S660のウィークポイントのはなし

 S660のはなし。

 これまで我ながら手放しでほめまくってりる印象を与えたかもしれないS660.
 ですが今回は1500キロ走行して見えてきたS660の弱点のはなしです。
 スポーツカーである以上はスポーツカーゆえの弱点も内包しているのが常でして、必ずしもS660特有の物ばかりではないのですがその辺は割り引いて読んで頂けると良いかなとか思います。

 先ず出てくるのが背の低さからくるいくつかの問題。
 これでもBEATとかロータスエリーゼに比べて高いのですがS660の全高は日本車としてはずば抜けて低い1140ミリ。
 着座位置も当然それに合わせた低さです。
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 これが問題となるのが夕暮れ時以降の街乗り。
 夕方になると日差しがもろにドライバーの目を直撃します。
 サンバイザーはあるにはあるのですがこれまた日本車としてはずば抜けた小ささ。
 しかも横に回す事の出来ない構造なので横から夕陽が当たるシチュエーションではかなり幻惑されます。

 ですので晴れた日の夕方にこのクルマに乗るにはサングラスだけでは不足でつばの深いキャップが必需品になります。
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 夜になればなったで対向車のライトも相対的に高い所に来る事から、これがまた眩しい。
 後ろの方ならルームミラーを防眩にできるのですが前から来る奴には打つ手がありません。
 なので夜間の中央分離帯のない交通量の多い道路(これは田舎でも意外と多い)は大の苦手です。
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 次に問題なのはショッピングセンターなどの駐車場。
 これまたクルマの背が低い上に図体も小さいのでクルマ自体が歩行者に身落とされがちになるという問題がありますし、駐車スペースからノーズを出す瞬間は歩行者ばかりか他のクルマも結構脅かす事になります。
 まあ、ショッピングセンターに行く事など想定していないクルマと思うので行かなければ済む話ではありますが。
 この時ばかりは「フロントにブラインドモニターが欲しい」と心底思います。

 肝心の走りもミッションとブレーキは非常に満足いくものでしたが問題はパワステ。
 ステアリングの反応はあるところからクイックになりますし、事実よく曲がるのですがステアリングを通して感じるインフォメーションが弱い気がします。
 端的に言えば「ハイブリッドミニバンと同じ様な軽さ」
 ステアリングそのもののフィールがエスクァイアと大差ないのです。
 低速で重く、スピードが乗ると軽くなってゆくノンパワステは今にして思うと結構自然な感じがしました。

 全車そうしろとは言いませんが、フロントの加重の少ないミッドシップなのでひとつくらいはパワステなしの仕様があっても面白いのではないかという気はします。
 私が乗っていた車歴の最初の2台はノンパワステのFFでしたが、停止時に据え切りを頻用しない限り特に気になりませんでした。それよりもステアリングの重いはずのマーチスーパーターボ(過給機をふたつも付けたせいでエンジンが大きくなりすぎてパワステが付けられなかったとか聞いています)が意外と女性ドライバーが多かった事も考えると考慮の余地はある気もします。

 最もこんなのはMTならエンジン停止状態で坂でも下って見ればどれくらい差があるか分る事ですが。
 (今度やって見ようかなとか思っていたのですがスマートキーでプッシュスタートする形式な為にエンジンを切るとハンドルもロックされてしまうのでこれは不可能でした)

 おそらくこれはS660のパワステがお買い物クルマのフィットのそれを(多少手を加えていますが)流用していることと無関係でない気もします。
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 言い忘れていましたがフロントのコンパートメントは多少の荷物が載る事は載るのですがラジエータの真後ろと言う位置から想像できるように相当な高温になります。一度濡れタオルを入れたら1時間のドライブでコインランドリーの乾燥機並みに一気に乾いたのには驚きました(笑)間違ってもナマ物は入れない様に。

 さしあたり目立つ所ではそんな所でしょうか。
 エンジンの非力さとか、荷物が載らないとかは買う前から分り切った事ですし。
 
 むしろ大馬力やトランクを期待しなければ買った後で「なあんだ、それほどでもないじゃん」となる可能性の方が高いです。

 それに上述の弱点を差し引いても魅力の方がはるかに上回るのがS660です。
 この点は今でも変わっていません。
光山鉄道管理局
 HPです。

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