけまとまった形で鉄道模型の走りを実験・考察した記事と言うのは空前絶後ではないかと思います。

 3畳間を使った高速実験用組み立てレイアウトの製作、200‰勾配の登坂力テスト、曲線通過テスト用渦巻きトラックを作る(これは目からうろこでした。ファイントラックやユニトラックでも容易に作れると思います)

 惜しいと言えば車両の記事ではあれだけのボリュームがあったのにレイアウトの記事が殆ど付け足しのレベルで終わってしまっている事くらいです。

 巻末には1967年現在の鉄道模型カタログが付いていますが16番中心なのは当たり前として、Nゲージ(当時は9ミリゲージと呼称)がKATOのC50と103系位しかないのが目を引きました。
 他には12ミリのTTゲージやメルクリンの3線式まで掲載されており時代の記録としても楽しめました。

光山鉄道管理局
 HPです。

にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型へ
にほんブログ村
にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道模型 レイアウト製作へ
にほんブログ村

現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック