ジャンクの玉手箱から・「Nゲージ最古のコキフ10000」

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 ジャンク袋の骨董品シリーズ。
 今回は私にもやや意外な掘り出し物です。

 前回紹介した関水金属のEF70ですが記述の通りカプラーは今のカプラーと全く互換性のないX2Fです。
 ですが同じジャンク箱に入っていた他の車両で同じカプラーの付いたものが殆どありません。
 事によると前のユーザーは単機回送で使っていたか牽引していた客車や貨車をなくしていたのかもしれないと思えました。
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 そんな折にジャンク箱を整理していたところ中にあったコキフ10000の車掌室側の片方がX2Fを装備していたのを発見して謎が解けました。
 実はこのジャンク箱にはコキ10000、コキフ10000も何両かあったのですが殆どがアーノルドカプラーを装備していたので一つだけX2Fだったのを見逃していたのです。

 驚いて早速手持ちのRM MODELSの「鉄道模型考古学」をひっくり返してみたところ、初期のコキ、コキフの記事を見つけ出す事ができました。
 以下はそこで書かれていた記事を整理したものです。
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 コキ・コキフはEF70の登場と前後して1967年頃にリリースされ、以後いくつかの改良を加えながらも形態上は今売られているKATOのコキと外見上は「殆ど」変わらないまま現在まで出続けているロングレンジモデルとの事です。
 ですが製造時期により様々な差異が存在しやはり旧製品には独自の特徴があるとの事でした。

 それを参照しながらチェックして見ると今回のコキフ10000の最初期型モデルはX2Fカプラーを装備していたそうですがごく短い期間でアーノルドに変更されたとの事です。
 そのアーノルドカプラーも最初のモデルは黒ではなく微妙に茶色っぽいパーツが使われているとの事。

 チェックして見ると車掌室側がX2Fなのは前述の通りなのですが反対側のアーノルドカプラーも茶色っぽいのが視認できました。
 X2Fの台車はカプラーポケットと一体なのは良いとしても形状が特殊な為手持ちのアーノルドとコンバートするのは不可能なようです。

 又、台車の取り付け方法がねじ止めなのも初期型の特徴で現行のASSYで代用するのは難しそうです。
 
 また、これも初期型の特徴だそうですがコンテナと車掌室が一体のパーツとなっている事、車掌室にガラスが無く内部に取り付け用のねじぶたが見えるという独特の構造があるそうです。
 これも実物を取って視認できました。
 コンテナのレタリングも今の物より単純でしかもかすれが目立ちます。
 不思議な事にこの個体は車掌室側と反対側の手すりの取り付けが逆になっているのですが製造上のエラーなのか前のユーザーがカプラーをコンバート(後述)した際にミスったのかは不明です。

 このコキフは車掌室側のみX2F、反対側はアーノルドという特異な構造ですがこれはメーカー品ではなく前のユーザーが手を加えた可能性が濃厚です。
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 というのはX2Fを装備したコキは登場後のごく初期の時点しか存在せず、後に冷蔵コンテナ仕様が追加された頃には全てアーノルドになっていた(以後の貨車も全て同様)ためそのままではEF70に使えない問題が生じ、コキフをカプラーコンバート用の控え車に改造したのではないかと思われるのです。
 同じジャンク箱にはコキ・コキフと共にこれまた初期バージョンのワキ10000やス二40(いずれも形式番号がファーストナンバーでこれも最初期製品の特徴のひとつです)があったのでこれらと組み合わせるにはこういう貨車の存在が不可欠だったはずです。
 (時代は下りますが、私自身貨車の中に何両か片方アーノルド、反対側にKATOカプラーと言う控え車を何両か作っています)
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 さて、このコキ、全般に現行製品と比べると見劣りするポイント(特にレタリング)が多いのですが、
 この「東」の表記だけは後の製品に見られない美点と思います。

 それにしても
 最古のEF70のみならず最古の高速貨車群まで入っていたとは恐るべしジャンク箱・ですね。
光山鉄道管理局
 HPです。


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