カラーブックスの「鉄道写真入門」から

 今回はカラーブックスネタから
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 今回は鉄道ネタでもシリーズ中変わり種の部類に入る「鉄道写真入門」を取り上げます。
 「撮り鉄」という言葉の登場を待つまでもなく、昭和30年代終わり頃から始まるSLブーム、50年代半ばのブルトレブームの御利益も相まって「鉄道趣味」の中でも「写真撮影」は最もメジャーな物でした。

 次点で「録音」「切符のコレクション」「鉄道用品のコレクション」「鉄道模型」と続くというのが少なくとも80年代終わり頃までの鉄道趣味のステイタスだったと記憶しています。
 その割に鉄道写真そのものを取り上げたカラーブックスの登場は意外に遅くブルトレブームも過ぎ去った昭和61年が本書の初版です。


 ですが件の2大ムーブメントの後の出版だけに流行への便乗臭がなく、ごく冷静な筆致で説明されているのが本書の大きな特徴であり、美点と思います。
 一口に鉄道写真と言っても形式写真、列車写真、記録写真(模型雑誌で有難がられるのはもっぱらこの写真)、観賞用写真と目的の違いは意外に大きく、観賞用の情緒的な写真は模型のディテーリングにはほとんど役に立ちませんし、逆に記録用写真の大半は素人が見てもどこがおもしろいのか理解されない事が殆どです。
 ですから目的の違いによる撮影テクニックを大雑把にもきちんと叙述している点、実用書としての本書の価値は今でも高い物を感じます。
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 ・・・などと偉そうに書きましたが、本書を買った当時の私は自他ともに認めるカメラ音痴。
 銀塩カメラを使って撮影した写真などこれまでの人生の中で100枚もありません。
 ですから本書も購入この方「観賞用として楽しむ」使い方しかしてきませんでしたし、それで満足できていました。


 ところが21世紀に入りデジカメの登場でその私如きがカメラ片手に(模型写真ばっかりですが)年に5000枚以上撮影する事になろうとは(笑)
 ここに来て実用書としての本書の意義が急にクローズアップされてきた訳です。
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 私の場合レイアウト中心の写真ですが、どちらかというと観賞用や形式写真、列車写真のノウハウは必要でしょう。
 これからよく勉強しなくては。
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 余談ですが本書の隠れた特徴として「地方私鉄の写真が意外に多い」というのがあります。
 上述の様にSL,ブルトレのブームの後、鉄道へのノスタルジーを掻き立ててくれるジャンルとして筆者が地方私鉄に注目したことは容易に想像できますが今にして思えばこれはなかなかの慧眼だったと思います。


光山鉄道管理局
 HPです。


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