レイアウトの入門書に思うこと(汗)

 先日のはなしです。
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 私の所属しているクラブの駄弁りの中で「レイアウトやジオラマの入門書で適当なのはないか?」という話題が出ていました。
 で、私も含めたメンバーがあれこれ候補を出し合ったのですが、意外と候補の数が少ないのに我ながら驚いてしまいました。

 鉄道模型の全くのビギナーで、これからレイアウトをやろうという人向けの書籍で今、普通に本屋で買える定番書というのは意外と少ない気がします。
 それというのも殆どがムック形式(雑誌扱いの書籍)なため一定期間しか本屋に並ばない事が多い(大概年末に集中しますね)のが大きいのでしょうが、読む側も専門誌や写真集なんかしか読まない事が多いのも関係していそうです。

 KATOやTOMIXのメーカー系の出版物にはレイアウトづくりの基礎を扱ったものもありますが原則模型屋さんにしかないのがネックです。
 尤もレイアウトでも作ろうと決意するような人はまず模型屋さんに行くのが普通なので、これはこれで理に叶ってはいるのですが。
 でもそれならそれで、入門書や専門誌も置いてくれればいいのにとか思うこともあります。

 さて、それでもいくつか入門書の候補が出てきていますが、昔に比べるとこのジャンルも非常にカラフルになったものです。
 以前の入門書は文章主体で写真もモノクロ、厚さもそれなりという感じで、最近の様に活字に親しんでいる層が薄い時代になると2,3ページ開いただけで敬遠されそうです。
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 そこでふと思い出したこと。
 今回のメンバーとのやり取りの中である方が「この手の入門書をいろいろ持っているけれど作った事がない」という意味の事を話していました。
 この手の入門書の場合、これを参考にしてモデルなりレイアウトなりを作るのが本来の行き方なのですが、そういえば私自身の経験に照らし合わせると、入門書だけは40年以上前からいろいろと買ってはいたものの、実際にレイアウトを作ったのはつい10年前。
 言われてみれば私自身も30年近く「入門書を読んでるだけ」状態を続けてきたわけです(汗)
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 実際最近の入門書はカラフルな写真が満載な上に「レイアウトひとつつくるだけで一冊本が書けてしまう」ので読みでも非常にあるので読み終えた頃になると「作らない先からレイアウトを作ってしまった気になってしまう」事もしばしばでした。
 昔の「レイアウト全書」「レイアウトテクニック」辺りの製作記ともなると当代のハイクラスレイアウトばかりが載っているので「読んでるだけでいいや」なんて気分になる事すらあったくらいです。
 (その私がなぜレイアウトを作る気になったのかについては以前にも触れていますが、次の機会に改めてリライトしてみる積りです)
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 おそらくこんな風に「入門書は買っているけれどレイアウトの製作にふん切れない」という潜在層はまだまだ多いと思います。
 実際、最近随分とカラフルになっているこの手のノウハウ本を読んでいると「読んでいるだけで作った様な気になってしまう」事も多そうですし。
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 当時、入門書を読んでいて感じた事は製作の大変さよりも「事前の準備の大変さ」の方が大きい気がします。
 スペースの確保然り、道具や材料の購入然り、殊にレイアウトの場合、模型屋だけでなく画材店やホームセンターで物を揃える事も多いので余計大変そうな印象を与えていると思います。

 レイアウトづくりで大変なのは土台作りとレールの敷設でしょうし、一番面倒くささを感じるのもそこではないかと思います。
 実際はやってみるとそんな事もあまりありませんし、道床付きレールとスタイロフォーム(あとウッドランドシ―ニックスのサブテレイン辺り)の普及で600×900程度のサイズであれば誰でもそこそこの固定レイアウトが作れるようになっています。
 更にシーナリィ作りから先は何をやっても面白いので(運転会とかコンペなどで締切に追われる場合を除いて)何か月かかっても楽しめる趣味である事は間違いありません。
 (ホームや線路際に人形ひとり、樹木一本立てるだけで風景がそれまでとは違って見えるのが面白い所です)

 ですがその「最初の一歩」を踏み出すまでが大変に感じられるところであり、その一歩を踏み出させるのも入門書の重要な役割と思うのですが、これまでに出ている入門書でその一歩を後押しさせる何かが足りない様な感じもするのです。
 だからこそかつての私の様な「入門書だけのファン」も多いのではないかと思えます。

 とはいえ、その「何か」が何であるかが私にもはっきりしないのが難しい所なのですが。
光山鉄道管理局
 HPです。

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この記事へのコメント

柴乃
2017年02月25日 17:51
私がレイアウト製作に取り掛かるときの最大の難関は「レイアウトの置き場の確保」だったと思います。

初心者であればあるほど「あれも走らせたいこれも走らせたい」となります。

エンドレスだけのレイアウトよりはヤードや大きな駅をもったレイアウトの方が見栄えも良いですし、どうしても畳1枚くらいの大きさのレイアウトが欲しくなってしまいます。

鉄道コレクションやBトレ専用ならば60cm×45cmでもいけますが、ブルートレインや実際とおなじ4~6両編成の列車を走らせようとすると90cm×60cmでも小さく感じるわけですし。

富井電鉄のフリー電車やKATOのチビ凸が引く貨物列車専用のレイアウトで我慢できればもっとレイアウトを作る人も増えるんじゃないかと思いますけど、初心者にそれを要求するのは無理だと思います。

そしてまた振出しに戻る・・・・
レサレサ
2017年02月25日 19:05
私の場合、最初期に買ったのが諸星昭弘氏のミニレイアウト制作本だったので、最初からミニレイアウト前提でした。

最初に作ったのが小判型エンドレスで一面一線の枕木組んだホームだけの小さな駅にキハ04(正確には雑誌についていた里山交通キハ1001形)が止まる奴です。

結論から言うと「小判型エンドレスは両方の直線区間に物を置かない(車両が置きにくくなる)」ので後に解体しましたw

後に「山で風景を遮断するとよい」という情報を得て山を対角線に置いたソラマメ型エンドレス(片面が赤茶色の荒野・反対が緑の森)を作りましたが、こっちはとにかく物を置かないようにしました。
(最初は炭鉱鉄道でしたがソラマメ状の線路配置が災いしセキの脱線が頻発したため、現在は<広軌だけど>軽便鉄道設定です。)
光山市交通局
2017年02月26日 00:00
>柴乃さん

>初心者にそれを要求するのは無理だと~

 私もこれが固定式レイアウトのジレンマだと思います。小さなレイアウトから始めて順次ステップアップできればいつかはクラウンならぬ「いつかは大レイアウト(笑)」に近づく早道ではあるのですが。

 ですが小規模なレイアウトでも習作と割り切って作ってみる、それを楽しんでみて不満点を次回作につなげるという過程はやはり必要と思います。
 私のレイアウトも第一作はMODEMOの江ノ電や世田谷線の車両を念頭に置いたものでしたが、手前側に本線スペースを確保し長編成のお座敷運転の一部として機能する様にはしていました(それが今では主客が逆転してしまっていますが汗)

 「レイアウトは一生にひとつしか作れない」訳ではないので、ステップアップの第一歩と割り切って作れればいいのですが・・・
 仰る様にビギナーにはその割切りが難しいですね。
光山市交通局
2017年02月26日 00:11
>レサレサさん

 広軌の軽便鉄道設定、いいですね。

 昔のレイアウトの何割かはそう言う自由闊達なものが多かったのですが、最近は規定に縛られ過ぎた窮屈なものが目立つ気もします。

 レイアウトで「物を置かない」と言うのは一種の見識だと思います。

 実景でも専門誌で見る様な「高密度な風景」と言うのはあまりありませんし実際の沿線風景も99%は「周囲に何もない様な殺風景」と思いますから逆にリアルと言えるかもしれません。
 
レサレサ
2017年02月26日 23:57
>光山市交通局さん
>広軌の軽便鉄道

なぜか「軽便=ナロー」とされやすいのですが、実際は1067㎜(これもナローって言えばナローだが)の鉄道も結構あったので「本線と軌間が一緒で道床部分を埋めれば(注)軽便に見えるんじゃないか。」と小型の車両走行目的に設定を直した次第ですw
(注:要するに道床の厚み分周囲かさ上げして、隙間に石粉粘土と砂利の混合物をすりこみ「地面とバラストが混ざっている」という構図にしたもの。)

そう思えばヘロヘロの線路(本当はS字カーブ)などもそれっぽく見える・・・かな?

ちなみに「物を置かない」のは線路周辺で、それ以外の四隅や中央部はむしろみっちり物(主に植物)を置いてあります。


光山市交通局
2017年03月02日 22:21
>レサレサさん

>「物を置かない」のは線路周辺で、それ以外の四隅や中央部はむしろみっちり物(主に植物)を置いて~

 運用上の必要もあると思いますが、風景の中で「疎」と「密」の使い分けのバランスで一つの風景を構成するのも大事ですね。

 仰る様に「ナロー=軽便」という定義は結構便宜的なもので軌間以外の要素から「軽便な鉄道」と見られるものも多いでしょうね。逆のケースとして近鉄(今は三岐ですか)北勢線などはゲージ以外のどこに軽便な要素があるのかよくわからない位ですし。