日本型Nゲージの50年と思い出から・トム50000編

 昭和39年版の「模型と工作・鉄道模型ガイドブック」から50年前の16番モデル工作とそれ以降のNモデルの思い出を語るある意味支離滅裂な企画(汗)
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 今回は二軸無蓋車トム50000です。

 先にワム3500の話をした時に「木製車体の有蓋車には50年前の当時でも馴染みがない」なんて話をしましたが、これが無蓋車となると状況は一転します。
 当時はボギー車のトキ15000もバリバリの現役(それどころか私の記憶に間違いなければ昭和40年代の初め頃まではボギー貨車の中で一番よく見掛けた機種だったりします)でしたし、2軸のトム・トラですら木材チップの輸送用を中心に大活躍していました。
 何しろ当時の故郷の駅には木材の積み出し基地も兼ねており、駅本屋のホームの端っこにはこの貨車を動かすためのトラバーサまであった位でしたから如何に普及していたかがわかろうと言う物です。

 但しここで見かけた無蓋車は殆どが戦後製造のトラ90000辺りで大半が戦時中の製造である記事中のトム50000とは異なります。
 あるいはほかの用途でトム50000もあったかもしれませんが今となっては確かめる術もありません。いずれにしろ「二軸の木製無蓋車がポピュラーな存在だった」事には変わりありませんが。

 形態の上ではトラ90000は一応無蓋車ですが上部にチップ積載に対応したケージ状の黄緑色の金網があるのが外見上の特徴です。
 当時はこのケージは取り外し可能と思っていましたが実際はどうでしたか(笑)
 これがなければトム50000とトラ90000の外見はそれほど違わない気もします。

 ですからワム23000と同様「あの貨車の模型化記事」としてそれなりに楽しく読んだ記憶があります。
 「楽しく読んだ」なんて書きましたが、実はこの貨車の製作記事は本書の中でも一番短い「たった1ページ」

 材料は本書でよく使われる白ボール紙ではなく1・5ミリ厚の木材だそうです。
 あの頃は大概の模型屋にあったマテリアルだと思いますし、どうかすると駅弁の箱にでもありそうな材料でしたが今ではなかなか使われない気もします。
 が、荷台内側まで表現しなければならない無蓋車の素材としては適当です。
 「ラッカーの中に歯磨き粉を入れて艶を消しますといっそう実感がでてきます」という説明がいかにもあの頃の模型工作ぽいですね。
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 さて、Nゲージのトム50000は前回紹介のワム50000と同様にトミーナインスケールの最初のラインナップのひとつでした。
 2軸貨車の編成のバラエティを付けるには不可欠な車種だけにこれまた登場が歓迎されたのではないでしょうか。
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 モデルは砂利を積んだ状態で出ていましたがこの積み荷を外すと内側に床板の筋がモールドされており空車状態にも対応している配慮がされています。
光山鉄道管理局
 HPです。

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この記事へのコメント

レサレサ
2016年05月07日 20:52
何かで聞いたのですが、有蓋車が鋼製車体に成ったのは「雨漏りを避けるため」であり、その必要のない無蓋車は木造の方が補修がしやすいのであとの時代まで残ったそうです。
(私の場合はコンテナ以外の貨車が淘汰されてきた世代なので、ワム80000以外の国鉄二軸車は未見ですが、木造無蓋車自体は静岡鉄道で見たことがあります。)

ところでトキ15000ですけれど、この車両もNだと古参ですよね。
(確かC50(初)・オハ31(初)・103系・トキ15000の順だったはず)
たしか当時のTMSの評価は「細かくよくできているが、それ故台車の位置がやや内側なのが残念。」とか言ってましたっけ…
光山市交通局
2016年05月07日 23:16
>レサレサさん

言われてみれば無蓋車の鋼製タイプは木造に比べて心なしかゴージャス感がありました(笑)ナインスケールの貨車でも当時個人的に欲しかったのはトラ55000の方でしたね。

 トキの製品紹介記事は私も読みました。
 当時は言われなければわからない程度の差でしたが今の目で見ると気になる事は気になりますね。