萌えながらぐんぐん身に付く日本の鉄道・入門編

 今回は先月入手した一冊から。
 前回は自分自身のノスタルジーを刺激される本でしたが、こっちは全く対極の本と言えます(笑)
 恐らくこういう機会でもなければ手を出さなかったでしょう。
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「萌えながらぐんぐん身に付く日本の鉄道・入門編(と言う事は応用編もあるのか?w)(ヴィレッジブックス)」こちらも2009年初版と先の「国鉄風景」と同時期の出版ですが。

 読んで字のごとく2008年現在の車両・編成を中心に最新の鉄道車両を紹介した入門書と言う体裁で全くの初心者が読む限り現在の人気車両の基礎知識位は身に付く内容です。
 が本書の特徴は見開きページの左側に前述の最新車両の解説と写真を載せ、反対側の1ページを丸ごと使って当該車を萌えキャラに擬人化したイラストを丸々使っている点にあります。
 本書を作った側からすればこちらの方がメインなのでしょう。

 ですからこれはこれで一種の画集と思って読めばそれなりに笑えます。

 先ずこれを見て感じたのは「無理があり過ぎる」と言う印象でしたw

 元々鉄道車両と言うのは擬人化される事を前提にしていないデザインなので下手にキャラクター化するとかのトレインジャーさながら(笑)のヘンテコな代物になりやすいものです。
 本書もその点では例外ではなかった様で
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 この辺はまだわかるとして
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 これをVSEと思ったり
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 これをEH500と思うには相当の脳内補完を必要とします。

 さっき上で擬人化を前提にしていないと書きましたが、それでも人間には車両の最も特徴的な部分を誇張して感じる視覚作用があり、例えば車のフロントなどから人の顔を感じたり、木の葉の影を幽霊に見立てたり出来たりするものです。
 鉄道車両でも同じ事が言え、列車をぱっと見ると最も特徴的に感じるポイントと言う物が必ずあるものです。

 今回、書かれている萌えキャラの大半はそこをまず踏み外しているのが惜しい所でしょう。
 車両の塗り分けや細部のディテーリングにこそその車両特有の特徴は感じますが、全体の印象把握が今ひとつな物が大半でした。

 こういうイラストを描くには大なり小なり対象への拘りか愛情が必要と思うのですが見たところ本書のイラストを描いた型の大半は実車の写真を何枚か渡されてその細部だけ見て描いた様な気がします。
 萌えキャラでもゆるキャラでも実車の特徴的な部分を一発でアピールできるイラストであればよかったのですが…

 とはいえ鉄道車両の擬人化自体が非常に難しいのは確かで、それに果敢に挑んだ努力は大いに評価できると思います。


 最近でこそこういう形式の本は他ジャンルでいくらでも出ていますし、萌えキャラそのものを街おこしや会社のイメージキャラクターに使うのも珍しくなくなっていますが、2009年当時はまだそこまでのムーブメントにはなっていなかったと思うので、仕方ない面もあると思います。

 もし今こういう本が出ているなら描き方に進化があるのか見てみたい気もします。
光山鉄道管理局
 HPです。


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