外国型蒸機モデルの走りに感じること

 先日紹介したPECOのLMSジュビリー蒸機を走らせていて思うことから。
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 この蒸機、入線以来その走りの良さにぞっこん惚れ込んでいます。
 走行開始時こそカクついたりしますが一旦調子を取り戻すと驚くほどするすると走りますし、40年以上前のモデルとは思えないほど滑らかな走りを見せてくれます。
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 また、その後に入手したフライッシュマンのBR38も販売店で「走行に難あり」と書かれていたモデルだったにも拘らずうちのレイアウト上では意外と重厚な走りを見せています。
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 同じドイツ製で一昨年入線したトリックスのS10も走りの傾向は同様でスムーズ且つ蒸気機関車らしい重厚さを感じました。

 偶然にもこの1年ちょっとの間に外国型テンダー機が3両入線(何れも30~40年近く前の中古モデル)したのですがそのどれもが予想外の走りの良さとキャラクターを発揮しています。

 この3両に共通しているのは「テンダードライブ機」であるという点です。
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 テンダードライブ機は日本型ですと以前は中村精密やTOMIXの初代C57、ユーレイ駆動を含めるとKATOのチビロコなんかがありましたし、最近ではワールド工芸のキット・完成品の蒸機がこの範疇に入ります。
 このうちワールドの蒸機は私にとっては価格的にも技術的にも高嶺の花(涙)なので他のメーカーのそれも旧型機での話となりますが総じて日本のモデルのテンダードライブ機は走行性に難のあるものが多い様です。
 テンダーの駆動部はそれなりに強力なのですが全般にスムーズさに欠け、ノイジーでがさつな印象の物が多いです。

 それ以上に問題なのがそのテンダーに押されている機関車部の方で、車体が軽すぎたりロッドの調整が不十分だったり壊れやすかったりで走行時に時々車輪が断続的に止まるものやひどいのになるとロッドがすっぽ抜ける物に当たったりします。
 これまでは旧製品だから仕方がないと思っていたのですが上述した外国形蒸機の殆どが日本型より以前の超旧モデルであれだけの走りを魅せてくれているのを目の当たりにすると少し考え込まざるを得ません。

 よく見ると日本型モデルの殆どはロッド周りが華奢で破損しやすい材質の物が多い(指で曲がってしまうぺナぺナなメインロッドを持つ物すらあります)上に動輪自体が完全に遊んでいる為にわずかなロッドのずれで車輪が止まってしまいやすい(どうかするとそこをユーザーの調整に任せてしまうケースもある)辺りにその一因があるのではないかと感じます。
 
 最初に書いたLMSジュビリーの場合、ロッド部分は骨太ながら鋳造品を使い信頼性を上げている事、動輪同士をギアでつないでしまいロッドと車輪の間の回転ずれを防ごうとしている構造な事などテンダードライブだからと言って機関車部の走行で手を抜いていない事がわかります。
 以前、KATOのD51からモーターを抜いて重連用のトレーラーやD52タイプを作った事がありますがジュビリーやBR38の機関車部の転がりはこの「モーター抜きD51」に非常によく似た走りっぷりなのです。

 これは言い換えるならテンダードライブ機であっても機関車部は自走モデル並みの足回りを奢らないと安定した走行性が期待できないという事を暗に示しているような気がします。

 正直これまでは「テンダードライブ機=走行系に関しては手抜きモデル」という偏見を持っていましたし事実そうとしか思えない走りのモデルにばかり当たっていましたがこれだけよく走る外国形を見るとその偏見は一気に払拭されます。


 更に面白いのは同じ「スムーズな走り」の中でもジュビリーのそれはモーター音が独特で「歌っている」ような一種の軽快さが感じられるのに対しBR38やS10はメーカーが違うのにモーター音が低く「唸る」ような感じで走り全体にどこか共通した重厚さがある事です。
 この辺りイタリア車とドイツ車の走り違いみたいでなかなか楽しめました。

 走りについてきちんと作り込まれたモデルであれば生産国やメーカー毎の「走りの個性の違い」を堪能するのも楽しみのひとつになる様に感じます。

 実際、ジュビリーの入線この方まるで外車を買って運転しているような楽しさを感じます。
 少なくともこの個性的な感覚はKATOやTOMIX、マイクロエースのそれでは感じた事がありません。
 確かにスローは効きますし走行性自体は安定しています。少なくともここ10年くらいのモデルで走行性についてあからさまな欠点を持つモデルには当たっていません。

 ですが感覚的に「走るモデルを操っている感動」を今ひとつ感じにくい、「良く走るのが当たり前」というレベルで止まってしまっている感じもするのです。

 以前はこれも「Nゲージなんて小さいんだから走りの質が良くなっても走りのキャラクター性をうんぬんできるサイズではない」と勝手に思い込んでいましたがこれもどうやら破壊されるべき偏見のひとつだった様です。
 実際ジュビリーやBR38、あるいは小型機ですが同じフライッシュマンのBR86タンク機には走りに独特のキャラクター性が感じられるのです。
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 このフィーリングを言葉で表すのは非常に難しい。
 大体にして皆さんもご存じの様に鉄道模型というのはロコを直接動かすのではなく、電気の流れている線路を経由してパワーパックを操作するというある意味原始的な遠隔操作です。
 パワーパックのレオスタットを回した時のロコの加速の応答性という形でしか走りを体感できない以上、そこに走りの個性を感じるなどという事は考えにくいはずなのです。

 ですが現実にはそれを感じる。

 思うにこれはNゲージに限ればその揺籃期から走行系の開発をゼロから試行錯誤を重ねつつ開発と熟成を同時に進めてきた欧州メーカーゆえに身に付いた個性なのかもしれません。
 特にドイツの場合メルクリンという怪物的メーカーを向こうに回してきたのですから細密度を落としてでも走行系の信頼性をないがしろに出来なかった事情もあったと思います。

 言葉や数字で表現しやすいスペックについては日本メーカーもそれなりに熟成してきた筈ですし試行錯誤やメーカー間の切磋琢磨も多かった筈なのですがそれが走りの個性に結びつかなかったのは不思議な話ではあります。
 ユーザーサイドがそうしたフィーリングの部分で語ったりメーカーに求めたりしなかった事も一因かもしれません。
 事実、専門誌の紹介とかSMSなどでのユーザーリポートを見てもモデルについて見た目の細密さ、忠実性についての論評は多くても走行性や走りの個性についてはあまり語られていない気もします。

 鉄道模型が「模型」である以上これは当然かもしれませんが折角モーターとギアを積んでいるならそうした部分ももう少し注目されていいような気もします。

光山鉄道管理局
 HPです。


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