「模型」と「オモチャ」の間に・レイアウト編

 先日来興に乗って書きなぐっている模型とオモチャの間のボーダーのはなし。

 今回はレイアウトの面から考えてみたいと思います。
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 運転を目的に自己完結したトラックプランで構成されているレイアウトの場合、どうしても線路配置が実際のそれとは大きく異なるのは避けられません。
 特にレイアウトの構成の基本とも言えるエンドレスはそれ自体「非現実的」の象徴みたいなものです。
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 これがいやだったら体育館並みのスペースを使って実物どおりの駅間距離や駅の配置をなぞる形の模型化をするしかないのですが、そのコストや手間の非現実性に目をつぶったとしても「それが本当に楽しいか?」という点で大きな疑問が残ります。
 これまでに小レイアウトをいくつか作ってみて思ったのですが、レイアウトで運転する魅力のひとつに「限定された自己完結した世界の中で自在に列車を操る」感覚がある様な気がします。

 運転を愉しむ場合、オーナー兼運転士のユーザーが「自分の目に見える範囲内で列車を視認しながらコントロールできる」所に楽しさがある訳で、その意味ではこれも以前触れた「運転台のシミュレータ走行」とは異なる魅力があると感じます。
 ですがそうした特徴は「模型」と言うよりも多分に「オモチャ寄り」の要素が大きいとも言えます。
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 ですが言うまでもなくレイアウトの最大の魅力はまさにその点にあるわけで、だからこそ世界的な趣味として通用し得る原動力になっているのは疑いを入れません。

 その一方レイアウトと言いますか「車両のいる風景を見て楽しむ事に特化したジオラマ又はセクション」と言う物もあります。
 こちらの場合、列車の周辺部分のごく限定された風景をモデル化する事が多く周囲の風景車両を愉しむための引き立て役に徹する事が多いと思います。
 その意味ではこちらの方がより「模型」らしいと言えば言えます。
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 実は私の作ったセクションでは先日来改修中の「機関区風セクション」がそうした性格を強く持っています。
 全部で7線の線路を並べただけの配置ですが、実際に運転に供しているのは一番奥の2線のみ。
 後の5線は単なる留置線で「機関車を配置して楽しむ」以上の用途に使っていないのです。

 何しろこれが置いてあるのは収納場所の都合が付かなかったために事もあろうに「玄関先の靴箱の上」だったりするのですから。
 これなどは純粋に飾り棚としての機能しかありません。
 ですが「だからつまらないか」と言うとそんな事もありません。
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 時間を掛けてシーナリィに手を加えて風景を充実させてゆく事で並べられた車両の魅力が引きたって行くのを見られるというのは実際とても楽しいものです。
(但し、自分の不器用さと腕の無さを差っ引く必要もありますが)

 いま挙げた例は端的に「運転用のレイアウト」と「ディスプレイ用のセクション」が分かれたものですが、実はそれとは別にその両方の要素を持った第3の存在と言うのがあります。
 それは運転会などで使われるモジュールです。
 これはこれでまた独特の魅力があります。
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 レイアウトの様な自己完結性こそありませんしセクションと捉えると無駄なスペースが異様に多い(これは実際にモジュールを作った方なら分かると思います)のですが見ようによってはレイアウトとセクションのそれぞれの良いとこ取り(一歩間違うと悪いとこ取りにもなってしまうのですが)ができるフォーマットと言えます。
 普通のディスプレイ用のセクションでは不可能に近い奥行きのあるパノラマ風景が再現できる事、運転会に使う関係でトラックプランに自己完結性が求められず、小レイアウト特有の玩具くささから解放される事は確かにメリットです。
 それでいて運転会や線路の一部を追加してエンドレス化させると普通のレイアウトにない「大レイアウト感」すら味わえます。
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 その意味では結構いい妥協案ではあると思います。

 とはいえ、上述のはなしを通して改めて思うのですが模型には模型の、オモチャにはオモチャのそれぞれ独特の魅力がある事です。
 そして前にも触れたように元々「模型」と「オモチャ」の両方の要素を持つ鉄道模型の場合、そのどちらの魅力も味わえるという点で他の模型やオモチャにない独特の地位を持っていると思います。
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 だからこそ鉄道模型は面白いと思います。
 (結局強引にこの結論に来てしまいましたw)
光山鉄道管理局
 HPです。


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