カーブの質感向上へのアプローチを考える6・「緩和曲線とシーナリィ」

 レイアウトの緩和曲線の考察から。
 今回はシーナリィの側面から考えてみたいと思います。
DSCA-0009.jpg
 まずは私が最初に作ったレイアウトの写真から。
 愚作ではありますが、レイアウトの風景の中で個人的に一番気に入っているポイントから撮影したものです。
DSCA-0001.jpg
 「線路を挟んで両側に街並みが広がる景色」というのは自分でもやって見たかった所であり、最初のレイアウトとしてはどうにか纏まった所でもあります。
 殊に最初のレイアウトは併用軌道をモチーフに使う所も多かったので、電車の両側に街並みがあるというのはかなりのリアリティを感じさせてくれるところです。
 
 但しこれができたのは前述の様に小規模なレイアウトで、比較的線路の引き回しが少なかったから実現できた部分でもあります。
 実際、この後に作った本線区間のレイアウト、あるいは最近作ったミニSLレイアウトの棚幡線ではスペースの都合もあってこういう風景はなかなか作れませんでした。

 事に組線路主体で本線がベースの端すれすれに配されたトラックプランでは列車全体が見渡せるメリットはあるものの「ギャラリーが風景の中に入り込んだかのようなライブ感のある風景」にはなかなかならなかったのも確かです。

 私ばかりではなく専門誌などで見かけるレイアウトもその大半は同様の線路配置となっている物が大半だと思います。
DSCA-0007.jpgDSCA-0008.jpg
 そしてこれまた全般的に言える事ですが組線路を使った、幾何学的なトラックプランのエンドレス主体のレイアウトでは「コーナー部分がデッドスペースになりやすい」言い換えれば「コーナー部分が一番の邪魔者扱いとなっている」ケースも多いと思います。
DSCA-0010.jpg
 次に私が列車の車窓風景として撮影した映像からのカットアウト部分から。
 ここでは新幹線と並走する線路があるポイントで新幹線から分かれて(画面では進行方向左側)奥の方へ去って行く線路の流れになっています。
 この画では両側が土手の切り通し区間となっているのでビジュアルとしては今ひとつですが、それでも「線路の両側に風景が広がる」構図なのでなかなか見応えがあると思えます。
DSCN6957.jpg
 これが直線から直接急角度でリバースカーブに繋がるならこの構図は不自然極まりない(敢えて言えばオモチャ臭い)光景になるでしょう。
 ですが先日の実験線の様にアプローチ区間がかなりの大径の緩曲線からスタートして徐々にカーブがきつくなる様な構図ならその不自然さはかなり緩和される気がします。
 何よりこれなら線路の手前部分にもシーナリィを組み込む事で、前述している様な「線路の両側に風景が広がる」構図が容易に作れると思います。
 これは同時にこれまでシーナリィ上のウィークポイントだったベースのコーナー部分が逆にレイアウトの見せ場の一つとして使える事も意味します。

 又、今回の緩和曲線は「奥に行くほど径がきつくなる」構成ですがこれも又編成物の列車を走らせる際には遠近法の如く風景や列車の見え方をかなりディフォルメ演出できる余地を感じさせます。
 その観点から実験線に簡易式ながらシーナリィを加えてその効果を見て見たいと思います。
光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

2015年03月26日 10:20
こんにちわです。

線路を台枠目一杯に展開すると、確かに片側には風景が無くなるケースが多いかも知れませんね。コーナーの処理???なんて言われ方で記事も良くありますね(笑)
魅せるカーブという所でしょうか?簡易的とはいえ、シーナリーを入れての実験は初めての事じゃないでしょうか(^-^;
続編楽しみにしてます。
光山市交通局
2015年03月26日 21:47
> がおう☆さん

 ベースすれすれに線路を持ってくるのには「編成物をあおりで眺めたり撮影しやすくなる」というメリットもあるので一概には言えないですが、直線区間であっても線路の手前に道路が配置され、ガードレール越しに列車が走るのを眺めるだけでも結構なリアル感が楽しめますね。

 レイアウトベースのコーナー部分で「列車が風景の中に溶け込んでゆく様な消え方」ができればと思ったのも今回の実験の動機のひとつです。