「モジュールレイアウトはひょっとしたら大発明だったのかもしれない」と思うこと(笑)

 変なタイトルですが最近とみに感じている事なのでご勘弁を。

 鉄道模型と言うのはライブスチームの運転などを除けば基本的にインドアな趣味です。

 中でもレイアウトは自宅に据え付けられた固定式のレイアウトが最上且つ究極の存在といえ、お座敷運転なんかも基本的にはその範疇に入る性質のものです。
 そんな運転派、レイアウト派が「テツドウモケイで外に出る機会」というのは限られますし、勢い「飾られる車両模型」の方が目立つことになります。

 ですからある時期までは「車両模型=鉄道模型」という認識が一般的であり、レイアウト派は傍流も傍流、一部の金持ち連中か余程の変わり者が家の中でこっそりやっている物と言う程度のレベルだったように思います。

 私見ですが少なくとも40年前まではそれが世界的な現状だったと思います。

 ところが40年前の1975年頃から「モジュールレイアウト」と言う概念が登場、徐々にその性格が変わり始めたと思います。
 モジュールレイアウトは一定規格のなかに線路と風景を収める形で製作され、運転に供する際にはいくつものモジュールを組み合わせる事でごく小規模な物からかなりのサイズの大レイアウトまで作れる特徴があります。
 ですが、現実にはそれ以上に「シーナリィ付のレイアウトが一般の目に触れるアウトドアに出られるようになった」点が大きかったのではないでしょうか。
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 私がモジュールに手を染めるようになったのは自前のレイアウト(もちろん、自宅から持ち出すなんて考えもしなかったのですが)を作ってからで趣味の再開から3年くらいたった時期でした。
 その時点では「入ったばかりのクラブの運転会に自分の作品を出してみる」と言う程度の認識でしたから最初のモジュールは「とにかく普通の風景を作る事」に徹したものでした。

 しかし何回か運転会を重ねてゆくうちにモジュールレイアウトに不足していた要素も見えてきて、それに対応する形でモジュールを追加していく(ついでになぜか腕がどんどん落ちてゆく)形になっていった経緯があります。
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 サブエンドレスを用意して運転会用の本線とは別に独立した路線を加えるというのはその萌芽でしたし、鉄博風モジュールもメンバーの車両の展示スペースを増やすと同時に模型としては異種規格のZゲージを組み込んだのもそうです。
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 最近では駅舎モジュールに超高層ビルを加えたのもレイアウト全体のランドマークが必要では(実は以前別のメンバーが作った「鳴門大橋」がランドマークとして機能していたのですが持ち主の遠方への転居に伴いなかなか出られなくなった事情もあったのですが)というのが直接の発想でした。
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 もちろん他のメンバーでも水の流れる滝を組み込んだり、ゴジラのモジュールが出てきたりというのもありますし、


 実はこういう人に見せるための作られ方、動機と言うのは元々の「レイアウトの製作動機」としてもかなり異質なものです。
 ですがこれはレイアウトが家から飛び出し、衆目の目に触れる(いい意味での)アトラクション的性格を持ったが故の物だと思います。

 もちろん同じモジュールでも例えばグランシップなどで拝見する凄腕モデラーの作品群の様に一歩進めて「アート」と言えるレベルと再現性とセンスを発揮している物もありますが、これにしても何らかの形で公開する前提である事は同じではないでしょうか。
 
 
 これまで固定されたルームに籠っていたレイアウトが外に飛び出し、イベントへの参加を積み重ねる事を通して「経験値を上げ、ビルダーを含めて成長する存在」にもなり得ることがようやく認識されてきた気がします。
 特に運転会を重ねると一般ギャラリーから頂く意見やヒントからレイアウトの改修の糸口をつかむこともありますし、その点ではショッピングセンターでやってもグランシップでやっても(性質の違いはあるにせよ)成長の機会をつかんだ気になります。
 これはインドアで籠っていてはなかなか得られない(ネットですら得られない「ライブ感覚」)もので随分と得る物も大きい物でした。

 その意味では良くも悪くもレイアウトのアウトドア化の扉を開いたのがモジュールレイアウトだったと言えます。
IMG_1794.jpg
 (まあ、それが行き過ぎると本人の嗜好そっちのけでギャラリーの受けしか考えないモジュールが出てくる本末転倒な危険も孕んでいるとは思いますが。私なんかの場合、今はまだ逆にマニア系ギャラリーの「ここはこうでなければいけない」的な突っ込みに言訳する事の方がはるかに多いのですが大汗)

 そういう意味で言うならモジュールレイアウトと言うのは(いまさら言うのも何ですが)まさにコロンブスの卵的な大発明だったと思います。
光山鉄道管理局
 HPです。


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この記事へのコメント

2017年12月06日 20:57
モジュールレイアウト自体はさほど古くないものだという認識はありましたが、それが鉄道模型のアウトドア化だという視点は、盲点でした。
日本Nゲージ鉄道模型工業会主催の第1回鉄道模型ショウ(のちに会場が銀座松屋になるのですが)では各社が作ったJANTRAK規格のモジュールを接続し運転したとの記述を見たことがありますが、そうなるとモジュールレイアウトがNゲージの隆盛を支えた面もあるのかとも考えられそうですね。
光山市交通局
2017年12月07日 23:35
>inuさん

 こんな事を思いつけたのも実はクラブの運転会のおかげです。

 自分の作ったレイアウトが「県境を超えた出先で運転できる」「出先で実際にレイアウトを見せあいながら他所のクラブと交流できる」というのはこれまで思いつけもしませんでした。

 それに限らず私の故郷でもモジュールレイアウトは割合盛んですし、草の根レベルでは結構な数のモジュールが作られているのではないかと思います。

 Nゲージのモジュールレイアウトが初めて紹介されたのはTMSの1975年10月号だったと記憶しています(アメリカのNTRACK規格でした)
 当時は「ああ、こういうのもあるのか」程度の認識だったのですがNゲージの普及に合わせて興隆したという側面は確かにあったと思います。