大レイアウトを考える・文化祭レイアウトにおどろいて
今回は久しぶりに「大レイアウトの考察」ネタから。
最近大昔のTMSをひっくり返していて見つけたものです。
69年頃の253号に掲載されていた灘高校鉄研の学園祭用16番レイアウトです。

記事の冒頭に出てきた写真を観て先ず驚かされました。
線路に比べて山々や突堤周りのシーナリィの比率がとても大きく、細密度こそ劣るもののそれをはるかに上回るリアルさとスケール感を感じたからです。
正直「日本のレイアウトにもこういうのがあったのか!」と言う感動すら覚えました。
レイアウトとかジオラマとかいうより特撮映画のミニチュアセットに近い感覚とも言えます。

この印象は記事を読み進めて他の写真を観ても余り変わりません。
確かに建物類は家の形をした箱みたいですし、平地の樹木の植生もまだまだ足りません。しかしそれでもそこに表現されたシーナリィのマッスはそれを大きく上回るインパクトがあります。
記事によるとこのレイアウトは5M×3Mというかなりの大きさですがトラックプランを観る限り線路自体は運転を楽しめる最小限の量にとどめられ、更にそれらの大半が山の中に隠された構成になっています。
これだけ潤沢なスペースを持ちながらその大半をシーナリィに割いたレイアウトと言うのは少なくとも日本のレイアウトでは空前絶後であり、鉄道マニアがよく考える様な(あるいは博物館やレンタルレイアウトによくある様な)「線路オバケ」みたいなプランの対極と言えます。
しかも風景構成を全く欲張らず、山と田圃だけで構成しているためあたかも実景を観ているような錯覚すら感じさせます。
これだけのスペースだと16番の20M級の8連くらいでもかなりゆったりと走らせられる事は想像に難くありません。
このプランですと露出部の大半が直線区間の様ですが線路が地形に合わせた緩曲線で構成されれば更に列車が生き生きと見えた事でしょう。
風景モチーフは日本のどこにでもある田舎という一番面白みに欠けるシチュエーションにもかかわらずそれが1/80に縮小されているというだけでこれほどの感動を与えてくれる辺りはレイアウトの真骨頂とも言えます。
このサイズを大雑把にNに換算すれば2.7M×1.6M、Zでも畳1枚をちょっと上回る程度のサイズになりますが、それでもかなり雄大なイメージのレイアウトになるのではないでしょうか。

ただ、このレイアウトの欠点もそこにあった様で学園祭展示用のレイアウトと考えると単線主体のトラックプランな為列車の行き交いが表現できない上にトンネルが長過ぎて列車を観られない時間が長くなりギャラリーにはあまり評判が良くなかった様です。
ですがこれが個人所有のレイアウトだとすると運転ひとつとってもかなりなロングランとなる上に、実車さながらの時間配分の運転を楽しめる意味でかなりのシミュレーション体験が期待できます。
その意味ではこのレイアウトはそのコンセプトに於いてかなり高級なレイアウトと言えるのではないでしょうか。
感覚的な例えとしては坂本衛氏の「摂津鉄道」がもし全線完成していたらこんな風になったのではないかと言う位のイマジネーションがあります。
更に実景さながらのパノラマ感は一人グラスを傾けながら(笑)列車を眺めるだけでも相当に楽しめそうなものです。
私個人としては自分の目標になるレイアウトがまた一つ増えた感じです(実現可能性は置いておいて…ですが)
実はこの記事は4月の初め頃に書きなぐっていたものです。

上記のような感想を抱きながらしばらく経ってから、これに良く似たシーナリィの比率の高いレイアウトがこの間のTMSに掲載されていてまた刺激されました。
北海道の風景をモチーフにしたTT9・120分の1のレイアウトとの事ですがベースの中で実に存在感を感じさせる山塊がどんと据えてあり、その雄大なスケール感には圧倒されました。
スペース自体もかなり広く、感曲線を有効に使ったトラックプランにも強く惹かれます。
線路とシーナリィの比率を思う時これ位の迫力のあるシーナリィなら車両も大いに引き立つなあと改めて感じさせられました。
光山鉄道管理局
HPです。
本日「車両紹介」追加・一部変更しました。

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最近大昔のTMSをひっくり返していて見つけたものです。
69年頃の253号に掲載されていた灘高校鉄研の学園祭用16番レイアウトです。

記事の冒頭に出てきた写真を観て先ず驚かされました。
線路に比べて山々や突堤周りのシーナリィの比率がとても大きく、細密度こそ劣るもののそれをはるかに上回るリアルさとスケール感を感じたからです。
正直「日本のレイアウトにもこういうのがあったのか!」と言う感動すら覚えました。
レイアウトとかジオラマとかいうより特撮映画のミニチュアセットに近い感覚とも言えます。

この印象は記事を読み進めて他の写真を観ても余り変わりません。
確かに建物類は家の形をした箱みたいですし、平地の樹木の植生もまだまだ足りません。しかしそれでもそこに表現されたシーナリィのマッスはそれを大きく上回るインパクトがあります。
記事によるとこのレイアウトは5M×3Mというかなりの大きさですがトラックプランを観る限り線路自体は運転を楽しめる最小限の量にとどめられ、更にそれらの大半が山の中に隠された構成になっています。
これだけ潤沢なスペースを持ちながらその大半をシーナリィに割いたレイアウトと言うのは少なくとも日本のレイアウトでは空前絶後であり、鉄道マニアがよく考える様な(あるいは博物館やレンタルレイアウトによくある様な)「線路オバケ」みたいなプランの対極と言えます。
しかも風景構成を全く欲張らず、山と田圃だけで構成しているためあたかも実景を観ているような錯覚すら感じさせます。
これだけのスペースだと16番の20M級の8連くらいでもかなりゆったりと走らせられる事は想像に難くありません。
このプランですと露出部の大半が直線区間の様ですが線路が地形に合わせた緩曲線で構成されれば更に列車が生き生きと見えた事でしょう。
風景モチーフは日本のどこにでもある田舎という一番面白みに欠けるシチュエーションにもかかわらずそれが1/80に縮小されているというだけでこれほどの感動を与えてくれる辺りはレイアウトの真骨頂とも言えます。
このサイズを大雑把にNに換算すれば2.7M×1.6M、Zでも畳1枚をちょっと上回る程度のサイズになりますが、それでもかなり雄大なイメージのレイアウトになるのではないでしょうか。

ただ、このレイアウトの欠点もそこにあった様で学園祭展示用のレイアウトと考えると単線主体のトラックプランな為列車の行き交いが表現できない上にトンネルが長過ぎて列車を観られない時間が長くなりギャラリーにはあまり評判が良くなかった様です。
ですがこれが個人所有のレイアウトだとすると運転ひとつとってもかなりなロングランとなる上に、実車さながらの時間配分の運転を楽しめる意味でかなりのシミュレーション体験が期待できます。
その意味ではこのレイアウトはそのコンセプトに於いてかなり高級なレイアウトと言えるのではないでしょうか。
感覚的な例えとしては坂本衛氏の「摂津鉄道」がもし全線完成していたらこんな風になったのではないかと言う位のイマジネーションがあります。
更に実景さながらのパノラマ感は一人グラスを傾けながら(笑)列車を眺めるだけでも相当に楽しめそうなものです。
私個人としては自分の目標になるレイアウトがまた一つ増えた感じです(実現可能性は置いておいて…ですが)
実はこの記事は4月の初め頃に書きなぐっていたものです。

上記のような感想を抱きながらしばらく経ってから、これに良く似たシーナリィの比率の高いレイアウトがこの間のTMSに掲載されていてまた刺激されました。
北海道の風景をモチーフにしたTT9・120分の1のレイアウトとの事ですがベースの中で実に存在感を感じさせる山塊がどんと据えてあり、その雄大なスケール感には圧倒されました。
スペース自体もかなり広く、感曲線を有効に使ったトラックプランにも強く惹かれます。
線路とシーナリィの比率を思う時これ位の迫力のあるシーナリィなら車両も大いに引き立つなあと改めて感じさせられました。
光山鉄道管理局
HPです。
本日「車両紹介」追加・一部変更しました。

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この記事へのコメント
そのNレイアウトの制作者の方を改めて調べましたら、これまた当時非常に感銘を受けた「二子森線」というナローレイアウトの制作者でもあったことが確認できました。この方の作るレイアウトはとにかく線路の見せ方、隠し方のセンスが抜群です。こういうセンスはN、ナローとかいうジャンルとは無関係の才能なのでしょうね。
それに先日、私もPECOのプラン集を三冊手に入れ、眠りにつくまでの一時を楽しんでいます。想像していたものよりも小さかったので、寝ながらの保持もラクですね(笑)
コメントありがとうございます。
線路の見せ方、隠し方のセンスはなかなか一夕に身に付くものではないと思いますが実地でレイアウト製作の経験を重ねられている方のトラックプランには唸らされるものが多いですね。
一時期のTMSにはよく「新××鉄道」とか「第二次○○鉄道」といった再製作物のレイアウトが掲載されていましたが初代より劣るトラックプランの物は殆どありませんでしたし。
PECOのプラン集、私も持っています。
そちらの仰る通り寝ながら眺めるには最適な本ですね。
あちらのプラン集はとにかく曲線の使い方、スペースの有効利用に優れたものが多いと思います。