「テツドウモケイの店」にふと思うこと
今回の内容は最近よくある「酔っぱらいのたわごと」の延長です。
内容に整合性がない事もありますがご勘弁を。


かつて銀座の三越について書かれていた随筆の一節にこんなのがあります。
~入り口をはいると天井が高くて、頭の上がガランとしているのは気持ちがいい。
桜の時節だとここの空に造花がいっぱいに飾ってあったりして、正面の階段の下では美しい制服を着た少年が合奏をやっている事もあった。
いろいろな商品から出るにおいと、多数の顧客から蒸し出されるガスとで、すっかり入場者を三越的の気分にしてしまう。
(中略)
~食品を販売する部が階下にある。
人によると近所の店屋で得られると同じ罐詰(かんづめ)などを、わざわざここまで買いに来るということである。
買い物という行為を単に物質的にのみ解釈して、こういう人を一概に愚弄(ぐろう)する人があるが、自分はそれは少し無理だと思っている。~
~寺田寅彦「丸善と三越」より引用

私がよくレイアウト用品や新車の鉄道模型を買いに行くショップですが、商店街どころか周囲に他の店が殆ど無い処にあります。
端的に言えば「山の中」なのですが、その一方でロケーションは素晴らしく目の前には渓谷を思わせる川の流れがあり、買い物の後に店の前のベンチに腰をおろしてそのゆったりとした流れを眺められるという利得があります。
殊に夏の日の夕方などは買い物ついでに夕涼みができるという、鉄道模型のショップとしては中々優雅な環境にあると思います。

また、私がよく行く中古ショップの中の一軒は観光地の真ん中という、ある意味特異なロケーションで多くの人が観光目当てで集まる中「ひとり鉄道模型をわざわざ買いに来る」これまた珍しい環境だったりします。
或いは故郷の某中古ショップの様に「店舗の二階に昭和30年代の座敷を丸ごと再現している」なんてのもありこれがまた店の雰囲気によく合っていたりします。
こういうのは少なくとも秋葉原や新宿近辺のショップではまずあり得ない風景であり、田舎暮らしの数少ない利得でもある気がします。
これに限った事ではありませんが、例えば帰省の折や出張などで未知の地域に立ち寄るショップとかで面白い掘り出し物に当たったりするとその時の印象は鮮烈です。
そういう店で購入したアイテムと言うのは普段買う物に比べるとモデルそのものの出来とは別のところで不思議と印象に残る感じがします。
これはやはり「モデルと入手した場所の印象がリンク」する事でただ買ったものより強い印象が残りやすいのでしょう。
その意味では逆にネット通販などで注文した物はショップで買った物よりも少ないにも拘らず印象がやや薄い感じもします。
この辺りの感覚は「全国の民芸品集め」に近い感覚ではないかと(笑)
これは鉄道模型に限らず買い物全般に言える事かもしれませんが最近になって「買い物という行為自体を物質的に捉える」事と同じように「多少なりとも買う行為にエモーショナルな要素をつなげるか」はとても重要な要因の気がしてきています。

とはいう物の、私自身これまで鉄道模型に関して言えば前者の要素が大きいと持っていましたし、欲しい物さえ手に入れば店の構えとか周りの環境には多少無頓着だったのも確かです。
ですがその事が魅力になるのはそれこそ秋葉原や新宿みたいに「同質のショップばかりが大量に集まった一角で梯子でもしながら品定めができる特殊な環境下」で初めて意味をなす事の様な気がしてきました。
ほぼ同じ量でありながら上記の田舎の店や地方のショップで買われた物というのは大なり小なりその時の思い出が強く、モデルの出来とは別の感慨を持って記憶に残りやすい事に気づいたのです。
秋葉や新宿もたまに覗きに行くとかして入手したものは結構覚えている物ですが。
鉄道模型のショップと言うのはその大半が個人経営の古本屋に近いというか、良い物さえそろえていれば店の構えや周囲の環境には無頓着なところもあります。これは一部の郊外型量販店でも同様でしょう。
専門店の多い秋葉原辺りならそれでも十分勝負になりますし、それはそれで独特の活気自体が魅力になっている所もあります。
ですがそれらは物を売る環境としては相当に特殊である事もまた事実です。
少なくとも日本中の模型店が全て秋葉原になれる訳ではありませんし、私の故郷や現住地の様にひとつの地域に一軒か二軒しかショップがない様な環境下では尚更です。

ではそのプラスアルファとは何か。
それはレンタルレイアウトを併設しているとか、専門誌のバックナンバーが置かれているとかの要素もあるでしょう。
上述の例で言えば「店の前のロケーションの良さ」とか「古民家風の店の構え」なんかも雰囲気づくりの上では印象に残る気もします。その意味で言えば「田舎の駅の売店に専門店並みの品揃えの鉄道模型のコーナーが併設されている」なんてのも雰囲気は満点ですから結構面白そうではあります。
光山鉄道管理局
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かつて銀座の三越について書かれていた随筆の一節にこんなのがあります。
~入り口をはいると天井が高くて、頭の上がガランとしているのは気持ちがいい。
桜の時節だとここの空に造花がいっぱいに飾ってあったりして、正面の階段の下では美しい制服を着た少年が合奏をやっている事もあった。
いろいろな商品から出るにおいと、多数の顧客から蒸し出されるガスとで、すっかり入場者を三越的の気分にしてしまう。
(中略)
~食品を販売する部が階下にある。
人によると近所の店屋で得られると同じ罐詰(かんづめ)などを、わざわざここまで買いに来るということである。
買い物という行為を単に物質的にのみ解釈して、こういう人を一概に愚弄(ぐろう)する人があるが、自分はそれは少し無理だと思っている。~
~寺田寅彦「丸善と三越」より引用

私がよくレイアウト用品や新車の鉄道模型を買いに行くショップですが、商店街どころか周囲に他の店が殆ど無い処にあります。
端的に言えば「山の中」なのですが、その一方でロケーションは素晴らしく目の前には渓谷を思わせる川の流れがあり、買い物の後に店の前のベンチに腰をおろしてそのゆったりとした流れを眺められるという利得があります。
殊に夏の日の夕方などは買い物ついでに夕涼みができるという、鉄道模型のショップとしては中々優雅な環境にあると思います。

また、私がよく行く中古ショップの中の一軒は観光地の真ん中という、ある意味特異なロケーションで多くの人が観光目当てで集まる中「ひとり鉄道模型をわざわざ買いに来る」これまた珍しい環境だったりします。
或いは故郷の某中古ショップの様に「店舗の二階に昭和30年代の座敷を丸ごと再現している」なんてのもありこれがまた店の雰囲気によく合っていたりします。
こういうのは少なくとも秋葉原や新宿近辺のショップではまずあり得ない風景であり、田舎暮らしの数少ない利得でもある気がします。
これに限った事ではありませんが、例えば帰省の折や出張などで未知の地域に立ち寄るショップとかで面白い掘り出し物に当たったりするとその時の印象は鮮烈です。
そういう店で購入したアイテムと言うのは普段買う物に比べるとモデルそのものの出来とは別のところで不思議と印象に残る感じがします。
これはやはり「モデルと入手した場所の印象がリンク」する事でただ買ったものより強い印象が残りやすいのでしょう。
その意味では逆にネット通販などで注文した物はショップで買った物よりも少ないにも拘らず印象がやや薄い感じもします。
この辺りの感覚は「全国の民芸品集め」に近い感覚ではないかと(笑)
これは鉄道模型に限らず買い物全般に言える事かもしれませんが最近になって「買い物という行為自体を物質的に捉える」事と同じように「多少なりとも買う行為にエモーショナルな要素をつなげるか」はとても重要な要因の気がしてきています。

とはいう物の、私自身これまで鉄道模型に関して言えば前者の要素が大きいと持っていましたし、欲しい物さえ手に入れば店の構えとか周りの環境には多少無頓着だったのも確かです。
ですがその事が魅力になるのはそれこそ秋葉原や新宿みたいに「同質のショップばかりが大量に集まった一角で梯子でもしながら品定めができる特殊な環境下」で初めて意味をなす事の様な気がしてきました。
ほぼ同じ量でありながら上記の田舎の店や地方のショップで買われた物というのは大なり小なりその時の思い出が強く、モデルの出来とは別の感慨を持って記憶に残りやすい事に気づいたのです。
秋葉や新宿もたまに覗きに行くとかして入手したものは結構覚えている物ですが。
鉄道模型のショップと言うのはその大半が個人経営の古本屋に近いというか、良い物さえそろえていれば店の構えや周囲の環境には無頓着なところもあります。これは一部の郊外型量販店でも同様でしょう。
専門店の多い秋葉原辺りならそれでも十分勝負になりますし、それはそれで独特の活気自体が魅力になっている所もあります。
ですがそれらは物を売る環境としては相当に特殊である事もまた事実です。
少なくとも日本中の模型店が全て秋葉原になれる訳ではありませんし、私の故郷や現住地の様にひとつの地域に一軒か二軒しかショップがない様な環境下では尚更です。

ではそのプラスアルファとは何か。
それはレンタルレイアウトを併設しているとか、専門誌のバックナンバーが置かれているとかの要素もあるでしょう。
上述の例で言えば「店の前のロケーションの良さ」とか「古民家風の店の構え」なんかも雰囲気づくりの上では印象に残る気もします。その意味で言えば「田舎の駅の売店に専門店並みの品揃えの鉄道模型のコーナーが併設されている」なんてのも雰囲気は満点ですから結構面白そうではあります。
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