「駅前にデパートがある街」のはなし

 以前から紹介している駅のモジュールやターミナル駅舎のモジュール

 どれも「駅前にデパートがある」か「駅ビル自体がデパート化」したものばかりなのに気づきました(自分で作っておいてなんという鈍さか)
 新宿や池袋などは言うに及ばず大宮、福島、甲府に静岡 名古屋に岐阜に仙台とある程度以上の都市であれば駅前のデパートはつきものと言えます。
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 実際私もそう思ってモジュールに配置していた訳ですが、他の方のレイアウトなどの作例を見ていると(渋谷や博多などの実物準拠のシーナリィの物を除いて)駅前にデパートがある例は意外に少ない様です。
 (一方で駅ビル自体をデパート化したものはかなりあります)

 ここでは別に他の方が「駅前にデパートを置かない」のがおかしいという意図で書いたのではありません。
 むしろ逆に「なぜ自分は駅前にデパートを置く事に拘ったんだろう?」と言う方が主題だったりします。

 実際問題としてデパートと言う建物が相当なスペースイーターである事は間違いありません。レイアウトでリアルにこれを再現しようと思ったら畳半分位がデパートで埋まるのは必定。
 それに大抵のデパートは地下か隣接地に駐車場があるのが普通になりつつありますし、裏に回れば業者搬入口なんかも再現したくなりますから下手な駅舎以上に厄介な存在でもあります。
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 事実、うちのモジュールに据え付けた駅前百貨店はファーラーのキットの本館とTOMIXの総合ビル改造の新館を併せ持つ構造ですが、これらを合わせてもサイズ的には新岐阜百貨店(わたしがこれまで見た中では最も小さい駅デパート)よりも小さいと思います。

 それでも今回の工作ではデパートに拘った。そうまでしてなぜ?

 そこで思い当りました。

 私の故郷の「駅前にはデパートがなかった」事に。

 盛岡という所は国鉄工場や当時日本で二番目の規模の機関区が駅に隣接して配置されていて駅としては街の規模に不釣り合いなほどのスケールを誇っていました。
 ですがそれはあくまで駅それ自体の話です。
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 今でこそ駅ビルにショッピングモールが内蔵されていますし、駅の地下街は昭和40年代の時点で存在したのですが私が子供の頃の盛岡の駅前は県庁所在地とは思えない位に寂れた存在でした。
 というのも最初に駅を作った段階で市街地からかなり離れた場所の、しかも川に隔てられたロケーションだったせいか、駅前にはデパートどころかビル自体が少なかったのです。
 上記の条件もあってか駅周囲の商店街は旅行客や通勤客と言うよりも国鉄職員相手に商売していたのではないかと思える様な雰囲気でした。

 いずれにしろデパートどころではない駅前だったのは確かです(ついでに市街地から離れていたせいで道路状況も悪く狭い道路や未舗装の道路すら散見していた有様)
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 そんな駅前風景に慣れていた子供の頃の私が、仙台やら福島やらの駅前にデパートが林立する風景を見てカルチャーショックを受けるのは当然だったかもしれません。
 その恨みというかあこがれが、レイアウトに駅ビルを配置した時ごく自然に「駅前にデパートを置く」という心理につながったのではないかと思います。

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 そういえば現住地のターミナル駅にも当然の様に「駅前デパート」があります。
 初めて引っ越してきた時「ああ、駅前にデパートのある様な都会に住むのか」なんて感動したのも昔話になりました(笑)


 そういえばジオコレやジオタウンのおかげで日本型一般建造物は随分製品化されていますが、ランドマーク系ターミナル駅舎と並んで駅前デパートはなかなか製品化されませんね。
 TOMIXの総合ビルのB面とかジオタウンの大型ビルにそれっぽいのはありますが老舗感に欠けるのが残念です。


 同じ駅前で、これまたごく自然に配置が決まったのは「駅前ホテル」です。
 これについてもまたの機会に。
光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

2017年09月30日 01:14
仙台駅前のさくら野仙台店は今年突如破産して、営業を終了してしまい、いわゆる駅前デパートは消滅しました。
一方で駅ビルは大巾に拡張されて賑わっていますし、少し離れた老舗百貨店は東西線の青葉通一番町駅と直結して相変わらず盛業中ですね。
福島の中合も一部縮小したり、山形の十字屋もなくなるとかいう話です。
破産したデパートは戦後まもなく開業してから3つくらいビルをつなげてあの規模になったそうで、耐震性に問題があり、いつ解体されるかが目下の関心事ですが、それはともかく、駅前に空きビルができると夜など途端に暗くなるのは確かですね。東西線開業を機に駅前も再整備されたのに…
長文失礼しました。
光山市交通局
2017年10月02日 00:17
>ebさん

仙台駅前にはかつてエンドーもありましたね。

 エンドーには盛岡駅前店というのもあったのですがデパートと呼ぶにはあまりにもしょぼい規模でした。ただ、ビル自体はテナントを二転三転させつつ今も健在で両脇を高層ホテルに囲まれながらも「アニメイト盛岡店」として盛業中です。

 と言いますか、これまででアニメイトが一番客が入っているのではないでしょうか(笑)
2017年10月02日 05:29
 こちらの記事を拝見して、ちょっとwebをみてみましたら、地方の小規模なデパートの変転、といいますか淘汰の流れというのが想像以上に激しいことを知りました。
 地方の零細な私鉄が消えていった様子とダブって見えたのは、偶然ではないと思います。
 思えば、じぶんの地方鉄道やバスの架空の歴史にも、知らず知らず「廃止」なんて文言が入り込んでいましたが、これはある意味こういった設定にリアリティを与えるための道具立てとしては、あってもいい気がいたします。
 レイアウトの創造主としては、あこがれの街を建設するのも楽しいですよね。
 今後に期待しております。
光山市交通局
2017年10月05日 00:11
>ebさん

返信が遅くなりましてすみませんでした。

駅前では小さなビルが意外と生き残る事が多い様ですね。貸す側にしてみればできるだけ長く貸して稼ぎたい思惑もあるのでしょうし。

 ところで私の現住地では駅前の賑わいを奪っている最大の要因である郊外型のショッピングセンターが徐々にではありますが消え始めています

 これもいずれは航空母艦みたいな一部の巨大店に集約されてゆくのでしょうが、それとて一時的な現象と思いますし、公共交通機関のアクセス性に問題があるこの種の店舗が今後の少子高齢化とそれに伴う「ベッドタウンの姥捨て山化」(実は私の実家周囲がそういう状態になっています)に対応できるのか疑問は尽きません。

 最後の方は駅前デパートから脱線してしまいました。重ね重ねすみません。