しなのマイクロのEF64を弄っていて思うこと

 先日紹介したしなののEF64に絡むお話から。
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 このEF64、Nのモデル化としては最も早い頃の物でしたし、しなのマイクロとしてもプラ成形の電機は初挑戦だった事を考え併せてもKATOやTOMIXのそれとは歴然と異なる部分も感じられます。
 クリーム塗装を別パーツ化して塗装の境目を明確化させるのはTOMIXなんかでもやっていますが、しなのの方はまだパーツの隙間が目立ちますし、色調も他者のモデルに比べてややトーンがきつめの印象すらあります。
 特に致命傷なのは実車なら車体前面と殆どツライチに見えるはずのスカートが車体からかなり引っ込んで見えるところでカプラー逃げの欠き取りの大きいスカートの造形そのものと併せてかなりのマイナスポイントです。

 プロトタイプが同じな物だけに実車に対する忠実度という観点から比べると一見して他社のモデルに見劣りしている様に見えるところもあるのも事実でしょう。
 ですがそれでもこのEF64にはしなの独特の個性が魅力となっているのも確かだと思えるのです。
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 それは車両自体の印象把握に繋がるディフォルメのセンスの問題です。
 側面から見たHゴムの表現の強さや窓周りの造形などに作り手が「この機関車をぱっと見た時にどこが一番印象的に見えるか」という捉え方の違いが造形の肝になっていると思います。
 その観点からすればモデルとしての新しさや古さ・或いはブランド性を超えたユーザー独自の評価がどれだけできるかが試される部分ではないかとも思えます。
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 別な例で言えばED75の前面HゴムをTOMIXみたいに窓ガラス側に付けるかKATOの様に車体にモールドするかによる印象の違いをどう評価するかという事なんかも同じ性質の問題かもしれません。
 同様にEF66のエアフィルターのフィンの枚数の違いとか(流石にこれは差異としては細かすぎますが)
 これは単純に造形の手法としてはどちらも正しいと言えますし「必要なディテールが付いている」という細密化の観点からすれば本来ならば問題にならない所であります。
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 とすれば、これは細密度の問題ではなく造形側のセンスの問題でありユーザーが「どちらを気に入ったか、どちらが好みか」というセンスの問題でもあります。
 とすれば同じプロトタイプで個性の異なる複数のモデルから自分のお気に入りを自分のセンスで選べるという意味で素晴らしい時代になったとも言える訳です。
 また、造形のセンスが気に入れば例えモデルとしては古くても、あるいは細密度で劣っても気にする物ではないとも言えます。

 要は購入する側にブランド性や細密度に囚われない自分なりのセンスがどれだけ生かせるかが問われる気がします。
 殊、鉄道模型の場合は他のアイテムと異なりこの点が軽視されがちな印象があります。
 この趣味に特有の「実物との比較からその再現性の優劣を語る」というのは一見楽な評価軸なのですが、一方で選ぶ側・評価する側のセンスが問われないという点でやや安易なやり方の様な気もします。

 勿論模型である以上は実物の再現性は重要ですが、それ以外のセンシティブな観点からモデルの個性を語るという方向性はもっと出ても良い気がしました。
 (この辺は最近このブログで良く書く事の蒸し返しなのですが汗)

 ・・・等と偉そうな事を書きましたが、実を言うと今回のしなののEF64については当の私自身、購入時には造形にはたいして期待していなかったので偉そうなことは言えないのですが(大恥)
光山鉄道管理局
 HPです。本日車両紹介「電車の項」一部追加しました。


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この記事へのコメント

私も偉そうな事言えませんが
2015年05月31日 12:37
古い製品の弱点に手を加える事で結構変わって現代の製品との差が縮まる事も有りますよね?根本的外科手術が必要となるマイクロエースは置いといてエンドウや学研、中村精密なんかそんな製品だと思います。自分の場合途中で「結構変わるな」と満足して中途半端の山だらけなのが問題ですが(大恥)。
光山市交通局
2015年05月31日 20:19
>私も偉そうな事言えませんが さん

 コメントありがとうございます。

>弱点に手を加える事で結構変わって現代の製品との差が縮まる事も~

 それらの製品の場合、基本的なプロポーションの再現性と印象把握のセンスに優れている物が多いからではないかと思います。
 後からの細密化はプロポーションそのものの修正に比べれば楽かもしれませんし。

 一方で意図的なディフォルメと異なり既成のモーターや動力ユニットの転用に主眼を置いた造形は見た目にぼろが出やすい感じがしますね。