マイクロエース20周年記念「キハ90・91」

一昨年は鉄コレが10周年記念で秋田中央交通の電動貨車を出し、昨年はKATOが50周年記念でC50を出し、今年はTOMIXが40周年記念でC11とDD13をリリースと、ここ2,3年Nゲージ業界は記念モデルづいています。
だからという訳でもないのでしょうが、マイクロエースも20周年記念モデルをリリースしてくるとは思いませんでした。

ただこの「20周年」、しなのマイクロ吸収の時点ではない所が何とも微妙です。
DSCN8727.jpg
しかも題材が「キハ91・92の試作仕様」
通常品でDF90やらオレンジ色の9600やらをリリースするマイクロらしいと言えば言えます。

実はキハ90・91系はマイクロも「急行きそ」の仕様を既にリリースしていたばかりか、この春に何とKATOが8連のセットを出しているというモデル。
C11、DD13、静鉄A3000に続いて今度はキハ91のガチンコ勝負みたいな状態が現出しています。

ある意味マイナーの極みの様な機種でありながらこのフィーバーぶりは何でしょう(笑)

何しろ行きつけのショップの御店主ですらKATO製品の存在を知らなかった(つまりここでは誰も予約注文していなかったという事)上に今回のマイクロモデルも予約したのは私だけだったとの由。
C50やC11の時とはえらい違いです。

鉄道模型の場合ユーザーの嗜好に地域的な偏在が大きいのは半ば当たり前ですし、実際に「きそ」が運用されていた地域などではキハ91ももっとメジャーな扱いだったのではないかと思います。
それは置いておいて、

私の場合、KATO製品は知っていましたが馴染みのない機種を8両も揃える気が無かったですし、キハ90・91の試作仕様の方ならこれまた「模型と工作」の別冊で16番の工作記事を見ていましたからマイクロを選ぶ事にそう躊躇はありませんでした。
1両あたりの値段こそKATOより高いですがTOMIXのC11並みの値付けは今のお財布事情から言ってぎりぎり買えるレベルですから(ああ、貧乏くさい)
DSCN8729.jpgDSCN8732.jpg
そのマイクロ版ですが、20周年という事もあってかディテーリングには随分と気合が入っている事は実感されます。
ワイパーやらタブレットキャッチャーやらが別パーツ化され見た目の細密感は随一。
量産型とは微妙に異なる前面形状を再現したと豪語するだけあって写真で見た実車のイメージはそこそこ捉えているようです。

動力はマイクロでも最近採用のフライホイール搭載の動力だそうで、走行性は滑らかなのみならず(私が専ら中古でお付き合いしている)マイクロ動力らしからぬスローの効きの良さ!
人が小走りに走る程度の低速走行をそつなくこなします。
DSCN8731.jpg
と、そこまではいいのですが動力車の床下がマイクロ伝統の「一体成型の塊」造形のまんまなのが良くも悪くもこのメーカーらしい部分です。

DSCN8728.jpg
記念モデルという事からか2両セットなのにいつもの紙箱ではなく「編成物を納めるサイズの車両ケース」が奢られ、カラー4Pのブックレット(というかパンフレット)がおまけについてくる辺りもそれらしいと言えば言えます。
この辺りの特別仕様感もこのメーカーらしさではあります。

ここまで書くとまるで私がこの製品に悪印象を持っているかのように誤解される向きもあろうかと思いますが、上述の「マイクロらしさ」を含めてかなり好ましい印象を持っています。
車体の実車準拠のモデリングに関しては結構力の入ったモデルなのは確かで、既にKATO製品をお持ちの向きにも余裕があれば持っていても悪くはないモデルと思います。
(私の見たところでは唯一のマイナス点は上述の動力車の床下デザイン処理でここは明らかにKATOに負けています)

上記の様にこのキハ90・91は50年前の「模型と工作」で16番製作記事が出ているのでそれとの比較も近いうちに書きたいと思います。
光山鉄道管理局
HPです。

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この記事へのコメント

2017年08月06日 17:19
 マイクロエースの記念モデル、入線されたのですね。
 M車の床下モールドもそうですが、ヘッドライトよりもおでこの方向幕の方が明るく輝くというのも、同社「らしい」気がします。

 余裕があれば、私も入線させてKATOのモデルと較べてみたいのですが・・・お財布事情が許してくれそうにありません。
 (^_^;ゞ
光山市交通局
2017年08月10日 22:26
>KOUさん

返信が遅くなってすみませんでした。

 方向幕の明るさ、ステッカーを貼る前提でこうなっているのかもしれないですが、写真に撮ると確かに目立ちます。
 モデル自体の細密度はKATOとは異なる方向性が見て取れる意味でなかなか興味深いです。言ってみれば「付けられるものは何でも付けてやれ」的なお神輿感覚とでも言いましょうか。