ジャンクの玉手箱から「残念な」C12のはなし
今回はジャンク箱ネタです。
ついこないだまで幻の名機扱いされていた中村精密の「C12」
よもやこんな希少品にジャンク箱でまみえようとは思っても見ませんでした。
おそらくこのジャンク箱にあったモデルの中では最も新しいモデルと思われます(確か80年から81年頃)
C12と言えば以前マイクロのを入線させているのですが異様に上下に間延びしたプロポーションの違和感は凄まじく、C12と思いこむには相当な脳内補完が必要でした。
そんな事もあって以前から評判だった中村精密のC12には興味を持っていましたが、こんな形で入手できるとは。
金属車体とはいえ、以前のC51の様にダイカストの塊でボイラを表現せず、エンドウの9600と同様にブラスの板を丸めたボイラにディテーリングした構成で手摺類も植え込みで表現しています。
元々C12自体がかなりの小型機なのですが上記の構造の為に手すりや梯子がモールドでなく別パーツなので凝縮感のあるディテーリングでした。
この為に相当な細密感が感じられます。
プロポーションはまさにイメージにあるC12のそれです。
マイクロより20年近く前のモデルなのにそれを上回る再現性には頭が下がります。
年式相応の表面の荒れも見られますが30年も経ったブラスモデルとしてはこれは常識の範囲内でしょう。
但し、年式相応と言いますか長期間晒しものになっていたらしい事も伺われますが。
走行性ですがさすがに文句なしとはいきません。
小型のモータのキャパシティの問題もあるのでしょうがスローが難しく、少し電圧を上げると元気の良すぎるちょこまか感のある走りとなるのは小型機としては許容範囲のぎりぎりのラインと思えます。
とはいえ、マイクロではクリアできなかった140RのS字カーブですが前進では先輪が脱線しやすいもののバックならばどうにかクリア可能。
幸い?この個体には前にもアーノルドのカプラーが接着してあった(ですがダミーカプラーが外せなかったらしく2段カプラーになっていますが)のでバック運転の支障もないようです。
カプラーのある先輪の首振り角もかなり大きいのでバックで運用する限りは十分な実用性です。
これなら走行派、運転派にも満足がいきます。
さて、ここまで凄いならジャンク箱を入手した時点で真っ先に自慢したかった(爆笑)ロコなのですがそうしなかったのには訳があります。
つまり、それはこのC12が「何ともなければ」の話だったからです。
実はこのC12、片側のメインロッドがひん曲がっていて走らせるにはロッドの調整が必要でした。
KATOのロコの様なステンレスでなく、もっと薄くて強度の弱い板をロッド状に切り抜いたものらしくちょっとした事ですぐ曲がってしまうようです。
もっとも動輪がロッドに連動して駆動する構造ではない様なので(第1動輪はロッドに接続すらされていません)ロッドが曲がりながらでも走ってしまうのが問題かもしれませんが(汗)
かなり細くて薄っぺらいロッドの調整につい最近までかかっていたので(しかも完全とは言えません)恥ずかしくてこれまで紹介できなかったというのが正直なところです。
ただ、それを差し引いてもこれほどの出来のC12の生産数が少なかったというのは(値段の問題もあるとはいえ)非常にもったいなかった気がします。
このモデルは新車の時点で1万5千円位したと思いますがもしこれが5千円位の誰でも買える価格帯だったらその後のNゲージ自体が大きく変わっていたかもしれません。
何しろKATOのC11をはじめマイクロのC10、C12ですら140Rのクリアが困難な上に図体が大きかったりプロポーションが変だったりで小型レイアウトで使いものになる小型タンク機がとにかく少なかったですから。
今回見た限りでは中村のC12のネックは事実上価格だけだったと思えるだけに尚更残念です。
光山鉄道管理局
HPです。
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ついこないだまで幻の名機扱いされていた中村精密の「C12」
よもやこんな希少品にジャンク箱でまみえようとは思っても見ませんでした。
おそらくこのジャンク箱にあったモデルの中では最も新しいモデルと思われます(確か80年から81年頃)
C12と言えば以前マイクロのを入線させているのですが異様に上下に間延びしたプロポーションの違和感は凄まじく、C12と思いこむには相当な脳内補完が必要でした。
そんな事もあって以前から評判だった中村精密のC12には興味を持っていましたが、こんな形で入手できるとは。
金属車体とはいえ、以前のC51の様にダイカストの塊でボイラを表現せず、エンドウの9600と同様にブラスの板を丸めたボイラにディテーリングした構成で手摺類も植え込みで表現しています。
元々C12自体がかなりの小型機なのですが上記の構造の為に手すりや梯子がモールドでなく別パーツなので凝縮感のあるディテーリングでした。
この為に相当な細密感が感じられます。
プロポーションはまさにイメージにあるC12のそれです。
マイクロより20年近く前のモデルなのにそれを上回る再現性には頭が下がります。
年式相応の表面の荒れも見られますが30年も経ったブラスモデルとしてはこれは常識の範囲内でしょう。
但し、年式相応と言いますか長期間晒しものになっていたらしい事も伺われますが。
走行性ですがさすがに文句なしとはいきません。
小型のモータのキャパシティの問題もあるのでしょうがスローが難しく、少し電圧を上げると元気の良すぎるちょこまか感のある走りとなるのは小型機としては許容範囲のぎりぎりのラインと思えます。
とはいえ、マイクロではクリアできなかった140RのS字カーブですが前進では先輪が脱線しやすいもののバックならばどうにかクリア可能。
幸い?この個体には前にもアーノルドのカプラーが接着してあった(ですがダミーカプラーが外せなかったらしく2段カプラーになっていますが)のでバック運転の支障もないようです。
カプラーのある先輪の首振り角もかなり大きいのでバックで運用する限りは十分な実用性です。
これなら走行派、運転派にも満足がいきます。
さて、ここまで凄いならジャンク箱を入手した時点で真っ先に自慢したかった(爆笑)ロコなのですがそうしなかったのには訳があります。
つまり、それはこのC12が「何ともなければ」の話だったからです。
実はこのC12、片側のメインロッドがひん曲がっていて走らせるにはロッドの調整が必要でした。
KATOのロコの様なステンレスでなく、もっと薄くて強度の弱い板をロッド状に切り抜いたものらしくちょっとした事ですぐ曲がってしまうようです。
もっとも動輪がロッドに連動して駆動する構造ではない様なので(第1動輪はロッドに接続すらされていません)ロッドが曲がりながらでも走ってしまうのが問題かもしれませんが(汗)
かなり細くて薄っぺらいロッドの調整につい最近までかかっていたので(しかも完全とは言えません)恥ずかしくてこれまで紹介できなかったというのが正直なところです。
ただ、それを差し引いてもこれほどの出来のC12の生産数が少なかったというのは(値段の問題もあるとはいえ)非常にもったいなかった気がします。
このモデルは新車の時点で1万5千円位したと思いますがもしこれが5千円位の誰でも買える価格帯だったらその後のNゲージ自体が大きく変わっていたかもしれません。
何しろKATOのC11をはじめマイクロのC10、C12ですら140Rのクリアが困難な上に図体が大きかったりプロポーションが変だったりで小型レイアウトで使いものになる小型タンク機がとにかく少なかったですから。
今回見た限りでは中村のC12のネックは事実上価格だけだったと思えるだけに尚更残念です。
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