今月の一冊「汽車がゆく、だから僕も・・・」
先日の秋葉行きでの拾い物から。

神田の古本屋で見つけた「汽車がゆく、だから僕も・・・」(関沢新一著・毎日新聞社)
これまでこのブログでたびたび取り上げている関沢新一氏(SLブームのきっかけを作った一人で、美空ひばりの「柔」の作詞、「モスラ」の脚本家にして生みの親の一人)が鉄道趣味そのものについて語る一冊です。
関沢氏の趣味に対するスタンスについてはこれまでTMSの座談会や監修を務めた「蒸気機関車」誌上でも断片的に語られていますが一冊にまとまった書籍が出ているとは知りませんでした。
それだけに内容的には非常に纏まっており読みやすい一冊でもあります。
鉄道趣味全般にかかわる部分では今でも学ばされるところの多い本なのですが、その中から今回は鉄道模型に関する件を中心に感想を書いてみたいと思います。
関沢氏の鉄道模型については「自宅の中を周回するレイアウト」が有名ですが本書が書かれた当時は「鴨居の上に組まれたレイアウト」を主にやっていたようです。
このレイアウトの存在は私もついこの間「HO車両とレイアウトの製作」という本を手にするまではその存在自体を知りませんでした。
本書によればこれも関沢氏最初のレイアウトという訳ではなく、これ以前にもいくつか試作を繰り返しており、本書の当時ですらこれとは別にデスクトップのナロー登山鉄道を造っておられていたようです。

してみると専門誌での露出こそ少ないものの、関沢氏もことレイアウトに関してはかなりのベテランビルダーだった事がわかります。
それだけにここに書かれる関沢氏のレイアウト談は実際に年季の入ったレイアウトのオーナーだからこそ書けるもので、レイアウトが普及していなかった頃は内容がピンとくる人はそれほど多くなかったのではないかと思われますが、ある程度レイアウトが普及している今なら「ああ、あるある」と共感する層が確実に増えているのではないでしょうか。
例えば、
~できあがってしまったレイアウトと言うのは、それがどれだけ大きくても限界があり、いつも見られる光景になる。当然あきがきて、新しいのが欲しくなる。
どんどん新しいものを作って行ける経済的余裕と時間の余裕があればそれもよいのだがそうもいかない~
の下り、これなどはいくつもレイアウトを作ったユーザーならではの悩みと思います。
ですが、ろくに作ってもいない私が聞いても「ああ耳が痛い(汗)」

この後有名になる「自宅の中を周遊するレイアウト」が作られたのは本書の書かれた前後ではないかと思われます。してみると半生を掛けて大レイアウトのGD LINEを組み上げたJOHN ALLEN氏とは別に試行錯誤を繰り返しながらいくつものレイアウトを試し、レイアウトそのものではなくその中のポリシーを進化させ煮詰めてきたて関沢氏の行き方は今読んでも教えられるところが大きい気がします。
(一部写真は本題とは関係ありません)
光山鉄道管理局
HPです。本日「趣味の思い出」の項一部追加しました。

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神田の古本屋で見つけた「汽車がゆく、だから僕も・・・」(関沢新一著・毎日新聞社)
これまでこのブログでたびたび取り上げている関沢新一氏(SLブームのきっかけを作った一人で、美空ひばりの「柔」の作詞、「モスラ」の脚本家にして生みの親の一人)が鉄道趣味そのものについて語る一冊です。
関沢氏の趣味に対するスタンスについてはこれまでTMSの座談会や監修を務めた「蒸気機関車」誌上でも断片的に語られていますが一冊にまとまった書籍が出ているとは知りませんでした。
それだけに内容的には非常に纏まっており読みやすい一冊でもあります。
鉄道趣味全般にかかわる部分では今でも学ばされるところの多い本なのですが、その中から今回は鉄道模型に関する件を中心に感想を書いてみたいと思います。
関沢氏の鉄道模型については「自宅の中を周回するレイアウト」が有名ですが本書が書かれた当時は「鴨居の上に組まれたレイアウト」を主にやっていたようです。
このレイアウトの存在は私もついこの間「HO車両とレイアウトの製作」という本を手にするまではその存在自体を知りませんでした。
本書によればこれも関沢氏最初のレイアウトという訳ではなく、これ以前にもいくつか試作を繰り返しており、本書の当時ですらこれとは別にデスクトップのナロー登山鉄道を造っておられていたようです。

してみると専門誌での露出こそ少ないものの、関沢氏もことレイアウトに関してはかなりのベテランビルダーだった事がわかります。
それだけにここに書かれる関沢氏のレイアウト談は実際に年季の入ったレイアウトのオーナーだからこそ書けるもので、レイアウトが普及していなかった頃は内容がピンとくる人はそれほど多くなかったのではないかと思われますが、ある程度レイアウトが普及している今なら「ああ、あるある」と共感する層が確実に増えているのではないでしょうか。
例えば、
~できあがってしまったレイアウトと言うのは、それがどれだけ大きくても限界があり、いつも見られる光景になる。当然あきがきて、新しいのが欲しくなる。
どんどん新しいものを作って行ける経済的余裕と時間の余裕があればそれもよいのだがそうもいかない~
の下り、これなどはいくつもレイアウトを作ったユーザーならではの悩みと思います。
ですが、ろくに作ってもいない私が聞いても「ああ耳が痛い(汗)」

この後有名になる「自宅の中を周遊するレイアウト」が作られたのは本書の書かれた前後ではないかと思われます。してみると半生を掛けて大レイアウトのGD LINEを組み上げたJOHN ALLEN氏とは別に試行錯誤を繰り返しながらいくつものレイアウトを試し、レイアウトそのものではなくその中のポリシーを進化させ煮詰めてきたて関沢氏の行き方は今読んでも教えられるところが大きい気がします。
(一部写真は本題とは関係ありません)
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この記事へのコメント
私これから作ろうという口ですが、関沢氏の「~できあがってしまったレイアウトと言うのは・・・あきがきて、新しいのが欲しくなる」という件は、うんうんと肯いてしまいます(笑)
まだ作ってもいないのですが、これは逆に何らかの進化という変更が効く余裕(対策)を講じておけという事にも繋がりますかね(^^)/
飽きの来ないレイアウトは、ある意味難しいでしょうから、何か手を加えられる要素を残すのも良さそうです。
わたし的には「飽きの来ないレイアウト」と言うのは「いつまでも完成しないレイアウト」ではないかと思います(笑)
言い換えれば「完成したその瞬間から飽きはじめる」宿命みたいなものがあるかもしれません。
とはいえ「いつまでも構想で留まっているよりも何百倍もいい」事もまた確かではあります。