今月のジャンクから・TOMIXの富士重工車

 今月のジャンク車から。
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 「富士重工」というと一般にはスバルのクルマのイメージが強いと思いますが、富士重工としては船や飛行機も手掛ける乗り物の総合百貨店みたいなメーカーでした。

 当然鉄道関係も車両の製造などをしていた訳ですが、Nゲージのモデルで「富士重工」の名を冠したモデルは珍しいと思います。

 モノはTOMIXから出ていた「富士重工 LE-Car」
 近代型の二軸のレールバスで昭和末期から平成はじめにかけて雨後の筍のように出現した第3セクター鉄道の旅客用に製造されていたものです。

 この頃のレールバスはまだ二軸が主体だった頃。 
 TOMIXの二軸動力は香港製のキハ02以来絶えてなかったのですが、将来のバリエーション拡大を見越してか新型動力を奢っての登場となりました。
 カタログモデルとしては他に樽見鉄道のハイモ180というのがあり(これについては後述)今もカタログに載っていたと思います。
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 今回行きつけの中古屋で1両500円でジャンク売りされていたものですが動力車の他にトレーラーと樽見仕様のトレーラーが同じ値段で置いていたので動力車としては結構なコストパフォーマンスではあります。

 件のLe-Carですが当初は目論見通りにあちこちの第3セクターに出ていた様ですが、鉄道事業そのものの頭打ち傾向に加えて信楽高原鉄道の事故などでレールバス自体の衝突安全性の問題がクローズアップされる等した事、2002年に富士重工が製造から撤退した事などから急激にその姿が見られなくなり現在では一部の小私鉄に残るのみとなっている様です。

 上述の樽見ハイモも現在は紀州鉄道に譲渡されているそうで。

 とは言う物の、うちの棚幡線なんかでは十二分に新鋭車臭いモダンなデザインで気を吐きます。
 ジャンクゆえに気になっていた走行性能もまずまずで、ドローバーを介して2連走行にも対応します。ただ140Rの側線進入ではS字カーブが曲がりきれず脱線が頻発。やはり2軸としては異様に長いホイールベースが祟っているようです。

 おまけにショップが検品をきちんとやっていなかったらしく台車周りからこんもりと埃が出てきたのには参りましたが(笑)
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 そして件の樽見のハイモもトレーラーが入手できました。

 見た目だけは棚幡線も平成初め頃位にはずいぶん近代化した様な気が(笑)
光山鉄道管理局
 HPです。

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この記事へのコメント

柴乃
2017年03月05日 12:08
これはまた懐かしい車両が。
私の手元には三木鉄道カラータイプのM車T車が残ってまして、かなり大きめの音を立てますが元気に走ります。

ただポイント部分でよく停止してしまいます。こればかりは2軸車両ですから仕方ないことでしょうね。

実車が登場したのは国鉄分割民営化を控えて、地方のローカル線が廃止するかバス化するか第3セクターとして生き延びるかの選択を迫られていたころ。

冷房装置付きの新型車両が比較的安価で購入できるという利点はありましたが、通勤通学用には小型すぎ、結局は16m級の軽快気動車に主役の座を奪われることになりましたね。
光山市交通局
2017年03月05日 21:04
>柴乃さん

 実車の場合、二軸のレールバスというのは鬼門ですね。バスと共通部品が使えるといっても現実にはバスより鉄道車両の方がはるかに長命なので耐久力の面でも不利だった事は明らかですし。
 
 ドイツでも2軸レールバスが存在しましたが貨物列車との衝突事故で文字通り粉々になったのが祟って以後あちらでもレールバスは下火になったようです。

 
秋津のOB
2021年07月29日 10:10
ここにも失礼します。また長いことをお詫びします。

このLE-carは完成品の樽見仕様動力車と、未塗装キットの片方の計2両運用してます。未塗装キット版は付属デカールが劣化しており、台紙から素直に剥がれず樽見仕様の帯がパッチワーク状態でして、ついやる気を失いトレーラーの方は仕掛かりのままです……。

どちらもM-lite製の対応LED前灯を奢り現代化しました。完成品は単行専用、キット版はどうにか鉄コレ版ハイモ230を曵かせるべく強引に改造。片側だけですがKATOカプラーアダプター@機関車用の付け根をひたすら削り、スノープロウなども削り、かもめナックルの蓋を削ってピンを下向きにしてアダプターを保持。

ハイモ180同士なら偶然にも、ミニカーブ対応2軸貨車用自連型TNカプラーSCタイプがそのまま嵌ります。しかし台車マウントのハイモ230とは全く高さが合わず、死蔵していたKATOカプラーアダプターの付け根とスノープロウ周りをひたすら削り、どうにか3時間余りの調整で漸く高さが揃いました。全くお薦めできない作業です。

ハイモ180の連結化に踏み切ったのは鉄コレ動力のショートのせいです。ハイモ230を4両仕入れて2両動力化したら、その片方があっさりショートしやがりまして…。直そうとはしましたが、鉄コレ動力特有のパズルみたいな、通電板の嵌め込み構造の再組み立てができない腕の悪さ……。

こうなったら喧しいけれど長寿が期待できるハイモ180に曵かせてしまおう、とヤケクソ起こしたせいです。構造的には二軸機関車にボギー客車曵かせるのと差はありませんし。新宿区落合某所にこれらを持ち込み、長い坂や同じ路線での立体交差がある番線を走らせましたが取り立てて問題なし。ハイモ180が牽引でも推進でも無事に周回できてます。走るとコードレス掃除機もかくやな走行音ですが。

おそらく3両以上だと推進時に座屈が生じると思います。まあ樽見鉄道の写真を見る限りハイモ同士は2両運転でだいたい済むと割り切ってます。あとLE-carはtomixのY字ポイントとすごく相性悪いです。大阪恵美須町某店のE線で経験しました。軸距がかなり長いせいでしょう。

余談ですが、踏切事故でハイモ295-315(tomixが出してますね)が半年ほど運用離脱していた時、代車で長良川鉄道のレールバスを借り受けたことがありました。薄墨桜を見に行った帰りにそのナガラ9が長良川仕様のまま運用されているのを見かけて驚き、やっと調べたものです。どちらも岐阜県が運営する第三セクターだから融通が利いたのでしょう。
光山市交通局
2021年07月30日 21:20
>秋津のOBさん

 そちらでは未塗装仕様もお持ちでしたか。

 LE-Carは初期TOMIXの香港製キハ02を別とすれば、日本型Nゲージとしては初の本格的なレールバスのモデル化だったと思います。

 1両で鉄道が開業できる最小単位なだけにあわよくばレイアウトの普及への弾みをつけたいという意図もあったのでしょうね。
 それゆえの未塗装仕様でもあったのではないかとおもえます。

 ただ、この製品に関していえばミニカーブレール登場以前の製品だけに車両の図体ほどには小回りが利かないのが痛いところです。
 もしミニカーブがこの製品と同時に出ていたらかなり違う印象になっていたのではないでしょうか。

 これに限らずKSKタイプCタンクとか、Cタイプディーゼル機関車なんかもミニカーブでは息を切らすのに217R以上のカーブでは実にスイスイと走ってくれます。
 「小型の機関車だから急カーブに強いはず」というのがなかなか通用しなかったのがあの頃のNゲージでもありました。
秋津のOB
2021年07月31日 13:20
たびたび失礼します。

やはりカーブが急になるほど各車の軸距の差が露骨に出ますね。KATO製マイテ49の3軸台車ですら他の2軸台車より格段に抵抗を感じます。その経験により河合タキ50000は当方での入線時、tomix旧製品お馴染みのプラ車輪をフランジレス化して中央に装着しました。効果はわかりませんが……。

どこの鉄道博物館だったか…子供向けコーナーに、小型二軸車と大型ボギー車がカーブ通過の際の走行抵抗を、手で実感させる展示物がありました。その展示物とは図形の相似であるNゲージ線路でも同じになるわけです。

そう考えれば…LE-carは実質的に大型蒸機並みの軸距になりますね。このあたり、意外と見落とされていたのかもしれませんね。先行していたHOでは自由型や実車のある小型車が安価な入門シリーズになっていたゆえ、そのノリがN世界にも準用されたのでしょう。
光山市交通局
2021年08月02日 22:09
>秋津のOBさん

 レールバスの軸距が機関車のボギー台車よりも長くなってしまう点、TOMIXに限らずアーノルドとかメルクリンミニクラブのレールバスでも見られた傾向ですね。

>先行していたHOでは自由型や実車のある小型車が安価な入門シリーズになっていたゆえ~

 Nゲージの場合そうした部分を担っていたのがKATOのポケットラインとバンダイのBトレインショーティでしょうか。
 前者は「安価な入門シリーズ」のノリだったと思いますが後者は確信犯的に出された「マスコットトレインで独自世界を作ろう」という点が異なる気がします。