関水金属の初代オハ31のはなし
先日紹介した関水金属の初代C50にはこれまた初代のオハ31も付いてきていました。
当時は単品売りがメインでバラ買いで編成を揃えるしかなかった筈ですがこれは二重の意味で有難かった所です。
というのもC50の初代モデルはカプラーがアーノルドでない「X2Fの縮小版」
当然ですが以後に登場したカプラーのどれとも互換性はありません。
私の手持ちでこのX2Fを装備しているのは昨年入線の初代EF70(不動)とそれに繋がるコキフ10000が1両だけ。
いくらなんでもC50に高速コンテナ貨車と言う訳にも行きません。
ですから同じカプラーの付いたオハ31が1両でもついてきてくれたのは有難い話でした。
ところでこのオハ31、書籍の写真とか解説なんかだと「初代から殆ど変らないまま現在も売られ続けている」と書かれている事の多いモデルです。
私もそれらは読んでいたのでその積りでパッケージからオハ31を引きだしたのですが、
「現行品とは相当に違って見えます」
造形こそあまり差異はないのですが、幌が車体モールドで済まされていたり屋根の灯り取り窓が省略されていたり、ついでに「窓ガラスすらない」のです。
ボディカラーも恐らくプラの成形色そのまんま。
書籍では「一番大きな相違」とされている「インテリアがない」点と併せるとC50と違って「非常に安っぽい」のです。
かつて関水金属がこのモデルを出した時に小売店主を集めたプレゼンの中で「グリコのおまけじゃないの?」と言ったゲストが居たそうです。
後のTMSのミキストで山崎主筆がこの言質を捉えて「模型店で売るべきものではないと言う意味が入っている」と言う意味の穿った解釈をされていました。
が、現実にこのオハ31を手に取って見ると私ですらこれが「グリコのおまけ」に見えてしまったのには呆れました(笑)
それほど全体の質感がグリコのおまけっぽかったのです。件のご店主は案外「見たままを言っただけ」なのではなかったのでしょうか。
唯一、台車にドロップを使い重量感を感じさせる所が「模型らしい」と言えば言えますが、車輪の転がりはKATO製品らしからぬ悪さを見せます。
(関水金属は元々16番の台車メーカーをやっておりその当時から台車の転がりの良さに定評がありました)
実際、奥でC50やSONYのED75セット、或いは中村精密のD51などは希少性もあって大変なプレミアがつく事が多いのですが、不思議と当時物のオハ31が出たと言う話を聞きません。
これだけ安っぽい造形だったら取っておいた人が少ないのも分る気もします。
ですがこのオハ31の美点はC50と繋いで始めて発揮されます。
何と言ってもNでは関水金属が最初(あるいは唯一?)に装備したX2Fカプラーですから殆どC50専用と言って良い客車なのです。
このX2F、当時のTMSですら「自動連結が困難」「いくらぶつけても連結しない」とまで書かれていた代物で、事実私がやって見てもそうでした。
結局連結はカトーカプラーと同様に車体を持って押し込む様な形になります。
ところがこの連結状態の感じが中々に良いのです。
カプラーそのものが結構連結器らしい外見なところへ加えて、アーノルドに比べても心持ち連結間隔が狭いので意外と編成がリアルに見えます。
これは意外な発見でした。
このX2F、当時は自動開放、遅延開放にも対応できるとされていたそうですが肝心の自動連結で引っかかったのが懲りたか、EF70の後期以降はアーノルドで統一される事になります。
最近は固定編成メインな事もあって外見重視で自動連結できないのが当たり前みたいなカプラーもありますし、今だったら案外再評価の対象になったかもしれません。
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当時は単品売りがメインでバラ買いで編成を揃えるしかなかった筈ですがこれは二重の意味で有難かった所です。
というのもC50の初代モデルはカプラーがアーノルドでない「X2Fの縮小版」
当然ですが以後に登場したカプラーのどれとも互換性はありません。
私の手持ちでこのX2Fを装備しているのは昨年入線の初代EF70(不動)とそれに繋がるコキフ10000が1両だけ。
いくらなんでもC50に高速コンテナ貨車と言う訳にも行きません。
ですから同じカプラーの付いたオハ31が1両でもついてきてくれたのは有難い話でした。
ところでこのオハ31、書籍の写真とか解説なんかだと「初代から殆ど変らないまま現在も売られ続けている」と書かれている事の多いモデルです。
私もそれらは読んでいたのでその積りでパッケージからオハ31を引きだしたのですが、
「現行品とは相当に違って見えます」
造形こそあまり差異はないのですが、幌が車体モールドで済まされていたり屋根の灯り取り窓が省略されていたり、ついでに「窓ガラスすらない」のです。
ボディカラーも恐らくプラの成形色そのまんま。
書籍では「一番大きな相違」とされている「インテリアがない」点と併せるとC50と違って「非常に安っぽい」のです。
かつて関水金属がこのモデルを出した時に小売店主を集めたプレゼンの中で「グリコのおまけじゃないの?」と言ったゲストが居たそうです。
後のTMSのミキストで山崎主筆がこの言質を捉えて「模型店で売るべきものではないと言う意味が入っている」と言う意味の穿った解釈をされていました。
が、現実にこのオハ31を手に取って見ると私ですらこれが「グリコのおまけ」に見えてしまったのには呆れました(笑)
それほど全体の質感がグリコのおまけっぽかったのです。件のご店主は案外「見たままを言っただけ」なのではなかったのでしょうか。
唯一、台車にドロップを使い重量感を感じさせる所が「模型らしい」と言えば言えますが、車輪の転がりはKATO製品らしからぬ悪さを見せます。
(関水金属は元々16番の台車メーカーをやっておりその当時から台車の転がりの良さに定評がありました)
実際、奥でC50やSONYのED75セット、或いは中村精密のD51などは希少性もあって大変なプレミアがつく事が多いのですが、不思議と当時物のオハ31が出たと言う話を聞きません。
これだけ安っぽい造形だったら取っておいた人が少ないのも分る気もします。
ですがこのオハ31の美点はC50と繋いで始めて発揮されます。
何と言ってもNでは関水金属が最初(あるいは唯一?)に装備したX2Fカプラーですから殆どC50専用と言って良い客車なのです。
このX2F、当時のTMSですら「自動連結が困難」「いくらぶつけても連結しない」とまで書かれていた代物で、事実私がやって見てもそうでした。
結局連結はカトーカプラーと同様に車体を持って押し込む様な形になります。
ところがこの連結状態の感じが中々に良いのです。
カプラーそのものが結構連結器らしい外見なところへ加えて、アーノルドに比べても心持ち連結間隔が狭いので意外と編成がリアルに見えます。
これは意外な発見でした。
このX2F、当時は自動開放、遅延開放にも対応できるとされていたそうですが肝心の自動連結で引っかかったのが懲りたか、EF70の後期以降はアーノルドで統一される事になります。
最近は固定編成メインな事もあって外見重視で自動連結できないのが当たり前みたいなカプラーもありますし、今だったら案外再評価の対象になったかもしれません。
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この記事へのコメント
この初代オハ31の写真もそれにあったのですが、当時は「オハ31」しか売られてなかったので編成再現以前に「機関車が客車を引く」というだけで精いっぱいだったのかな?
個人的にはED50(構造的に作りやすそうでオハ31と年代が合う電機)も作ってほしかったと思いますが、完成品はしなのマイクロ(正確にはED17だが)までなかったですよねぇ…
・・・ちなみに余談なんですが、C50のカプラーについて。
前部ダミー・後部が本物というのは現在の蒸気機関車模型とほぼ同じですが、初代C50のダミーカプラーは極めて脆いらしく、上記の雑誌でも「前部のダミーカプラー破損」の模型を乗せていました。
(健在な奴は手に入らなかった?)
せっかくダミーカプラーが残っているならくれぐれもご注意を。
大昔のKATOのカタログに初代C50の写真が掲載されていましたがそのモデルもダミーカプラーが欠損していましたね。
恐らく同形と思いますがホビセンの展示品でもそれを見た事があります。
仰る通りこの部分のもろさは折に触れて聞かされてきたので、今回のモデルで「まさかカプラーが付いているとは思わなかった」ので嬉しいと同時に気を付けねばと思います。
如何にアーノルドカプラーが優秀かと、改めて思いました。
標準カプラーをアーノルドに決めさせたカトーですが、最近は独自規格のカプラーを乱立させていて困ったものです。
昭和40年代のTMS誌上ではアーノルドの形状に批判的なコメントは多かった様ですが、コストと機能面では当時もっとも使えるものだったのも確かですね。
ですがKATOカプラーとTNカプラーの並立だけでも私の様なオムニバス派には頭が痛いですね。
個人的には電車用の密蓮で「駅での電車の分割併結を遠隔操作できる」のが欲しいですがどこもやる気配がないですね。