鉄道ミステリとNゲージを語る18・「泥棒」とCタンク
前回からかなり間が空きましたが鉄道ミステリとNゲージネタの第18弾です(まるで鉄コレみたいだな)
前にも書きましたが、鮎川哲也が嚆矢となった鉄道ミステリのアンソロジーは後にいくつかの派生、後継のシリーズを生み出しています。
その中のひとつに有栖川有栖の手になる「鉄道ミステリーライブラリー」というのがあるのですが今回はその中の一篇を紹介したいと思います。
物は雨宮雨彦の作「泥棒」
時は昭和20年代「もはや戦後ではない」とか言われ始めた頃。
戦時中に旧海軍が隠匿した金塊が当時製造されていたとある蒸気機関車に隠されている事を知った4人組の泥棒団。
今はとある私鉄に払い下げられて使われている機関車を盗み出し、金塊を見つけ出そうとするが…
というのが大まかなストーリーです。
詳しい内容は実際の作を読んでもらった方が速いと思いますが、短編の中に「現用されている機関車を人知れず盗み出す」「機関車に隠された金塊を見つけ出す」という二重の課題が盛り込まれ短い割にかなりゴージャスなミステリになっています。
中でも機関車を盗み出す手口が如何にも「レイアウトでミニシーンを再現したくなる」ヴィジュアルイメージがありまして好きな作のひとつです。
(ヒントは「併用軌道」w)
作中に出ている鉄道や機関車の設定や描写はある程度鉄道ファンを納得させる程度の知識の裏付けを持っていますが、それでもトリックとしては実現可能性が異様に低そうな破天荒さを持っています。
(これに近いというと江戸川乱歩の少年探偵団物の「天空の魔人」辺りの列車消失トリックが思い浮かびます)
さて本作に登場する蒸気機関車というのが「C35」
名前からわかる様に本作のために設定された架空の機関車です。
一応国鉄の制式機だそうですが、重量が35トンある所からネーミングされたという、国鉄というよりもどこかの私鉄がやりそうな名づけ方です。
が、戦時中の工場不足の折、N市のKという造船所で2両だけ製造されたという設定はそれなりに説得力はありそうです。
当時はB20なんて飽和蒸気式のロコも実際に作られましたから、それのCタンク版というのもあっていい気もします。
ですが架空の機関車だけにNゲージのモデルなんてのも出ている訳がない。
雰囲気的に近いのはTOMIXのKSKタイプCタンクか「週刊SL鉄道模型」の特典で出た事のある「B10」をCタンクにした様な感じでしょうか。
あるいはワールド工芸辺りが出している小型蒸機というのもアリと思いますが戦時設計のCタンクという点で微妙にイメージが異なる気もします。
真夜中の町中を幽霊の如くしずしずと走り抜ける小型蒸気機関車というのはうちのレイアウトでは棚幡線とかでも再現できそうな気もします。
が、そのためにはレイアウトの電飾くらいは済ませておかないと(汗)
今回はミステリをだしにレイアウトのミニシーンの検討をするような感じになってしまいました。脱線脱線(大汗)
光山鉄道管理局
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前にも書きましたが、鮎川哲也が嚆矢となった鉄道ミステリのアンソロジーは後にいくつかの派生、後継のシリーズを生み出しています。
その中のひとつに有栖川有栖の手になる「鉄道ミステリーライブラリー」というのがあるのですが今回はその中の一篇を紹介したいと思います。
物は雨宮雨彦の作「泥棒」
時は昭和20年代「もはや戦後ではない」とか言われ始めた頃。
戦時中に旧海軍が隠匿した金塊が当時製造されていたとある蒸気機関車に隠されている事を知った4人組の泥棒団。
今はとある私鉄に払い下げられて使われている機関車を盗み出し、金塊を見つけ出そうとするが…
というのが大まかなストーリーです。
詳しい内容は実際の作を読んでもらった方が速いと思いますが、短編の中に「現用されている機関車を人知れず盗み出す」「機関車に隠された金塊を見つけ出す」という二重の課題が盛り込まれ短い割にかなりゴージャスなミステリになっています。
中でも機関車を盗み出す手口が如何にも「レイアウトでミニシーンを再現したくなる」ヴィジュアルイメージがありまして好きな作のひとつです。
(ヒントは「併用軌道」w)
作中に出ている鉄道や機関車の設定や描写はある程度鉄道ファンを納得させる程度の知識の裏付けを持っていますが、それでもトリックとしては実現可能性が異様に低そうな破天荒さを持っています。
(これに近いというと江戸川乱歩の少年探偵団物の「天空の魔人」辺りの列車消失トリックが思い浮かびます)
さて本作に登場する蒸気機関車というのが「C35」
名前からわかる様に本作のために設定された架空の機関車です。
一応国鉄の制式機だそうですが、重量が35トンある所からネーミングされたという、国鉄というよりもどこかの私鉄がやりそうな名づけ方です。
が、戦時中の工場不足の折、N市のKという造船所で2両だけ製造されたという設定はそれなりに説得力はありそうです。
当時はB20なんて飽和蒸気式のロコも実際に作られましたから、それのCタンク版というのもあっていい気もします。
ですが架空の機関車だけにNゲージのモデルなんてのも出ている訳がない。
雰囲気的に近いのはTOMIXのKSKタイプCタンクか「週刊SL鉄道模型」の特典で出た事のある「B10」をCタンクにした様な感じでしょうか。
あるいはワールド工芸辺りが出している小型蒸機というのもアリと思いますが戦時設計のCタンクという点で微妙にイメージが異なる気もします。
真夜中の町中を幽霊の如くしずしずと走り抜ける小型蒸気機関車というのはうちのレイアウトでは棚幡線とかでも再現できそうな気もします。
が、そのためにはレイアウトの電飾くらいは済ませておかないと(汗)
今回はミステリをだしにレイアウトのミニシーンの検討をするような感じになってしまいました。脱線脱線(大汗)
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この記事へのコメント
B20の兄弟分ですがはるかに大きく、ローカル線なら本線走行しててもおかしくないCタンクですが、B20同様に貫通ブレーキを持たず、かまぼこドームが戦中の作りであるとよく分かる機関車でした。
>
>遅ればせながらコメントありがとうございます。
「幻の国鉄車両」は所持していたのですが帰省中で内容を確認できずちょうど今読み返したところです。
作中の鉄道解説が割合しっかりしている点などから、本書に掲載されている乙C30がこの作品のC35のモデルになっていたというのは十分考えられると思います。
構想だけの機関車が小説に使われるという二重の架空性が面白くもあるところですね。
以前書き込んだときは本が手元に無かったので、35t機とどっちだったかあやふやでしたが、やはり30tでしたか。
ちなみにこの本に「完成したのは乙B20だけ」みたいなことが書いてあったんですけれど、それは「国鉄機として」であり、この本に出ている戦時統制機関車はうちの近所にも丁B6に当たるのが保存されていたりします。
(丁=762㎜軌間、B=2軸動輪、6=自重6t なお、入替機ではなく軽便の本線牽引機でした。)
…「C35」も立山重工が戦中作った機関車を探すと似たような模型があったりして…