ミニチュア特撮の「駅」のはなし
久しぶりの「レイアウト趣味から見る特撮映画のはなし」です。
昨年の話題作だった「シン・ゴジラ」では決戦場に東京駅が登場、そこに乗り入れている列車群の意外な使われ方と併せて非常に印象に残るものになりました。
よく考えてみると怪獣映画や特撮映画で東京駅が本格的に取り上げられたのは実質的にこれが初めてだったと思います。

映画を観終えたのはマリオンの11階でしたがそこの窓から見下ろす東京駅方面の風景はまさにたった今観終えたクライマックスシーンを髣髴とさせるものでした。
この風景を見られただけでもマリオンでこの映画を観た値打ちがあった様な気がします(笑)
そんな訳で今回は特撮映画に登場する駅に付いて思いつくままに書いてみたいと思います。
さて、ミニチュアの駅が登場する特撮物はどれだけあるものでしょうか。
古いところではゴジラ(1954)の品川駅とかラドン(1956)の西鉄ターミナル、モスラ(1960)の渋谷辺り、
比較的最近ではガメラ3の渋谷、京都駅とかが印象に残ります。

(講談社「巨大ヒーロー大全集」118Pより画像引用)
テレビではジャイアントロボの東京駅、マグマ大使の新宿駅が特に目立ちます。因みにこのミニチュアの小田急百貨店の部分は後に「宇宙猿人ゴリ」にも転用されている様です。
しかし上記の大半は「駅舎のみ」の登場であることが多く線路も含めた駅そのものの魅力をミニチュアでというコンセプトの特撮物は更に少ない気がします。
「新幹線大爆破」の浜松駅はその意味でかなり渇を癒してくれるスケール感がありますがこれも「鉄道もの」だからでしょう。

(ホビージャパン「大ゴジラ図鑑」36Pより画像引用)
上述の第一作の「ゴジラ」では品川駅構内のミニチュアが組まれていますが主の描写がゴジラに激突するEF58に費やされているので駅そのものの印象が意外に薄いのが惜しい気がします。
一方で駅舎とターミナル駅が一体化されている「空の大怪獣ラドン」の西鉄ターミナル周辺は周囲の街並みを含めてかなり雄大なセットが組まれていてクライマックスを盛り上げていますし、「モスラ」の渋谷駅周辺もそれに負けないレベルの作り込みを堪能できます。
但しモスラの場合、場面が夜でしかも停電していたという設定だったのと破壊のメインがビルに集中した事もあって実際には線路廻りをかなり作り込んでいたにもかかわらずそれらが劇中の画面にほとんど登場しなかったそうでその意味では残念な気もしますが。
この他では「ゴジラ」や「透明人間と蠅男」などで有楽町のガードが出てきますが駅と言うよりはそこに隣接している日劇周囲の作り込みがメインになっている印象です。
「妖星ゴラス」の高潮に水没する有楽町駅(?)は高架ホームと線路、打ち捨てられた電車まで表現されていますが市販のレイアウトパーツでは再現できない「微妙にカーブした屋根を持つホーム」が魅力的です。
俯瞰の見せ方もしっかり決まっていて楽しめます(何を?)
あと「世界大戦争」のクライマックスでICBMに吹き飛ばされる東京のカットの中に俯瞰で捉えた東京駅のミニチュアが登場します。こちらもホームや高架周りまで再現されたもののようですが何しろ「コマ送りしないとそれと分からない」くらい一瞬の登場です。
変わり種ながら結構本格的に見えるのが「八岐大蛇の逆襲」に登場する米子駅。実は俯瞰とアップの別々のスケールのセットが組まれています。
しかも俯瞰の奴は市販のNゲージモデルをかなり転用していたりするのですが。このふたつを使い分ける事で特撮物としては屈指の駅の破壊シーンが観られるのが興味深いです。

(ホビージャパン刊「大ウルトラマン図鑑」66Pより引用)
一方で「地底超特急西へ」の新東京駅や福岡のターミナル周辺は細密性よりも未来性を重視した造形が優先されているようです。これはこれで夢があって面白いですが意外とこういう未来性が優先された駅のミニチュアは少ないですね(強いて言えば「怪獣総進撃」に登場する地下鉄モノレールの駅舎が思いつく位ですか)
これらのミニチュアは私有のレイアウトではまず不可能なたっぷりした構内面積と線路配置を実現したものが殆ど(笑)ですのでリアルさに重点を置いた大レイアウトを志向する向きにはそれなりに参考になるのではないでしょうか。
光山鉄道管理局
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昨年の話題作だった「シン・ゴジラ」では決戦場に東京駅が登場、そこに乗り入れている列車群の意外な使われ方と併せて非常に印象に残るものになりました。
よく考えてみると怪獣映画や特撮映画で東京駅が本格的に取り上げられたのは実質的にこれが初めてだったと思います。

映画を観終えたのはマリオンの11階でしたがそこの窓から見下ろす東京駅方面の風景はまさにたった今観終えたクライマックスシーンを髣髴とさせるものでした。
この風景を見られただけでもマリオンでこの映画を観た値打ちがあった様な気がします(笑)
そんな訳で今回は特撮映画に登場する駅に付いて思いつくままに書いてみたいと思います。
さて、ミニチュアの駅が登場する特撮物はどれだけあるものでしょうか。
古いところではゴジラ(1954)の品川駅とかラドン(1956)の西鉄ターミナル、モスラ(1960)の渋谷辺り、
比較的最近ではガメラ3の渋谷、京都駅とかが印象に残ります。

(講談社「巨大ヒーロー大全集」118Pより画像引用)
テレビではジャイアントロボの東京駅、マグマ大使の新宿駅が特に目立ちます。因みにこのミニチュアの小田急百貨店の部分は後に「宇宙猿人ゴリ」にも転用されている様です。
しかし上記の大半は「駅舎のみ」の登場であることが多く線路も含めた駅そのものの魅力をミニチュアでというコンセプトの特撮物は更に少ない気がします。
「新幹線大爆破」の浜松駅はその意味でかなり渇を癒してくれるスケール感がありますがこれも「鉄道もの」だからでしょう。

(ホビージャパン「大ゴジラ図鑑」36Pより画像引用)
上述の第一作の「ゴジラ」では品川駅構内のミニチュアが組まれていますが主の描写がゴジラに激突するEF58に費やされているので駅そのものの印象が意外に薄いのが惜しい気がします。
一方で駅舎とターミナル駅が一体化されている「空の大怪獣ラドン」の西鉄ターミナル周辺は周囲の街並みを含めてかなり雄大なセットが組まれていてクライマックスを盛り上げていますし、「モスラ」の渋谷駅周辺もそれに負けないレベルの作り込みを堪能できます。
但しモスラの場合、場面が夜でしかも停電していたという設定だったのと破壊のメインがビルに集中した事もあって実際には線路廻りをかなり作り込んでいたにもかかわらずそれらが劇中の画面にほとんど登場しなかったそうでその意味では残念な気もしますが。
この他では「ゴジラ」や「透明人間と蠅男」などで有楽町のガードが出てきますが駅と言うよりはそこに隣接している日劇周囲の作り込みがメインになっている印象です。
「妖星ゴラス」の高潮に水没する有楽町駅(?)は高架ホームと線路、打ち捨てられた電車まで表現されていますが市販のレイアウトパーツでは再現できない「微妙にカーブした屋根を持つホーム」が魅力的です。
俯瞰の見せ方もしっかり決まっていて楽しめます(何を?)
あと「世界大戦争」のクライマックスでICBMに吹き飛ばされる東京のカットの中に俯瞰で捉えた東京駅のミニチュアが登場します。こちらもホームや高架周りまで再現されたもののようですが何しろ「コマ送りしないとそれと分からない」くらい一瞬の登場です。
変わり種ながら結構本格的に見えるのが「八岐大蛇の逆襲」に登場する米子駅。実は俯瞰とアップの別々のスケールのセットが組まれています。
しかも俯瞰の奴は市販のNゲージモデルをかなり転用していたりするのですが。このふたつを使い分ける事で特撮物としては屈指の駅の破壊シーンが観られるのが興味深いです。

(ホビージャパン刊「大ウルトラマン図鑑」66Pより引用)
一方で「地底超特急西へ」の新東京駅や福岡のターミナル周辺は細密性よりも未来性を重視した造形が優先されているようです。これはこれで夢があって面白いですが意外とこういう未来性が優先された駅のミニチュアは少ないですね(強いて言えば「怪獣総進撃」に登場する地下鉄モノレールの駅舎が思いつく位ですか)
これらのミニチュアは私有のレイアウトではまず不可能なたっぷりした構内面積と線路配置を実現したものが殆ど(笑)ですのでリアルさに重点を置いた大レイアウトを志向する向きにはそれなりに参考になるのではないでしょうか。
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この記事へのコメント
>「怪獣総進撃」に登場する地下鉄モノレールの駅舎
この駅で一番インパクトがあったのは「中からモスラ幼虫が出てきた」というシーンでしょう。
やはり新幹線(0系)とかが「モスラ」って呼ばれてたりしたので、こいつを列車に見立てているのかなぁ・・・
もっとも、どう見ても列車に比べてモスラ幼虫が太すぎてトンネル通れそうにないるのですがww
私もあのシーンは覚えていますが「地下鉄がモノレール化されている未来像」が結構インパクトあったりします(そもそもモノレールが地下を通る必然性って?)
何故、石原さとみが米国の代表なのかは置いておくとして、
東京駅が登場したり、新幹線や在来線を爆弾に仕立てるという発想には正直驚きました。
しかも激突した在来線は、随分高く飛び上がったようでした。
周りのビルを爆破してゴジラの動きを止めるという発想もなかなか斬新なのではないかと思いました。
しかし、妙に政治家の場面が出すぎているようで、怪獣映画としては面白みに欠けるような印象でした。
とはいっても、航空機や戦車などのミニチュアも登場して、模型好きには面白かったというのが正直なところです。
「地底超特急西へ」の新東京駅や福岡のターミナルなどは、モジュールとしては面白いですが、そのシーンに合う車両がないことがネックになるのでしょうね。
>新幹線や在来線を爆弾に仕立てるという発想~
私も映画館で仰天した口です(笑)尤も、庵野監督は20年前にテレビのエヴァンゲリオンで「DD51の重連が牽引する列車砲」を出していましたから下地はあったかと思います(爆)
そう言えば監督はNゲージのファンで家を持てたらN&16番のレイアウトを作りたいと奥方の描かれた漫画にありました。
>妙に政治家の場面が出すぎている~
実は個人的に従来の怪獣映画の盲点を突いたと思っているのがこの部分です。既に平成版ガメラで市井の人間が活躍する秀作が出てしまっているので二番煎じを避けようとする意図もあったのではないかと。
新東京駅には小田急NSE(おそらく最終話「あけてくれ!」の流用?)が出て来るので地上部分は良いですがいなずま号の代用と言うとやはりリニア位なものでしょうか。
・・・こんな事を書いているうちに「スクラッチでいなずま号のNモデルが作れないか」とか思い始める自分がいて怖いです(恥)