TMSの昔と今

先日紹介した昭和20年代のTMSのはなしの続きです。
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この号と一緒に最新のTMSも買ったので、いい機会とばかりに60年前のTMSと今のそれを比べてみようかとか考えつきました。

最新号のTMSは紙質も良く厚さも当時の五倍くらいあります。まるで当時のTMSが折り込み付録にすら見えてくるくらいで。
(今思いついたのですが、1000号達成の時に創刊号の復刻を付録につけてくれないかなとか思います)
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記事のメインが読者投稿になる工作記事(レイアウト含む)なのは昔も今も変わりませんが製品紹介とレポートの記事が多いこと!これだけで20号一冊の倍くらいのボリュームがあります(笑)この60年で随分と鉄道模型の製品は増えたものです。

しかもそれらの大半は製品の紹介レベルの製品名の羅列なのですから
一方で読者や編集者のオピニオン的な記事は激減。たんに投稿者が少ないというだけではなくそうした思いや拘りを披瀝する事が(近年のネット炎上の例を見るまでもなく)難しくなってきた現状を反映している気もします。
工作記事にしても凄腕モデラーの技量は良くわかる反面、誰でも出来る工夫やテクニックの記事を見なくなったのも寂しい限り(これらの面は『RMMやN』がその役割を担っている形になっていますが・・・)

全体に最近のTMSは良くも悪くもハイブロウ化して来ている印象ですが、では今のTMSが「RMMやNで作る鉄道模型趣味の魅力を感じたビギナーの次のステップとしての受け皿」になり得ているかというと少々疑問の余地があります。
それは「ミキスト」「ヒント」「わたしの鉄道から」「鉄道模型相談室」などが消えてしまった現状とも無縁ではない気もします。

(そういえばここ10年位、わたしが本誌を手にとって真っ先に見るのが「編集者の手帳」になっているのに今気がつきました。今の本誌で一番人間臭さを感じるのがそこだからなのかもしれません)

投稿記事がメインになっているのは創刊以来のTMSの伝統みたいなものですしそのノリが現在まで続いている事は立派な事とも思うのですが、ユーザー全体の広がりを与える意味でも、ここまでの過程で一度切り捨てた部分をまた拾い上げる事がそろそろ必要になってきているのではないかという気もします。

光山鉄道管理局
HPです。


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この記事へのコメント

2017年09月15日 12:36
こんにちわです。
私は近年、気になる記事が掲載されたTMS以外を買ってません。
光山市交通局さんが言われているように、工作のヒントや、ミキストみたいな製作投稿記事意外の読んでみると、参考になったりする要素が大きかったように思います。
ネットで情報が入る事が多くなり、投稿記事は以前通りですが、その記事に興味が無ければ、買わなくなっているんです。
興味があれば、ネットで見れても、私は掲載本を買ったりします。
でも以前のように、毎号抵抗無く買う事が無くなったのはTMSならでは視線や意見が無くなったからかなぁと思います。
光山市交通局
2017年09月16日 21:46
>がおう☆さん

>興味があれば、ネットで見れても、私は掲載本を買ったりします~
 この辺りに専門誌が目指さなければならないヒントがある様な気がします。ネットで存在が分かっていても敢えて本で買いたくなる記事と言うのは難しそうですが。

 昔のTMSを読み返して思うのですが今の専門誌に求められているのは情報の羅列ではなく雑誌ゆえの「見識」ではないかと思います。
 
 ミキストはもとより前に触れた座談会やインタビュー記事(昔のTMSにはそんなのもあった)は趣味人としてのポリシーがにじみ出る場として存在感のあるものだったと思えますね。
 それらを腹に収めた上で工作技法の記事を読むと(できる出来ないはともか)一種の充実感を感じる気がします。