帰省の掘り出し物から・マイクロの9800蒸機
帰省(の途中)で見つけた出物から。

ゲテモノ度で言うなら極北レベルのモデルから。
マイクロの9800型蒸機。
日本型Nゲージ量産品では唯一のマレー式蒸気機関車です。
数年前、仙台の模型店でこれの新品が置いてあるのを見た時は「いくら私でもこれには手が出ないなあ」と思っていた位のモデルでした。
それが中古で並んでいるのを見たらついムラムラと来たのですから人間とは勝手なものです。
同時に「旅行中の買い物は妙に気が大きくなる」というジンクスまでわが身を持って体現してしまうとは。

先に「ゲテモノ」と書きましたが9800みたいなマレー式蒸機は海外、殊にアメリカではメジャーな形式です。
長大な編成で大陸を行き交う貨物列車にはこれ位強力な機関車が必要ですから当然ではあります。
アメリカ形のファンで「マレーしか集めていません」と言うコレクターはざらに聞く話です。

一方、日本の場合山岳線の山越え機か補機位しかマレーの活躍する舞台がなかったので結果としては日本ではマイナーな形式になってしまいました。
(但し両数自体はタンク機を含めると意外に多い)
今のファンからすればせいぜいが「鉄道博物館(万世橋時代の交通博物館ではC57 135が入るまでは9750がメインの展示品でした)の展示品」位のイメージしかないのではないでしょうか。
3連×2のシリンダと動輪が並ぶ様は大迫力…と言いたい所ですがアメリカ形を見慣れた目からすれば十二分にしょぼいルックス。
おまけにマイクロ特有の「腰高・背高・デッキ高の3高プロポーション」はこの9800でも健在なのでしょぼい印象は更に加速します。
見ようによっては「ナローのマレー式機関車」のベースに使えそうな感じすらあります。
ですがこのプロポーションのご利益で台車が結構豪快に首を振るので300R近辺のエンドレスを走らせる限りはこれまた十二分にスムーズな走りを見せます。
「カッコにがっかりした後、試走させると見直される」と言うマイクロ蒸気の第二の特徴はここでも健在です。
何分実車の活動範囲がかなり特殊なので、リアル編成派を満足させるような使い方はこの9800に関する限り不可能に近いと思います。
ですからレイアウトや運転会なんかで「夢の編成」を楽しむのが最も向いているのではないでしょうか。

そんな訳で帰宅後、早速運転会でOE88の先頭に立つ9800蒸機が居るのでした。
(それにしてもOE88は実に重宝する編成ですねw)
光山鉄道管理局
HPです。

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マイクロの9800型蒸機。
日本型Nゲージ量産品では唯一のマレー式蒸気機関車です。
数年前、仙台の模型店でこれの新品が置いてあるのを見た時は「いくら私でもこれには手が出ないなあ」と思っていた位のモデルでした。
それが中古で並んでいるのを見たらついムラムラと来たのですから人間とは勝手なものです。
同時に「旅行中の買い物は妙に気が大きくなる」というジンクスまでわが身を持って体現してしまうとは。

先に「ゲテモノ」と書きましたが9800みたいなマレー式蒸機は海外、殊にアメリカではメジャーな形式です。
長大な編成で大陸を行き交う貨物列車にはこれ位強力な機関車が必要ですから当然ではあります。
アメリカ形のファンで「マレーしか集めていません」と言うコレクターはざらに聞く話です。

一方、日本の場合山岳線の山越え機か補機位しかマレーの活躍する舞台がなかったので結果としては日本ではマイナーな形式になってしまいました。
(但し両数自体はタンク機を含めると意外に多い)
今のファンからすればせいぜいが「鉄道博物館(万世橋時代の交通博物館ではC57 135が入るまでは9750がメインの展示品でした)の展示品」位のイメージしかないのではないでしょうか。
3連×2のシリンダと動輪が並ぶ様は大迫力…と言いたい所ですがアメリカ形を見慣れた目からすれば十二分にしょぼいルックス。
おまけにマイクロ特有の「腰高・背高・デッキ高の3高プロポーション」はこの9800でも健在なのでしょぼい印象は更に加速します。
見ようによっては「ナローのマレー式機関車」のベースに使えそうな感じすらあります。
ですがこのプロポーションのご利益で台車が結構豪快に首を振るので300R近辺のエンドレスを走らせる限りはこれまた十二分にスムーズな走りを見せます。
「カッコにがっかりした後、試走させると見直される」と言うマイクロ蒸気の第二の特徴はここでも健在です。
何分実車の活動範囲がかなり特殊なので、リアル編成派を満足させるような使い方はこの9800に関する限り不可能に近いと思います。
ですからレイアウトや運転会なんかで「夢の編成」を楽しむのが最も向いているのではないでしょうか。

そんな訳で帰宅後、早速運転会でOE88の先頭に立つ9800蒸機が居るのでした。
(それにしてもOE88は実に重宝する編成ですねw)
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この記事へのコメント
迫力はあるのですが、腰高で隙間が大きいのが残念でした。
プラの蒸気機関車としては高価で、マイクロの蒸気機関車としては初めて10000円を越えてました(>_<)
仰る通り、リアルな編成は組み難い機関車だと思います。
私は急勾配区間の後押し補機として走らせてました。
本務機には同じくマイクロの8200(C52)を使ってました。
なるべく客車は古い物が良いかな?ということで、カトーの31系客車またはモデモの32系客車を牽かせてました。
それによるとこれは「エプロン付」と呼ばれる方のタイプで、空制化後の姿だそうです。
(空制化前が「標準型」、個人的にはこっちのほうがごてごてしている分、腰高さが目立ちにくいと思います。)
あと、マレー機だから砂箱が2つ(ドームが蒸気溜めと合わせて3つ)あったり、後部で使った蒸気を再利用する前のシリンダーの方が大きい作り(アメリカに多いシンプルマレーは同時に吹き込むので前後同サイズ)だともそこで知りました。
こういう変形蒸気も面白いんですが複雑なのが嫌われているのか、日本で実車がほとんどないのが残念です。
私も後から調べて知ったのですが定価が1万2千円と結構な額だったのですね。
仰る様に時代的に似合いそうな編成はオハ31系かスハ32系くらいしかありませんね。客車といい貨物といい戦前以前の編成は製品では組みにくいのが実情ですね。
せめて木造客車がもう少しあればまた違うのでしょうが。
それにしても8200を先頭に候補機が9800とは相当にマニアックな編成ですね。
個人的に好きな機関車にC52があるのですが、アメリカからの輸入機だった8200を瀬野八配備に合わせて改造したものです。
実はこの9800も空制化後の仕様はC52と共通の特徴があります。
それは「パイピングの追加でスチームパンク的な重装備の外観に変わった」点です。
人によっては「改悪」「醜くなった」と言う人も多いのですが私個人は「異形の迫力」を感じさせる外見に魅力を感じますね。
9800はマレー、C52は3シリンダと機構が複雑でしたが、それでも標準軌ならぎりぎりどうにかなっても狭軌だと整備や設計に手間が掛かったであろう事は容易に想像できます。
(同様の事はED54のブッフリ式伝達機構にも言えます)
現実にはあの当時実現困難だったようですが、もしも日本の鉄道が当初から標準軌だったら機関車のバラエティは今よりも広かったのではないでしょうか。
>当初から標準軌だったら機関車のバラエティは今よりも広かったのではないでしょうか。
世界的にはナローでそれなりにあるギアードロコとガーラットがほぼないので、単純に軌間・軸重がどうこうというだけじゃないと思いますけどね。
この2種類は模型的に動力機構が電気機関車に近い(ガーラットはこれに加えてボイラーも太い)のでむしろ作りやすそうなんですが…
ガーラットロコは形態的にも魅力的ですし、小径カーブへの対応度も高そうですね。モデルが手に入るなら走らせてみたいロコのひとつです。
シェイギアードロコは電気式モデルよりもライブスチームの走りを見てみたいのですが、なかなか見る機会が無いのが残念です。
仰る通り車両の形式の普及は製造・整備のレベルや、コストの問題などもあって単純な軌間の要因だけでは片付かない話と思いますが、それでも個人的には軌間も一つの要素として有り得る話と捉えています。
今更過去のもしもの話をしても詮無いのですが(汗)