HOのハイスラー式ギアード蒸気機関車のはなし

この間のトレインフェスタの記事でラージスケールのハイスラー蒸機の話をした折に触れたHOモデルのはなしをば。
先日の上京の折に某時計店で入手した中古モデルです。
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これがハイスラー式蒸気機関車、リリプット製です。
「ハイスラー」と聞いて馴染みのない向きも多いと思いますが通常の機関車が動輪に対して並行にシリンダを配置しているのに対して急曲線の多い線区等で牽引力を稼ぎたい機関車に用いられる「ギアードロコ」の一種です。
こう書いてもまだわかりにくいですが(汗)
動輪を組み込んだ台車にロッドから直接動輪に伝達するのではなく、自動車と同じようにギアを介して動輪を駆動する形式と言えば少しはわかりやすいのではないかと。
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この種のものは一括して「ギアードロコ」と呼ばれる事が多く普通のファンでも知っていそうな物として「シェイギアードロコ」があります(因みにシェイもハイスラーも蒸気機関車の名前としては聞いていて不思議な語感ですが前者は考案者、後者はメーカーの名前から来ています)
シェイの場合は機関車の側面に直列二気筒又は3気筒のシリンダが並ぶのでかなり目立つ(ついでにギアも露出している)ので覚えやすいとはいえます。
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今回のハイスラー式は駆動用シャフトに対してシリンダが前から見てV字型に配置されているのが特徴。
蒸気機関車で「V型2気筒」なんて書けるのがこのロコの特色です(笑)

時計屋さんの中古棚でこのハイスラーが並んでいるのを見た時には衝動的に「欲しい!」とか思ってしまいました。
しかもお値段も最近のN蒸気の半額程度。
つい財布を開いてしまいました(あほですなあ)

さて、このハイスラーですがモデルとしては相当な年代物らしくはこのスポンジはボロボロに劣化。
説明書も紙が盛大に変色していたりするのですが、モデル自体はしっかりしている様で走行性にもこれと言った瑕疵は見られません。
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そしてこの「走り」がハイスラー最大の面白いところです。
実はこの機関車の伝達機構は16番の電車なんかでよく使われるMPギア駆動によく似ています。
MPギアの場合「床下でプロペラシャフトが回転する」という最近の電車では考えられない様な駆動なのですが、殊ハイスラーではこの駆動法はぴったりなのです。
モータから伸びたシャフトにクランクをモールドさせて上述のシリンダにつなげる形式は正にハイスラーそのもの。

試走させると床下でクランクシャフトが回転するのが見えてこれがなかなかに楽しいのです。
まあ、見ようによっては「FRの自動車の動力伝達モデル」に見えなくもないのですが(笑)
動画です

このハイスラー、HO以上のサイズのモデルで楽しめるモデルと言えます。
Nでもできない事はないでしょうがこの機関車は「真横かやや煽りぎみのローアングルで床下を覗きこむように駆動機構を眺めるのが一番楽しいから」です。
その意味ではまさにHO向けと言えましょう。
カプラーもケーディーなので手持ちの貨車は直ちにつなげられますし。
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光山鉄道管理局
HPです。

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