日本型Nゲージの50年と思い出から・EF30編
昭和39年版の「模型と工作・鉄道模型ガイドブック」から50年前の16番モデル工作とそれ以降のNモデルの思い出を語るある意味支離滅裂な企画(汗)です。
今回はステンレス電機の走りとなったEF30を。
全身にコルゲート板を纏うEF30はあの当時ですら機関車好きなら誰もが知っている有名人(笑)でした。
前面のフェイスはED70かED61のそれでありながら車体はEF級の堂々たるものでコルゲートの部分を別にしても似た機関車が存在しない特異な地位を占めます。
(現にそれ以降の電機はほぼ全てがEF60かED75みたいな顔が標準になっていますし)
ですが当時はコルゲート板を纏う機関車が他に存在していない事に加えて普通の「交直流の機関車」というのも他にED92しかいない状態でした。それゆえに工作もかなり独自の工夫と技法が要求される素材ではあります。
しかも本書の出版当時はバリバリの新鋭機だった筈ですから製作記事が載らないのがおかしい位です。
そのせいでしょうか、本誌の工作記事は他の記事と比べ物にならない位に図版が豊富と言う特徴があります。
(もちろん本文の文章も結構なボリュームなのですが)
記事の出出しもいきなり「車体は白ボールで作ります」ではじまります。
これまで紹介してきた記事の場合は大概書き出しが実物の紹介とか時節のあいさつが付いてくるものなのですが、それすら一切ないハードボイルドな製作記事になっています。
また、上述の事情もあって製作法も他の電機機関車の様な訳には行かなかったと見えていくつもの奇策や新技法が投入された力作記事となっているのが本書の16番記事です。
例えば、コルゲート板についても従来記事ではアルミホイルを使った物が多かったのですが「しわが付きやすい」「意外に面倒」と言う事でこちらはケント紙に鉄筆で筋を引いて凸凹を付けたものを銀色に塗装するという方法を紹介していたりします。
台車も当時はEF30用の物はありませんでしたから「スハ43系用の台車枠をベースの大改造」したオリジナル品です。
これらの技法が一々絵解きで紹介されているため、6ページのスペースを目一杯使った本書の製作法の中では断トツの密度を誇る記事になっています。
見ていて目がちかちかするほどですが、反面見ていて引き込まれる魅力があるのも確かです。
とりあえず書き手の気合はよく伝わる力作ではありました。
さて、Nゲージでは製品化自体が奇跡と思われていたEF30ですが80年代半ばには早くもTOMIXが製品をリリースしました。
Nのモデルもこの頃になると製造法も確立し走行性や品質で危なげな製品は殆ど見なくなっていた頃でしたから走行性やディテーリングのバランス、車体の表現も実に宜しく当時としては殆ど決定版と言って良いほどのものだったと記憶しています。
他に転用できないはずのオリジナルの台車もきちんと再現されていますし。
私がこのEF30を入線させたのは2006年頃、TOMIX30周年記念でクリーニングカーと組み合わせられた「1・2号機タイプ」でした。
実車ではこのタイプは試作機の性格が強く量産型より微妙に車体が長い上にコルゲート板はなし、赤い帯がアクセントとなっています。
流石に当時はそこまで作り分ける余裕はなかった様であくまで「タイプ」なのですがそれでもEF30自体がよく出来ていたのでそれだけで十分満足できるものでした。
・・・まさかそれから10年後にKATOがこれより凄いのを出すとは(驚)
出た事自体が奇跡的どころかEF30が競作されるなんて全く隔世の感です。
光山鉄道管理局
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今回はステンレス電機の走りとなったEF30を。
全身にコルゲート板を纏うEF30はあの当時ですら機関車好きなら誰もが知っている有名人(笑)でした。
前面のフェイスはED70かED61のそれでありながら車体はEF級の堂々たるものでコルゲートの部分を別にしても似た機関車が存在しない特異な地位を占めます。
(現にそれ以降の電機はほぼ全てがEF60かED75みたいな顔が標準になっていますし)
ですが当時はコルゲート板を纏う機関車が他に存在していない事に加えて普通の「交直流の機関車」というのも他にED92しかいない状態でした。それゆえに工作もかなり独自の工夫と技法が要求される素材ではあります。
しかも本書の出版当時はバリバリの新鋭機だった筈ですから製作記事が載らないのがおかしい位です。
そのせいでしょうか、本誌の工作記事は他の記事と比べ物にならない位に図版が豊富と言う特徴があります。
(もちろん本文の文章も結構なボリュームなのですが)
記事の出出しもいきなり「車体は白ボールで作ります」ではじまります。
これまで紹介してきた記事の場合は大概書き出しが実物の紹介とか時節のあいさつが付いてくるものなのですが、それすら一切ないハードボイルドな製作記事になっています。
また、上述の事情もあって製作法も他の電機機関車の様な訳には行かなかったと見えていくつもの奇策や新技法が投入された力作記事となっているのが本書の16番記事です。
例えば、コルゲート板についても従来記事ではアルミホイルを使った物が多かったのですが「しわが付きやすい」「意外に面倒」と言う事でこちらはケント紙に鉄筆で筋を引いて凸凹を付けたものを銀色に塗装するという方法を紹介していたりします。
台車も当時はEF30用の物はありませんでしたから「スハ43系用の台車枠をベースの大改造」したオリジナル品です。
これらの技法が一々絵解きで紹介されているため、6ページのスペースを目一杯使った本書の製作法の中では断トツの密度を誇る記事になっています。
見ていて目がちかちかするほどですが、反面見ていて引き込まれる魅力があるのも確かです。
とりあえず書き手の気合はよく伝わる力作ではありました。
さて、Nゲージでは製品化自体が奇跡と思われていたEF30ですが80年代半ばには早くもTOMIXが製品をリリースしました。
Nのモデルもこの頃になると製造法も確立し走行性や品質で危なげな製品は殆ど見なくなっていた頃でしたから走行性やディテーリングのバランス、車体の表現も実に宜しく当時としては殆ど決定版と言って良いほどのものだったと記憶しています。
他に転用できないはずのオリジナルの台車もきちんと再現されていますし。
私がこのEF30を入線させたのは2006年頃、TOMIX30周年記念でクリーニングカーと組み合わせられた「1・2号機タイプ」でした。
実車ではこのタイプは試作機の性格が強く量産型より微妙に車体が長い上にコルゲート板はなし、赤い帯がアクセントとなっています。
流石に当時はそこまで作り分ける余裕はなかった様であくまで「タイプ」なのですがそれでもEF30自体がよく出来ていたのでそれだけで十分満足できるものでした。
・・・まさかそれから10年後にKATOがこれより凄いのを出すとは(驚)
出た事自体が奇跡的どころかEF30が競作されるなんて全く隔世の感です。
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この記事へのコメント
EF30が競作に成る程とは誰も思ってなかったでしょうね。
TOMIXのEF30は、KATO製と余りに販売時期が違いすぎ比べられませんが、TOMIX機の造形は良くできています。
私はTOMIX機のディテールアップと塗装をKATO機に合わせて塗り直し、両機共に現役機です(^^)/
たしか90年代後半に再生産された時に買いました。
交直流電気機関車は既にEF81を数両持ってましたので、初めてEF30の模型を手にした時の印象は「可愛いくて格好良い機関車だな」というものでした(^O^)
もちろん車体や台車は専用品だけど、動力ユニットはEF65と共通らしいですね。
残念ながら鉄道模型を休業した時期に処分してしまって、現在は手元には有りません(というか、現在は電車と気動車のみで機関車は1両も無い状況。以前は機関車を140両近く持ってたので寂しいです)
私がこれを入手した時は「これが最初で最後のEF30のモデルになるだろう」とか思っていましたが(笑)
KATO製も良く出来ているようですが今はTOMIXで不満を感じていないのでなかなか手が出ません。
モデルでは実車と逆にEF81-300の方が先に出ていましたね。
一時期TOMIXのシンボルだった機関車でしたがこれもKATOと競合しようとは。
私も趣味の中断中、それも再開1年前に手持ちの車両の殆どを従弟に譲渡してしまった事があります。
今にして思えば何と言う早まった事を(涙)