懐かしの入門書から「16番鉄道模型とレイアウトの製作」

 今回は先日の秋葉行きの折某古書店で入手した入門書から。
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 誠文堂新光社の「16番鉄道模型とレイアウトの製作」
 この本の存在は40年ほど前に科学教材社のカタログに掲載されていたので知っていたのですが、あの頃でさえNゲージが勃興期だった折、わざわざ16番の入門書を買う意味を見つけられずこれまで見送ってきた経緯のあるものです。
 ですが前述の古書店で現物がリーズナブルな値段で並んでいるのを見つけ、帰りの電車の中で読むつもりで購入しました。
 この本、ファンの持ち物というよりも学校図書館辺りの蔵書と推定されハードカバーの表紙はくたびれている物の中身の方は割合ちゃんとしたコンディションでした。
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 車両工作の項では「模型と工作のハンドブック」の印象から漠然とペーパー車体の車両工作がメインかと思っていたのですが前半にかなりのボリュームで「既存キットの組み立て方」が載っていたのには意外な感じがしました。
 プラモデルとは異なり配線部分で最低限のハンダ付けさえできればあとはドライバーとやっとこで組み上がるのがあの当時のキット品でしたからこの構成自体は当然だったとは言えます。
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 その記事の中にはカツミのED70も掲載されていますがこれは3年位前に私自身が中古のモデルを入線させていたものです。
 あの時点でも16番モデルにしてはなかなか朴訥な感じがして好きなモデルなのですが「まさか昭和37年に既に出ていた模型」だとは思いませんでした。
 とすればあの当時ならかなりのハイディテーリングモデルだった事になります。
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 後半のレイアウトの製作記事の方はごく俯瞰的に技法が語られており、Nゲージの様に「本書の為にオリジナルのレイアウトを作って見ました」なんて展開ではありません(笑)
 あの当時レイアウトの持つステイタスが

 ここで眼を引くのはファンの作例写真です。
 作者の名前が名字しかないので確定的な事は言えませんが折り畳み式レイアウトの「中村氏製作」というのは中村汪介氏、組み立て式レイアウトの「山崎氏製作」というのは山崎喜陽氏と推察されます。
 恐らく折り畳み式レイアウトはTMS別冊の「小レイアウトと小型車両」に出ていたそれと同じものでしょう。
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 ですが最後に出てきた「鴨居の上のレイアウト」で紹介されたアメリカ風を中心とした雰囲気のレイアウトにはどこかで見た様な不思議な印象を感じました。
 作者の名前を見ると「関沢氏製作」とあります。
 これは関沢新一氏の事ではないかと思います。

 関沢氏のレイアウトと言うと家の中を一周しながら四季を巡る16番のそれが有名ですが恐らくそれ以前に作られた第一次がこの鴨居の上のレイアウトだったのではないでしょうか。
 本書の初版が昭和37年ですからその可能性はかなり高いと思います。

 どこかで観た様なというのも道理、この写真に出てくる建物類やパーツの一部が後の家を一周するレイアウトや関沢氏が編集していた時期の「季刊蒸気機関車」に掲載されているのを見たからではないかと思われます。
 まさかこんな写真に出会えるとは思っていませんでしたからこれが本書での一番の収穫でした。

光山鉄道管理局
 HPです。


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